fc2ブログ

★ 2023年9月に読んだ本 ★

鳴海風『星に惹かれた男たち』(日本評論社)……副題に「江戸の天文学者 間重富
 伊能忠敬」。同じ作者の児童文学『星空に魅せられた男 間重富』(くもん出版)に
 感じ入り、続けて手に取りました。星空(準)案内人としては、捨てておけない内容。
松本清張『或る「小倉日記」伝』(角川文庫)……学生時代、新潮文庫で読んだかな。
 芥川賞(第28回)受賞作となる表題作の他、「父系の指」、「菊枕」、「笛壺」、「石の
 骨」、「断碑」を収録。悪くはないんだけどね。社会派推理小説にも、のめり込めず。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 16』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……GRANT GREEN も普通に聴いてしまう。ジャズと構える意味も無く。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 17』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……KENNY DORHAM も悪くない。Dinner Party の合間に流すよ。
山田風太郎『くノ一忍法帖』(講談社文庫)
 ……千姫(真田幸村)vs徳川家康(伊賀忍者)という構図。慶安の変(1651)でサゲ。
山田風太郎『外道忍法帖』(河出文庫)
 ……天草党(伊賀忍者)vs由比正雪(甲賀忍者)vsマリア天姫(童貞女)の三つ巴戦。
山田風太郎『奇想小説集』(講談社)
 ……「陰茎人」、「蝋人」、「満員島」、「自動射精機」、「ハカリン」、「万太郎の耳」、
 「紋次郎の職業」、「万人坑」、「黄色い下宿人」の9編を収録。「黄色い下宿人」(夏目
 漱石
!)は子供の時に読んでいたかな。星新一やら、筒井康隆やら、沼正三やら、
 いろいろと思い出されるけれど、山田風太郎だけに “奇想” も当たり前に受け止めて。
半村良『石の血脈』(角川春樹事務所)……盛りに盛ったネタ自体は、現在でも、本当に
 面白いのよ。特に“建築”を持ってきた辺り。しかし、何とも古臭くなってしまったなあ。
光嶋裕介『ここちよさの建築』(NHK出版)……「学びのきほん」シリーズの一冊。
 本文よりも、巻末のブック・リスト「建築をもっと知るための23冊」がやばいです。
井上靖『猟銃・闘牛』(新潮文庫)……9月の「二人の読書会」テクストでした。
 表題作2編の他、「比良のシャクナゲ」を収録。「闘牛」が芥川賞(第22回)受賞作。
山田風太郎『山屋敷秘図』(徳間文庫)
 ……山田風太郎妖異小説コレクション(キリシタン・異国小説集)と銘打たれており、
 ほぼほぼ、切支丹物。収録作品は――「スピロヘータ氏来朝記」、「邪宗門仏」、
 「奇蹟屋」、「姫君何処におらすか」、「伴天連地獄」、「邪宗門頭巾」、「山屋敷秘図」、
 「不知火軍記」、「盲僧秘帖」、「踏絵の軍師」、「売色使徒行伝」、「万人坑」、「蓮華
 盗賊」、「降倭変」。サドを読み耽っていたのか、おそらく、ニーチェも齧っている模様。
 司馬遼太郎でなくて、山田風太郎から歴史を学び直そうとしみじみ感じているところ。
スポンサーサイト



テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年8月に読んだ本 ★

夏になると“読書”という気がします。冬になっても読んではいるのですが、イメージ的に。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 14』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……LOU DONALDSON は、ぼくとしてはジャズでないの(黒人音楽)。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 15』
 (デアゴスティーニ・ジャパン)……DEXTER GORDON も聴きやすいなあ。
松本清張『岡倉天心 その内なる敵』(新潮社)……岡倉天心に興味があったという
 訳でなく、長沼守敬であったり、九鬼隆一であったり、搦め手から攻める必要が有り。
永松実『本邦初の洋食屋 自由亭と草野丈吉』(えぬ編集室)
 ……料理監修は坂本洋司。内容は、もう少し、草野丈吉に絞り込んでくれてもよい。
野坂昭如『戦争童話集』(中公文庫)……8月の読書会のテクスト。「昭和二十年、八月
 十五日」から始まる全12話。野坂の血まみれのセンチメンタリズムは嫌いじゃない。
伊藤穣一『テクノロジーが予測する未来』(SB新書)
石井元章『明治期のイタリア留学 文化受容と語学習得』(吉川弘文館)
 ……緒方洪庵の第十子・惟直長沼守敬に関する調査を続行中なのでした。
緒方惟之『医の系譜』(燃焼社)
 ……副題に「緒方家五代~洪庵・惟準・銈次郎・準一・惟之」。
『第171回=文楽公演 令和5年7・8月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)
大塚菜生『東京駅をつくった男』(くもん出版)……「日本の近代建築を切り開いた辰野
 金吾
」は面白く、高橋是清の得体の知れなさ、曽禰達蔵の立ち位置の不思議さよ。
西村京太郎『阪急電鉄殺人事件』(祥伝社文庫)
森川ミユキ『60分でわかる! NFTビジネス超入門』(技術評論社)
 ……弁護士法人GBA法律事務所Web3.0チーム[監修]。
岡本綺堂『西郷星』(光文社文庫)……「俳諧師鬼貫」、「不孝者」、「水野十郎左衛門」、
 「古田家滅亡」、「大森彦七」、「新長恨歌」、「心中の味」、「埋れ木」、「黒狐」、
 「西郷星」を所収。『半七捕物帳』については、「青空文庫」で通読したものです。
岡嶋裕史『ブロックチェーン』(講談社)
築山桂『禁書売り』(双葉文庫)……「緒方洪庵 浪華の事件帳」シリーズ第1弾。
築山桂『北前船始末』(双葉文庫)……「緒方洪庵 浪華の事件帳」シリーズ第2弾。
『第26回 文楽素浄瑠璃の会』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
 ……「第45回 邦楽公演」。鶴澤藤蔵の三味線だけでも聴きに行く価値有り。
築山桂『星ぐるい』(幻冬舎時代小説文庫)……「天文御用十一屋」シリーズ第1弾。
築山桂『花の形見』(幻冬舎時代小説文庫)……「天文御用十一屋」シリーズ第2弾。
築山桂『烏剌奴斯の闇』(幻冬舎時代小説文庫)……「天文御用十一屋」シリーズ
 第3弾。「浪華の事件帳」が若き日の洪庵(=緒方章)をワトソン役に持って来たのが
 妙手であったとするならば、「十一屋」は橋本宗介をメインに据えたことが勝因。
編集=国立劇場営業課『第33回 上方歌舞伎会』(独立行政法人日本芸術文化
 振興会)
……「国立劇場伝統芸能伝承者養成所 歌舞伎俳優既成者研修発表会」。
西村京太郎『近鉄特急殺人事件』(新潮文庫)
 ……まさか、今の自分が、西村京太郎に感動しそうになるとは思いも寄らず。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年7月に読んだ本 ★

鉄方堂『堺の怖い話・不思議な話』(さたなき書房)……「第1回 文学フリマ京都」にて
 入手。「編者/ふしぎあん」、「鉄方堂/著『沙界怪談実記』より」と記されており、
 フェイク(古典)怪談と思われますが、扱いに困りました。もっと、作り込んでほしい。
一坂太郎『幕末歴史散歩 京阪神篇』(中公新書)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 12』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)
……THELONIOUS MONK を特集。モンクは2枚ほど、アルバムを所有。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 13』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……KENNY BURRELL を特集。“ブルース感覚”がぼくの耳には普通。
清水勲・編『岡本一平漫画漫文集』(岩波文庫)
鹿児島のむかし話研究会編『鹿児島の伝説』(日本標準)……マイ・クラシック。
水上滝太郎『大阪の宿』(岩波文庫)……「中之島遊歩道」に文学碑が建っていて、
 以前から気に懸かっていたので、念願の読了。余裕を持って、小説『大阪の宿』に
 ついて語れそう。内容的にも面白かったです。街ネタとしても、使える小説家かな。
有島武郎『一房の葡萄 他四篇』(岩波文庫)……「二人の読書会」のテクスト。
 表題作の他、「溺れかけた兄妹」、「碁石を呑んだ八っちゃん」、「僕の帽子のお話」、
 「火事とポチ」。「一房の葡萄」など、書かれていない場面や、先生とジムの表面上の
 態度の裏に空恐ろしいものを感じるぼくは、有島武郎(1878~1923)と亀井勝一郎
 (1907~1966)を混同するくらい、いい子ではなく、「星の王子さま」が恋しいです。
鳴海風『星空に魅せられた男 間重富』(くもん出版)……高山ケンタ[画]。
中川なをみ『水底の棺』(くもん出版)……村上豊・画。児童文学と侮るなかれ。
嘉数次人『天文学者たちの江戸時代』(ちくま新書)
 ……副題「暦・宇宙観の大転換」。『星空に魅せられた男 間重富』等の後に読むと、
 吉。著者は「大阪市立科学館」学芸員です。夏休みがあれば、星空を見上げよ。
定方晟『須弥山と極楽』(ちくま学芸文庫)……『倶舎論』を中心に仏教的宇宙観を
 闡明した名著が、今夏、待望の文庫本化。地獄の描写が笑っちゃうくらいに最高。
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和五年7・8月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
『近代彫塑の原点 長沼守敬展』(萬鉄五郎記念館)……1992年10月14日~11月
 23日の間、開催された同展の図録。図版が限られている一方、文献資料が充実
 していました。「現代美術の揺籃時代」は先月コピーした史料と同内容でしたが。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年6月に読んだ本 ★

