森田屋

大阪・天王寺の「森田屋」へ駆け込んだ。
天王寺公園の前、谷町筋に面した
“旬菜と海鮮”の店に明るい表の日が差し込む。
天王寺の土地勘はあまりないのだけれど、
天満の気さくな角打ちに雰囲気は近い。
昼日中から、気兼ねなく、呑めるよ。
☆
親しみやすい手書きのメニューから、
相方は牡蠣フライ、あん肝などを選ぶ。
ぼくはカウンターごしにぐつぐつ煮える鍋を見て、
独りで「おでんプログラム(4)」を決行するのだった。
まずはじゃがいも、厚揚げ、大根。それに豆腐と竹輪。
☆
ちょっと濃いめのだしが しみ込んだおでんが
熱燗を次から次へ空けさせる。カウンターは満席。
「普段、こんなに忙しくないんやけどなぁ」と笑いながら、
女将が注文をてきぱきと捌いていく。彼女を嫁入り当時から知るという
古株の常連客と、昭和の大阪の世情を語り合いながら、酒を酌み交わす。
地元でもないのに、また、ふらっと訪れ、くだけて呑んだくれたい優良店。
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