大豆需給量の推移

農林水産省のウェブサイト「食料自給率の部屋」には、食料自給率に関する資料のひとつとして、大豆の生産量・消費量・輸出入量などの年次データが掲載されている。昭和35(1960)年から平成17(2005)年まで、5年ごとの主要項目の推移を下表にまとめた。

なお、国内消費仕向量の「加工用」の分類には、「製油用」が大半を占めるが、「味噌・醤油用」も含まれる。ちなみに平成17(2005年)の大豆用途別使用量を見ると、味噌は13万6,000トン、醤油は3万7,000トンで、合計しても「加工用」の約5%に過ぎない。

大豆の国内消費仕向量における「純食料」の内訳は、豆腐・油揚げ類、納豆、凍り豆腐、豆乳、煮豆・総菜。昭和40(1965)年と平成17(2005年)の数値を比較してみると、この40年間で純食料は40万9,000トン増、1.89倍になった。人口総数が9,827万5,000人(1965年)から1億2,686万9,000人(2005年)に増加したことを鑑みても、その倍率の1.29倍を上回っている。1人当たりの大豆供給量が1年当たり2.1キログラム、1日当たり5.8グラム増えており、40年間で大豆の純食料としての供給量が1.45倍に増えたわけだ。加工用(製油用)が2.10倍、飼料用なども含めた国内消費仕向量全体が2.14倍に増加したのに比べるとやや低いが、それでも40年間で煮豆や総菜も含む純食料としての大豆加工品の需要は増えたと明言できる。しかし1990年代以降、大豆加工品の需要は膠着、足踏み状態が続いている。

大豆における最大の問題は、自給率の低さである。大豆の自給率は、国内生産量を国内消費仕向量で割って算出される。統計の揃った昭和35(1960)年以降の大豆自給率を見ると、1960年の28%をピークに減少する一方で、昭和41(1961)年に2けたを割り、近年は2〜5%で推移している。

ただし、この数値は加工用(製油用)も含むため、国産大豆はすべて食用に仕向けられるとの仮定の下、には純食料(味噌・醤油を除いた食品用大豆)に限定した自給率を割り出し、付け加えた。純食料としての大豆自給率は26%(2005年)となるが、それでも日本の食料の総自給率40%を下回っているのが現状である。

大豆需給量の推移_200706
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成分から見たこんにゃく

こんにゃくの成分を「五訂増補日本食品標準成分表」(以下「五訂食品成分表」と略)から探ってみる。五訂食品成分表は「我が国において常用される食品について標準的な成分値を収載するもの」であり、文部科学省が科学技術振興調整費研究「食品成分データベースの仕様等作成に関する実証研究」の一環として開発したもの。科学技術振興機構(JST)が試験的に公開している「食品成分データベース」からも無料アクセスできる。

下表には、食用こんにゃくの原料として用いる「精粉」の成分も加えた。精粉は、サトイモ科コンニャクの塊茎(生芋)を切り干して加工した荒粉を搗精(とうせい)したもので、マンナンを含むが直接食用とはしない。

板こんにゃくは、精粉を原料とする「精粉こんにゃく」と、生芋を原料とする「生芋こんにゃく」の2種類を挙げた。「精粉に、またこんにゃく芋は生のままか蒸煮してから皮をむいてすりおろしたものに、水または温湯を加え撹拌して糊状にし、水酸化カルシウムなどの凝固剤を加えて型に流し込み凝固させる。それをさらに煮沸して固化させた後、水でさらしたもの」が板こんにゃくと定義されている。しらたきは「糸こんにゃく」とも呼ばれることもあり、「凝固剤を加えてから、熱湯中に絞り出して、細いひも状に固化させた後、水でさらしたもの」。

精粉の段階で可食部100グラム当たり177キロカロリーあったエネルギーは、こんにゃくに加工された時点でいずれも1けたになっている。精粉では85.3グラムあった炭水化物も、精粉こんにゃくは2.3グラム(2.7%)、生芋こんにゃくは3.3グラム(3.9%)、しらたきは3.0グラム(3.5%)に激減。精粉からこんにゃくに加工される段階で、多くの成分量が大幅に減少していることが分かる。原因は多大なる水分である。

板こんにゃく、しらたきとも、可食部100グラム中に水分が96.2〜97.3%も含まれている。精粉の水分が6.0%であることを鑑みると、精粉がたんぱく質や炭水化物などの成分をどれだけ含んでいようと、これだけの水分で希釈されたのでは含有量が低くなるのも当然。