梅林秀行・監修『重ね地図で愉しむ大阪「高低差」の秘密』(宝島社)……「Amazon」
 マーケットプレイスで注文した際、京都の類書が誤送されてきたので、早速、クレーム。
 期待外れだったのは、内容自体でなく、執筆者のレベルにばらつきが感じられたせい。
鍋島高明『日本相場師列伝』(日本経済新聞社)……“阿部彦”について調べました。
松井宏員『大阪キタと中之島 歴史の現場 読み歩き。』(140B)
桂福車/松井宏員『過労死落語を知っていますか』(新日本出版社)
 ……勝手に縁を感じてしまっている桂福車(1961~2018)に、随分と頁を割かれ。
筒井康隆『時をかける少女』(角川文庫)……表題作の他、「悪夢の真相」、「果てしなき
 多元宇宙」を所収。筒井康隆の作品の中では、正直、大したことない部類。しかし、
 逆に言うと、大林宣彦・監督の映画(1983)がどれだけ優れていたかという証左。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 9』
 (デアゴスティーニ・ジャパン)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 10』(同)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 11』(同)
 ……順に、Bud PowellHank MobleyWayne Shorter の特集。
松浦玲『幕末・京大坂 歴史の旅』(朝日新聞社)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 ボサ・ノヴァ特別号』
 (デアゴスティーニ・ジャパン)

清水義範『偽史日本伝』(集英社文庫)……防長2州(周防・長門)藩主、毛利敬親
 (たかちか)――別名“そうせい侯”を描いた「どうにでもせい」だけでも、買いでしょう。
山田風太郎『忍法八犬伝』(講談社文庫)
週刊朝日編集部『司馬遼太郎の幕末維新Ⅱ』(朝日新聞出版)
 ……副題に「『世に棲む日日』『峠』『花神』の世界」とあり、いずれ、本編に着手かな。
松浦玲『勝海舟』(中公新書)
松浦玲『勝海舟と西郷隆盛』(岩波新書)……松浦玲の諸作は、ガイド本番前に読み
 終えていたかったと後悔しきり。次はもっと上手く扱いますよ。歴史探偵は挫けず。
黒沼健『奇人怪人物語』(河出文庫)
有吉佐和子『非色』(河出文庫)
有吉佐和子『華岡青洲の妻』(新潮文庫)
サン=テグジュペリ『星の王子さま』(岩波書店)……マイ・クラシックにして、6月の
 「二人の読書会」テクスト。偶然ながら、「星の王子さまの日」に読了したのです。
中川なをみ『天游』(くもん出版)……サブ・タイトルに「蘭学の架け橋となった男」。
 こしだミカ[画]も添えられた創作児童文学ですが、大槻玄沢や橋本宗吉でなく、
 緒方洪庵でもなく、中天游(1783~1835)を主人公に据えたセンスが最高です。
 人間は橋(ニーチェ的な意味ではなく)。まさかの大塩平八郎との邂逅も描かれ、
 心臓がばくばくしました。たぶん、唯の変な人である天游に惚れてしまいます。
ふしぎあん『大阪市内 謎の狸地蔵(仮称)巡り』(さたなき書房)
 ……6年前の「第1回 文学フリマ京都」にて入手した小冊子。着眼点が良し。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年5月に読んだ本 ★

