山本能楽堂からの手紙
昨年は大阪商工会議所から茶封筒が届きましたが、
今年は「山本能楽堂」から白封筒で届いていました。
「船場を遊ぼう 2017」(9月12日~11月28日)の
クイズ・ラリーに応募し、当選した商品でしたよ。
何かしら、以前は落選無しだったように覚えているのですが、
そうでもないのですかね。ぼくは細々とした賞品がよく当たります。
今回は「船場近代建築マップ」とポストカード・セット(2枚)。
近代建築マップは既に持っているような気もしますけど、
地図は好物なので、だぶっても構いません。どうもありがとう、です。
しかし、同封の文面を見ても、山本能楽堂(公益財団法人)の名しか見えず、
イベントの主導権は、商工会議所から能楽堂に移っているのかしら。
今年は「山本能楽堂」から白封筒で届いていました。
「船場を遊ぼう 2017」(9月12日~11月28日)の
クイズ・ラリーに応募し、当選した商品でしたよ。
何かしら、以前は落選無しだったように覚えているのですが、
そうでもないのですかね。ぼくは細々とした賞品がよく当たります。
今回は「船場近代建築マップ」とポストカード・セット(2枚)。
近代建築マップは既に持っているような気もしますけど、
地図は好物なので、だぶっても構いません。どうもありがとう、です。
しかし、同封の文面を見ても、山本能楽堂(公益財団法人)の名しか見えず、
イベントの主導権は、商工会議所から能楽堂に移っているのかしら。
スポンサーサイト
tag : 近代建築
商船三井ビルと郵船ビル
![]() |
![]() |
と先にお断りしておきます。過日、再訪した
神戸市・海岸通りの近代建築2件について、
非常にわかりやすい解説が、心に残った
ものですから。マックス・ウェーバーの
理念型のように受け取ればよいでしょう。
☆
藤森照信先生も、渡辺節(1884~1967)の
アメリカンボザール第1作となる「大阪商船
神戸支店(=商船三井ビルディング)」に
ついては、「マッキム・ミード&ホワイトと
比しても遜色ない力量を持っていた」と
賞賛を惜しみません。が、わが国における
歴史主義の到達点として、アメリカ派だけで
なく、“ヨーロッパ派”を引き合いに出す以上、
違いについても触れておかねばなりません。
中條精一郎(1868~1936)はケンブリッジ
大学に学び、帰国後、曽禰達蔵と組んで
曽禰中條建築事務所を立ち上げました。
大正~昭和(戦前)を代表する民間設計事務所ですけれども、下野したジョサイア・
コンドルの下で働いていたのが曽禰ですから、質・量いずれにおいても、高評価を
受けた用途様式主義の中でも、イギリス系では追随を許さなかったのも当然か、と。
☆
どんな様式を様式を選ぶ場合でも、けっして自分たちの味を忘れることはなく、たとえば郵船ビル(画像下、大正12年)のようなアメリカ式オフィスの場合でも、渡辺節の大阪商船神戸支店(画像上、大正11年)と壁面の表情をくらべると分かるが、アメリカンボザールふうの彫りが深くて豪華で大味な印象は巧みに避け、平明で緻密で堅実な印象を得ている。設計を担当した徳大寺彬麿が、当初、最上階の窓をアーチにして左右の付け柱との関係が大味になってしまい行き詰ったのを中村順平が直して緻密さを回復したのだという。事務所の作風はイギリスの堅実さを旨とし、建物の表情に品がないことが一番嫌がられた。
参考文献:藤森照信『日本の近代建築(下)』(岩波新書)
ごまする夜
時には間が開くこともあるにせよ、このところ、
忘年会の会場は安定の「ごますりちゃんこ」。
大阪市北区の「扇町公園」東側に位置します。
通い始めたのは創業当初からかもしれません。
ストレスを抱えてか、胃痛に苦しめられる年末
となりましたが、ちゃんこ鍋は相変わらず美味。
信頼できる人とゆっくり酌み交わす燗酒に、
ほっこりと心もほぐれていくのでした……。
常勤の店員さんが休まれていたため、
調子が合わない場面もあれ、勝手を知った女将に送り出されて、
2017年も締めに入ったことを身に染みて感じ入る冬の夜でした。

