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★ 2022年11月に読んだ本 ★

藤木健『聞くスキル 聞き出すスキル』(リックテレコム)……実は読書会のテクスト。
司馬遼太郎『アームストロング砲』(講談社文庫)……表題作の他、「薩摩浄福寺党」、
 「倉敷の若旦那」、「五条陣屋」、「壬生狂言の夜」、「侠客万助珍談」、「斬っては
 みたが」、「大夫殿坂」、「理心流異聞」を所収。「侠客万助珍談」のモデルは、
 小林佐兵衛(明石屋万吉)。『俄 ―浪華遊侠伝―』で満足しているので、それ
 以上でも何でもなく。「アームストロング砲」は、鍋島直正閑叟)への取っ掛かり。
川端康成『美しい日本の私』(角川ソフィア文庫)
菊池寛『恩讐の彼方に・忠直卿行状記』(岩波文庫)
 ……「三浦右衛門の最後」、「忠直卿行状記」、「恩讐の彼方に」、「藤十郎の恋」、
 「形」、「名君」、「蘭学事始」、「入れ札」、「俊寛」、「頸縊り上人」を所収。
 角の取れた芥川龍之介という印象。「恩讐の彼方に」は『エル・トポ』後半の元ネタ。
  「藤十郎の恋」は唯美主義を描いた教科書的な作品。今回手に取った目的は
  「忠直卿行状記」で、越前藩主・松平忠直(1595~1650)の身辺調査かな。
浅田次郎『壬生義士伝 上』(文春文庫)……新撰組の吉村貫一郎が主人公です。
 下巻になると飽きてくるかも。冒頭、南部藩の大坂蔵屋敷が登場するのがポイント。
浅田次郎『壬生義士伝 下』(文春文庫)
司馬遼太郎『大坂侍』(講談社文庫)……「和州長者」、「難波村の仇討」、「法駕籠の
 ご寮人さん」、「盗賊と間者」、「泥棒名人」、「大坂侍」を所収。割と初期の短編集。
岩尾光代『姫君たちの明治維新』(文春新書)
『第168回=文楽公演 令和4年11月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)
……第1部は行き損ねてしまったけどねえ。

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ジャンル : 小説・文学

★ 2022年10月に読んだ本 ★

監修/中井均『城の攻め方・つくり方』(宝島社)
司馬遼太郎『俄 ―浪華遊侠伝―(上)』(講談社文庫)
司馬遼太郎『俄 ―浪華遊侠伝―(下)』(講談社文庫)
冨永航平『大和の名刹 毘沙門天王の総本山』(信貴山朝護孫子寺)
田中小実昌『密室殺人ありがとう』(ちくま文庫)
 ……翻訳やら小説やら、自然と昔から読んでいた小実昌だけれど、ミステリー短編集
 という編集は面白いな(日下三蔵・編)。収録作品は「りっぱな動機」、「死体(しにたい)
 女」、「なぜ門田氏はトマトのような色になったのか」、「バカな殺されかた」、「密室殺人
 ありがとう」、「金魚が死んだ」、「カリブ海第二戦線」、「板敷川の湯宿」、「北波止場
 (ノース・ピア)の死体」、「爆弾は爆発しないというおしゃべり」、「耳穴カミソリ」、「ドラム
 缶の死体」……軽妙洒脱という評言は聞き飽きたけど、文体(スタイル)で読ませます。
坂口安吾『心霊殺人事件』(河出文庫)……マイ・クラシック。子供の頃は角川文庫で
 読んでいたはず。「投手殺人事件」、「屋根裏の犯人」、「南京虫殺人事件」、「選挙
 殺人事件」、「山の神殺人」、「正午の殺人」、「影のない犯人」、「心霊殺人事件」、
 「能面の秘密」、「アンゴウ」の全10編を収録。「アンゴウ」は純文学でいいです。
『新潮日本文学アルバム 川端康成』(新潮社)
編者=生きた建築ミュージアム大阪実行委員会
 『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2022 公式ガイドブック』(生きた建築
 ミュージアム大阪実行委員会)
……英語名称が「OPEN HOUSE OSAKA」。
川端康成『伊豆の踊子・温泉宿 他四編』(岩波文庫)……マイ・クラシック。
 他4編の内訳は、「十六歳の日記」、「招魂祭一景」、「青い海 黒い海」、「春景色」。
川端康成『掌の小説』(新潮文庫)……マイ・クラシックにして、10月の「二人の読書会」
 テクストです。こじつけで、“二人”の意味は「同行二人」と受け取ってもよいよ。
 弘法大師ではなく、ぼくの文学は川端康成先生と共にある――という後付け。
川端康成『川端康成異相短篇集』(中公文庫)……趣味が合うのかしら。編者である
 高原英理が素晴らしい。収録作品(小説)が「心中」(掌の小説)、脱臼したような
 センチメンタリズムが暴走する「白い満月」、何から何までとち狂っているけれども
 静謐な「地獄」、映像作家を刺激するに違いない「故郷」、純粋怪談「離合」、「冬の
 曲
」、「朝雲」、乱歩と同時代の探偵作家が手掛けそうな「死体紹介人」、「
 (掌の小説)、プロレタリア文学風「」、最後の一瞬で世界が炸裂する「赤い喪服」、
 乱歩風「顕微鏡怪談」パターンと思わせて全く別次元に突き落とされる「毛眼鏡の
 歌
」、記憶をめぐる文学的感懐に落とし込めそうに見えるも終盤の川端のロジックに
 暗然とさせられる(存在しない街を在ると考えている者と、街での記憶を空しく探し
 求める者との間で、かろうじて成立する場とは何か?
)「弓浦市」、「めずらしい人
 (掌の小説)、ボルヘスと通底するような「無言」、珠玉の名品「たまゆら」……。

