日本一の芋煮会
9月1日、第25回を数える「日本一の芋煮会フェスティバル」が、山形市の馬見ケ崎川河川敷で開催された。さすがに「日本一」を謳うだけあり、「芋煮フェス」では、6メートルの大鍋にサトイモ3トン、牛肉1.2トン、こんにゃく3,500枚、ネギ3,500本、醤油700リットル、日本酒50升、砂糖200キログラム、水6トンもの食材が投じられ、6トンの薪で煮炊きされた。直径6メートルの大鍋ともなれば、小鍋に移し替えるのもショベルカーを使っての大掛かりな作業。

今年は醤油味の芋煮のほか、直径3メートルの鍋を使ったうま塩味の「しお芋煮」も提供。食材はすべて山形県産で、地産地消の精神が息づいている。地域のソウル・フード、玉こんにゃくばかりか、芋煮会でもこんにゃくが大活躍するとあっては、山形市の年間1世帯当たりのこんにゃく消費量日本一という事実にも、深くうなずかざるを得まい。
芋煮会は、東北地方をメインに行われている季節行事。秋に入ると河川敷などの野外にグループで集まり、サトイモなどを使った鍋料理を食べる風習である。「芋煮」「芋煮会」といった呼称は地域によって差異があり(他に「芋の子」「鍋っこ」「きのこ山」など)、味付けや使用される食材などについても顕著な地域差が見られる。肉として、豚、鶏、牛のうち(あるいは寄せ鍋風に魚の場合も)どれを用いるか。「芋」と言っても、サトイモではなくジャガイモを使用する地域や、同じこんにゃくでも、糸こんにゃくを使用する地域だってある。
例えば、山形県の内陸中南部の芋煮は牛肉を使った醤油味で、すき焼き風とも呼べるタイプ。同県村山地方では、牛肉、サトイモ、こんにゃく、ネギを主な材料にして、醤油で味付けする。「山形風芋煮」とも呼ばれる。同県置賜地方になるとアレンジが加わり、村山地方と主材料は同じだが、豆腐も食材の中で大きな位置を占めてくる。豚汁風の芋煮が盛んな福島市と隣接しているためか、味噌少々も加わるそうだ。
さて、今年の日本一の芋煮フェスにも、郷土の味を求め、県内外から多数の観光客が訪れた。用意された約2万5,000杯の芋煮は完食。今後は開催日が敬老の日の前日に変更され、2014年は9月14日の開催予定。同フェスの伊藤誠実行委員長は「50回目の開催を目指し、新たな挑戦を続けていきたい」と意気込んでいる。

今年は醤油味の芋煮のほか、直径3メートルの鍋を使ったうま塩味の「しお芋煮」も提供。食材はすべて山形県産で、地産地消の精神が息づいている。地域のソウル・フード、玉こんにゃくばかりか、芋煮会でもこんにゃくが大活躍するとあっては、山形市の年間1世帯当たりのこんにゃく消費量日本一という事実にも、深くうなずかざるを得まい。
芋煮会は、東北地方をメインに行われている季節行事。秋に入ると河川敷などの野外にグループで集まり、サトイモなどを使った鍋料理を食べる風習である。「芋煮」「芋煮会」といった呼称は地域によって差異があり(他に「芋の子」「鍋っこ」「きのこ山」など)、味付けや使用される食材などについても顕著な地域差が見られる。肉として、豚、鶏、牛のうち(あるいは寄せ鍋風に魚の場合も)どれを用いるか。「芋」と言っても、サトイモではなくジャガイモを使用する地域や、同じこんにゃくでも、糸こんにゃくを使用する地域だってある。
例えば、山形県の内陸中南部の芋煮は牛肉を使った醤油味で、すき焼き風とも呼べるタイプ。同県村山地方では、牛肉、サトイモ、こんにゃく、ネギを主な材料にして、醤油で味付けする。「山形風芋煮」とも呼ばれる。同県置賜地方になるとアレンジが加わり、村山地方と主材料は同じだが、豆腐も食材の中で大きな位置を占めてくる。豚汁風の芋煮が盛んな福島市と隣接しているためか、味噌少々も加わるそうだ。
さて、今年の日本一の芋煮フェスにも、郷土の味を求め、県内外から多数の観光客が訪れた。用意された約2万5,000杯の芋煮は完食。今後は開催日が敬老の日の前日に変更され、2014年は9月14日の開催予定。同フェスの伊藤誠実行委員長は「50回目の開催を目指し、新たな挑戦を続けていきたい」と意気込んでいる。
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テンペの栄養特性
日本テンペ研究会では今夏、『テンペの食べ方ノート』を発行している。テンペの単なるレシピ集でなく、テンペの基本知識などを伝える啓蒙書でもあるが、中でも改めてテンペの栄養特性について、7つのポイントを押さえておこう。掲載の表は「五訂増補日本食品標準成分表」から抜粋した数値である。
1. 原料大豆より栄養価が高い。原料である大豆自体、栄養特性は優れているが、無塩発酵大豆食品のテンペでは、さらに栄養価が高まっている。たんぱく質含量は大豆と同等ながら、ビタミンB群や食物繊維において大幅な増加を示す。
