空飛ぶ新玉ネギこんにゃく

「空飛ぶ新玉ネギこんにゃく」は、大山食品とJA延岡、(社)宮崎県JA食品開発研究所の共同開発によって生まれた商品である。「空飛ぶ新玉ネギ」は、宮崎県のJA延岡で生産される1〜3月までの極早生タマネギ。日本一早く出荷できることや、消費者に少しでも早く届けたいという農家の願いを込め、将来フライト輸送することを企図してのネーミングで、延岡市およびその周辺の町で生産されており、同県では平成10(1998)年度からブランド化に取り組んでいる。平成15(2003)年度の生産量は約700トン。

「地域の特色ある品目」として生産振興されている「空飛ぶ新玉ネギ」は、刺激臭が少なく、甘味があり、生食用として人気が高い。しかし、品質の確保や出荷規格について厳正さが求められ、出荷時の規格外品は全体の4 割にも上る。この規格外品を加工用原料として利用できないものかと、JA延岡と宮崎県JA食品開発研究所はジュース、ドレッシング、ワイン、ジャムなどの商品開発を進めていたが、そこに大山食品も加わっての共同開発が行われ、「空飛ぶ新玉ネギこんにゃく」の商品化へとつながった。

JA延岡の特産「空飛ぶ新玉ネギ」の規格外品に付加価値を付けた「空飛ぶ新玉ネギこんにゃく」は、群馬県産こんにゃく粉に「空飛ぶ新玉ネギ」の葉と玉の部分を粉末化して練り込んでいる。水は同県東諸県郡綾町の伏流水で、この綾川湧水群は環境省の「名水百選」にも選定されている。葉入りのものは緑色、玉入りのものは黄色のこんにゃくとなっており、さしみタイプとそうめんタイプがある。冬はしゃぶしゃぶなどの鍋料理に、夏は酢みそでそのまま、またサラダの食材用途などに適する。

低カロリーのダイエット食品として人気を集めているが、こんにゃく独特のにおいをタマネギの成分が消すため、こんにゃくが苦手な子どもにもお薦めだという。「さしみ」「そうめん」「葉さしみ」「葉そうめん」の4種類があり、さしみには酢みそ、そうめんにはタマネギドレッシングが付いている。価格は1袋(150グラム入り)220円。
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餡かけ豆腐

池波正太郎(1923〜1990年)『鬼平犯科帳』の一編『あきれた奴』では、餡かけ豆腐についての描写がある。

門外の東の濠端に、夜になると〔茶飯売り〕が荷を下す。ひどい雨でもないかぎり、かならずあらわれる。このあたりは幕府の御用屋敷が多く、夜ふけてからそれぞれの小者や、夜勤の者たちが腹をみたしに出て来るので、なかなか繁昌をしているし、お上のゆるしも得ていた。あるじは五十五、六の、でっぷりと肥った老爺で、無口だがおだやかな人柄だし、それに茶飯がうまい、そのほかに餡かけ豆腐も売るし、燗酒も出す。寒い夜などに気が向くと熱い〔けんちん汁〕の用意をしていることもあって、このあたりでは大評判になり、長谷川平蔵も、時折、食いしん坊の木村忠吾が夜勤のときなど、よびつけて、「おい、うさぎ。濠端へ行け。ただし女房どのに気取られるなよ」などと、銭をわたして茶飯と餡かけ豆腐を買いにやることもあった。

池波正太郎ファンである佐藤隆介氏の母親の実家は、信越国境に位置する妙高山麓・赤倉で「豆腐屋旅館」を営んでいたといい、豆腐に関しては一家言を持つ。佐藤氏が子供の頃からよく食べていた餡かけ豆腐のレシピは以下のとおり。