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★ 2022年9月に読んだ本 ★

坂口安吾『安吾 日本史』(東洋書院)……川村湊・編・解説。編者である川村湊の序文
 「安吾日本史の可能性」が熱過ぎる。安吾本人の文章に触れて、急に肩の力が抜け。
三善貞司・編『大阪キタの史跡と伝承Ⅱ』(大阪市淀川区役所)……下記の絵本と共に、
 「大阪市立住まい情報センター」4Fの「住まいのライブラリー」で、読書に勤しみ。
『瑞光寺のくじら橋』(大阪市東淀川区役所)……制作指導:三善貞司。
熊田司・伊藤純 編『森琴石と歩く大阪 明治の市内名所案内』(東方出版)
山田風太郎『明治断頭台』(角川文庫)……一つひとつの短編は、まずまずながら、
 最後の最後で、そう来るか!というミステリーの醍醐味が炸裂して、痺れます。
レイモンド・チャンドラー『フィリップ・マーロウの教える生き方』(ハヤカワ文庫)……
 マーティン・アッシャー編、村上春樹訳。意外と記憶に残っていない“名文”に驚き。
新井由己『日本全国おでん物語』(生活情報センター)
 ……お世話になった著者ですから、何か出来ることがあれば、尽力してあげたくて。
金原瑞人編訳『八月の暑さのなかで』(岩波少年文庫)……9月の読書会のテクスト。
 以下の13編を所収。表題作、「ポドロ島」、「十三階」、「ハリー」は良いですね。
 ロアルド・ダールの短編は、ぼくの高校生時代の一推しでしたから、鼻高々。
   エドガー・アラン・ポー「こまっちゃった」
   W・F・ハーヴィー「八月の暑さのなかで
   サキ「開け放たれた窓」
   リチャード・ミドルトン「ブライトンへいく途中で」
   ロード・ダンセイニ「谷の幽霊」
   レノックス・ロビンスン「顔」
   E・M・デラフィールド「もどってきたソフィ・メイソン」
   フレデリック・ブラウン「後ろから声が」
   L・P・ハートリー「ポドロ島
   フランク・グルーバー「十三階
   ロアルド・ダール「お願い
   ジェイムズ・レイヴァー「だれかが呼んだ」
   ローズマリー・ティンパリ「ハリー
レイモンド・チャンドラー『水底の女』(ハヤカワ文庫)……村上春樹・訳のチャンドラーの
 長編を全て読了。名残惜しいけれども、また読み返すか、原書に当たるべきなのか。
川端康成『少年』(新潮文庫)
 ……マイ・クラシック。学生時代に全集本で読みました。みんな、気付くのが遅いのよ。
林剛、荘治虫『新R&B教室』(スペースシャワーブックス)……サブ・タイトルが
 「マイケル・ジャクソンでつながるソウル/ブギー・ディスク・ガイド 1995-2016」。
『紀三井寺開創一二五〇年記念図録』(紀三井寺)
津田さち子『西国第三番霊場 粉河寺』(粉河寺)……著者名が入っているのがポイント。
阿素湖素子『ごきげんスリランカ2』(阿素湖素子)……写真/梅近ひろし。
阿素湖素子『みんぱく大好き!!』(阿素湖素子)……2冊は「文学フリマ大阪」で入手。
監修・吉田敦彦『名画で読み解く「ギリシア神話」』(世界文化社)

