殿下訃報
ぼくの殿下好きを知っている友達から
続々とメールが入ったのが、4月22日(金)の朝だった。
今後、ぼくは4月21日という月日を忘れることはないだろう。
ずっと、一緒にいた気がする。そばにいてくれた気がする。
小説、文学、書物、文字の世界しか知らなかった(かもしれない)ぼくに
“音”を、リズムを、ビートを教えてくれたのが殿下だった。
教えてくれるがままに、JB~スライ~P-ファンクと歴史を辿り、
ゴスペル、ブルース、R&B、ロックと雑食性の耳を培った。
ガキんちょだったぼくに、性愛、政治学、敬虔さ(崇高さ)を突きつけた。
暗闇で独り引きこもっていた時にも、殿下のビートが蠢いていた。
大阪を去り、山に籠もる羽目に陥った時でも、新作が待っていた。
ぼろぼろだった時代、いつくたばっても構わない
と、うそぶいていたぼくの心残りといえば、
「ここで倒れたら、来年の殿下の新譜は聴けなくなるんだな」という感懐。
振り向かないけれど……Wait a few days before you waste any prayers.
ぼくは今後、無駄な祈りを延々と認(したた)め続けることだろう。
関連記事:オバマ大統領ら著名人がプリンスへ追悼コメント
続々とメールが入ったのが、4月22日(金)の朝だった。
今後、ぼくは4月21日という月日を忘れることはないだろう。
ずっと、一緒にいた気がする。そばにいてくれた気がする。
小説、文学、書物、文字の世界しか知らなかった(かもしれない)ぼくに
“音”を、リズムを、ビートを教えてくれたのが殿下だった。
教えてくれるがままに、JB~スライ~P-ファンクと歴史を辿り、
ゴスペル、ブルース、R&B、ロックと雑食性の耳を培った。
ガキんちょだったぼくに、性愛、政治学、敬虔さ(崇高さ)を突きつけた。
暗闇で独り引きこもっていた時にも、殿下のビートが蠢いていた。
大阪を去り、山に籠もる羽目に陥った時でも、新作が待っていた。
ぼろぼろだった時代、いつくたばっても構わない
と、うそぶいていたぼくの心残りといえば、
「ここで倒れたら、来年の殿下の新譜は聴けなくなるんだな」という感懐。
振り向かないけれど……Wait a few days before you waste any prayers.
ぼくは今後、無駄な祈りを延々と認(したた)め続けることだろう。
関連記事:オバマ大統領ら著名人がプリンスへ追悼コメント
テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽
虫塚
高原のソフトクリーム
前日の夜だったか、契約先でおやつを貰いました。
リラックマ好きのFさんに、グラスやらボウルやらを
進呈したお返し……気にしてくれなくていいのですけど。
もちろん、わざわざ頂いた物を無下に突き返すような
無粋も出来ませんし、そもそも、コンビニの新商品など、
自分でも気になってしょうがない性質なので、
ありがたく、押し頂いたのであります。
画像はそのひとつ「ポッキー」で、期間限定商品。
「高原のソフトクリーム味」かぁ……
ミルクとバニラで、ソフトクリームらしさを再現しようという
開発意図は理解できました。でも、“高原”らしさって?
ちなみに「太陽光にあてると絵柄が浮かび上がる」
らしい パッケージ裏面の仕組みには、教えられるまで
全く気付きませんでした(……たぶん、ぼくとか、春の青空が似合わない生物だからでしょう)。

