松岡阜

大阪・堂島川に架かる歩道者専用橋「中之島ガーデン2017_06_23_「そよかぜ」
ブリッジ
」中央に、松岡阜(ゆたか)の彫刻「そよかぜ」が
設置されています。行動美術協会に入っていたのかな。
甲子園の「野球王ベーブ・ルースの碑」も有名ですが、
大阪人であれば、中之島フェスティバルホールの
壁面女人像を指し示せば、嗚呼、あれを造った人か!
と伝わるはず。下部の台座には、方角と国内外の
主要都市が主要都市名が記されています。ガーデン
ブリッジは、平成2年(1990)4月1日に開催された
国際花と緑の博覧会花博 '90)」に合わせて
造られました。完成して間もない頃だったと思いますが、
梅田で終電を逃し、高速のナトリウム灯が揺れる水面を
眺めながら、ガーデンブリッジに佇んだ朧ろげな記憶……。
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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

名前を奪われた橋

中之島の橋の話を続けましょう。一体に“橋”は
2017_06_23_玉江橋
2017_06_23_常安橋

(建築)物であると同時に、その場所の名をも
表します。そのために、橋が存在しなくとも
地名だけが残るという現象がしばしば見られ、
八百八橋」と呼ばれた大阪では、その例が
著しく多いようで、心斎橋四ツ橋桜橋……
現在は架かっていない橋の名前が、ずらずらと
挙がってきます。それとは別に、橋自体は在る
のだけれど、名前が昔と異なる(昔の名前は
他の橋に奪われた)という事態も出現します。
通常は、物としての橋の名前と地名とが
セットになるはずが、同じ場所に架かっている
のに、名前を奪われるという状況ですね。
さて、堂島川に架かる「玉江橋」(画像上)は、
元禄期の堂島開発によって設けられましたが、
当初の名前は「堀江橋」。しかし、追って
元禄11年(1698)の堀江川の開削時、同名の
橋が堀江川に架けられたので、改名を余儀なく
されました。名前を譲られた堀江橋が既に無い
という歴史の皮肉を感じます。堀江橋から見て
四天王寺は南東に位置しているのですが、その昔は、
玉江橋の南に天王寺さんの五重塔が見える」と
大坂の七不思議に数え上げられていた模様。
現在の橋(上流側)は昭和4年(1929)に完成した桁橋(ゲルバー桁)。
昭和44年(1969)に嵩上げと拡幅工事(下流側)が行われています。
玉江橋を南下して、土佐堀川に架かるのが「常安橋」……ですが、
江戸時代前期までは「田辺屋橋」が先行していたようです。
「田辺三菱製薬」の源流、「田辺製薬」創業者である薬種商、田辺五兵衛
橋を架けていた同地に、中之島開拓時、大坂屈指の豪商、淀屋常安が架橋。
常安橋も玉江橋と同じく、第一次都市計画事業によって
ゲルバー式の鋼桁となり(1929)、戦後は下流側にも拡幅(1969)されました。
いずれの橋も、水管橋(?)が走る上流側と下流側の橋の間に、下方の水面が映り、
2本の橋が近接して架かっているように見え、橋の数え方について悩ましくなります。

参考記事:大阪市 橋梁顕彰碑 玉江橋
       大阪市 橋の紹介 常安橋

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

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本当にわからないのか?

2017_06_23_みおつくしプロムナード 大阪は中之島、淀屋橋北詰から栴檀木橋
 北詰にかけて、土佐堀川沿いの遊歩道を
 「みおつくしプロムナード」と呼んでいます。
 前日歩き倒したばかりの中之島へ再び足を
 運び、奇妙なループ感。6月24日(土)、
 「中之島公会堂」にて同人の月例合評会を
 行ったのでした。合評作品と関係が無い
 といえば無いのですけれども、某短歌誌
 5月号の特集「わからない歌の対処法」が
 頭の中にぐるぐる、ぐるぐる居座っていて。
細かい議論は煩瑣にわたるので、別な機会に譲るとして、ぼく個人は「わからない」
というレッテル貼りをして、黙して語らずといった姿勢は取りたくないと願っています。
ぼく個人がよく「わからない」と切り捨てられ、黙殺されるのは慣れているにせよ、
他人に対してぼく自身が同じやり方でやり返すことはしないし、面白くも何ともないし。
考えるに、「わからない」が「わからないけど、理解したいから、説明が欲しい」ならば
次につながる、救いがある、と。対して、「わからない」が「わからないし、わかりたくも
ない。興味も関心も無いから、それ以上の贅言は不要」というのであれば、単なる
思考放棄だし、狭量な宗匠ぶったポーズに過ぎず、相手にする時間がもったいなくて。
共感やら情緒の混濁化を一途に求める人らは、単一な価値観を奉じがちなので注意。
「人間」、「生活」、「幸福」……無自覚な文化ヘゲモニーの押し付けは迷惑極まり無し。