2. 低脂肪でミネラルが豊富。テンペと牛肉と比較すると、たんぱく質含量はほぼ同じだが、脂質含量が低いため、カロリーを抑えつつ、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを摂取することが可能となる。
3. 現代人の食生活を改善する食物繊維を多く含む。高脂肪 ・ 低繊維食の傾向にある現代人の食生活を、テンペに含まれる食物繊維で改善し得る。テンペによって、より質の高い食生活を維持し、生活習慣病の予防効果が期待される。
4. コレステロールやナトリウムを含まない。コレステロールやナトリウムを含まないテンペは、脂質異常症、動脈硬化症や高血圧の発症予防、改善に役立つ。減塩レシピとしても利用でき、多分のカリウムはナトリウム排泄につながる。
5. 妊娠を計画する女性に必要な葉酸の供給源。妊娠女性における葉酸の不足は、胎児の発育に深刻な影響を及ぼす。テンペは発酵によって葉酸含量が高くなっているので、その供給源として妊婦らに役立てられる。
6. 発酵により、消化されやすい栄養成分、健康機能成分が増加。テンペのたんぱく質は酵素の働きで一部アミノ酸に、脂肪も脂肪酸に分解され、吸収しやすくなる(イソフラボンもアグリコン型に)。幼児や高齢者、女性らにとって有用。
7. その他、健康の維持増進、疾病予防効果が期待される。ほかにも抗酸化作用や抗菌作用、発がんや高血糖に対する抑制作用など、多くの効果が期待されている。
1. 原料大豆より栄養価が高い。原料である大豆自体、栄養特性は優れているが、無塩発酵大豆食品のテンペでは、さらに栄養価が高まっている。たんぱく質含量は大豆と同等ながら、ビタミンB群や食物繊維において大幅な増加を示す。
2. 低脂肪でミネラルが豊富。テンペと牛肉と比較すると、たんぱく質含量はほぼ同じだが、脂質含量が低いため、カロリーを抑えつつ、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを摂取することが可能となる。
3. 現代人の食生活を改善する食物繊維を多く含む。高脂肪 ・ 低繊維食の傾向にある現代人の食生活を、テンペに含まれる食物繊維で改善し得る。テンペによって、より質の高い食生活を維持し、生活習慣病の予防効果が期待される。
4. コレステロールやナトリウムを含まない。コレステロールやナトリウムを含まないテンペは、脂質異常症、動脈硬化症や高血圧の発症予防、改善に役立つ。減塩レシピとしても利用でき、多分のカリウムはナトリウム排泄につながる。
5. 妊娠を計画する女性に必要な葉酸の供給源。妊娠女性における葉酸の不足は、胎児の発育に深刻な影響を及ぼす。テンペは発酵によって葉酸含量が高くなっているので、その供給源として妊婦らに役立てられる。
6. 発酵により、消化されやすい栄養成分、健康機能成分が増加。テンペのたんぱく質は酵素の働きで一部アミノ酸に、脂肪も脂肪酸に分解され、吸収しやすくなる(イソフラボンもアグリコン型に)。幼児や高齢者、女性らにとって有用。
7. その他、健康の維持増進、疾病予防効果が期待される。ほかにも抗酸化作用や抗菌作用、発がんや高血糖に対する抑制作用など、多くの効果が期待されている。

八杯豆腐
前回、「三杯もの」(2013年8月 「台湾の三杯もの」参照)を取り上げたからという訳でもないが、今回は八杯豆腐について。この春、期間限定だが、奈良・葛城地域の郷土料理「八杯豆腐」がJR奈良駅構内の県営アンテナショップで販売されていた。細長く切った奈良県産の豆腐と吉野葛を使用し、汁にとろみを付けていた。「八杯」とは、水4、醤油2、酒2の割合で味付けされることが由来とされている。葛城地域だけでなく、全国的にも親しまれている郷土の総菜、と言われれば、『豆腐百珍』を想起される方も少なくないだろう。
江戸時代に出版された豆腐料理の指南書、何必醇『豆腐百珍』では「妙品」として「真の八杯豆腐」が挙げられている。福田浩氏の訳を引用する──。
絹ごしのすくい豆腐を用い、水六杯と酒一杯をよく煮返した後、醤油一杯を足し、さらによく煮返し、豆腐を入れる。煮かげんは、湯やっこのようにする。おろし大根を置く。
『デジタル大辞泉』でも八杯豆腐の定義は「薄く細長く切った豆腐を、水4杯・醤油2杯・酒2杯の割合の汁で煮て、葛を加えた料理。うどん豆腐」とされ、このレシピは葛城地方で復活させた八杯豆腐とも共通するが、『豆腐百珍』の場合、母分の“8”に基づく「八杯」は共通するとはいえ、水・酒・醤油の配合比率が異なるようだ。これは地域性なのか。それとも時代性によるものだろうか?
