2013年の豆腐製造許可施設数

厚生労働省が毎年公表する「衛生行政報告例」から、全国の豆腐製造許可施設数を地図に示した。2013年3月末現在の豆腐製造業の施設数は9,059。前年から489の減少で、3年連続で1万施設を割り、9,000を割るのも時間の問題のようだ。



この製造許可施設数については製造許可を受けた延べ数であり、1企業が複数の施設を所有する場合は複数加算されるため、全国の豆腐製造業者数は9,059以下。ちなみに、年度中の新規営業許可施設数は前年を27下回る186で、廃業施設数(年度中)は前年より96減らして676となっている。

現在の「衛生行政報告例」に該当する資料の最も古いデータでは、戦前の昭和18年度(1943)が4万7,911、戦後の岩戸景気のさなか、昭和35年度(1960)の5万1,596をピークに、昭和46年度(1971)に4万を割り、昭和54年度(1979)に3万を切った。2万を切ったのは平成5年度(1993)のことである。そして平成22年度(2011)に5けたを割った。

営業許可施設数そのものの多寡を見ると、最多は東京で854施設。以下、(2)大阪=443施設、(3)埼玉=411施設、(4)千葉=333施設、(5)神奈川=325施設、(6)北海道=309施設、(7)茨城=275施設、(8)兵庫=267施設、(9)鹿児島=255施設、(10)福岡=246施設──の順。最少は山梨で68施設しかない。

都道府県別に施設数の増減を見ると、2施設だけ増やした奈良を除いた全都道府県で減少に至っている。19都道府県が2けた減となり、最多は母数そのものも大きい東京で63施設減。次いで神奈川(31施設減)、大阪(25施設減)、埼玉(24施設減)、千葉(同減)、兵庫(23施設減)──などとなっている。減少率の方で計算してみると、最大下げ幅は山口の10.48%で、唯一の2けた減。次いで神奈川、富山、宮崎の3県が8%台の減少率で続く結果となった。

ちなみに、政令指定都市20市と中核市41市の豆腐製造許可施設数も公表されており、2013年から中核市に大阪・豊中市が加わり、中核市だった熊本市が政令指定都市に入っている。この61市で比較してみると、(東京都区部は含まれないため)大阪の191施設が最多。続いて、京都の149施設、横浜の114施設と以上3市が3けたをキープしている。
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近年の豆腐価格の推移

総務省統計局の「家計調査」から、近年の豆腐についての1世帯(2人以上の世帯)当たりの購入頻度、支出金額、購入数量、平均価格、購入世帯数をにまとめた。家計調査の結果は、よく一般紙などでも取り上げられているが、その数値は主に支出金額だけであることが多い。訳知り顔で「豆腐の家計支出金額が減った」という結果を「豆腐を食べなくなった」と直結させがちな御仁もいるのだが、本当にそうなのだろうか? 食生活の欧米化、核家族化による孤食・個食の浸透など、豆腐が食べられなくなった理由を挙げるのはたやすいが、もう一度、本当にそうなのか問うてみよう。

2012年の家計支出金額を十年前(2002)年と比較すると、大幅に減少して、1世帯当たり5,614円。十年前より1,000円以上も支出金額を減ってしまった。さらに、購入頻度も2002年比で12.5%減。豆腐を買いに行く回数が減っている。豆腐の購入量も減ったではないか!と考えてしまうのは早計で、まとめ買いなど、買い物のスタイルが変われば、頻度も減る。ましてや、十年前より、豆腐の日持ちが向上しているのは間違いない環境であってみれば……それが証拠に、購入世帯数は十年前よりわずかに(2.2%)減少しているだけであり、購入数量に至っては、やや(3.7%)増加しているのである。

統計データ上、支出金額の減少の原因は明らかである。豆腐1丁当たりの平均価格の減少だ。2012年の豆腐1丁は十年前と比べて、大幅(22.5%)減となる71.82円。20円以上も下がっている結果をどう見るか? ただし「小売物価統計調査」と異なり、家計調査では、品質などが一定の豆腐を定点観測している訳ではないので、対象世帯の家計の行動の変化が、豆腐そのものの価格が下落したためか、あるいは、より価格の安い豆腐を購入するようになったためなのか──その実態まではわからない。

しかし、豆腐の購入金額が減ったのは「豆腐を食べなくなったから」と言うより、むしろ、消費者が「安い豆腐を買うようになった」とみるべきだろう。そこで、次に出てくる問題は「消費者が安い豆腐しか買わない」と言い切ってよいものなのかどうか。一方で「安い豆腐が出回っているから買っているだけ」という消費者も少なくなくはないだろうか。