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 同人

中之島の橋


2017_06_23_淀屋橋
2017_06_23_小説「泥の河」舞台の地
2017_06_23_堂島大橋
 大阪市北区の街歩きイベント「北区ぶらぶら
 2017 小さな旅に出かけよう
」の第3回
 「なにわ八百八橋」に参加いたしましたのは
 6月23日(金)。これまでも2015年「北区ぶら
 ぶら~WINTER~」(1月23日、2月3日)に
 参加してきましたが、その後、抽選に漏れて
 ばかりで、久しぶりに当選した格好です。
 当日は9時50分、大阪市役所の南西角、
 「みおつくしプロムナード」に集合。
 淀屋橋(画像左上)に始まり、中之島の橋の
 周辺を巡りつつ、史跡などの解説を聴きます。
 橋自体の建築的な話は内容が薄いかも。
 上天気過ぎて、日に焼け、顔がひりひりして
 困りました。堂島川に沿って西進し、中之島
 ガーデンブリッジ
、堂島米市場跡記念碑、
 渡辺橋田蓑橋蛸の松、福沢諭吉誕生地
 ……玉江橋近くの大阪大学中之島センターで
 休憩。土佐堀川を常安橋から渡ると、長州
 萩藩蔵屋敷跡、大村益次郎寓居跡、薩摩藩
 蔵屋敷(上屋敷)跡を見物しながら、湊橋
 南詰まで足を延ばしました。ひっそりと文学碑
 「小説『泥の河』舞台の地(画像左中)も建って
 います。しかし、以前の「北区ぶらぶら(近松を
 歩く)」でのボランティア・ガイドにも感じたこと
 ですが、基本的な古典作品『曽根崎心中』
 『泥の河』などは一読しておいてほしいなあ。
 湊橋の袂から見て、昭和橋端建蔵橋
 上船津橋船津橋がどれかわからず、混乱
 していたガイド役の人に教えてあげました。
確かに、昭和橋は土佐堀川の終端部、木津川に架かっているし、中之島の西端に
ちょこっとだけ掛かっている端建蔵橋と船津橋は連なって見えないこともないし、
ややこしくはあるのです。湊橋を渡った後、上船津橋の南詰から堂島川沿いに東進。
堂島大橋(画像左下)まで来ると、「大阪国際会議場グランキューブ大阪)」で
アンケートに回答。正午頃の解散となりましたが、単独で中之島の橋巡りをもう少々。

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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡 小説 呑む

DVD付き紫雨

未発表曲「Moonbeam Levels」だけのために、
『4EVER』を入手したぼくですもの……。
アルバム『Purple Rain』はそれほど好きでない
(他のアルバムと比較して、相対的にという意味で)
と、うそぶきつつも、CDだけで各種、手元に持っていますし、
中にはゴールドCDなんて、コレクター・アイテムもあるところに、
生前から準備されており、殿下本人の監修の下、Paisley Park
スタジオにてオリジナル・マスターからリマスターされた音源を収録
云々とあれば、一周忌法要の気分で購入してしまいますよ。うん。
狙いはひたすら、Disc 2 の未発表レア曲なのですけれども。
ほぼ既知のDisc 3 には食指は動かないのですが、Disc 4 のDVDが
ちょっと欲しくなっているので、『EXPANDED EDITION』の方を入手予定。
DVDに収録されているライブ映像「Prince And The Revolution Live
at the Carrier Dome, Syracuse, NY, March 30, 1985
」ですが、
往時はビデオ(VHS)で流通していて、ただDVD化がされていなかったように記憶。
殿下の映像作品で、いくつかDVD化されていない物の一つとなりますね。
VHSは規格として終わるなあ、とぼくは先手を打ったつもりで、殿下の映像作品も
別規格のメディアで収集しており、現在もきちんと保存はしていますけどねえ
……それが、無意味にLPサイズのLD(レーザー・ディスク)だったという。