豆腐をやや大形に切り、たっぷりと水を加え、食塩を一つまみ入れ、煮加減をはかってすくいあげ、湯を切る。豆腐を煮るときは「塩一つまみ」を加えるのがよいということになっている。こうすると、普通の豆腐でも淡雪のようにやわらかくなり、しかも少々煮過ぎてもすが入らない。深い器に取った豆腐の上から、煮立てた葛餡をどろろとかけ、おろし生姜、さらし葱、あるいは揉み海苔などを添えて、ハイお待ちどおさま……という次第。葛餡は、煮出汁に醤油・味醂などでややこっくりと味をつけ、煮立たせたところへ水で溶いた葛を加えて練ったもの。

餡かけ豆腐は秋の夜にしみじみとおいしい料理だが、池波の作中に触れられた「けんちん汁」もまた豆腐料理のひとつ。

参考文献:佐藤隆介編『池波正太郎・鬼平料理帳』(文春文庫)

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納豆容器の特性

納豆製品は蒸煮大豆に納豆菌を接種して容器に詰めた後、発酵室で納豆に仕上げられる。現在の製品のほとんどが、トレー(40〜50グラムのPSP角容器)もしくはカップ(30〜40グラムの紙製丸カップ)である。

PSP角容器はPSP(ポリスチレンペーパー)自体に断熱効果があるので、盛り込み作業後の発酵工程でも安定した発酵が行われ、商品の出来上がりが良く、冷蔵熟成後の流通段階でも品質の保持に役立つ。角容器は包装工程でも2段、3段の段積み包装機があれば商品となるが、カップ容器の場合だと、トップシール機、台紙供給機、シュリンク包装機などが必要になる。

従来の納豆包装容器の特性をまとめたものが下表である。各容器の保温、保水、通気などに関する機能には差異があるため、ひとつの発酵室内に多種類の容器を引き込むことは避けねばならない。良い納豆を得るには、1発酵室に対して容器を1種類とするのが原則である。

納豆容器の特性

参考文献:渡辺杉夫『食品加工シリーズ(5) 納豆 原料大豆の選び方から販売戦略まで』(農山漁村文化協会)

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新品種「なごみまる」

固形分濃度の高い豆乳や、大豆の全粒微粉末を用いた豆乳類は、消費者に受け入れられて久しいが、大豆に対してアレルギー性疾患を発症する例も少なくない。そのため、アレルゲンたんぱく質を欠失した大豆品種の供給を求める実需者の声に、(独)農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所・大豆育種研究チームが応えて、新品種「なごみまる」を開発した。

登録・命名は平成18(2006)年。「なごみまる」と命名された由来は、「豆乳を飲んで心がなごむ。また、生産現場においても栽培しやすいので安心感が持てる」ことから。豆乳など大豆加工食品のアレルギーリスク軽減のための原料として注目されている。

「なごみまる」は、大豆の主要アレルゲンのひとつとされるβ—コングリシニンのうち、αおよびα’サブユニットを欠失しているが、その系統は「タチナガハ」を母とし、β-コングリシニンのαおよびα’サブユニットを欠失する「ゆめみのり」を父として人工交配した系統に、「タチナガハ」を2回戻し交雑して得られた「刈交0542BC2」にタチナガハを戻し交雑し、得られた後代から選抜したもの。旧系統名は「関東103号」。「なごみまる」の栽培適地は、東北地方中南部から関東地方北部にかけて。収量は既存の「ゆめみのり」に比べて多収で、「タチナガハ」並みである。

収量以外の面で「なごみまる」を「タチナガハ」と比較してみると、生育面では、(1)育成地での成熟期は3日ほど早い (2)耐倒伏性は同等で優れている (3)収量性は、育成地では同等である (4)百粒重はやや低い (5)伸育型は有限である——などの特性が挙げられる。品質面では、粗たんぱく質および粗脂肪の含量が「タチナガハ」と同程度の「中」だが、豆乳加工適性は優れており、豆腐加工適性は劣るという。また、留意すべき点として、すべてのアレルゲンたんぱく質を欠失しているわけではないため、“アレルギーフリー”ではないことがある。

農研機構作物研究所では、大豆以外にも、水稲、小麦、大麦、大豆、サツマイモなどの資源作物の品種改良と、品種改良のための新技術開発を行っている。

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Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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