惑乱、私の妹、百頭女。
2015年9月25日(金)、京都市美術館に「ルーヴル美術館展」と併せて、
「マグリット展」も観に行ったのね。
(マグリットと比べて、テーマの絞りにくいルーヴルに客の群がっていたのが意外)
その時、南雄介、福満葉子『もっと知りたいマグリット 生涯と作品』を一読。
元々、美術書大好きだった子供時代の記憶が蘇り、
巖谷國士『シュルレアリスムとは何か』を読み耽り、
アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』を巖谷國士・訳で読み直し。
その流れで手を出したマックス・エルンスト『百頭女』も1月27日に読了(?)。
「読む」という概念と、これほど懸け離れた行為を強いられる書物も珍しいけど。
☆
巖谷が執念く説いていることになるけれど、
「シュルレアリスム」は「シュル(sur)」+「レアリスム(realsime)」でなく、
渾然一体となった概念であるということ。
※そこから「シュール・リアリズム」のような「中黒(・)」入りの誤訳への痛罵も極まる。
超現実は「現実」の向こうにある何か(非現実)でなく、
現実そのものが超現実である、という透徹した視座を発見するものだから。
ぼくらは視覚映像に形(Gestalt)を与えることから始まり、
世界で起こる事象に物語を与え、意味を与えることに安住し、退屈すら覚える。
反して、ありきたりの図像と言葉とのコラージュから成る『百頭女』は、
いかような意味からも身を擦り抜けていくから、未来永劫、魅惑的であり、悩ましい。
参考文献:南雄介、福満葉子『もっと知りたいマグリット 生涯と作品』(東京美術)
巖谷國士『シュルレアリスムとは何か』(ちくま学芸文庫)
アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』(岩波文庫)
マックス・エルンスト『百頭女』(河出文庫)
「マグリット展」も観に行ったのね。
(マグリットと比べて、テーマの絞りにくいルーヴルに客の群がっていたのが意外)
その時、南雄介、福満葉子『もっと知りたいマグリット 生涯と作品』を一読。
元々、美術書大好きだった子供時代の記憶が蘇り、
巖谷國士『シュルレアリスムとは何か』を読み耽り、
アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』を巖谷國士・訳で読み直し。
その流れで手を出したマックス・エルンスト『百頭女』も1月27日に読了(?)。
「読む」という概念と、これほど懸け離れた行為を強いられる書物も珍しいけど。
☆
巖谷が執念く説いていることになるけれど、
「シュルレアリスム」は「シュル(sur)」+「レアリスム(realsime)」でなく、
渾然一体となった概念であるということ。
※そこから「シュール・リアリズム」のような「中黒(・)」入りの誤訳への痛罵も極まる。
超現実は「現実」の向こうにある何か(非現実)でなく、
現実そのものが超現実である、という透徹した視座を発見するものだから。
ぼくらは視覚映像に形(Gestalt)を与えることから始まり、
世界で起こる事象に物語を与え、意味を与えることに安住し、退屈すら覚える。
反して、ありきたりの図像と言葉とのコラージュから成る『百頭女』は、
いかような意味からも身を擦り抜けていくから、未来永劫、魅惑的であり、悩ましい。
参考文献:南雄介、福満葉子『もっと知りたいマグリット 生涯と作品』(東京美術)
巖谷國士『シュルレアリスムとは何か』(ちくま学芸文庫)
アンドレ・ブルトン『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』(岩波文庫)
マックス・エルンスト『百頭女』(河出文庫)
スポンサーサイト
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術