忘年会の会場は安定の「ごますりちゃんこ」。
大阪市北区の「扇町公園」東側に位置します。
通い始めたのは創業当初からかもしれません。
ストレスを抱えてか、胃痛に苦しめられる年末
となりましたが、ちゃんこ鍋は相変わらず美味。
信頼できる人とゆっくり酌み交わす燗酒に、
ほっこりと心もほぐれていくのでした……。
常勤の店員さんが休まれていたため、
調子が合わない場面もあれ、勝手を知った女将に送り出されて、
2017年も締めに入ったことを身に染みて感じ入る冬の夜でした。
アメリカンボザール
年末年始は契約仕事が詰まっていて、終日、業務に明け暮れます。
隙間時間にちまちまと読み進める建築本だけが、心の慰めです。
今後、覚えておくと便利なキーワードがあるので、メモしておきますね。
大阪人は、あの「大阪府立中之島図書館」を思い出してくれれば十分。
「アメリカンボザール」について、長々と引用させてもらいますと、下記のとおり。
☆
この様式は、アメリカの建築家たちがフランスのボザール―国立美術学校―に学び、その成果をアメリカ化した様式のことで、アメリカンルネッサンスと呼ぶこともある。一九世紀末に、イギリス由来のヴィクトリア朝系の様式にとって代わって主流に立ち、以後、高原状に持続し、一九二〇年代いっぱい続く。代表的建築家はチャールズ・F・マッキム、ウィリアム・R・ミード、スタンフォード・ホワイトの三名で、彼らは共同でマッキム・ミード&ホワイト設計事務所を営み、世界最大数のスタッフを抱えて、ニューヨークを中心に東部一帯で旺盛な設計活動を展開した。スタイルは主に本家ボザールのフランス古典主義を参考にしているが、見た印象には差もある。アメリカンボザールは、そもそも建物が一回りも二回りも大きいうえに、アカデミックな正確さなど気にせずに大づかみにとらえているせいか、よく言うとのびのびとしていて誰の目にも分かりやすいが、悪く言うと大味で芸術的深みに欠ける。装飾を加える時はこれでもかとばかりに刻み込み、成り金的といえなくもない。
参考文献:藤森照信『日本の近代建築(下)』(岩波新書)
隙間時間にちまちまと読み進める建築本だけが、心の慰めです。
今後、覚えておくと便利なキーワードがあるので、メモしておきますね。
大阪人は、あの「大阪府立中之島図書館」を思い出してくれれば十分。
「アメリカンボザール」について、長々と引用させてもらいますと、下記のとおり。
☆
この様式は、アメリカの建築家たちがフランスのボザール―国立美術学校―に学び、その成果をアメリカ化した様式のことで、アメリカンルネッサンスと呼ぶこともある。一九世紀末に、イギリス由来のヴィクトリア朝系の様式にとって代わって主流に立ち、以後、高原状に持続し、一九二〇年代いっぱい続く。代表的建築家はチャールズ・F・マッキム、ウィリアム・R・ミード、スタンフォード・ホワイトの三名で、彼らは共同でマッキム・ミード&ホワイト設計事務所を営み、世界最大数のスタッフを抱えて、ニューヨークを中心に東部一帯で旺盛な設計活動を展開した。スタイルは主に本家ボザールのフランス古典主義を参考にしているが、見た印象には差もある。アメリカンボザールは、そもそも建物が一回りも二回りも大きいうえに、アカデミックな正確さなど気にせずに大づかみにとらえているせいか、よく言うとのびのびとしていて誰の目にも分かりやすいが、悪く言うと大味で芸術的深みに欠ける。装飾を加える時はこれでもかとばかりに刻み込み、成り金的といえなくもない。
参考文献:藤森照信『日本の近代建築(下)』(岩波新書)
tag : 近代建築
商船三井ビル
信号機はともかく、電線は地中化したいものだ
と感じさせられてしまう、神戸市の海岸通の
商業ビル群。海岸通の北側と南側と歩くのと
では、やはり印象が異なって、道路を挟んで
向かい側(南側)から眺めるのが、気分です。
「商船三井ビルディング」は大正11年(1922)
竣工。設計は渡辺節、構造設計は内藤多仲
によるアメリカ・ルネサンス様式。塔屋を除けば
地上7階建て。通りを挟んで見ると、半円形の
ペディメントが人懐っこく、近寄っても、1階部分のルスティカ仕上げを施した石壁が
存在感をもって迫ってきます。筋向かいの西側には「海岸ビル」が建っていますよ。

