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納豆の2005〜2007年平均支出金額ランキング

総務省統計局が、2005〜2007年の平均の家計調査品目別データ(2人以上の世帯・1世帯当たり年間支出金額)を公表している。どのような品目でどの程度の地域差があるのかを明らかにするため、都道府県丁所在市別ランキング(川崎市および北九州市を含む)も集計されており、納豆の家計支出金額ランキングをにまとめた。

上位10位を見ると、福島、水戸、前橋、宇都宮、盛岡、青森、仙台、富山、山形、長野の順で、富山と盛岡を除くと、東北、関東地方といった東日本に集中している。逆に下位10位を見ると、京都、奈良、高松、鳥取、岡山、神戸、徳島、高知、大阪、和歌山の順で、こちらは関西、中国・四国地方が占めている。以上から、本州における納豆の支出金額は、以前(2008年3月「納豆の『東高西低』を検証する」)も見たように「東高西低」の構図が根強いことが分かる。

納豆ランキング_200805
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機械化栽培に適したことゆたか

(独)農業・食品産業技術総合研究機構の九州沖縄農業研究センターでは、豆腐加工適性に優れ、機械化栽培に適した温暖地向けの大豆品種「ことゆたか」(だいず農林132号、旧系統名=九州136号)を育成した。現在、滋賀県の農作物指定品種に採用されており、栽培面積など普及状況を勘案した後、同県の奨励品種に採用される予定だという。

ことゆたかは、1988年に現在の九州沖縄農業研究センターである旧・九州農業試験場において、高たんぱくのエンレイを母親、耐倒伏性の強い九州96号を父親として交配、育成された黄大豆系統。成熟期はサチユタカやタマホマレと同じ“やや晩生”で、生態型は“中間型”に区分される。

1999年9月に公表された「新たな大豆政策大綱」に基づき、需要に応じた「売れる大豆づくり」が推進され、とりわけ豆腐加工適性の高い品種が求められている一方で、大豆の安定供給も重要な課題で、不耕起密植栽培など新しい栽培技術に対応できる耐倒伏性の高い新品種育成への要望も強い。この要望に応えて育成されたことゆたかは、豆腐加工適性がタマホマレより良好で、赤色系みその原料大豆にも適している。

耐倒伏性はサチユタカ同様で、タマホマレより強く、青立ちがサチユタカやタマホマレと比べてほとんどない。さらにモザイクウイルス病のA2系統に抵抗性を有するのはタマホマレと同様だが、裂皮の発生がタマホマレやサチユタカより少ない。倒伏に強いことから、不耕起密植栽培(不耕起によって地耐力を高め、密植により面積当たりの莢数を多くして、慣行栽培と同等以上の子実収量を得る)など新しい栽培技術にことゆたか系統を活用できる。しかし、裂莢性が“易”なので適期収穫に努めることや、ダイズモザイクウイルス病のC系統で褐斑粒が発生することがあるのでC系統の多発地帯での栽培は避けることなどに留意しなければならない。

滋賀県では奨励品種として採用予定のことゆたかだが、主にタマホマレに置き換えて普及させる予定。秋冷期の降雨の影響が少ない同県南部から東部地域の平坦部に適し、耐病性は紫斑病に“やや強”、ウイルス病に“強”で、耐倒伏性が強く、最下着莢高が高いから機械化栽培に適する——といった特性を挙げた上で、同県の農政水産部では、極端な早播・遅播を避け、適期に播種すること、また裂莢に注意し、適期収穫を行うように指導している。

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滋賀・信楽町の多羅尾こんにゃく

古い歴史を誇る永源寺こんにゃく(2008年2月「永源寺こんにゃく」参照)や、近江八幡の赤こんにゃく(2008年4月「近江八幡の赤こんにゃく」参照)以外にも、滋賀県内には大津市の田上や大石、甲賀市の信楽町などの山間地でこんにゃく芋が栽培され、地域の女性グループなどがこんにゃく作りを行っている。