豆腐201311

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2012年、豆腐の購入状況

2012年の一般家庭(1世帯当たり)における豆腐の購入状況、価格や重量について、全国平均、地方別、51市別(都道府県庁所在市に川崎、浜松、堺、北九州を加えた)ににまとめた。調査項目7つのうち、支出金額、購入頻度、購入数量と1丁の平均価格は、総務省が家計調査の結果から。100グラム当たり価格の都道府県庁所在市別データは、同省の小売物価統計調査(動向編)の結果から。その他の数値は、弊紙の推算による。

1世帯当たりの豆腐の支出金額は、地方別で、沖縄が7,386円で5年連続の首位。8,000円を割って2年目だが、唯一の7,000円台をキープ。都市別では、盛岡が2連覇のみならず、単独の8,000台となる8, 131円を記録。購入頻度では、地方別の最多を四国が54.53回で記録。最少は北海道の39.67回。一年が約52週であることを考えれば、1世帯で週1回以上豆腐を購入しているのは、東北、四国の2地方しかない勘定になる。都市別の購入頻度でも最多は盛岡で、68.01回という回数は他市を圧倒。豆腐を週1回以上購入したのは、徳島、松江、鳥取などを含め、計11市。

1世帯当たり購入数量については、地方別トップが東北の89.33丁。最少は北海道の54.53丁。次いで少ないのは沖縄の57.36丁だが、「島豆腐」のように大ぶりな豆腐の存在が背景にある。都市別では、やはり盛岡が最多105.51丁で他市を圧している。次点の浜松(104.27丁)と計2市が100丁の大台。弊紙独自の推計による1世帯当たりの豆腐の購入重量の全国平均は、前年比0. 81%増の23.30キログラムだった。都市別では、大幅増の津が38.42キログラムで最重量を記録。

豆腐1丁当たりの全国平均価格は前年比3. 67%減の71. 82円。地方別に見ると、沖縄が量目に見合う値を付けているのか、他とけた違いの平均価格(128.77円)を挙げた。次点の四国が90.93円、次々点の北海道が80.07円。最低価格は北陸の61.42円で、沖縄の半額以下。都市別の最高価格も那覇で、125.10円と唯一の100円台。100グラム当たり全国平均価格は、前年比2.68%減の24.10円。豆腐1丁を300グラムとすれば72.30円。地方別の最高価格は沖縄の32.77円、最低価格は九州の18.03円。都市別最高価格は鳥取の33.00円。

1丁の全国平均重量は298.04グラム。わずかとは言え、300グラムを切った。地方別では、沖縄が順当に最大重量の392.96グラムを記録。都市別は津の552.39グラムがトップ。次点の佐賀(539.54グラム)までが500グラム台。他方、富山、金沢、浜松の3市が200グラムを割った。



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八杯豆腐

前回、「三杯もの」(2013年8月 「台湾の三杯もの」参照)を取り上げたからという訳でもないが、今回は八杯豆腐について。この春、期間限定だが、奈良・葛城地域の郷土料理「八杯豆腐」がJR奈良駅構内の県営アンテナショップで販売されていた。細長く切った奈良県産の豆腐と吉野葛を使用し、汁にとろみを付けていた。「八杯」とは、水4、醤油2、酒2の割合で味付けされることが由来とされている。葛城地域だけでなく、全国的にも親しまれている郷土の総菜、と言われれば、『豆腐百珍』を想起される方も少なくないだろう。

江戸時代に出版された豆腐料理の指南書、何必醇『豆腐百珍』では「妙品」として「真の八杯豆腐」が挙げられている。福田浩氏の訳を引用する──。

絹ごしのすくい豆腐を用い、水六杯と酒一杯をよく煮返した後、醤油一杯を足し、さらによく煮返し、豆腐を入れる。煮かげんは、湯やっこのようにする。おろし大根を置く。

『デジタル大辞泉』でも八杯豆腐の定義は「薄く細長く切った豆腐を、水4杯・醤油2杯・酒2杯の割合の汁で煮て、葛を加えた料理。うどん豆腐」とされ、このレシピは葛城地方で復活させた八杯豆腐とも共通するが、『豆腐百珍』の場合、母分の“8”に基づく「八杯」は共通するとはいえ、水・酒・醤油の配合比率が異なるようだ。これは地域性なのか。それとも時代性によるものだろうか? 

