こんにゃく芋の品種別生産実績

農林水産省の生産局農産部地域作物課では、農林水産省統計部で調査されていない工芸農作物の生産実績、主要特産農産物の品種別生産実績等を調査し、特産農作物に関する統計資料を作成することを目的に「特産農産物の生産実績調査」を行っている。その中には、こんにゃく芋の生産実績も含まれる。最新の確報は平成19年(2007)の統計表である。

こんにゃく芋について見ると、都府県別生産状況として、品種別、栽培方法別、年生別生産実績が掲げられている。今回は、全国の品種別・栽培方法別から、栽培面積、収穫面積、10アール当たり収量、収穫量について製表した。

2007年に栽培されていたこんにゃく芋のうち、栽培面積、収穫面積、収穫量で最も多い品種は、あかぎおおだまである。続いて、はるなくろ、みやままさりの順。また、在来種、支那種については、みょうぎゆたかを上回っている。あかぎおおだまの収穫量は5万2,541トン。実に、こんにゃく芋の収穫量総量(6万4,316トン)の約82%を占めている。

栽培方法別では、通常の植玉栽培のほか、自然生栽培も行われていることが読み取れ、大半が在来種である。在来種の自然生栽培では、愛媛(80トン)、宮崎(12トン)、山梨(12トン)などの収穫量が目立っていた。

こんにゃく201304
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納豆菌で被災地の土壌改良

2011年3月11日の東日本大震災での大津波による被害農地は、水田2万151ヘクタール、畑3,449ヘクタールの計2万3,600ヘクタール。被災6県の耕地面積の2.6%に達したという。津波だけではない。原発による汚染土壌の問題もある。それらの津波および他の災害などで破壊された土壌(水田、畑)環境を回復するための方法として、納豆菌を活用する方法が公開特許として出願されている。発明の名称は「乳酸菌と納豆菌と有機肥料を利用した汚染土壌改良方法」(特開2013─22582)。発明者、出願人は共に岩手・奥州市の平松勝彦氏。

さて、被災農地を回復するための解決手段だが──まず、ヨーグルトと納豆菌をミキサーに入れ、よく撹拌して、ヨーグルト系土壌改良剤を生成。その改良剤と一般的有機肥料(堆肥)を津波などに破壊された土壌に入れ込み、添加する。有機物によって微生物の繁殖を促すと同時に、微生物環境を改善して地力の回復が得られる。

さらに、ヨーグルト成分と納豆菌(枯草菌)成分による活性作用が加わることで、有害菌を抑制、有効菌の繁殖を促進する。そればかりか、津波の被害農地だけでなく、セシウムなど放射線で汚染された土壌および植物に散布することによって、放射線による汚染数値の減少効果も得るという。

その放射線減少作用については、一般農地や畑でヨーグルト系土壌改良剤を用いた実証試験を行っている過程において発見された。土壌内に改良剤を散布して土壌改良を実施していたところ、セシウムの放射線量数値の変化を確認できたことを受け、改めて、放射線量数値の高い福島・南相馬市にて、ヨーグルト系土壌改良剤による放射線減少試験を行った結果、放射性セシウムの減少数値を確認したと平松氏。

具体的な実施方法としては、水田表面を整理し、トラクターを用いて土壌混合。雨の日を待って、もう一度、土壌を混合する。次に、土壌表面に有機肥料(堆肥)を散らす。その上から、ヨーグルト系土壌改良剤を水に薄めて散布し、肥料と土壌を混合する。一定の期間経過後、同じ作業を繰り返し行うことによって、地力の回復を得る。有機質資材とヨーグルト系土壌改良剤を土壌に入れ込み、微生物活性を促進することにより、被災農地の微生物量を増やし、土壌本来の地力を得る方法は、最も経済的にリーズナブルで、効率が良いと力説されている。

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Talk About Tofu in English(2)

引き続き、豆腐について英語で語ろう。

Tofu spoils quickly, so a new batch is made at local tofu shops every morning.