説明文中、「湯やっこのようにする」とある、その湯やっこの煮加減は同書の「絶品」で触れられている。
葛湯を湯玉のたつほど煮たたせ、豆腐を一人分入れ、蓋をせず、見ていて少し動いてまさに浮きあがろうとするところをすくいあげ、器に盛る。浮きあがってしまっては煮すぎである。その塩梅は一瞬である。もちろん、器は温めておかなければならない。
参考文献:福田浩、松藤庄平、杉本伸子『豆腐百珍』(新潮社)
江戸時代に出版された豆腐料理の指南書、何必醇『豆腐百珍』では「妙品」として「真の八杯豆腐」が挙げられている。福田浩氏の訳を引用する──。
絹ごしのすくい豆腐を用い、水六杯と酒一杯をよく煮返した後、醤油一杯を足し、さらによく煮返し、豆腐を入れる。煮かげんは、湯やっこのようにする。おろし大根を置く。
『デジタル大辞泉』でも八杯豆腐の定義は「薄く細長く切った豆腐を、水4杯・醤油2杯・酒2杯の割合の汁で煮て、葛を加えた料理。うどん豆腐」とされ、このレシピは葛城地方で復活させた八杯豆腐とも共通するが、『豆腐百珍』の場合、母分の“8”に基づく「八杯」は共通するとはいえ、水・酒・醤油の配合比率が異なるようだ。これは地域性なのか。それとも時代性によるものだろうか?
説明文中、「湯やっこのようにする」とある、その湯やっこの煮加減は同書の「絶品」で触れられている。
葛湯を湯玉のたつほど煮たたせ、豆腐を一人分入れ、蓋をせず、見ていて少し動いてまさに浮きあがろうとするところをすくいあげ、器に盛る。浮きあがってしまっては煮すぎである。その塩梅は一瞬である。もちろん、器は温めておかなければならない。
参考文献:福田浩、松藤庄平、杉本伸子『豆腐百珍』(新潮社)
平成24年産大豆の品種銘柄別落札価格
平成24年産の国産大豆の入札取引が7月24日(第12回)で終了した。(公財)日本特産農産物協会が発表した平成24年産大豆入札取引結果の総括を見てみると、上場数量は6万2,918トン、落札数量が4万8,153トンで、落札価格は60キログラム当たり8,145円だった。このうち、普通大豆は上場数量4万5,393トン、落札数量3万4,868トン、落札価格60キログラム当たり8,338円。特定加工用大豆が上場数量1万7,525トン、落札数量1万3,285トン、落札価格同7,638円となっている。
平成24年産大豆の産地品種銘柄別落札価格を別表に掲げた。全国農業協同組合連合会(全農)、全国主食集荷協同組合連合会(全集連)の集荷数量の計が100トン以上の産地品種で、平成24年産落札実績がある銘柄を集荷数量順に並べてある。
また、この集計は「農産物規格規定」に基づく産地品種銘柄に該当する品種の大豆で、粒区分について産地品種銘柄に該当しない大豆(大粒・中粒銘柄の場合の小粒、および小粒・極小粒銘柄の場合の粒区分が小粒の規定の直径を上回るもの)を含めている。
平成25年産大豆の入札取引は11月以降開始の予定。
平成24年産大豆の産地品種銘柄別落札価格を別表に掲げた。全国農業協同組合連合会(全農)、全国主食集荷協同組合連合会(全集連)の集荷数量の計が100トン以上の産地品種で、平成24年産落札実績がある銘柄を集荷数量順に並べてある。
また、この集計は「農産物規格規定」に基づく産地品種銘柄に該当する品種の大豆で、粒区分について産地品種銘柄に該当しない大豆(大粒・中粒銘柄の場合の小粒、および小粒・極小粒銘柄の場合の粒区分が小粒の規定の直径を上回るもの)を含めている。
平成25年産大豆の入札取引は11月以降開始の予定。
