こんにゃく芋収穫量の調査の仕様変更
農林水産省では、こんにゃく芋の生産に関する実態を明らかにし、生産・需給対策などに役立たせることを目的に、こんにゃく芋の栽培・収穫面積および収穫量を調査している。
主産県(群馬および栃木)における2007年産こんにゃく芋の栽培面積は3,780ヘクタール(前年比5%減)、収穫面積は2,290ヘクタール(同1%減)、収穫量は6万1,400トン(同5%減)と発表しているが、最近のこんにゃく精粉の価格高騰の原因に挙げられている群馬での減産を深刻視して、「実際の収穫量はさらに下回っているのではないか」との声もある。この指摘は、2007年産から調査の仕様が変わったことも視野に含めてのものである。
こんにゃく芋は収穫までにおよそ3年を要する多年生作物であり、「栽培面積」とは収穫までの養成中のものも含めたすべての面積、「収穫面積」は実際に収穫された面積のことである。全国の各都道府県を対象にした調査は3年周期に行われ(直近では06年)、それ以外の年は全国の収穫面積のおおむね8割を占める主産県(2007年の場合、群馬および栃木)を対象としている。
直近の2005年の主産県調査では、作付面積について主産県内の農協をメーンに116団体などを面接調査、102市町村を巡回・見積もりし、収穫量については116団体などを面接調査、102市町村を巡回・見積もりしているが、2007年は作付面積についてこんにゃく芋を取り扱う19の関係団体、収穫量については19の関係団体と264の標本経営体に対して巡回・見積もりを行った。効率化を図るため、職員の面接調査が廃され、巡回・見積もりによる情報収集のほか往復郵送調査が採用された。
さらに収穫量の集計方法も、05年が個々の結果を単純合計していたのに対して、2007年はこんにゃく芋の団体取扱数量(団体把握シェア=おおむね80%を基準)に応じて、関係団体調査結果または標本経営体調査結果から算出した10アール当たり収量を決定し、作付面積に乗じて算出したものである。一見、煩雑ではあるが、農水省の生産流通消費統計課普通作物統計班では「概数として調査の仕様の変更による違いはほとんどない」としている。
主産県(群馬および栃木)における2007年産こんにゃく芋の栽培面積は3,780ヘクタール(前年比5%減)、収穫面積は2,290ヘクタール(同1%減)、収穫量は6万1,400トン(同5%減)と発表しているが、最近のこんにゃく精粉の価格高騰の原因に挙げられている群馬での減産を深刻視して、「実際の収穫量はさらに下回っているのではないか」との声もある。この指摘は、2007年産から調査の仕様が変わったことも視野に含めてのものである。
こんにゃく芋は収穫までにおよそ3年を要する多年生作物であり、「栽培面積」とは収穫までの養成中のものも含めたすべての面積、「収穫面積」は実際に収穫された面積のことである。全国の各都道府県を対象にした調査は3年周期に行われ(直近では06年)、それ以外の年は全国の収穫面積のおおむね8割を占める主産県(2007年の場合、群馬および栃木)を対象としている。
直近の2005年の主産県調査では、作付面積について主産県内の農協をメーンに116団体などを面接調査、102市町村を巡回・見積もりし、収穫量については116団体などを面接調査、102市町村を巡回・見積もりしているが、2007年は作付面積についてこんにゃく芋を取り扱う19の関係団体、収穫量については19の関係団体と264の標本経営体に対して巡回・見積もりを行った。効率化を図るため、職員の面接調査が廃され、巡回・見積もりによる情報収集のほか往復郵送調査が採用された。
さらに収穫量の集計方法も、05年が個々の結果を単純合計していたのに対して、2007年はこんにゃく芋の団体取扱数量(団体把握シェア=おおむね80%を基準)に応じて、関係団体調査結果または標本経営体調査結果から算出した10アール当たり収量を決定し、作付面積に乗じて算出したものである。一見、煩雑ではあるが、農水省の生産流通消費統計課普通作物統計班では「概数として調査の仕様の変更による違いはほとんどない」としている。