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★ 2022年8月に読んだ本 ★

高山禮蔵『大阪・京都・神戸 私鉄駅物語』(JTBパブリッシング)……鉄ちゃんではない
 のだけれど、やたら滅法面白くて、困りました。8月は勉強会の下準備もあって、他の
 本が何も読めないという事態に陥っています。同じようなことは二度としないでしょう。
『第25回文楽素浄瑠璃の会』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
 ……第44回邦楽公演。劇場では、頭の中で情景の切り替えが上手く出来なかったな。
編集=国立劇場営業課『第三十二回 上方歌舞伎会』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)
……令和4年8月、国立文楽劇場歌舞伎俳優
 既成者研修発表会。楽しかったとはいえ、今後、歌舞伎にも手を広げるかは別問題。
『日本のタイル100年 美と用のあゆみ』(INAXライブミュージアム)
 ……タイル名称統一100周年記念。これで心置きなく、酒井一光に手を出せますよ。
落合莞爾『天才画家「佐伯祐三」真贋事件の真実』(時事通信社)
白矢勝一『佐伯祐三の晩年 衝撃の真実』(早稲田出版)
 ……落合の真贋本を読んだ後だと、内容の生ぬるさに開いた口が塞がらず。
 どこが“衝撃”なのやら。世の良識的な文学・美術愛好家はこのレベルだったのか? 
熊田司『もっと知りたい佐伯祐三 生涯と作品』(東京美術)

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★ 2022年7月に読んだ本 ★

トルーマン・カポーティ『夜の樹』(新潮文庫)……7月の「二人の読書会」のテクスト。
 所収は「ミリアム」、「夜の樹」、「夢を売る女」、「最後の扉を閉めて」、「無頭の鷹」、
 「誕生日の子どもたち」、「銀の壜」、「ぼくにだって言いぶんがある」、「感謝祭の
 お客」。ぼくの好きなタイプの端正な幻想小説(風)。大小説家でなくともよいんだ。
菅野俊輔『江戸っ子が惚れた忠臣蔵』(小学館)
大阪市史編纂所編『大阪市の歴史』(創元社)……大阪市というか、北区の歴史に
 嵌まり込んでいる。拒みはしないけれど、視野狭窄に陥るのだけは避けなければ。
坂口安吾『安吾史譚』(PHP文庫)……柿本人麿、道鏡童子、源頼朝、小西行長、
 直江山城守、天草四郎、勝夢酔を取り上げている。「道鏡童子」は、短編「道鏡」で
 読んだ内容とほぼ変わらず。小西行長が面白かった。秀吉も行長も愚かではない。
 阿呆なふりをして立ち回って見せるも、真の狙いは何か。目的を達せればよい。
『第167回=文楽公演 令和4年7・8月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)……第1部(親子劇場)は観ていません。
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和4年7・8月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
『ggg Books 別冊-9 松永真』(DNP文化振興財団)

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★ 2022年6月に読んだ本 ★

中上健次『岬』(文春文庫)
 ……「黄金比の朝」、「火宅」、「浄徳寺ツアー」、「岬」の4編を収録。マイ・クラシック。
 二十歳代の頃は圧倒的に打ちのめされるような感覚に震えた訳ですけれど、年を
 取ったせいかしら、図太くなったせいかしら、今はそこまでの焦燥感を覚えません。
カポーティ『ティファニーで朝食を』(新潮文庫)
 ……「ティファニーで朝食を」、「花盛りの家」、「ダイアモンドのギター」、「クリスマスの
 思い出」の4編を収録。村上春樹・訳。ゴライトリーが映画版と違い過ぎて、もう。
 誰が悪いという問題でなく。ただ、カポーティを引き合いに出し、“小説家”の成長?に
 ついて語る「訳者あとがき」が滅法面白く。悪魔と取引しないと、書けなくなるのだな。
『観音霊場 西国第一番札所 那智山青岸渡寺』(藝林美術出版社)
 ……熊野三山の3分の1にしか行けていないし、第一番札所の秘仏は拝めなかったし、
 「補陀洛山寺」にも足を延ばせなかったし。一番から心残りがいっぱいあるのよねえ。
村上龍『イン ザ・ミソスープ』(読売新聞社)……カポーティ『ティファニーで朝食を』が
 4月「二人の読書会」のテクスト、中上健次『岬』が5月、村上龍が6月なのでした。
『滑稽浪花名所を読み解く』(大阪歴史博物館)……特別展「~浮世絵師たちが描く~
 絶景!滑稽!なにわ百景!
」図録でしょうか。『滑稽浪花名所』に限られますが。
編集/国立文楽劇場営業課『第39回文楽鑑賞教室』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)