説明文中、「湯やっこのようにする」とある、その湯やっこの煮加減は同書の「絶品」で触れられている。

葛湯を湯玉のたつほど煮たたせ、豆腐を一人分入れ、蓋をせず、見ていて少し動いてまさに浮きあがろうとするところをすくいあげ、器に盛る。浮きあがってしまっては煮すぎである。その塩梅は一瞬である。もちろん、器は温めておかなければならない。

参考文献:福田浩、松藤庄平、杉本伸子『豆腐百珍』(新潮社)

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台湾の三杯もの

言語表現や映像、音声、都市にまつわる批評活動を精力的に続ける四方田犬彦氏は、世界各国の食にも造詣が深く、いくつかの料理論を著している。四方田氏が台湾料理を構成する独自の要素として挙げる3つの味付け(食材、料理)――滷味(ルゥウェイ)、九層塔(ガオザンダー。北京語ではチュウツォンター)、〓仔煎(オーアーチェン)は、台湾のどこの街角でも入手できるというが、中でも九層塔の活躍する料理「三杯(サンペイ)もの」には、豆腐を用いることもあるらしい。

説明を加えると、まず滷味。「滷」の漢字には「にがり」の意味もあるのだが、ここでは醤油と酒、砂糖に桂皮や八角、陳皮、生姜といった香料を加えて煮込んだタレの風味を指す。このタレ、滷水(ルゥシュエイ)には、砂糖や五香粉、場合によっては米酒を加えることもあるとか。台湾の大衆食堂の店先に並ぶ牛の胃袋や鶏の肝臓、豚の子袋といった内臓類は、滷味で煮込まれている。〓仔煎は、一言で言うと牡蠣を使ったオムレツのこと。

さて、注目の九層塔は、英語で「Taiwanese basil」と呼ばれる。ドクダミに似た尖った葉を持ち、バジリコ(バジル)をいくぶん苦くしたような独特の風味のハーブ。台湾料理に欠かせない貴重な脇役だが、特に「三杯もの」を彩る食材だ。作り方は中華鍋を熱し、胡麻油を垂らす。鍋底に大蒜と生姜を敷き詰め、強火にして、ぶつ切りの鶏肉を入れる。米酒を振りかけ、若干の砂糖を加え、醤油を回し入れる。弱火にして十分に火が通り、汁気が半分ほどになったところで、九層塔を大量に投入し、鍋にふたをして、とろ火で気長に待つ。「三杯」の名は、3種類の液体(胡麻油、米酒、醤油)を用いることに由来する。

三杯ものに使用する肉は鶏に限らず、四方田氏が台湾で通っていた屋台では、よく兎が供されたという。もちろん、豆腐の出番もある。「ちなみに三杯ものは何も肉でなければいけない理由はないのであって、水気を絞った豆腐を用いたものもまた美味であったことを、付記しておきたい。おそらくこの料理で用いる香辛料を少し組み替え、火の使い方を少しずらしたところに、沖縄のチャンプルーが位置しているのではないだろうか」と、興味深い指摘もなされている。

※「〓」は「虫」偏+「可」

参考文献:四方田犬彦『ひと皿の記憶』(ちくま文庫)

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京豆腐の地力

イメージ先行で「やっぱり京都の豆腐は凄い」と羨まれることの多い古都・京都だけれど、果たして、その実態は? 統計データを駆使して、その実像に迫ってみた。

統計局の「家計調査」結果から過去10年の豆腐1丁当たりの平均価格を抽出し、一年当たりの平均価格を算出したのが表1である。既に、平均価格の高い順に並べ替えてあり、都道府県庁所在市47市のうち、堂々の3位に位置している。1丁当たり100円を超えているのも、那覇、神戸、京都の3市のみ。磐石のトップを固めるのは那覇だが、島豆腐に代表されるように、豆腐の量目が並外れて大きい地域性を考慮すれば、1丁当たり平均価格が高額であるのも素直にうなずかれよう。2位につけているのは神戸だが、こちらは実際データに当たるまで想定外だった(あくまで推測だが、神戸の豆腐の量目も大きめの部類に入るのかもしれない……)。

ともあれ、京都の平均的な家庭で購入される豆腐の1丁当たりの平均価格は100円オーバーで、全国トップ・クラスであると誇ってよい。不当に安い豆腐は食べないよ、という京都人の矜持の表れとも見えるが、近年、周辺地域から押し寄せてきた価格競争の波に大きく揺れてはいる。実際、2012年だけで見ると、京都は高額7位にランクを下げていた。