リラックマ好きのFさんに、グラスやらボウルやらを
進呈したお返し……気にしてくれなくていいのですけど。
もちろん、わざわざ頂いた物を無下に突き返すような
無粋も出来ませんし、そもそも、コンビニの新商品など、
自分でも気になってしょうがない性質なので、
ありがたく、押し頂いたのであります。
画像はそのひとつ「ポッキー」で、期間限定商品。
「高原のソフトクリーム味」かぁ……
ミルクとバニラで、ソフトクリームらしさを再現しようという
開発意図は理解できました。でも、“高原”らしさって?
ちなみに「太陽光にあてると絵柄が浮かび上がる」
らしい パッケージ裏面の仕組みには、教えられるまで
全く気付きませんでした(……たぶん、ぼくとか、春の青空が似合わない生物だからでしょう)。
tag : おやつ
THEY ARE KING
発注していたキングの新譜がようやく到着。
『WE ARE KING』(2016)は何たる自信!
タイトル負けしない堂々たる完成度……
それも嫌みではなく、超自然体な物腰で。
Paris と Amber の Strother 姉妹に
Anita Bias の加わった女子3人組です。
全楽器とプロデュースはパリスが担当。
パリスらはミネアポリス出身。そのせいか、
アルバム全体が80年代のジャム&ルイス
制作作品、SOSバンドやジャネットに通じる
ドリーミーなシンセ感覚で満たされています。
しかし、彼女らのライヴ映像を動画検索で探ると、明らかにディアンジェロ以降。
生音を尊重しつつ、ヒップホップ的サンプリング・センスに対応可能なサウンドです。
そりゃ、殿下もオープニング・アクトに抜擢するし、エリカ・バドゥも絶賛するでしょ。
来月上旬に来日公演でしたが、3月のD、5月のキング……まさか、失われる環が。
関連記事:キングが来日決定
KING 来日記念特集
『WE ARE KING』(2016)は何たる自信!
タイトル負けしない堂々たる完成度……
それも嫌みではなく、超自然体な物腰で。
Paris と Amber の Strother 姉妹に
Anita Bias の加わった女子3人組です。
全楽器とプロデュースはパリスが担当。
パリスらはミネアポリス出身。そのせいか、
アルバム全体が80年代のジャム&ルイス
制作作品、SOSバンドやジャネットに通じる
ドリーミーなシンセ感覚で満たされています。
しかし、彼女らのライヴ映像を動画検索で探ると、明らかにディアンジェロ以降。
生音を尊重しつつ、ヒップホップ的サンプリング・センスに対応可能なサウンドです。
そりゃ、殿下もオープニング・アクトに抜擢するし、エリカ・バドゥも絶賛するでしょ。
来月上旬に来日公演でしたが、3月のD、5月のキング……まさか、失われる環が。
関連記事:キングが来日決定
KING 来日記念特集
テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽
tag : 黒い音
大和 徳寿庵

近鉄の橿原神宮前駅より徒歩約1分と至近距離
……ですが、繁華街という訳でもなく、
観光地として突出している訳でもないため、
「大和 徳寿庵」も地元の人らに愛されている雰囲気。
隣にスナックなどの入った大和開発ビルB1Fに位置し、
近所の若い人らや仕事帰りのリーマンが
入れ代わり立ち代わり、入店してきていました。
が、入り口の引き戸が自動ドアでなく、
携帯電話が鳴るたびに、店を出て行く客が
きちんとドアを閉めないものだから、入り口近くの
カウンター席に陣取ったのは失敗でしたねえ。
(訪れた日は、寒さがぶり返した花冷えの4月11日)