正木晃『仏像ミステリー』(講談社)
編集=国立劇場営業部営業課編集企画室『文楽若手会』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)
……正確には「文楽既成者研修発表会」。
関裕二『仏像と古代史 ミステリー案内』(ブックマン社)……関裕二の著作はいろいろ
 読んでいますが、変な衒いも無く、本作が最も素直に感じられ、好感を持てました。
『浪花百景』(大阪市立博物館)……「大阪市立博物館 館蔵資料集18」。モノクロの
 小さい図版ですが、百景全体を概観したり、流れを確認するには非常に便利です。
杉山三記雄『俊徳街道・十三街道』(読書館)……「河内の街道を歩く②」となります
 が、わかりづらい。雑多な情報が詰め込まれ過ぎていて、どこの街道の説明か、
 混乱しそうになります。堅い学術書ではなく、フレンドリーなまち歩きガイドの話として
 受け止めれば、あちらこちらに考えるヒントを忍ばせていると見え、それはそれで有り。

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★ 2022年5月に読んだ本 ★

前月からの課題図書も読めておらず。深夜シフトが組まれたり、
すべり症に悩まされたり、理由は多々あれど、頂けない状況です。
       ☆
『大坂蔵屋敷』(大阪市立住まいのミュージアム)……副題に「天下の台所はここから
 始まる」。割とスルーしがちでしたが、大坂の蔵屋敷についても、ぼちぼち学習中。
『コレクター福富太郎の眼』(アートワン)
 ……「昭和のキャバレー王が愛した絵画」展の図録ですが、執筆陣や記事が充実。
『甲山神呪寺史』(神呪寺)
土居年樹『天神さんの商店街』(東方出版)
 ……副題に「街いかし人いかし」。土居さんは昭和12年(1937)生まれ。「土居
 陶器店」の代表にして、天神橋筋商店街の振興に努められた方です。平成28年
 (2016)8月23日に亡くなっています。何かの機会に触れることが多々あるか、と。
杉山三記雄『大阪の陣と戦の街道』(読書館)……「河内の街道を歩く③」とシリーズ物。
 杉山街道について調べたかったのですが、詳しい情報は載っておらず。現在は、
 十三(じゅうさん)街道について調査中ですが、空振り状態ですねえ。探偵を続けます。
『近代日本美人画名作展』(読売新聞社)
 ……ぼくが足を運んだ展覧会のタイトルも「女性の美」だったように思うのですがねえ。

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★ 2022年4月に読んだ本 ★

田辺聖子『私の大阪八景』(角川文庫)
……「八景」と言いつつ、5編から成る連作短編集。福島界隈、淀川、馬場町・教育塔、
 鶴橋の闇市、梅田新道。想定内の内容ではありますが、小松左京の解説が面白し。
堀江宏樹『三大遊郭』(幻冬舎新書)
……江戸吉原京都島原大坂新町が“三大遊郭”。“新地”とは違いますのよ。
『第166回=文楽公演 令和4年4月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)……「4月文楽公演」は、“文楽座命名
 150年
”、“豊竹咲太夫文化功労者顕彰記念”でもありました。
鈴木智彦+伊藤博敏+本橋信宏ほか『ルポ タブーの日本地図』(宝島社)
『文楽座命名150年 人形浄瑠璃「文楽座」の歩み』(人形浄瑠璃文楽座)
 ……無料で配布されていた小冊子でしたが、読み応え有り。編集に“熱”を感じました。
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和4年4月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
藤田吾郎/編著『マンガでわかる発電・送配電』(オーム社)……作画は十凪高志、
 制作はオフィスsawa。“橋”(架道橋等を含む)ばかりか、鉄塔まで気になり出し……。
菅野俊輔『江戸・戦国のくずし字古文書入門』(扶桑社新書)……崩し字、始めてみます。
『西国三十三所巡礼寺院の版木』(元興寺文化財研究所)……「元興寺」で購入した
 5冊のうちの一冊。念願の“西国三十三所巡礼”もそろそろ始めてみないことには。
       ☆
なお、4月の「二人の読書会」のテクストはカポーティ(村上春樹・訳)でしたけれど、
いまだ手つかず。欲張りすぎたかな。テクスト自体の一読は容易ですが、先に原文を。