豆腐の特性によって、(従来の)豆腐業の在り方が規定されていることを簡潔に示唆している一文が「豆腐は日持ちがしないので、地元のお店では毎朝豆腐作りが行われます」。日本語化した「ローカル」と異なり、英語の「local」は「田舎の」という意味を持たない。「地元の」「その地域限定の」を指す。元来、豆腐は製造時からの消費期限が差し迫っていたからこそ、日本の津々浦々で、地域に密着した食品たり得た。

「batch」はそのままの「バッチ」で業界でも使用されているが、パンや陶器などを焼く場合の1窯分、「1回分」の意味。豆腐の場合にもぴったり。製造時の最小製造単位や卸売りの最小販売数の「1回分」ならば、ロット(lot)を使う。また例文では、「日持ちがしない」を意訳して「悪くなる」「傷む」意の「spoil」という単語を使っている。

First soybeans that have been soaked in Water overnight are mechanically mashed. Then they’re cooked in a boiler. The liquid extracted when boiled soybeans squeezed is soy milk. Nigari, the liquid residue from the process of removing salt from seawater, is then added as a coagulant. The soy milk solidifies and becomes tofu.

豆腐の製造工程(大豆の浸漬・磨砕、煮沸、豆乳の搾り、凝固)を5文で表現。「まず、水に浸して一晩寝かせた大豆を機械ですりつぶします。さらにボイラーで煮ます。煮た大豆を搾って出る液体が“豆乳”です。ここに、海水から塩分を取り除いてできた“にがり”という液体を加えると、凝固して豆腐が出来上がります」と極めて明快。凝固剤(coagulant)のにがりは、海水から塩を採る過程での残留物(residue)と説明している。注意すべきは、日本語「クッキング」が料理全般を指すのに対し、英語の「cook」は「煮る」「焼く」「炊く」「揚げる」など、熱(火)を用いての料理に限る。

参考文献:『トラッドジャパン September, 2012』(NHK出版)

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愛媛の「いずみや」

幕末の風俗をつづった日記『天言筆記』で触れられている稲荷寿司が、おからを詰めていたように、近世ではおからを使ったおから寿司の存在が珍しくなかったようだ。

享和2年(1802)に刊行された『名飯部類』では、「つなし雪花菜鮨」の名が見え、これはおからをすってから醤油で煎りつけ、山椒の粉を少しずつ混ぜ、おからを魚の腹に詰める物。江戸時代も中期、しばしば財政難に見舞われた徳川幕府は節約・節倹を勧めたことから、コメの代わりにおからを使用した料理が推奨された。そのため、全国各地で大分・臼杵市の郷土料理「きらすまめし」のようなおからレシピが考案され、愛媛で今なお愛されるおから寿司も誕生している。今治地方の「いずみや」と南予の「丸ずし」である。

「いずみや」は、砂糖を効かせた酢に漬け込んだ小魚の背に、甘酸っぱく空煎りしたおから、生姜、麻の実などを入れた物。魚が大ぶりな場合は、三枚に下ろした魚の身で俵形のおからを巻き込む。

なぜ「いずみや」と呼ばれたかといえば、別子銅山を開発した豪商 ・ 住友家が伝えたとの説。住友家の屋号が「泉屋」だった。住友家の屋号がなぜ「泉屋」か?についてもいくつか説がある。いわく、住友家に南蛮吹き(粗銅と鉛の合金から銀を含んだ鉛を分離する工程)を教授した南蛮人の名が「白水」で、その2字を合わせて「泉」とした。いわく、住友家の業祖 ・ 蘇我理右衛門の信仰していた五条天神の夢告に「子孫繁盛を願うならば、センという字を付けよ」とあって、「泉」の字を当てた。いわく、理右衛門の父、平兵衛の出身地が和泉国(泉州)だった……。

「いずみや」と同じおから寿司が、南予では「丸ずし」あるいは「ほうかんむり」と呼ばれる。こちらでは、材料の魚に小鯛、イワシ、アジ、コノシロなどが用いられる。享和3年(1803)から文化3年(1806)にかけて編まれた浅野高造『素人包丁』にも、同名の「丸ずし」が見られるが、頭を付けた魚を酢締めにして、腹に鮨米を詰めて形を整えた物と記されている。このコメの代わりにおからを使えば、南予の「丸ずし」の出来上がりだ。「丸ずし」の「丸」とは、元々魚を丸ごと使うといった意味合いだったのだろう。

ちなみに、「いずみや」(=丸ずし、ほうかんむり)は、農林水産省の選定する「農山漁村の郷土料理百選」1,644品のひとつに選出されている。

参考文献:土井中照『愛媛たべものの秘密』(アトラス出版)

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Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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