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世界のGM大豆生産量

国際バイオアグリ事業団(ISAAA)は、世界の遺伝子組み換え(GM)作物に関する統計資料を公表している。2006年に発表された「概要書第36号」を見ると、1996年には世界で166万5,000ヘクタールに過ぎなかったGM作物の栽培面積が9年後の2005年には8,716万3,000ヘクタールに拡大、さらに10年後の2006年には1億200万ヘクタールにまで達している。

1996〜2005年の主要国におけるGM作物の栽培面積の変化を見ると、米国が144万9,000ヘクタールから4,739万5,000ヘクタール(32.7倍)、カナダが13万9,000ヘクタールから585万8,000ヘクタール(42.1倍)、アルゼンチンが3万7,000ヘクタールから1,693万ヘクタール(457.6倍)、オーストラリアが4万ヘクタールから27万5,000ヘクタール(6.9倍)に増加。また、1996年当時はGM作物を栽培していなかったブラジル、中国、南アフリカ、インドが、2005年にはそれぞれ900万ヘクタール、330万ヘクタール、59万5,000ヘクタール、130万ヘクタールで栽培している。

「概要書第36号」のデータから、2005年の各国の大豆生産量におけるGM大豆のシェアを抜粋したのが下表である。2005年の国別大豆生産量については、農林水産省が公表している「農産物品目別生産統計」を適用した。2つのデータから国別のGM大豆生産量も推計した。これを見ると、米国、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイでGM大豆のシェアは9割を超え、米国が7,453万8,043トン、アルゼンチンが3,791万7,000トン、ブラジルが2,007万8,000トン、パラグアイが326万7,090トン、カナダが179万9,280トン、南アフリカが18万96トンのGM大豆を栽培したと推測される。

GM大豆シェア_200707
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兵庫のこんにゃく

NPO良い食材を伝える会が発行する『食育はここから始まる 日本の地域食材2006年版』には、各都道府県の食材調査結果が収められている。「農産物・野菜加工品」の項目にこんにゃくも挙げられているが、こんにゃく芋の生産量が日本一の群馬は別格として、兵庫のこんにゃくが3品も挙げられている。ちなみに、兵庫の2006年産こんにゃく芋の栽培面積は5ヘクタール(収穫面積2ヘクタール)、収穫量は12トン。

NPO良い食材を伝える会の会長は、「大豆100粒運動」を提唱した辰巳芳子氏。辰巳氏は他にもスープ教室「スープの会」の主宰や、NPO大豆100粒運動を支える会の会長として、日本の風土に根ざした食材を守るために様々な活動を繰り広げている。『食育はここから始まる 日本の地域食材2006年版』は第4集で現時点での最新版。そこに挙げられている兵庫のこんにゃく3品を紹介する。

竹野町こんにゃく「竹のしずく」
豊岡市竹野町内で生産される生芋100%を原料にした手作りの刺し身こんにゃくと糸こんにゃく。着色料や保存料は一切使用せず、食感がやわらかくなる凝固剤を使用するなど、やわらかさにこだわった。刺し身こんにゃくはスライスして、添付のゆずみそで食べる。糸こんにゃくはすき焼きやきんぴらに適する。同町では「竹野町こんにゃく生産組合」を組織し、生産に取り組んでいる。

「海内こんにゃく」
佐用郡佐用町海内で生産されているもの。この地区でこんにゃく栽培が始められたのは江戸時代中期。明治末期から盛んになり、戦前の1935年前後にピークを迎えた。戦後も70〜80トンの生産があり、「海内こんにゃく」として播州一円に知られた。このころ、地域の水田の多くがこんにゃく畑に替わり、「生芋の出荷に使った背負いかごが、帰りは札束でいっぱいになった」という話があるほど。今では生産者、加工者とも高齢化が進み、地域の町おこしグループが中心になって生産に取り組んでいる。

「凍(しみ)こんにゃく」
多可郡多可町加美区丹治で生産されている。こんにゃくを冬の寒風にさらして凍らせ、雪ざらしにして30日間ほど漂白、乾燥させて海綿状にしたもの。旬は11月〜翌年5月。昔ながらの日本料理や天然のダイエット食品として愛用され、希少価値の高いこんにゃく製品だが、ほとんどがスポンジ用品として出荷され、食品としての広がりは期待できないのが現状だ。


参考文献:『食育はここから始まる 日本の地域食材2006年版』(良い食材を伝える会)

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ことわざに見る納豆(2)

前回に続いて、納豆にまつわることわざをいくつか見てみよう。

納豆の好きな子は、骨が硬い

カルシウムは骨の原料となるが、加齢によってカルシウム吸収能力は低下する。しかし、カルシウムを良質のたんぱく質とともに摂取すると、消化吸収率が向上することが分かっている。納豆は良質のたんぱく質を含むだけでなく、骨の形成に効果的なビタミンK2や、骨カルシウムを補強する作用のあるイソフラボンも含んでおり、骨格形成のためにより多くのカルシウムを必要とする成長期には、納豆が強い味方だ。

ウナギを食べたら納豆を忘れるな

ウナギのように脂肪分の多い食品を摂取する時に、納豆を食べておけば胃腸がもたれない。納豆に含まれる各種酵素が消化を助け、整腸作用をもたらす。「でんぷんやグリコーゲンの消化酵素であるジアスターゼを多く含む大根おろしを納豆の薬味にすれば、その効果はさらに高まるだろう」と食文化史研究家の永山久夫氏はアドバイスしている。

雪道と納豆汁は後になるほど良い
雪道は人が通った後の方が歩きやすい。納豆汁も鍋に残り少なくなった方が、味が良い。鍋の底に沈んでいる納豆の粒の量が多くなるからである。「最後に笑う者が最もよく笑う」というわけだ。

納豆は天然の胃の薬

納豆を食べることは、納豆菌を生きた状態のまま体内に摂取することになる。旺盛な繁殖力を持つ納豆菌は、体内に入ってからも活動を続け、そこで作り出された酵素群は腸内の病原菌や悪玉菌の働きを抑制する。納豆1グラム中に納豆菌は約10億存在する。50グラム入りの納豆1パックには約500億存在する計算になる。

参考文献:永山久夫『納豆万歳』(一二三書房)

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豆腐の製造基準

食品、添加物等の規格基準」(昭和34年12月28日厚生省告示第370号)には、豆腐の製造基準および豆腐の保存基準が明記されており、豆腐の製造基準については以下の8項目が挙げられている。なお、ここで言う「包装豆腐」とは充填豆腐のことを指す。

1. 原料用大豆は、品質が良好で夾雑物を含まないものでなければならない。
2. 原料用大豆は、十分に水洗いしなければならない。
3. 豆汁または豆乳は、沸騰状態で2分間加熱する方法またはこれと同等以上の効力を有する方法により殺菌しなければならない。
4. 豆汁の濾過、凝固剤の添加および豆腐の成型は、清潔で衛生的に行わなければならない。
5. 豆腐の水さらしは、絶えず換水をしながら行わなければならない。
6. 包装豆腐(豆乳に凝固剤を添加して容器包装に充填した後加熱凝固させたものをいう)は、90度Cで40分間加熱する方法またはこれと同等以上の効力を有する方法により殺菌しなければならない。
7. 豆腐を製造する場合に使用する器具は、十分に洗浄し、かつ、殺菌したものでなければならない。
8. 豆腐を製造する場合に使用する水は、飲用適の水でなければならない。

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たまに「考える人」、歴史探偵。
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