と感じさせられてしまう、神戸市の海岸通の
商業ビル群。海岸通の北側と南側と歩くのと
では、やはり印象が異なって、道路を挟んで
向かい側(南側)から眺めるのが、気分です。
「商船三井ビルディング」は大正11年(1922)
竣工。設計は渡辺節、構造設計は内藤多仲
によるアメリカ・ルネサンス様式。塔屋を除けば
地上7階建て。通りを挟んで見ると、半円形の
ペディメントが人懐っこく、近寄っても、1階部分のルスティカ仕上げを施した石壁が
存在感をもって迫ってきます。筋向かいの西側には「海岸ビル」が建っていますよ。
tag : 近代建築
さんちゃんや

大阪市営地下鉄・御堂筋線の中津駅から100m
と少し。良い感じに年季の入った旨そうな
ホルモン屋だな、とチェックしていた「さんちゃんや」。
同名の居酒屋が多々あり、縁故でもあるのか?
と気にはなりますが、被せ気味に接客する大将に
訊くのは憚られました。6品から成る“壺セット”が
注文しやすく、あとは好みの部位を追加していけば
よいか、と。壺で供される たれに漬け込まれた
ホルモンはどれも美味。国産云々を強調する大将の
口上を抜きに、変な臭みの無い、新鮮な肉の旨みを
楽しめます。特にレバー、センマイに唸らされました。
ぼくの期待したホルモン焼きでなく、本格的な焼き肉屋スタイルだったのが誤算?!
メリケン地蔵尊
“異国情緒”などというファンシーな言葉より、
神戸の魅力も“ごった煮感覚”にあるのでは?
と、大阪人のぼくは管見します。例えば、
ビリケンを祀ってしまった「松尾稲荷神社」。
元は港町。気取ってみても仕方がないでしょ。
さて、明治初期、神戸港に小さな突堤が在り、
浮き桟橋が在り、付近に米国領事館が在った
ので、「メリケン桟橋」と呼ばれていました。
そこからメリケンパークの発祥に至る訳ですが、
同公園の入り口近くで、見つけた「メリケン地蔵尊」。
アメリカ+地蔵菩薩像という組み合わせが何ともナイス。頭がくらくらしてきますね。
神戸の街と海の双方を見守るため、祠には2体の地蔵が背中合わせで建っています。

神戸の魅力も“ごった煮感覚”にあるのでは?
と、大阪人のぼくは管見します。例えば、
ビリケンを祀ってしまった「松尾稲荷神社」。
元は港町。気取ってみても仕方がないでしょ。
さて、明治初期、神戸港に小さな突堤が在り、
浮き桟橋が在り、付近に米国領事館が在った
ので、「メリケン桟橋」と呼ばれていました。
そこからメリケンパークの発祥に至る訳ですが、
同公園の入り口近くで、見つけた「メリケン地蔵尊」。
アメリカ+地蔵菩薩像という組み合わせが何ともナイス。頭がくらくらしてきますね。
神戸の街と海の双方を見守るため、祠には2体の地蔵が背中合わせで建っています。
世界一のツリー