大崎善生『聖の青春』(角川文庫)……“東の羽生善治”に対して、“西の村山”と称された
 棋士、村山聖(1969~1998)を描いた作品。大阪市福島区の街歩きに当たっては、
 ネタとして使えます。個人的には、団鬼六小池重明も読み返したくなりました。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 8』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……「HORACE SILVER」です。毎月2冊くらいのペースで自宅配送。
鹿児島のむかし話研究会編『鹿児島のむかし話』(日本標準)
 ……小学生時に読まされながらも、「あにょどんのデコンじる」だけを何故か偏愛。
ミヒャエル・エンデ『モモ』(岩波少年文庫)……5月の「二人の読書会」のテクストでした。
坂口安吾『明治開化 安吾捕物帳』(富士見書房)
……「舞踏会殺人事件」、「ああ無情」、「万引一家」、「石の下」、「覆面一家」、
 「ロッテナム美人術」、「乞食男爵」の7編を収録。決め手に欠けるなあ。全20話のよう
 ですが、慌てなくてもよいか。勝海舟の起用法は、もう少し、どうにかならないかな? 
北崎豊二『幕末維新の大阪』(松籟社) ……良くも悪くも、教科書的。地租改正の辺りに
 来るとしんどくなるので、どうわかりやすく噛み砕いたらよいか、思いあぐねるところ。
『展示の見所2 浪花まちめぐり 水都の景観を読む① 「積層ジオラマ」編』
 (大阪歴史博物館)……昔、「大阪歴史博物館」で入手するも、放置していた小冊子
 でして、まとめての通読。同館展示の解説なので、次 行った時に役立つことでしょう。
『展示の見所5 浪花まちめぐり 水都の景観を読む② 「壁面グラフィック」編』
 (大阪歴史博物館)……予防接種の帰途、次の「蔵屋敷」と併せて購入した物ですが、
 以前に購入していた物とダブってしまいました。誰かにプレゼントすることにしますよ。
『展示の見所14 浪花まちめぐり 蔵屋敷』(大阪歴史博物館)
『展示の見所11 浪花まちめぐり 水都の景観を読む③ 「グラフィック展示・橋梁」編』
 (大阪歴史博物館)……「橋梁」編と銘打つほど、“”に特化している程のこともなく。
『展示の見所6 「大大阪」の街角 郊外住宅のくらし』(大阪歴史博物館)
『展示の見所15 「大大阪」の街角 御堂筋と地下鉄』(大阪歴史博物館)