甲賀地域では、昔から永源寺こんにゃくのように茶園の間にこんにゃく芋が植えられており、自家用として食べられてきたが、いくつもの特産品の生産と直売に取り組んできた信楽町多羅尾の多羅尾生活改善グループが、100%地元産のこんにゃく芋を原料にした「多羅尾こんにゃく」を商品化した。

多羅尾こんにゃくは年間1万丁を売り上げるほどの人気があり、価格は1丁200円ほど。取り寄せることも可能だという。信楽町では猿害対策として町内でこんにゃく芋を約1トン栽培するようになり、町が特産品として多羅尾こんにゃくを推進している背景もある。煮物や田楽などに向く。

その製造法は、まずこんにゃく芋を洗って四つ切りにして芽を取り除く。鍋で軟らかくゆで、熱いうちに皮をむく。きれいな皮の部分は残しても構わない。2〜3センチメートルの賽の目に切り重さを量ると、こんにゃく芋の重さの3倍の重量のお湯を用意して、芋と一緒にミキサーにかける。5キログラム分を大きなバットか、たらいに入れて、熱湯で溶いた水酸化カルシウム大さじ2杯を加えて、よくかき混ぜる。型に入れて固め、型を空けると16丁に切る。大きな鍋に湯を沸かして、こんにゃくを入れ、30分ゆがいて出来上がり。

ちなみに2006年産こんにゃく芋の収穫面積は全国の2,680ヘクタールに対して滋賀は1ヘクタール、収穫量は全国の6万8,900トンに対して滋賀は4トン、10アール当たり収量は全国の2,570キログラムに対して滋賀は600キログラム。

参考文献:『食育はここから始まる 日本の地域食材2006年版』(良い食材を伝える会)、滋賀の食事文化研究会・編『芋と近江のくらし』(サンライズ出版)

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とうふ竹輪

総務省統計局が公表した家計調査(2人以上の世帯)の都道府県庁所在市別ランキング(2005〜2007年平均)を見ると、「他の大豆製品」の分類において鳥取市が支出金額2,631円で第1位を占めている。2位が宇都宮市が2,083円、3位の福島市が1,485円で、全国平均は795円。このように鳥取市が段トツで「他の大豆製品」を消費しているのは、「とうふ竹輪」というこの地域独特のアイテムがあるため。

とうふ竹輪は、鳥取市を中心とした鳥取県東部地域でのみ生産されている。全国で豆腐を利用した地域食品はいくつかあるが、竹輪に使うケースは珍しい。

とうふ竹輪の発祥については、正確な史料が残されていないため明らかではないが、鳥取県東部に江戸時代末期から伝わる伝統食品であることは間違いないようだ。備前国岡山藩主・池田光仲(1630〜1693年)は1648年、因幡・伯耆を有する鳥取藩に転封されたが、領民に豆腐食を奨励したといわれる。

とうふ竹輪も、当初は原料に魚肉を使わない木綿豆腐だけであったことから、“豆腐”の名が冠されている。すった豆腐を棒状にして細い竹に付けて加熱処理したものが、鳥取藩の財政は厳しく、領民も質素倹約が強いられたことから、わずかの魚もムダにしないように——と、現在の形に近いとうふ竹輪が考案された。

豆腐と魚のすり身を混ぜ合わせたとうふ竹輪は、混合の割合、使用する魚の種類、塩の量など、製造業者によって異なるが、基本的には木綿豆腐と魚肉を7対3の割合で混ぜ合わせ、それを竹輪状に成型し、蒸して作る。大抵の竹輪は焼いて製造されるが、とうふ竹輪では蒸す工程が特徴になる。

かつて、とうふ竹輪の問題点は他の竹輪と比べて消費期限が短いことにあった。他の竹輪の消費期限が製造日から3〜5日であったのに対して、とうふ竹輪は常温で1日、冷蔵保存でも3日が限度だったという。現在では真空パックの研究開発が進み、消費期限が約2週間まで延びたことによって販路が広がり、地元の家庭用食品としてだけではなく、土産用としても販売されている。鳥取県ではとうふ竹輪を「鳥取県ふるさと認証食品」に認証し、官民一体となった消費拡大を推し進めている。

参考文献:『食育はここから始まる 日本の地域食材2006年版』(良い食材を伝える会)

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