ゆるキャラ、月野マナン

2011年は「くまモン(熊本県)」、2012年は「バリィさん(愛媛県)」がグランプリに輝いた「ゆるキャラグランプリ」──2013年はどこの地域のスターが栄冠に輝くのか? パソコン、スマートフォン、携帯電話からの投票を集計して決定され、現在、既に投票締め切り(11月8日)まで1か月を切っている。以前、取り上げた「こんにゃくの町下仁田」をPRする、にゃくっち(2012年9月 「ゆるキャラ『にゃくっち』」参照)もエントリーしているが、今回紹介するのは、企業・その他からエントリーを果たした「月野マナン」(群馬県)だ。

月野マナンの公式設定は「5歳の、元気いっぱい!お料理だいすき!おしゃれだいすき!こんにゃく大好きな女の子♪」とされ、左耳に花飾り(ヒマワリ?)を付けたウサギのキャラクター。群馬のこんにゃく製造量ナンバーワン企業、(株)ヨコオデイリーフーズに所属している。名のマナンはこんにゃくの「(グルコ)マンナン」から採られたと推測されるが、姓の「月野」はどうもよくわからない。むしろ「美少女戦士セーラームーン」の主人公、月野うさぎから「月野」を借用した印象が濃厚ではある。

ヨコオデイリーフーズでは、こんにゃく芋生産量日本一の群馬県で「日本に古くから伝わる、こんにゃくの文化とおいしさを多くの人に伝えたい」との思いから、同県 ・ 甘楽町に「こんにゃく博物館」を設けている。上信越自動車富岡インターからだと、車で約11分。専用キッチンでの手作りこんにゃく体験、こんにゃく製造ラインの見学、様々な料理で味わえるこんにゃくバイキング……などが楽しめる。元々、月野マナンはこんにゃく博物館のマスコット・キャラで、開館1周年を迎えた昨年、公募した中からネーミングが決定している。

「ゆるキャラ」とは商標登録(第4821202号)でもあるが、その提唱者、みうらじゅんの挙げるゆるキャラの条件のひとつ「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること」に見事、適合していると言えよう。群馬を代表する地域食品、こんにゃく(芋)をアピールすると同時に、大人も子供も見て・食べて・体験して楽しむことで食育も推進しているこんにゃく博物館を訪れれば、月野マナンが出迎えてくれるはず。周辺の富岡製糸場、群馬サファリパーク、城下町甘楽町、名勝楽山園をめぐる群馬観光も推奨されている。
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法王子と納豆売り

曹洞宗から派生した教団に「法王教」なるものがある。高田道見(1858〜1923)が明治後期から大正期にかけて推し進めた布教運動で、彼は大正期に入ってから曹洞宗の教義に拘泥せず、月刊誌や講演会を通して、在家仏教の振興に力を注いだ。自身の活動を「法王大聖釈迦牟尼仏の本旨に基づく仏教」という意味で「法王教」と名付けていた。「法王子」は高田道見の別号で、当時刊行された『近世高僧逸話』には、「法王子と納豆賣」というエピソードが収められている。

法王教の布教に奔走する道見は、伊予国新居郡(現・愛媛県新居浜市)仏国山をベースにしながらも、出版・講演活動の拠点となる「仏教新聞社」主宰として、東京にも席を置いていた。夏は伊予で過ごし、冬は東京で過ごす。毎年4〜5月に愛媛へ帰り、10月頃になると東京へ舞い戻る。東京へ行くのも、愛媛へ行くのも「帰る」とは言うが、腰を下ろしたところが「家郷」のようなものだし、どんなところにでも腰を落ち着けて住まうことができるから、「自分が『行く』のは『往く』のか『還る』のか区別がつかない」とぼやいて、大笑いしたらしい。

それほど忙しい道見が掲げた座額には「生死事大無常迅速、事終わらば速やかに去れ」と大書され、長居する客を警戒していたのだろう。それを目にした或る客人、「私は別段の“事”もなく来たのだから、去る必要もないだろう」と皮肉交じりの冗談を飛ばして、高田道見を非常に困らせたそうだ。ともあれ、多忙を極めるも、四六時中、筆と紙を手放さない道見は、著述あるいは弁舌により、世間の一人でも多くの者に己の教えを説き、伝えたかったのだ。

或る朝、道見の門弟が朝のあいさつにうかがったところ、ちょうど門の外を納豆売りが通りかかり、糸より細い売り声が耳に入った。道見は門弟に語った。「あの納豆売りは、この寒空に声を枯らし、毎朝東から西、西から南へと八百八町の東京を売り歩いているが、その納豆を買ってくれる真の同情者は、果たして何人いることやら……私が盛んに説教するのも同じことだ。筆が擦り切れるまで、舌が腫れ上がるまで伝道しても、本当に私の教えを理解してくれるのは片手で数えられるくらいではないか。しかし、その一人でも見つかれば、目的は達せられたとしなければならない」。悲痛な覚悟である。

参考文献:上館全霊『近世高僧逸話』(仏教館)