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★ 2022年3月に読んだ本 ★

ワイルド『獄中記』(角川文庫)……マイ・クラシック。
加藤周一『羊の歌』(岩波新書)……3月の「二人の読書会」のテクストでした。
加藤周一『続 羊の歌』(岩波新書)……マイ・クラシック。高3の頃、読んでいたはず。
『新潮日本美術文庫43 佐伯祐三』(新潮社)
朝日晃、野見山暁治『佐伯祐三のパリ』(新潮社)
『化政期 落語本集 ―近世笑話集(下)―』(岩波文庫)
 ……『詞葉の花』、『臍くり金』、『江戸嬉笑』、『臍の宿替』、『種が島』、『屠蘇喜言』、
 『太鼓の林』、『面白し花の初笑』を所収。(上)と(中)も気になってくるではないの。
萩原朔太郎『郷愁の詩人 与謝蕪村』(岩波文庫)
 ……発表年、時代背景が問題だと思うの。元は、「生理」(昭和8~10年)での連載。
 蕪村を反転し、世界文学史の中で再解釈するしか、逃げ場は無くなっていたか。
酉水庵無底居士『色道諸分 難波鉦』(岩波文庫)
 ……底本等の解説文中で、まさか、江戸川乱歩の名が目に飛び込んでくるとは。
宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫)……「土佐源氏」等は短編小説の味わい。

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★ 2022年2月に読んだ本 ★

梅原猛『聖徳太子4』(集英社文庫)……梅原猛は嫌いでないのですが、全4冊のうち、
 しんどい個所も多々有り。史学上の聖徳太子から、作中人物の聖徳太子に話が
 すり替わってしまっているように感じられなくもなく、“それじゃない”感が強くなり。
樋口一葉『にごりえ・たけくらべ』(新潮文庫)
 ……「にごりえ」、「十三夜」、「たけくらべ」、「大つごもり」、「ゆく雲」、「うつせみ」、
 「われから」、「わかれ道」の8編を収録。文体はともかく、「大つごもり」の落とし方は
 悪くないと思います。一葉は職業作家、売れる小説家になりたかった訳ですから。
八坂書房=編/伊藤直子=文『ルカス・クラーナハ 流行服を纏った聖女たちの誘惑』
 (八坂書房)……どうして、こんなにも、クラーナハに惹かれるのでしょうか?
細見和之『永山則夫――ある表現者の使命』(河出書房新社)
ロバート キャンベル『ロバート キャンベルの小説家神髄 現代作家6人との対話』
 (NHK出版)……具体的には、道尾秀介、江國香織、朝吹真理子、和田竜、
 朝井リョウ、桐野夏生との対話。読みやすいとは言え、内容の薄さに驚きました。
樋口一葉『大つごもり・十三夜 他五篇』(岩波文庫)……「大つごもり」、「ゆく雲」、
 「十三夜」、「うつせみ」、「われから」、「この子」、「わかれ道」の7編を収録。
 新潮文庫版と比べると、代表作の「にごりえ」、「たけくらべ」を別立てにして、
 「この子」を入れています。ぼくは「たけくらべ」より、「わかれ道」が好きだなぁ。
加藤周一、樋口陽一『時代を読む-「民族」「人権」再考-』(岩波書店)
森村泰昌、桐竹勘十郎、平田オリザ、石黒浩、松岡正剛 『森村泰昌×桐竹勘十郎
 人間浄瑠璃「新・鏡影綺譚」ブックレット』(森村桐竹人間浄瑠璃プロジェクト
 実行委員会)
……「M@M」にて「人間浄瑠璃 二人展 お手を拝借!!」も開催中。
海野弘『アール・ヌーボーの世界』(中公文庫)……もっと早い時期に読んでおくべき
 本でしたよねぇ。曖昧模糊とした“アール・ヌーボー”とどう向き合うか、クリアに
 なれたのに……臍を嚙みます。世紀末の文学・哲学との絡み、美術史=絵画史
 ではないこと、建築におけるアール・ヌーボーの意味合いなど、目を開かされます。

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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