生産情報公表こんにゃくのJAS規格

食品に対する不安や不信感を高めている消費者に対して、「食」に対する信頼の回復を図る方策のひとつとして、消費者に食品の生産履歴情報を提供することは重要な取り組みである。

JAS制度においても平成15年度から、事業者が自主的に食品の生産情報を消費者に正確に伝えていることを第三者機関が認定する生産情報公表JAS規格を導入。牛肉、豚肉、農産物などの生鮮食品について順次、生産情報公表JAS規格が制定され、平成19年3月26日にはこんにゃくおよび豆腐についても生産情報公表JAS規格が告示された。

生産情報加工食品のJAS規格の対象となるこんにゃくは、「板こんにゃく」や「しらたき」などである。

このJAS規格で公表する情報の具体的な内容は、

1. 原料の種類
2. 原料となるこんにゃく生芋の原産地名
3. 原料こんにゃく生芋の品種名
4. 原料こんにゃく生芋の生産年
5. 原料となる精粉の製造地名
6. 精粉の原料となるこんにゃく生芋の原産地名
7. 原料こんにゃく生芋のすべてに生産情報公表農産物のJAS規格による格付の表示が付されている場合には、認定生産行程管理者の氏名または名称、農産物識別番号および生産情報の公表の方法
8. 原料こんにゃく生芋のすべてに有機農産物のJAS規格による格付の表示が付されている場合には、当該原料こんにゃく生芋に当該格付の表示を付した認定生産行程管理者、認定小分け業者または認定輸入業者の氏名または名称
9. 原料精粉のすべてに有機加工食品のJAS規格による格付の表示が付されている場合には、当該原料精粉に当該格付の表示を付した認定生産行程管理者、認定小分け業者または認定輸入業者の氏名または名称
10. 生芋、精粉および凝固剤以外に使用した原材料がある場合には、その名称
11. 製造工程において使用された凝固剤の物質名および濃度
12. 製造におけるのりかき工程における加熱温度
13. 主な原料の種類が精粉である場合には、こんにゃくの加水率
14. 製造業者の氏名または名称および住所
15. 一般消費者が公表された生産情報に関する問い合わせを行える部署および連絡先

――となる。

原料こんにゃく生芋の原産地名は、国内で生産された原料こんにゃく生芋は「都道府県名」、外国で生産された生芋は「原産国名」を公表し、使用された生芋の原産地名が2つ以上ある場合にあっては、重量の割合の多い原産地名から順に公表する。品種名は、育成品種だと「はるなくろ」などの登録品種名、育成品種以外だと「在来種」などを公表することとなっている。
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どじょう豆腐、再び

豆腐の中に生きたどじょうを潜り込ませて作る「どじょう豆腐」に対して、吉行淳之介が疑義を呈している件には前回(2009年2月「どじょう豆腐」)触れた。吉行は「熱いナベの中に豆腐とドジョウを入れると、ドジョウが暴れすぎるのでもぐりこまれた豆腐が毀れてしまう。また、ナベの水をしだいに熱くすると、ドジョウがぐったりしてしまうのか、豆腐にもぐりこまない」というアポリアに行き着き、どじょう自らが豆腐の中に入って煮えてくれるどじょう豆腐の存在は「机上の空論」と断定するに至った。

この難問に嵐山光三郎が奮然と立ち向かう。しかし、「泥鰌豆腐というのは鍋のなかに豆腐と泥鰌を入れて煮るもので、泥鰌が熱さに耐えきれず豆腐の中に入りこむから、それに味醂、砂糖、醤油を加えて味をつける。ぼくが試したところ、泥鰌は熱さで暴れまくって豆腐を崩してしまい、そのまま豆腐の横で煮えてしまった」。

やはり嵐山も「どうもうまくいかないから、その俗説は嘘だ」と思う。だが、自ら包丁を握って料理を作る嵐山は、勇猛果敢なチャレンジを繰り返す。ある好事家も「やれば出来る」と励まし、試行錯誤をこつこつと続ける。ここは“素人庖丁”の腕の見せ所。周囲から様々なアドバイスも得た。

まずぬるま湯の中に生きた泥鰌を放ち、そこへ冷えた豆腐を入れて徐々に熱していけば、おのずと泥鰌は豆腐へ入るという。湯の中に少量の酢を入れるという説もあり、さっそく私は豆腐二丁と泥鰌二十匹を買い求めて試してみた。豆腐一丁に対し泥鰌十匹で二回試したが、やはりうまくいかない。火加減が悪いのだろうかと思うのだが、泥鰌にも問題がありそうだ」――魚屋は「ちかごろの泥鰌は(養殖で)根性がねえや」といまいましそうに言うので、値の張るどじょう“地黒の飛び大”を買い求めて、さらに試してみた。