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年4月に読んだ本 ★

辰巳博・著/福田静二・編『大阪市電が走った街 今昔』(JTB)
中島らも『今夜、すべてのバーで』(講談社文庫)
 ……マイ・クラシックにして、4月の「二人の読書会」テクスト。小説としての弱点は
 やはり終盤。精神科医の報告書を主人公の“新生”の契機とするのは、如何にも
 説得力不足。ただ、作者は作為より、リアルな症例を尊重したとも考えられる訳で。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 6』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……第6号(SONNY CLARK)では、ジャズ・スタンダード「朝日のように
 さわやかに
Softly As In A Morning Sunrise)」を愛聴していましたねえ。
大鋸時生・三村幸一『文楽―鑑賞のために―』(保育社)
入江泰吉・青山茂『仏像―そのプロフィル―』(保育社)
『まんが 蕪村さんの都島歴史漫遊記』(大阪市都島区役所)
 ……脚本・画:谷川桜太郎。与謝蕪村の理解は、個人的にまだ萩原朔太郎止まり。
入江泰吉・関信子『仏像のみかた』(保育社)
北尾浩一『星と生きる 天文民俗学の試み』(ウインかもがわ)
 ……昨年の「文学フリマ大阪」にて入手。試論でなく、もっと、がっつり読みたい。
『ワード/エクセル/パワーポイント 基本の使い方がぜんぶわかる本』(スタンダーズ)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 7』
 (デアゴスティーニ・ジャパン)……LEE MORGAN は33歳で射殺されていました。
山田風太郎『伊賀忍法帖』(講談社文庫)
辺見金三郎『食べられる野草』(保育社)
中島らも、ミスター・ヒト『クマと闘ったヒト』(メディアファクトリー)
 ……玉造のお好み焼き「ゆき」では、ミスター・ヒト(1942~2010)に随分とお世話に
 なりました。プロレス本寄りでなく、ミスター・ヒト(安達勝治さん)個人のインタビュー
 本を期待していたのですが、仕方ないか。何とも、胸が切なく、苦しくなります。
松嶋雅人『あやしい美人画』(東京美術)
山田風太郎『警視庁草紙 上』(ちくま文庫)……「山田風太郎明治小説全集1」。
山田風太郎『警視庁草紙 下』(ちくま文庫)……「山田風太郎明治小説全集2」となり、
 順番としては前後して、『明治断頭台』を先に読んでいました。後日、ピック・アップ。
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和5年4月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
『第170回=文楽公演 令和5年4月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)……巻末に、英文での鑑賞ガイド付き。
監修=岡本良一、執筆=朝日新聞阪神支局 『花の下影 幕末浪花のくいだおれ』
 (清文堂)
……郷土史ネタばかりでなく、豆腐・こんにゃくネタでも使用する予定。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年3月に読んだ本 ★

司馬遼太郎『おれは権現』(講談社文庫)
……「愛染明王」、「おれは権現」、「助兵衛物語」、「覚兵衛物語」、「若江堤の霧」、
 「信九郎物語」、「けろりの道頓」の7編を収録。順に、福島左衛門大夫正則、
 可児(かに)才蔵吉良(よしなが)、花房助兵衛、飯田覚兵衛、木村長門守重成
 長曾我部信九郎康豊、安井(ママ)道頓――を取り上げています。良くも悪くも、講談調。
司馬遼太郎『豊臣家の人々』(角川文庫)……豊臣秀吉の一族、縁者が素材です。
穂村弘『ラインマーカーズ』(小学館文庫)……3月の「二人の読書会」のテクスト。
 新装版が出ていたし、第1歌集『シンジケート』(1990)でよかったのかもしれません。
 しかし、『手紙魔まみ』も収録している自選ベスト版歌集の方で行きましょう。
 短歌史において、俵万智に対する穂村弘の存在が、小説における村上春樹に対する
 高橋源一郎の在り方をなぞっているように感じられることがあります。わかるかなぁ? 
別冊宝島編集部『日本刀の雑学100』(宝島社)……“世界に誇る「勇」と「美」”が副題。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 4』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……第4号(ART BLAKEY)までは書店で購入。次号からは直送されます。
杉山三記雄『暗越奈良街道を歩いた旅人たち』(読書館)……判型は異なるけれども、
 シリーズ物「河内の街道を歩く④」。ここまで付き合ったからには、誤植の酷さも、
 街道沿いの唐突なグルメ紹介記事も含めて、受け容れてあげようという気分なの。
神野清秀『大阪の街道』(松籟社)
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記5 ゴールデンガイド篇』(角川文庫)
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記6 ぶらり旅篇』(角川文庫)
 ……平成23年(2011)の法然上人800回忌がフィーチュアされていますね。
いとうせいこう・みうらじゅん『仏像ロケ隊がゆく 見仏記7』(角川文庫)
 ……若かりし頃、鼻について仕方なかった いとうせいこうも平気になりました。
近江栄・藤森照信=編『近代日本の異色建築家』(朝日新聞社)……登場する24人の
 いずれも素晴らしいのですが、目先の(大阪市)北区史との絡みでは、山口半六
 岡田信一郎本野精吾に注目です。立原道造の詩も読み返しましょうか。
中沢新一『大阪アースダイバー』(講談社)
高島幸次『奇想天外だから史実 ―天神伝承を読み解く―』(大阪大学出版会)
 ……高島先生がシリアス・モードなのです。「大阪天満宮」の教科書として最強。
 「北野天満宮」創建は天暦元年(947)、「大阪天満宮」創祀は天暦3年(949)……。
佐藤哲也『大阪の味』(保育社)……1927年生まれの著者は、昭和47年(1972)1月に
 急逝されたらしい。そう言われてみると、紹介されている店のうち、現在も健気に
 生き永らえている店が非常に愛おしく見えてくる。これは悪魔との取引なのだ。
 何かを得るためには、何かを失わなければならない……生き延びるための仮死

