帯解寺

11時43分の大和路快速に乗り、奈良まで。
JR桜井線に乗り換えて、帯解駅で下車。
駅から歩いて数分の「帯解寺」を訪ねました。
春季秘仏・秘宝特別開帳の期間なのです。
空海の師、勤操(ごんそう)の開基との寺伝。
本尊は鎌倉時代の寄木造、地蔵菩薩像。
岩座上で左足を踏み下げ、半跏の姿勢を取る。
はだけた腹部に裳の布や結び紐が見えます。
故に、「腹帯地蔵」として安産祈願の対象に!
文徳天皇の御妃、染殿皇后が帯解子安地蔵にお祈り。

間もなく懐妊、惟仁親王(清和天皇)を安産したそうです。
その後も、徳川秀忠の正室、お江の方が竹千代丸
(徳川家光)を安産したほか、平成の世に至るまで
安産・求子祈願の本場として、深く信仰されています。
まず、本堂の腹帯地蔵などを拝観した後、別棟へ移動。
信徒会館「清和閣」で、ガイドの方の案内を受けます。
本堂の念持仏、不動明王坐像も印象深かったですが、
清和閣にも種々の秘宝が待ち構えていて、目まぐるしい。
やはり、秘仏となる三面六臂大黒天立像の存在感!
像高31.5cmで、どっしりとした安定感はカブトムシのよう。
3面の残り2面は、毘沙門天、弁財天といわれています。
基本的に、仏像というオブジェ好きなぼくとしては、仏画への興味は半減するのです。
ところが、「春日赤童子画像」には興味津々。
春日社第三殿の祭神、天児屋根命(あめのこやねのみこと)と同体、
あるいは御蓋(みかさ)山の雷神の影向など、諸説あるそうです。
左手を顎に当て、右手の杖に寄り掛かった赤い肌をした童子の姿……
怒りを噛み殺しているのか、相手を評価しようとしているのか、ふてぶてしい表情。
外では、風が随分と強くなってきていました。
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