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夜の稲荷売り
小説家・池波正太郎(1923〜1990年)の代表作である『鬼平犯科帳』には、江戸の町の季節感を表現するために数々の食べ物が描かれている。豆腐業界などの関連では、白魚と豆腐の小鍋だて、菜飯と田楽、餡かけ豆腐、蒟蒻の白和え、蒟蒻の煮しめ……など。
『鬼平犯科帳』から、池波ファンの佐藤隆介氏がえり抜きの美味を取り上げて、解説と料理法を記したのが『池波正太郎・鬼平料理帳』であり、巻頭には池波の語り下ろし「江戸の味」が収録されている。そして、そこには小学校卒業後、奉公に出て、やがて株式仲買店に勤めた池波の少年時代が、夜中に売りに来る稲荷鮨(いなりずし)を買い食う光景が記されている。
ぼくらが株屋の小僧時代には、夜中に稲荷鮨を売りに来たね。夜食に買って食べたよ。まだ、ろくに小遣いもない時分にね。いまの稲荷鮨なんか問題にならない。うまいですよ、それは。米がいいし、油揚げいいし、醤油がいいんだから。独特の呼び声を掛けて売りに来るんだよ。そうすると、住込みの店員がみんな二階からざるを降ろして、そこへ稲荷鮨を入れてもらって、スーッと引き上げるわけだ。稲荷鮨っていうのは明けがた近くまで売っているんだよ。場所によってね。
当時(1930年代後半)は「明けがたまで、何かしら働く人がいたりして、いろいろな商売が夜っぴてあったわけです」と池波は述懐している。ちなみに『鬼平犯科帳』の時代から稲荷鮨はあったようだが、「握り鮨」の登場はもう少し後のことである。夜の稲荷売りの風情は、映画のシーンにも定着しているようだ。
それは溝口健二監督の映画『残菊物語』
を観ればわかる。だいたい夏の午前三時頃、六代目菊五郎が赤ん坊で、乳母のお徳があまり暑くて赤ん坊が泣くものだから抱いてね、築地の河岸のところへ涼みに出る。そこへ菊之助が帰って来るときに『いなァりさん……』という呼び声が聞こえるんだ。
参考文献:佐藤隆介編『池波正太郎・鬼平料理帳』(文春文庫)
『鬼平犯科帳』から、池波ファンの佐藤隆介氏がえり抜きの美味を取り上げて、解説と料理法を記したのが『池波正太郎・鬼平料理帳』であり、巻頭には池波の語り下ろし「江戸の味」が収録されている。そして、そこには小学校卒業後、奉公に出て、やがて株式仲買店に勤めた池波の少年時代が、夜中に売りに来る稲荷鮨(いなりずし)を買い食う光景が記されている。
ぼくらが株屋の小僧時代には、夜中に稲荷鮨を売りに来たね。夜食に買って食べたよ。まだ、ろくに小遣いもない時分にね。いまの稲荷鮨なんか問題にならない。うまいですよ、それは。米がいいし、油揚げいいし、醤油がいいんだから。独特の呼び声を掛けて売りに来るんだよ。そうすると、住込みの店員がみんな二階からざるを降ろして、そこへ稲荷鮨を入れてもらって、スーッと引き上げるわけだ。稲荷鮨っていうのは明けがた近くまで売っているんだよ。場所によってね。
当時(1930年代後半)は「明けがたまで、何かしら働く人がいたりして、いろいろな商売が夜っぴてあったわけです」と池波は述懐している。ちなみに『鬼平犯科帳』の時代から稲荷鮨はあったようだが、「握り鮨」の登場はもう少し後のことである。夜の稲荷売りの風情は、映画のシーンにも定着しているようだ。
それは溝口健二監督の映画『残菊物語』
参考文献:佐藤隆介編『池波正太郎・鬼平料理帳』(文春文庫)
納豆容器の利便性向上と環境保全への取り組み
糸引き納豆のネバネバは、大豆に含まれるグルタミン酸が発酵によってポリペプチド(アミノ酸が数個以上結合した集合体)と結合し、これとフラクトース重合体(フラクタン)が結合した含窒素多糖類。このネバネバは食器につくと、洗剤を多量に使わないと落ちず、洗うのにも時間がかかってしまうため、厄介者でもある。