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年2月に読んだ本 ★

佐藤英夫『北野の萩の寺 円頓寺』(東方出版)……特に、これといった情報には
 恵まれませんでしたが、この手の出版物にしては、非常に読み応えがありましたよ。
谷知子=編『百人一首(全)』(角川ソフィア文庫)…読書会のテクストの副読本扱い。
直木三十五『大阪を歩く』(青空文庫)
板野博行『眠れないほどおもしろい百人一首』(三笠書房)
 ……2月「二人の読書会」のテクスト。百人一首本の中でも、最も俗っぽい部類。
澁澤龍彦『高丘親王航海記』(文春文庫)……没年(1987)に購入した単行本は、
 積んだままで古本屋に売った記憶。現在、読み返せば、いろいろと沁みてきます。
永田和宏『近代秀歌』(岩波新書)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 1』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……「大阪よみうり堂」にて、創刊号(MILES DAVIS)を購入。既に
 2~3号が発売されていた時期だったのに、第1号を手に取ったのが運の尽き。
永田和宏『現代秀歌』(岩波新書)
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 2』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)…第2号は、HERBIE HANCOCK。迷ってはいたのですけれど……。
『隔週刊 ブルーノート・ベスト・ジャズコレクション 高音質版 3』(デアゴスティーニ・
 ジャパン)……前号と併せて、「紀伊國屋書店」で第3号(SONNY ROLLINS)を
 購入。ムック本と言うか、CDに付いた大判のライナーノーツではありますが……
 また、約10年前にほぼ同内容でリリースされていた物のSHM-CD版ではあり。
 好きなミュージシャンであれば、アルバム単体で持っている盤も多くてねえ。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2023年1月に読んだ本 ★

河音能平『大阪の中世前期』(清文堂出版)
大岡信『詩人・菅原道真 うつしの美学』(岩波書店)
『第169回=文楽公演 令和5年1月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)
『文楽床本集 国立文楽劇場 令和5年1月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
眉村卓『ねらわれた学園』(講談社文庫)……1月の「二人の読書会」テクストでした。
丸谷才一『後鳥羽院』(筑摩書房)……菅丞相の漢詩、後鳥羽院の和歌、どちらも基礎
 教養でありまして、読むのは愉しみでしかないけれど、時間をどう工面したものやら。
中井英夫『薔薇への供物』(河出文庫)……マイ・クラシック。中学生時分に読んだ頃は、
 “とらんぷ譚”の焼き直しではないか、と落胆したりもしましたが、今読むと、これは
 これで良いの。デリケートな編集センスがナイス。文庫版では「盲目の薔薇」が加わり、
 結果として計12編の物語が、ヴェラとの約束の帳尻合わせですし。「火星植物園」、
 「薔薇の夜を旅するとき」、「薔薇の獄」、「薔薇の縛め」、「被衣」、「呼び名」、「薔人」、
 「薔薇の戒め」、「盲目の薔薇」、「薔薇の罠」、「重い薔薇」、「薔薇への遺言」を所収。
池田弥三郎×長谷川幸延『味にしひがし』(土屋書店)
長谷川幸延『法善寺横町』(たちばな出版)……織田作以上に大阪的でありながら、
 織田作よりも早く風化しつつある大家。「法善寺横町」、「粕汁」、「最後の伝令」、
 「舞扇」、「三階席の女」、「月の道頓堀」、「海を渡る鳥」、「遺族上京」、「さしみ皿」、
 「兀良哈(ウランカイ)の勇士」と10編を収録。戦時色の濃い作品が過半数なのね。
長谷川幸延『小説 桂春団治』(たちばな出版)……初代・桂春団治(1878~1934)
 です。四天王の一人(3代目)すら聴いたことがないのに、聴きたくなりましたよ。
黒澤はゆま『曽根崎心中』(光文社)……言わずと知れた原作・近松門左衛門
 「小説で読む名作戯曲」シリーズで、ラノベっぽいカバー・イラストに油断していると、
 掛け値無しに名作。一登場人物に耽溺することなく、「大坂」という街全体を俯瞰
 しようとする姿勢がお見事。大坂三十三所観音巡りだけでなく、梅田の牛駆け、
 大坂七墓巡りの場面も創出していますし(梅田橋を北へ渡れば……)、九平治が
 “”であらざるを得なかった理由を きちんと説明していることに感心させられ。
『伊賀越道中双六』(国立劇場営業部)……復刻版懐中稽古本(翻刻)を入手。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