お店の看板に、麗々しく“大和肉鶏焼・
飛鳥豆腐専門店”と謳っていたからです。
大和鶏、大和ポークはともかく、
「飛鳥豆腐」を見逃す訳にはいかないでしょ。
大和鶏ささみのユッケ、大和ポーク塩焼き、
白きくらげ等とともに、お豆腐料理も注文。
汲み上げ豆腐、湯豆腐を賞味しました。
ナチュラルに美味しいです。お醤油も
奈良の「ナカコ将油」の昆布だし入り。
お肉からお豆腐に至るまで、地元産の食材にこだわる姿勢は素敵です。
ただ、「飛鳥豆腐」の謂れがよくわからなかったので、今後の宿題としました。
地域団体商標登録しているものでもなさそうですし、若い女子店員らは賄いで忙しそうでしたので……。
河合酒造の大吟醸「出世男」、八木酒造の芋焼酎「鹿王の宴」を合わせています。
刺激、驚き
4月16日(土)、日中の契約仕事は、熊本地震の影響で忙殺された。
殺気立った事業所をそそくさと、定時に抜け出す。
そこまでして、行く必要があるのか? 顔を出すべきなのか?
大阪・中之島で開かれる同人の定例合評会である。
ここ複数回、疑問を抱かされる合評内容が続いたせいである。
だが、この日は違った。ゲスト参加の新顔2人がいた。
いつもはスマホ越しに対応する長野県在住の同人が来阪を果たした。
“他者”(?)を感じさせる要素が多かったせいか?
取り上げた同人の合評作品は3作品。いずれも粒ぞろい。質と数か?
久しぶりに、同人の合評会が“動いた”と感じた。面白かった。
感想を述べ合って、おしまい……なんていうのは、ぼくの趣味ではない。
批評は時に作品を切り刻むかもしれないが、
次世代のハイブリッドを産み出すための一工程に過ぎない。
刺激が欲しい。違う何かを、書きたい=読みたいとわき立たせる何か。
殺気立った事業所をそそくさと、定時に抜け出す。
そこまでして、行く必要があるのか? 顔を出すべきなのか?
大阪・中之島で開かれる同人の定例合評会である。
ここ複数回、疑問を抱かされる合評内容が続いたせいである。
だが、この日は違った。ゲスト参加の新顔2人がいた。
いつもはスマホ越しに対応する長野県在住の同人が来阪を果たした。
“他者”(?)を感じさせる要素が多かったせいか?
取り上げた同人の合評作品は3作品。いずれも粒ぞろい。質と数か?
久しぶりに、同人の合評会が“動いた”と感じた。面白かった。
感想を述べ合って、おしまい……なんていうのは、ぼくの趣味ではない。
批評は時に作品を切り刻むかもしれないが、
次世代のハイブリッドを産み出すための一工程に過ぎない。
刺激が欲しい。違う何かを、書きたい=読みたいとわき立たせる何か。
tag : 同人
描く悦び
「京都市美術館」で、ルノワール展が開催中。
モネ展と併せて観に行く予定なのですが、実は大阪でもルノワールを鑑賞できる!
大阪市浪速区湊町の「ホテルモントレ グラスミア大阪」22Fに併設された
「山王美術館」では、7月29日(金)まで「ルノワール展」を開催中。
「春・夏コレクション展2016」と銘打ち、サブ・タイトル「描くことは生きる悦び」。
ルノワールの名品26点が、一室に端然と展示されていて、ちょっとした贅沢感です。
別室の日本画コレクションでは、東山魁夷、杉山寧、堂本印象の作品を展示。
もう一室での「越後瞽女日記」シリーズなど、斎藤真一コレクションが個人的にツボ。
モネ展と併せて観に行く予定なのですが、実は大阪でもルノワールを鑑賞できる!
大阪市浪速区湊町の「ホテルモントレ グラスミア大阪」22Fに併設された
「山王美術館」では、7月29日(金)まで「ルノワール展」を開催中。
「春・夏コレクション展2016」と銘打ち、サブ・タイトル「描くことは生きる悦び」。
ルノワールの名品26点が、一室に端然と展示されていて、ちょっとした贅沢感です。
別室の日本画コレクションでは、東山魁夷、杉山寧、堂本印象の作品を展示。
もう一室での「越後瞽女日記」シリーズなど、斎藤真一コレクションが個人的にツボ。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
豆富茶屋 林

蔵王堂から如意輪寺を目指し、中千本を歩きました。
と、参道脇の一店舗が大にぎわいです。目を凝らすと
「林とうふ店」の「豆富茶屋 林」ではありませんか!
湯豆腐膳、いや、豆腐づくし膳も食べたい!
と店員に掛け合ってみたのですが、満席状態で、
(行列こそ出来ていませんでしたが)
順番を待っている人の数も少なくないとのこと。
如意輪寺への道を急ぐ身としては、長居もできません。
泣く泣く、今回は、店の軒先を借りて賞味できる
豆腐モダン焼き、とうふ豚まんを頂きました。
モダン焼きはソースの味に負け気味で、豚まんも薄味
ですが、豆腐自体が主義主張の激しい食材でもなし。