ある刑務所では納豆のパックにご飯を少しずつ載せ、“納豆ご飯”ならぬ“ご飯納豆”にして食べることで、厄介な食器洗いの問題を解決していたという話を聞いたことがある。しかし、納豆1パック(50グラム)の容器に茶わん1杯(約150グラム)分のご飯全部は入らず、小分けに入れて食べなければならないから面倒くさい。
そこで長野県塩尻市の野村誠一さんは、「ご飯を入れて食べられる納豆容器」(特開2008—150108)を発明した。従来の納豆容器は納豆50グラムを入れるだけの容量だが、「ご飯を入れて食べられる納豆容器」は茶わん型で、茶碗1杯分のご飯を入れて食べられる大きさがあるため、これにご飯を入れれば「納豆ご飯」が楽しめて、あとはそのまま捨てるだけ。茶碗を洗う必要がなく、水や洗剤の使用量を抑えられる。納豆の内容量は同じ50グラムで、容器内に中ぶたがあり、その下に納豆を収める構造。積み重ねることが可能で、場所を取らず、陳列もしやすい。
ただし、通常の容器と比べるとゴミの量が増えてしまうことが、課題として残されている。汚れた納豆容器をプラスチックゴミとして扱っている自治体もあるため、地球環境への負荷が増し、さらにリサイクルされるとなると最終的に洗浄されるため、水と洗剤の完全な節約にならない。利便性向上と環境保全、すなわちライフサイクルアセスメント(LCA)の高評価を両立するのはかなり難しいが、これらが次世代の納豆容器に求められるキーワードであろう。
ある刑務所では納豆のパックにご飯を少しずつ載せ、“納豆ご飯”ならぬ“ご飯納豆”にして食べることで、厄介な食器洗いの問題を解決していたという話を聞いたことがある。しかし、納豆1パック(50グラム)の容器に茶わん1杯(約150グラム)分のご飯全部は入らず、小分けに入れて食べなければならないから面倒くさい。
そこで長野県塩尻市の野村誠一さんは、「ご飯を入れて食べられる納豆容器」(特開2008—150108)を発明した。従来の納豆容器は納豆50グラムを入れるだけの容量だが、「ご飯を入れて食べられる納豆容器」は茶わん型で、茶碗1杯分のご飯を入れて食べられる大きさがあるため、これにご飯を入れれば「納豆ご飯」が楽しめて、あとはそのまま捨てるだけ。茶碗を洗う必要がなく、水や洗剤の使用量を抑えられる。納豆の内容量は同じ50グラムで、容器内に中ぶたがあり、その下に納豆を収める構造。積み重ねることが可能で、場所を取らず、陳列もしやすい。
ただし、通常の容器と比べるとゴミの量が増えてしまうことが、課題として残されている。汚れた納豆容器をプラスチックゴミとして扱っている自治体もあるため、地球環境への負荷が増し、さらにリサイクルされるとなると最終的に洗浄されるため、水と洗剤の完全な節約にならない。利便性向上と環境保全、すなわちライフサイクルアセスメント(LCA)の高評価を両立するのはかなり難しいが、これらが次世代の納豆容器に求められるキーワードであろう。
平成20年産大豆の生産計画
全国農業協同組合連合会(JA全農)園芸農産部大豆販売課が発表した平成20年産大豆の生産計画は、作付面積が11万5,215ヘクタール(前年産比7%増)、集荷見込みが10アール当たり収量を平年並みとして18万4,860トン(前年産比10%増)。地区別は下記のとおり。

上位10品種の集荷については、作付面積の増加を反映して増加する見込みであり、前年不作だったエンレイは2割以上、納豆用のスズマルは4割以上増加すると見込まれている。品種別の動向は下表のとおり。

上位10品種の集荷については、作付面積の増加を反映して増加する見込みであり、前年不作だったエンレイは2割以上、納豆用のスズマルは4割以上増加すると見込まれている。品種別の動向は下表のとおり。