「家計調査」を離れ、次は厚生労働省の公表する「衛生行政報告例」を見てみよう。こちらの最新データは2012年3月末現在で、都道府県別以外に、政令指定都市19市、中核市41市の計60市の豆腐製造営業許可施設数も明かされている。政令指定都市に京都も無論含まれ、この60市の施設数を精査してみた。1施設当たりの世帯数、人口を算出し、1施設のカバーしている人口の少ない順に並べ替えたのが表2である。

「衛生行政報告例」が取り上げる施設数とは、保健所に営業許可を求める豆腐製造に携わる者の数、いわゆる「町の豆腐屋」がメイン。その1施設でカバーする人口(ならびに世帯数)が2番目に少ないのが京都に当たる。最低だった郡山市は総施設数(38)そのものが少なく、京都とは比較にならない。京都は都道府県庁所在市に限れば、1施設当たりの人口および世帯数が最も少ない市ということになる。地域に密着した町店が集中していると言える(京都ほどではないが、大阪も同様)。2万人超の人口をカバーする豆腐製造施設を擁する政令指定都市・中核市が大半を占める中、京都の豆腐屋の地元に密着する姿勢には、目を見張るものがある。地域に密着した京都の豆腐の底力である。

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近年の豆腐購入数量

先日、某テレビ局から「京都の豆腐の消費量は減少しているのか?」との問い合わせを受けた。即答を避け、調査のための時間を貰い、統計資料に当たってみるのだが、信頼すべきデータで消費量に関連するものとしては、総務省統計局の「家計調査」しか思い当たらない。豆腐については、毎月〜毎年の1世帯当たり支出金額、購入数量、1丁当たり平均価格、100世帯当たり購入頻度、購入世帯数(1万分比)が公表されている。核家族化の進行により、世帯数が増えているとはいえ、1世帯当たりの購入数量をたどってみれば、消費量の増減について、何らかの推計を用意できるだろうと考えた。

電話を入れてきたテレビ局の担当者としては、食の洋風化などにより、豆腐の消費量は減少しているだろうとあらかじめ想定していたふうだが、ある意味、意外な結果が出た。「家計調査」の結果は、対象とする世帯の種類別に公表されているが、参照したのは2人以上の(全)世帯、勤労者世帯を含むものである。平成12年(2000)から平成24年(2012)までの1世帯当たり購入数量について、全国、近畿地方、京都市の数値を抽出して、にまとめた。わかりやすく、折れ線グラフも作成してみる。

製表した13年間の平均を取ると、1世帯当たりの豆腐の購入数量は、全国で75.30丁、近畿で72.34丁、京都で66.73丁という計算になる。古来、多数の寺社が存し、著名な湯豆腐店もあまたの京都(および近畿)の購入数量が全国平均を下回っているのも意外だが、近年、多少のアップダウンがあるにせよ、これでは減少傾向にあると言い切れまい。何より平均価格(単価)の下落、それに伴う支出金額の減少が、豆腐の購入数量までも減少しているような思い込みを与えているのではないか――と考えさせられる統計データである。



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Talk About Tofu in English(3)

豆腐について英語で語ろうという試みも、今回で一段落。日本における豆腐の位置付け、豆腐の製法に関する英語での表現を見てきたところで、豆腐の歴史のアウトラインを英語で説明してみよう。

Tofu came to Japan from China in the 8th century. Later, in the 13th century, Buddhist prohibition on meat-eating gave rise to vegetarian cooking, and tofu became an essential ingredient. Monks considered tofu as their primary source of protein and invented many tofu dishes.

「豆腐は、奈良時代に中国から日本に伝わりました」とするのは、奈良・春日大社の神主の日記に「春近唐符一種」との表記が見られることを踏まえて。その後、大胆な英訳を行う。日本文化にまつわる語句を一言一句、直訳したのでは、欧米圏の相手に伝わりづらい。そこで「奈良時代」「鎌倉時代」を思い切って8世紀、13世紀と置き換えた。同様の意図から、「精進料理」も「菜食主義者向けの料理」と意訳している。

In the 18th century, Tofu-Hyakuchin, a book containing 100 tofu recipes was published. It popularized tofu cuisine among the masses.

「江戸時代中期には、100種類の豆腐料理を紹介した『豆腐百珍』が出版されて、庶民の間で大人気となりました」と言いたいが、「江戸時代中期」も18世紀に置換。

Tofu is light in flavour and blends in nicely with other ingredient. Many tofu recipes have been developed over the centuries, and tofu remains a key element of Japanese cuisine today.