★ 2022年12月に読んだ本 ★

『文楽床本集 国立文楽劇場 令和4年11月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
有栖川有栖『幻坂』(角川文庫)……「清水坂」、「愛染坂」、「源聖寺坂」、「口縄坂」、
 「真言坂」、「天神坂」、「逢阪」、「枯野」、「夕陽庵」と、天王寺七坂が舞台の短編集。
 先を越されたというか、誰かがとっくに手掛けておくべき素材ではありますけれど、
 まだ如何様にも料理の手立てはあるでしょう。「枯野」と「夕陽庵」も悪くはないぞ。
ベルトルト・ブレヒト『三文オペラ』(岩波文庫)……「チエちゃん」で呑んだ日に入手。
天神橋三丁目商店街振興組合・編『天神橋筋繁昌商店街』(東方出版)
 ……たぶん、執筆陣のメインは土居年樹(故人)。ならば、著者名を冠した同じ出版社の
 『天神さんの商店街』の方が読み応えがあって、面白かったな。ちと、散漫な印象。
長谷部史親・編『忠臣蔵傑作大全』(集英社文庫)……年の暮れは忠臣蔵なのか。
 柴田錬三郎「辞世」、菊池寛「堀部安兵衛」、直木三十五「大野九郎兵衛の思想」、
 多岐川恭「付け人」、榊山潤「生きていた吉良上野」、澤田ふじ子「後世の月」、
 山田風太郎「行燈浮世之介」、林不忘「口笛を吹く武士」、小島政二郎「何面白の
 雪景色」、角田喜久雄「吉良没落」、岡本綺堂「吉良の脇指」を所収。風太郎は別格。
 綺堂の『半七捕物帳』は「青空文庫」で全部読んでいます。付録の長谷部史親
 「赤穂四十七士銘々伝」は便利かも(四十七士全員のキャラが立っている訳でなし)。
ビュルガー編『ほらふき男爵の冒険』(岩波文庫)……マイ・クラシック。これもまた、
 三宮の古書店で入手したのでありました。どこで買って、いつ読んだかは、結構大事。
古川智映子『小説 土佐堀川』(潮出版社)
山田風太郎『妖説忠臣蔵』(集英社文庫)……「赤穂飛脚」、「殺人蔵」、「蟲臣蔵」、
 「俺も四十七士」、「生きている上野介」と、忠臣蔵物の短編5編。どれも流石の切れ。
写真-産経新聞社『昭和の大阪 昭和20~50年』(光村推古書院)
山田風太郎『忍法忠臣蔵』(講談社文庫)……風太郎版・忠臣蔵の長編バージョン。
 一般受けが悪いだろうけれども、主人公の無明綱太郎は最高。女と忠義が大嫌い
加地宏江、中原俊章『中世の大阪―水の里の兵たち―』(松籟社)
別宮貞徳『「不思議の国のアリス」を英語で読む』(ちくま学芸文庫)
 ……12月の「二人の読書会」テクスト。全文読解ではないので、さらさらと読めますよ。
『大阪天満宮 ~創祀と歴史~』(大阪天満宮社務所)
『大阪天満宮の歴史』(大阪天満宮社務所)……朱印帳を入手した翌日、併せて購入。

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

カレンダー
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
Access Counter
総閲覧者数:
Online Counter
現在の閲覧者数:
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリー
プロフィール

ぽか

Author:ぽか
⇒ 旧プロフィール

歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
Amazon
QRコード
QR
RSSリンクの表示
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メルマガ登録はこちらから
購読希望者はメール・アドレスを書き入れて「送信」してね!
SOUKEN