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2012年、豆腐の購入状況

2012年の一般家庭(1世帯当たり)における豆腐の購入状況、価格や重量について、全国平均、地方別、51市別(都道府県庁所在市に川崎、浜松、堺、北九州を加えた)ににまとめた。調査項目7つのうち、支出金額、購入頻度、購入数量と1丁の平均価格は、総務省が家計調査の結果から。100グラム当たり価格の都道府県庁所在市別データは、同省の小売物価統計調査(動向編)の結果から。その他の数値は、弊紙の推算による。

1世帯当たりの豆腐の支出金額は、地方別で、沖縄が7,386円で5年連続の首位。8,000円を割って2年目だが、唯一の7,000円台をキープ。都市別では、盛岡が2連覇のみならず、単独の8,000台となる8, 131円を記録。購入頻度では、地方別の最多を四国が54.53回で記録。最少は北海道の39.67回。一年が約52週であることを考えれば、1世帯で週1回以上豆腐を購入しているのは、東北、四国の2地方しかない勘定になる。都市別の購入頻度でも最多は盛岡で、68.01回という回数は他市を圧倒。豆腐を週1回以上購入したのは、徳島、松江、鳥取などを含め、計11市。

1世帯当たり購入数量については、地方別トップが東北の89.33丁。最少は北海道の54.53丁。次いで少ないのは沖縄の57.36丁だが、「島豆腐」のように大ぶりな豆腐の存在が背景にある。都市別では、やはり盛岡が最多105.51丁で他市を圧している。次点の浜松(104.27丁)と計2市が100丁の大台。弊紙独自の推計による1世帯当たりの豆腐の購入重量の全国平均は、前年比0. 81%増の23.30キログラムだった。都市別では、大幅増の津が38.42キログラムで最重量を記録。

豆腐1丁当たりの全国平均価格は前年比3. 67%減の71. 82円。地方別に見ると、沖縄が量目に見合う値を付けているのか、他とけた違いの平均価格(128.77円)を挙げた。次点の四国が90.93円、次々点の北海道が80.07円。最低価格は北陸の61.42円で、沖縄の半額以下。都市別の最高価格も那覇で、125.10円と唯一の100円台。100グラム当たり全国平均価格は、前年比2.68%減の24.10円。豆腐1丁を300グラムとすれば72.30円。地方別の最高価格は沖縄の32.77円、最低価格は九州の18.03円。都市別最高価格は鳥取の33.00円。

1丁の全国平均重量は298.04グラム。わずかとは言え、300グラムを切った。地方別では、沖縄が順当に最大重量の392.96グラムを記録。都市別は津の552.39グラムがトップ。次点の佐賀(539.54グラム)までが500グラム台。他方、富山、金沢、浜松の3市が200グラムを割った。



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京白丹波を京ブランドに

京都府生物資源研究センター(京都・精華町)で育成していた白大豆品種「京白丹波」が平成25年(2013)3月25日、品種登録を受け、種苗法(平成10年5月29日法律第83号)によって、その権利が守られることになった。種苗法とは、植物の新品種の創作に対する保護を定めた日本の法律。植物の新たな品種の創作をした者は、その新品種を登録することで、植物の新品種を育成する権利(育成者権)を占有することができる旨が定められている。

京白丹波は、丹波黒の枝豆品種「紫ずきん」と黒大豆「玉大黒」を交配させた新品種。丹波黒には無いダイズモザイク病に対する抵抗性を持つ一方、丹波黒特有のもちもち感や甘みはしっかり有する。実のところ京都府では、それまでオリジナルの普通大豆品種がない状況だったが、生物資源研究センターが紫ずきんを育成する試験の過程で、種皮が黄白色の大豆を選抜。「京白丹波」と命名して、平成23年(2011)3月に品種登録出願を行っていた。一般的な普通大豆品種の子実の約1.5倍と大粒で、黒大豆譲りの濃厚な味わいが注目され、亀岡市で本格的な栽培も既に始まっている。

京白丹波の普及を目指した動きが本格化する中、地産地消の各種食品開発新品種「京白丹波」を使用した食品開発の研究──をテーマに、(一社)京都府食品産業協会(山本隆英会長)との連携の下、今年4月1日に「京白丹波を生かし広める食品研究会」(松井元子会長=京都府立大学大学院准教授)が設立。研究グループには、京都府豆腐油揚商工組合、関西納豆工業協同組合、京都府湯葉製造販売事業協同組合などが参加している。同研究会が9月26日、京都府立大学で「京白丹波を生かした食品試食会」を開いた。

豆腐において試験的に「京白丹波 純とうふ(木綿)」「同(ソフト)」の開発に取り組んできた「永井の純とうふ」店主の永井増治さんは、「京ブランド認定食品の認定業者を中心に、組合内で京白丹波の製品化を広めていきたい」とコメント。京ブランドに直結する新品種として期待は高まるが、課題は高価格と低収量。想定価格は国産大豆の約3倍ともいわれることから、例えば「単価の安い豆腐では採算が取れない」。試験栽培だった昨年(2012)の収穫量は3.5トン。京都府オリジナルの京白丹波を通し、京都の農業や食品産業を活性化する京都ブランドのおいしい食品をコンスタントに供給できる体制を目指し、研究会と食産協は共に事業を進めていく。

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Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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