参考記事:DVD付きはオンライン限定10%オフ!プリンス(Prince)『パープル・レイン DELUXE』

テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音

聚香園

近場に美味しい中華料理店が在るのは、とても2017_06_20_聚香園
良いこと。大阪・中津(地下鉄・御堂筋線)では、
吉祥楼」を押さえていたつもりでしたが、
そちらが北京料理であったのに対して、今回、
利用した「聚香園」は台湾料理の流れです。
以前から店の前を通るたび、仕出しも行って
いるようだなと目をつけていたのですが、普通に
どれもリーズナブルで、かつ、美味しいです。
夜のビール・セット(980円)が、飲み物1杯に
加えて料理2品。当然の如く台湾風冷や奴
オーダーし、追加で各種料理を試してみます。餃子類にインパクトは感じられません
でしたが、何てことのない野菜の炒め物などが、不思議と旨くて感心することしきり。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む 豆腐

第34回 文楽鑑賞教室

2017_06_20_仮名手本忠臣蔵 6月20日(火)、大阪・日本橋の「国立文楽
 劇場
」へ出掛け、「第34回 文楽鑑賞教室」を
 鑑賞しました。14時開演ですが、30分前には
 連絡するようにお願いされていて、間に合えば
 いいさと高を括っていたらば、かなりの満席で
 少々焦りましたよ。「鑑賞教室」だけあって、
 どこかの小学生らの団体が大挙して襲来して
 いたようです。一旦、席につけば、焦らず、
 騒がず、するが焼(元祖栗どら焼き)を摘まみ、
 舞台に見入り、人形浄瑠璃に耳を傾けます。
最初の演目は「二人禿(ににんかむろ)」……季節的にどうなの?と戸惑いこそすれ、
あっさりと陽気に、短めに終わるので、イントロダクションとしては上々なのかも。
その後、太夫・三味線弾き・人形遣いの技芸員による解説「文楽へようこそ」が
行われましたが、文楽の“基礎”について、頭では十分に理解できてきた気がします。
10分間の休憩を挟んで、いよいよ、「仮名手本忠臣蔵」の始まりです。
下馬先進物の段/殿中刃傷の段/塩冶(えんや)判官切腹の段/城明渡しの段
――今回は上記を上演。切腹の段から城明渡しの段にかけて幕間は無し。
なかなかにドラマティックな演出で、ぼくは好きです。大星由良助の溜めの演技。
また、遠くが見えないぼくは、眼鏡を外すと、顔世(かおよ)御前(=判官の妻)が
どうしようもなくリアルな別嬪に映ってしまうことに驚愕。そりゃ、高師直(もろのお)
横恋慕してしまうでしょうよ、と。殿中刃傷の段で、その高師直の判官の罵倒ぶりは
黒い哄笑が抑え切れぬほどに面白くて、豊竹睦太夫の悪役ぶりに心酔しました。
 「貴様もちょうどその鮒と同じこと。鮒よ鮒よ、鮒だ鮒だ、鮒侍だ
原郷右衛門の主遣い、吉田玉勢の顔を覚えていたことでも、ちょっと嬉しくなり……
ずっと昔から興味はあったのだから、もっと早くに、文楽に親しめば良かったなあ。

テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽

淀川改修紀功碑

大阪市北区の毛馬閘門を訪ねた折、以前(ちょっと2017_06_13_淀川改修紀功碑
調べてみたらば、2008年6月21日でした)も目にして
撮影した「淀川改修紀功碑」に再会し、懐かしくなって
しまいましたが、今回も相変わらず慰霊塔かと思い違い、
案内板の文字「基標」を「墓標」と読み違えることすら、
前回と全く同じ失態。進歩の無い己の有り様に、ほとほと
呆れ果ててしまったことです。明治29年(1896)に開始
された淀川改修工事は、概ね同42年(1909)に終了。
それを記念して建てられたのが、この紀功碑となります。
高さが10.6m。旧毛馬洗堰旧毛馬第一閘門を含む
一帯の「旧淀川分流施設」は平成20年(2008)、国の
重要文化財に指定されています。紀功碑の周りにも、
毛馬北向地蔵、毛馬の残念石旧毛馬基標など、
微妙に気になる物件がちらほら散在しているのでありました。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡 仏像

一等水準点

2017_06_16_一等水準点(第230号) 「大阪歴史博物館」からの帰途、「大阪合同
 庁舎第4号館
」玄関脇、アオキの植え込みの
 下に、「一等水準点第230号)」を発見。
 間重富の特集展示から、観測・測量機器~
 地図のことなどを思い浮かべていたせいで、
 目に留まったのかしら。水準点とは、「土地の
 高さを測定する場合の基準を与える標識

 で、全国の主要道に沿って約2kmごとに設置
 されています。慎ましやかな存在が愛らしく、
 「點」に「四つ点」が付く旧字「点」が素敵です。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 地図

『美しい星』再読

映画を見たことをきっかけに、原作となる同名作も文庫本で再読しました。
三島由紀夫の『美しい星』ですが、小説と映画作品との異同(主に
人物相関図の面から)についてメモ。主人公となる大杉重一郎
の一男一女から成る一家は、各人が宇宙人として覚醒していきますが、
映画でも小説でも同じく、重一郎=火星人、長男・一雄=水星人、
長女・暁子=金星人として扱われているのに対して、妻・伊余子だけは
原作での木星人が映画では“地球人”として設定されていました。
元から地球人ですから、地球人として特に覚醒するシーンはなく、
“水ビジネス”に嵌まっていくだけでしたねえ。ただ、小説の方でも
木星人ながら、政治に走る水星人、金星人とは違って、極めて中庸で
地球人に近い性格付けなので、キャラクターに大きな変更がある訳ではないです。
(そうなると、火星人は良かれ悪しかれ、ヒューマニズムを担う“文学”担当だったのでしょうか?)
映像内では謎の弁護士秘書、陰のフィクサーだった黒木克己が、小説内だと
「閣僚には入っていないが首相の椅子を狙っている高名な政治家」として、
完全に表の世界に突出した存在です。重一郎と対になり、年齢も2、3歳違い。
映画でドストエフスキー大審問官」風の重厚な問答を熱く遣り取りした
重一郎と黒木ですが、小説で重一郎と激突するのは、仙台市の大学の
万年助教授・羽黒真澄を中心とする3人組でした。地球や人類の救済に
心を悩ませる重一郎に対し、「地球をぶっこわす」ことを夢想する羽黒一派は
白鳥座六十一番星の未知の惑星”からやって来たという申告です。
羽黒一派は黒木に接近して、黒木の謎めいた立ち位置に変わりはありませんが、
映画ほど、“宇宙人”性は濃厚でありません。おそらく、原作の羽黒一派をばっさり
カットした時点で、重一郎に立ち塞がる役柄を羽黒から肩代わりさせられたと同時に、
白鳥座云々の“宇宙人”性――地球人ではないが、重一郎とは対極の思想を持つ
存在――をも付与されたものと思われます。リリー・フランキー演じる重一郎が
しつこいまでに連呼していた「太陽系連合」の名称は、原作に登場していません。
重一郎らが宇宙人であるにせよ、太陽系内惑星の住人であれば、「太陽系連合」は
畢竟“家族”の言い換えに過ぎず、映画のストーリーでも“家族の再生”を丁寧に
描出していたのが印象的でした。反して、原作内で重一郎が組織した運動の名は
宇宙友邦会」……「友邦」=UFO……(べたな洒落には触れないとしても)安直な
ヒューマニズムより、いまだ確かめられざるものへのロマンが若干勝って感じられます。

参考文献:三島由紀夫『美しい星』(新潮文庫)

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ジャンル : 小説・文学

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ぽか

Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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