まとめに入るが、直訳すると、豆腐は風味においてライトで、他の食材と良く調和する――となる。隠元禅師の「豆腐賛」などを念頭に置いての表現だろう。「cuisine」は「ある地域に特有の料理」で、ここでは「日本料理」に当たる。

参考文献:『トラッドジャパン September, 2012』(NHK出版)

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Talk About Tofu in English(2)

引き続き、豆腐について英語で語ろう。

Tofu spoils quickly, so a new batch is made at local tofu shops every morning.

豆腐の特性によって、(従来の)豆腐業の在り方が規定されていることを簡潔に示唆している一文が「豆腐は日持ちがしないので、地元のお店では毎朝豆腐作りが行われます」。日本語化した「ローカル」と異なり、英語の「local」は「田舎の」という意味を持たない。「地元の」「その地域限定の」を指す。元来、豆腐は製造時からの消費期限が差し迫っていたからこそ、日本の津々浦々で、地域に密着した食品たり得た。

「batch」はそのままの「バッチ」で業界でも使用されているが、パンや陶器などを焼く場合の1窯分、「1回分」の意味。豆腐の場合にもぴったり。製造時の最小製造単位や卸売りの最小販売数の「1回分」ならば、ロット(lot)を使う。また例文では、「日持ちがしない」を意訳して「悪くなる」「傷む」意の「spoil」という単語を使っている。

First soybeans that have been soaked in Water overnight are mechanically mashed. Then they’re cooked in a boiler. The liquid extracted when boiled soybeans squeezed is soy milk. Nigari, the liquid residue from the process of removing salt from seawater, is then added as a coagulant. The soy milk solidifies and becomes tofu.

豆腐の製造工程(大豆の浸漬・磨砕、煮沸、豆乳の搾り、凝固)を5文で表現。「まず、水に浸して一晩寝かせた大豆を機械ですりつぶします。さらにボイラーで煮ます。煮た大豆を搾って出る液体が“豆乳”です。ここに、海水から塩分を取り除いてできた“にがり”という液体を加えると、凝固して豆腐が出来上がります」と極めて明快。凝固剤(coagulant)のにがりは、海水から塩を採る過程での残留物(residue)と説明している。注意すべきは、日本語「クッキング」が料理全般を指すのに対し、英語の「cook」は「煮る」「焼く」「炊く」「揚げる」など、熱(火)を用いての料理に限る。

参考文献:『トラッドジャパン September, 2012』(NHK出版)

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Talk About Tofu in English(1)

グラインダー(摩砕機)、ストレーナー(濾過器)、ドレン……など機械関連で、日常的に用いられている英語は数多い。グローバル化が進展し、小学校での英語教育も必修になっている昨今、日本の伝統文化であっても、それを英語で伝えることはより重要度を増してくるだろう。そこで、英語圏の人たちに豆腐のことを説明する際、非常に便利な“使える”単語や表現をピックアップしてみよう。

The significance of tofu in the Japanese diet has not changed a bit.

最初にがつんと訴えておきたい表現で、「豆腐が日本の大事な食材であることは変わりません」。外来語として定着している「ダイエット」だが、単に健康や美容のために行う食事制限を指すばかりでなく、「日常食」という意味合いも持っている。だから「the Japanese diet」というと、「日本人の常食」「日本型食生活」のような意味になる。

Tofu is made from soybeans. It’s nutritious and has long been an important source of protein for the Japanese.

続いて豆腐の製法。「豆腐は大豆から作られます。栄養が豊富で、長い間日本人の大切なたんぱく源となってきました」。「nutritious」は「栄養に富んだ」、「protein」はたんぱく質のことで、こちらは外来語として定着した観もある。

Our popular summertime dish is hiyayakko.

「夏に人気の豆腐料理に冷や奴があります」。「皿」が原義である「dish」は、ひと皿に盛られた一品料理の意味。対して、「food」は食べ物一般を表す。例えば、frozen foods(冷凍食品)、processed foods(加工食品)、natural foods(自然)、organic foods(有機食品)、fermented foods(発酵食品)――など。冷や奴には薬味(condiment)を載せ、醤油(soy sauce)をかける。湯豆腐には、醤油ベースの(soy-based)たれ(dip)で頂くのが一般的だろうか。

参考文献:『トラッドジャパン September, 2012』(NHK出版)

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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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