納豆かき混ぜ機

以前、とある実験で「納豆のアミノ酸と甘味成分はかき混ぜる回数が多いほど増える」という結果が出ているそうだ。納豆の混ぜる前をそれぞれ1とすると、アミノ酸の量は100回混ぜることで1.5倍、300回で2.5倍に、甘み成分は100回で2.3倍、200回で3.3倍、400回で4.2倍に増えたという。

農林水産省の「消費者相談Q&A」にも、納豆ははしでかき混ぜることによって、おいしさが増すと記されている。しかし、適度に混ぜれば混ぜるだけおいしくなると分かっていても、手で混ぜるのが面倒だという人は少なくないことから、納豆を簡単に混ぜるための器具が各種出回っている。

和平フレイズの納豆スティック「なっとうの友」をはじめとする納豆専用のかき混ぜ棒や小鉢などは多いが、最近は電動の納豆かき混ぜ機も開発され、公開特許が出願されている。くめ・クオリティ・プロダクツの「納豆かき混ぜ機」(特開2004—160106)は、始動ボタンを押すと、「なっとうの友」と同様に先端がU字状になった納豆かき混ぜ棒が回転する。かき混ぜ棒は取り外し可能。単に電動で簡単にかき混ぜられるだけでなく、本体のカウンター上に回転数が表示されるのが特徴。100回、200回…とかき混ぜた回数が一目で分かる。

さらに、同じ電動型でも「U字状の棒でかき混ぜるのは従来のハンドミキサーの技術範囲を超えるものでなく、効率が悪い」との考えから、かき混ぜる部分をへら板をひねった形態のスクリュー状にしたのが「納豆かき混ぜ機」(特開2008—43315)。新潟市の河内由昭さんが開発した。納豆が必要以上に広がったり、飛び散ったりしないように側部にガ—ド板も備えている。
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生産国による大豆成分の差異

大豆の成分は「五訂日本食品標準成分表」によると、同じ豆類の小豆、いんげん豆、えんどう豆、そら豆、落花生と比べてたんぱく質含有量が多い。また、大豆と落花生は脂質が多く、小豆とえんどう豆、いんげん豆、そら豆はでんぷんが多い。これは既に記した(2007年2月「大豆の“豆”知識」参照)が、大豆成分の生産国別の違いも「五訂日本食品標準成分表」に示されている。

下表が生産国別の大豆(全粒)の成分表。いずれもドライベース。大豆の国内自給率は21%と少なく、米国を主として、ブラジル、カナダ、中国などからの輸入に頼っているのが現状である。「五訂日本食品標準成分表」には国産、米国産、中国産、ブラジル産大豆の成分値が記載されている。米国産、中国産、ブラジル産は「それぞれ主産地の代表的な輸入銘柄を対象とした」とあり、国産は、国産大豆の主生産地である東北、北海道、関東・東山および九州の代表的な品種を対象としている。

国産大豆は米国産などと比べてたんぱく質含有量が明らかに多く、脂質が少ない。米国、ブラジル産大豆の多くが製油用に、国産大豆が豆腐などの食品用に適していることが分かる。また、国産大豆は米国産などと比べて、鉄分やカリウムなどミネラル分も豊富である。

大豆の国別成分表

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渋川こんにゃく

こんにゃく芋の主産地は、もちろん群馬。国産こんにゃく芋の約9割は群馬で生産されている。市町村別で見ると、同県の昭和村と渋川市が際立っており、両市で市町村別生産量の全国1位の座を分け合うこともある。

昭和村の生産量は元々突出していたが、2006年2月の市町村合併によって渋川市が拡大、こんにゃく芋生産量の市町村別日本一は渋川市となった。合併後に公表された2005年度の生産量において、渋川市(1万4,900トン)が昭和村(1万2,700トン)を超えたのである。ちなみに2006年度のこんにゃく芋生産量は渋川市、昭和村ともに1万3,800トンで、両市で群馬の生産量の44.6%を占めている。

こんにゃく芋の生産量が市町村別で全国1位となった渋川しだが、こんにゃくと言えば今でも昭和村や下仁田町の方が知名度は高い。下仁田町はこんにゃく芋の産地というより、精粉の加工業者が多いことで有名。またこんにゃくの消費量が全国1位で、「玉こんにゃく」が名物となっている山形も、よく知られている。渋川市はこんにゃく芋の主産地でありながら、全国的にあまり浸透しておらず、こんにゃく料理専門店や「玉こんにゃく」のような名物があるわけでもない。

そこで、こんにゃくの主産地としてのPRと、産地ならではの生芋から作る「手作りこんにゃく」の普及・消費拡大を図るため、渋川市は「美味しい ヘルシー 渋川こんにゃく」をキャッチフレーズに、こんにゃく芋のキャラクターをデザインした愛らしいシンボルマークが目を引くのぼり旗(画像参照)を製作。「こんにゃく直売所やこんにゃくを料理に使っている旅館などで立ててもらう」としている。

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島豆腐の製造基準(適用外)

戦後、米国の統治下にあった沖縄が日本に返還されたのは、昭和47(1972)年5月15日。この日の午前0時をもって、日本国憲法をはじめとする日本の法令が沖縄にも適用されることになった。沖縄といえば「島豆腐」。堅くて、大きくて、アチコーコー(熱々)で食べるのが流儀だが、その島豆腐にも日本の法律が適用されることになった。

豆腐には製造基準が定められており(2007年7月「豆腐の製造基準」参照)、「食品衛生法」に基づく「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年12月28日厚生省告示第370号)で「原料用大豆は、品質が良好で夾雑物を含まないものでなければならない」などの8項目が挙げられているが、島豆腐においては「豆腐の水さらしは、絶えず換水をしながら行わなければならない」と「豆腐を製造する場合に使用する水は、飲用適の水でなければならない」の2項目が問題だった。出来たてをアチコーコーで食するのが島豆腐なのに、水に浸したら冷たくなる。

保健所から「規則・基準を守れ」との指導を受けて、新たな資本導入を余儀なくされたために廃業した豆腐製造業者も多かったという。だが、沖縄人にとって島豆腐は長年親しんできた伝統食品。島豆腐の製造・保存方法が国の定める基準に抵触していたのは事実だったが、零細で家内工業的な島豆腐の製造業者の辛抱と、身近に親しんだアチコーコーの豆腐を買い支えた消費者のこだわりが島豆腐を生き長らえさせた。当時の沖縄県豆腐油揚商工組合なども、関係省庁に島豆腐の存続の要請を続けた。

その結果、沖縄が日本に返還されて2年後、「食品衛生法施行規則」の一部が改正された。「『成型した後水さらしをしないで直ちに販売の用に供されることが通常である豆腐』とは、沖縄県等の一部地域に慣習として定着している特殊な製造、販売方法による豆腐を指すものであるが、これらの地域においても漸次、冷蔵するか又は飲用的の冷水で絶えず換水しながら保存する方法に指導されたいこと」とし、要するに将来的にはともかく、島豆腐の製造・保存方法については旧厚生省が「食品衛生法」の適用外としたのである。

また、一部改正において「沖縄県“等”」とあるのは、沖縄だけでなく、石川県の白峰や九州各地に点在する「特殊な」豆腐についても、その特別な製造法、保存法が容認されたためである。

参考文献:宮里千里『シマ豆腐紀行』(ボーダーインク)

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Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



豆腐業界唯一の全国版専門紙
「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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