響きを愛してやまない者ならば、「世界一の
クリスマスツリー」と耳にした以上、神戸市
メリケンパークまで足を運ばざるを得ませんね。
この「世界一のクリスマスツリー PROJECT」
何が世界一なんだろう?と思わないでもなくて、
調べてみると、「世界一の高さ」=「人工物
ではなく、人が届けた生木のクリスマス
ツリーとして根鉢を含めた鉢底から葉頂点
までの植物体の全長が史上最大」と定義付けられていました。歯切れが悪いかな。
☆
富山県氷見市から船で運ばれてきたアスナロ(ヒノキ科アスナロ属)の木は、
約30mで、樹齢は推定150年。神戸港まで、てくてくと歩きながら、近付いて
見た限りでは、“世界最大級”と謳われるほど、大きくは見えませんでしたねえ。
夜になって、ライト・アップされれば、また印象は変わるのでしょうけれども。
樹木を支持する、あるいは飾り付けのためのロープが、生け捕りにされて大都市へ
搬入される髑髏島のキングコング(あるいはジョンスン島のゴモラ)を想起させ、
何とも気の毒になりましたよ。ところで、今回の催事にまつわる一連の報道で、
記憶に強く刻み付けられたのは、「プラント・ハンター」なる肩書でした。
同プロジェクトのプロデューサー、西畠清順氏の呼称ですが、応用が利きそうな
ネーミングです。世界一のツリーの観覧は12月2日から26日までの間。
参考記事:めざせ!世界一のクリスマスツリー PROJECT
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
大阪能楽会館
大阪市北区の「大阪能楽会館」が、老朽化に
より、本年末で閉館します。「梅田センタービル」
東向かいに位置しています。ぼくが最後に利用
したのは、落語と狂言の会「お米とお豆腐」。
今後、もっと付き合っていけると考えていました
が……昭和34年(1959)、観世流シテ方の
故・大西信久が能楽専用ホールとして創設。
総ヒノキ造りの本舞台に橋懸かりが施され、
白州が舞台を囲んでいました。鏡板の老松は、
松野奏風の画。設計は竹腰健造(1888~1981)。
「大阪証券取引所」や「大阪市公館」を手掛けた竹腰です。
大阪市教育委員会・文化財保護課のイベント、平成29年度
「大阪の歴史再発見」での「大阪能楽会館 仕舞鑑賞と建物見学会」に
応募していたのですが、定員の6倍の応募があったそうで、抽選の結果、
外れてしまいました。見学会は12月23日(土)10時から執り行われた模様。

より、本年末で閉館します。「梅田センタービル」
東向かいに位置しています。ぼくが最後に利用
したのは、落語と狂言の会「お米とお豆腐」。
今後、もっと付き合っていけると考えていました
が……昭和34年(1959)、観世流シテ方の
故・大西信久が能楽専用ホールとして創設。
総ヒノキ造りの本舞台に橋懸かりが施され、
白州が舞台を囲んでいました。鏡板の老松は、
松野奏風の画。設計は竹腰健造(1888~1981)。
「大阪証券取引所」や「大阪市公館」を手掛けた竹腰です。
大阪市教育委員会・文化財保護課のイベント、平成29年度
「大阪の歴史再発見」での「大阪能楽会館 仕舞鑑賞と建物見学会」に
応募していたのですが、定員の6倍の応募があったそうで、抽選の結果、
外れてしまいました。見学会は12月23日(土)10時から執り行われた模様。
エルミタージュ

お出掛け。「大エルミタージュ美術館展」の
鑑賞です。フランス・パリの「ルーブル」、
米国・ニューヨークの「メトロポリタン」と共に
“世界3大美術館”と呼ばれているようです。
このロシア・サンクトペテルブルクに在る
「エルミタージュ美術館」の礎を築いたのは
エカテリーナ2世(1729~1796)。
“Hermitage”はフランス語で「隠遁者」、
「世捨て人の部屋」の意。コレクション総数310万点、絵画だけでも1万7,000点に
及ぶ中から、同展では85点が観覧できました。そのセレクトが絶妙、良かったです。
“オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち”と題されて、ティツィアーノ、レンブラント
といった“昔日の巨匠”の作品をじっくりと味わえました。何かしら細々と展示され、
人込みの隙間から覗き見るイベントではなく、落ち着いて、絵と対峙できました。
ルカス・クラーナハ「林檎の木の下の聖母子」、ピーテル・ブリューゲル(2世)は
旧友と久闊を叙するような感慨。他に今回、惚れ込んでしまった絵を枚挙すると、
フランス・スネイデルス「鳥のコンサート」、フランシスコ・デ・スルバラン
「聖母マリアの少女時代」(画像上)、ユベール・ロベール「ドーリス式神殿の廃墟」、
「運河のある建築風景」でしょうか。ぼくの中の兵庫県立美術館史上、ヒットです。
盛り沢山過ぎて胸焼けすることなく、適度なギャラリー数と、心地良い空間でした。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術