ちなみに「地域食品認証制度実施事業におけるこんにゃくの認証基準作成準則」では、精粉こんにゃくを製造する際の水の使用量について、精粉1に対して水37以下、しらたきでは精粉1に対して水27以下を基準としている。この割合から、単に水で希釈しているだけでなく、こんにゃくの保水性の高さも指摘できる。

成分から見たこんにゃく_200706

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ことわざに見る納豆 (1)

納豆には栄養成分が豊富に含まれ、それを賢明な古人が察知していたことは、昔から伝わる数々のことわざによってうかがい知ることができる。

風邪の引きはじめに納豆汁

風邪の引き始めには、新陳代謝を高めて発汗を促す「玉子酒」が有名だが、刻みネギをたっぷりと散らした納豆汁も体を芯から温め、免疫力を強めてくれる。納豆はアミノ酸が豊富で、疲労も回復する。

酒は百薬の長であり、納豆は百肴の長である

適量の酒は血行を良くし、ストレス解消や疲労回復の一助となる。まさに“百薬の長”と呼べるが、おいしい酒においしい肴があれば、鬼に金棒。納豆は酒との相性が良いばかりか、アミノ酸バランスに優れた納豆中のたんぱく質やビタミンB類が胃や肝臓の健康を守ってくれる。楽しく飲んで、食して、不老長寿に近付くと良いことずくめだ。

納豆好きは色白美人

納豆に含まれるビタミンB2(100グラム当たり0.56ミリグラム)には、体内の脂肪を燃焼させる働きがある。また、ビタミンE(トコフェロール)が血行を良くし、細胞の酸化を防いで肌の若々しさを保つ。さらに、豊富なアミノ酸が小じわや染みの発生を防ぐので肌のきれいな美人になる、というわけ。もしかすると、いわゆる“東北美人”とは納豆文化圏の賜物だったのかもしれない。

参考文献:永山久夫『納豆万歳』(一二三書房)

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木の芽田楽

江戸時代にベストセラーとなった豆腐料理本『豆腐百珍』の巻頭を飾る尋常品は「木の芽田楽」である。ちなみに尋常品の2品目は「雉子焼田楽」。田楽は豆腐料理の中で最も古い一品であり、意外と難しい料理なのか、「木の芽田楽」はまず豆腐の扱い方から書き出されている。

湯を大盤(おおはんぎり)に一杯に張り、豆腐を切るのも串に刺すのも、その湯の中ですれば、やわらかな豆腐でもうっかり落としたりする心配がない」。田楽用の炉の新製品がイラスト入りで紹介されていることなどからも、当時の田楽の人気がうかがい知れる。

大正年間になっても田楽の人気は衰えなかったようだ。「大豆100粒運動」の提唱者である辰巳芳子氏の母堂、辰巳浜子さん(1904〜1977年)によると、

神田に生れて神田に育った私は、大正初年頃の神田橋、須田町から九段あたりの想い出は尽きません。木の芽時は、豆腐屋が焼きたての、ほかほかの木の芽田楽を配達したものです。塗り箱で、竹串に刺されて、甘い練り味噌がぼってりと、とき辛子がツゥンと鼻に抜けるのがこのうえなく小気味よくて好きでした。ふんわりと焼き上った豆腐と木の芽味噌の出会い、この季節がくるとどうしても食べずにおられぬものの一つです。


木の芽の出る春になると、焼きたて田楽の移動販売が行われていたのである。

さて、木の芽田楽のレシピだが、辰巳浜子さんの場合、

木の芽味噌は、西京味噌に水と味醂を加えて練りあげ、湯引いた木の芽を摺って混ぜ合せます。信州、仙台味噌は砂糖も加えます。私は、酒、味醂、砂糖、水を調合して弱火で練りあげ、練り味噌を常時作っておき、木の芽、辛子、胡麻など用途に応じて混ぜることにしています。


また、料理屋風の“木の芽色”に仕上げるならば、みそに「青寄せ」を加えればよい。「青寄せ」とは、ホウレンソウまたはコマツナを細かく刻んですり鉢ですり、水をたっぷりと加えてこし、色水を取る。この色水を鍋で静かに煮立てて、葉緑素を寄せたものをいう。

参考文献:辰巳浜子『料理歳時記』(中公文庫)

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Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



豆腐業界唯一の全国版専門紙
「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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