そうして行き着いた先は……。

玉村豊男氏に『泥鰌のお尻を突けばいい』と聞いていたのでその通りにすると、泥鰌の勢いがよすぎて豆腐を突き抜けてしまった。玉村流は、豆腐の腹にちょっと穴を開けて、そこへ泥鰌の頭を突っこみ、尻尾を箸で突つくというものだ。過保護という反省心がよぎったが、どっちみち食べてしまうのだからと思いつつ、突つき始めると、女房と息子が帰ってきて、ぼくは『異常性格者だ』と批難された。女房子供はいつの時代も研究の敵だ

――そのような事態を避けるために、「泥鰌豆腐を作る秘訣は、女房子供が寝静まった深夜に限る」と。

参考文献:嵐山光三郎『素人庖丁記』(ランダムハウス講談社)

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納豆に似て非なる発酵食品

大豆を用いることなく、納豆に似せた味と糸引き状態が得られる栄養価の高い発酵食品とその製造方法に関して公開特許が出願されている。発明の名称は「発酵食品と発酵食品の製造方法」(特開2008-194032)、発明者は石川県鳳珠郡の田小路一枝さんら。大豆の代わりに何を使用するかと言えば、ホドイモ、またはアピオス。これを水洗いして煮沸した後、所定の大きさにカットして蒸し、納豆菌または麹菌を接種して発酵させるという。

それまでも大豆以外の原料にイモ類を選び、納豆菌などを接種した発酵食品が提案されてきた。しかし、ジャガイモやサツマイモを用いると、味や糸引きの点で納豆と似ても似つかぬ食品が出来上がってしまう。栄養価の点でも、納豆と比べて十分ではない。また長芋などのように独特の糸を引く材料はあるが、納豆の糸引きとは異なるどろどろ感のあるもので、味覚も納豆と大きく異なる。様々なイモ類を長年研究してきた田小路さんらは、ホドイモやアピオスが大豆と似た味覚を有することを発見し、これに納豆菌を接種すると納豆に近い食品を製造できると考えた。

ホドイモは地中に塊根ができるマメ科ホドイモ属の蔓性多年草。茎を他の植物などに絡ませ、長さ1.5メートル以上に達する。塊根の肉は白色で、でんぷんを多量に含み、食用とされる。アピオスは「アメリカホドイモ」とも呼ばれ、北米原産のホドイモの近似種。日本では観賞用として栽培されていたが、近年は食材としての改善・改良が進められている。いずれもイモでありながらマメ科の植物で、カルシウム、ビタミンE、イソフラボン、鉄分や食物繊維を豊富に含む。

明治時代に北米から青森に輸入されたリンゴの苗木に種が付着していたことで、アピオスは日本に伝来したとされる。そのため青森の特産品として扱われているが、それ以外の知名度は低く、消費も十分ではない。山野に生育したものもあまり活用されていない。この発明の発酵食品は、ホドイモやアピオスの消費拡大をも視野に入れている。アピオスなどを原料に使用することで、納豆に近い味と糸引き状態が得られ、同時に栄養価も高い発酵食品を製造できる。具体的には、納豆より臭いが強くないため、納豆を敬遠するような人にも食べやすくなり、糸引き状態が納豆より強くないため、食器などにこびり付くようなことがない──などのメリットが挙げられている。

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カナダの大豆生産量

米国農務省は毎月、世界および主要生産国における大豆の需給見通しを発表している。発表されている主要国は米国を除くと、アルゼンチン、ブラジル、中国、EU、日本、メキシコである。アルゼンチン、ブラジルは主要輸出国として、中国、EU、日本、メキシコは主要輸入国としてデータを挙げている。そこにカナダは含まれていないが、カナダ産大豆の生産量および栽培面積(seeded area)については、カナダ統計局からデータを入手できる。直近の2月5日のデータから製表した。

カナダの大豆生産量

2008年のカナダの生産量は前年(296万5,700トン)と比べて23.7%増の333万5,900トン。大幅に増加してはいるが、比較の対象となる2007年の生産量(前年比22.2%減の269万5,700トン)が例年より大幅に落ち込んだため、それを考慮する必要がある。栽培面積は前年(118万100ヘクタール)と比べて1.9%増の120万2,400ヘクタール。こちらの増加率はわずかにとどまっている。単収(10アール当たり収量)を算出してみると、08年が27.7キログラムであるのに対して、前年は22.8キログラムに過ぎない。前年のカナダ産大豆が不作だったことが読み取れる。前年対比で21.5%増もの増加だが、06年の単収28.6キログラムには及ばなかった。

前回示した「大豆の輸入概況」(2009年3月)の数値を援用すると、2006年、2007年とも日本が大豆を輸入した金額ベースのトップは米国だが、カナダはそれに次ぐ2位だった。数量では2006年、カナダは日本に28万1,910トン(137億1,759万9,000円)の大豆を輸出しており、これはカナダの全生産量の8.1%を占める。2007年は30万9,465トン(172億8,475万1,000円)で、全生産量の11.5%。カナダ産大豆の1割前後が日本に輸出されている。

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通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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