かえって良いではないか。懐石料理のように
かしこまる必要も無いし、花見がてら
カジュアルに修験道の聖地を楽しみに来た
遊山客には、俗界から一線を画したようで、
娑婆っ気を決して見捨ててはいない 吉野山の
出来たて豆腐は、何とも魅力的なのでは?
地域に根ざし、地の利を生かした店ならではの
強さを見せ付けられた感がありました。
……嗚呼、それにしても、湯豆腐膳を賞味したかったなぁ。
tag : 豆腐
薬師寺の白鳳仏
4月12日、奈良県橿原市の「久米寺」を訪ねたのですが、絶好の上天気。
そのまま大阪に帰るのももったいないということになり、
近鉄・橿原線で、橿原神宮前から西ノ京まで移動。
西ノ京駅から「薬師寺」は歩いてすぐ目の前。
南都七大寺のひとつで、710年、天武天皇の発願。
この日は大宝蔵殿特別開扉があり、「仏教と刀」展。
同時開催の特別展示「噂の刀展」と併せて、
刀剣マニアや歴女には垂涎の的であるに違いない
妖刀村正だの、虎徹だの、正宗だの……ずらりと陳列。
圧巻ですけれども、仏像脳と化していた
ぼくの心の琴線には触れずじまい。また、いずれ。
玄奘三蔵院伽藍の平山郁夫「大唐西域壁画」にも
ぴんと来なかったので、ちょっと、罰当たり?
西塔初層内陣で拝観できた中村晋也・作の
ブロンズ群像「釈迦四相像」には、ぐっと来ましたが。
成道・転法輪・涅槃・分舎利では、成道がタイプ。
実際の拝観ルートは、聚寶館・大宝蔵殿から
東僧坊を抜け、東回廊を横目に、東院堂に。
中門から西塔初層、金堂、大講堂(=右)を
拝観して後、玄奘三蔵院伽藍へ後戻った感じ。
修学旅行の時期なのか、バスガイド付きで
終始、学生グループの姿が目につきました。
食堂は復興工事中、東塔が解体修理中。
西ノ京には、唐招提寺を訪ねて、近いうちに
また来るだろうなあ、と思ったのですが、
東院堂の「聖観世音菩薩像」、金堂の「薬師三尊像」、大講堂の「弥勒三尊像」
……これら白鳳仏の崇高さは、何度眺めても息を呑み、賛嘆せざるを得ないでしょう。
そのまま大阪に帰るのももったいないということになり、
近鉄・橿原線で、橿原神宮前から西ノ京まで移動。

南都七大寺のひとつで、710年、天武天皇の発願。
この日は大宝蔵殿特別開扉があり、「仏教と刀」展。
同時開催の特別展示「噂の刀展」と併せて、
刀剣マニアや歴女には垂涎の的であるに違いない
妖刀村正だの、虎徹だの、正宗だの……ずらりと陳列。
圧巻ですけれども、仏像脳と化していた
ぼくの心の琴線には触れずじまい。また、いずれ。
玄奘三蔵院伽藍の平山郁夫「大唐西域壁画」にも
ぴんと来なかったので、ちょっと、罰当たり?
西塔初層内陣で拝観できた中村晋也・作の
ブロンズ群像「釈迦四相像」には、ぐっと来ましたが。
成道・転法輪・涅槃・分舎利では、成道がタイプ。

東僧坊を抜け、東回廊を横目に、東院堂に。
中門から西塔初層、金堂、大講堂(=右)を
拝観して後、玄奘三蔵院伽藍へ後戻った感じ。
修学旅行の時期なのか、バスガイド付きで
終始、学生グループの姿が目につきました。
食堂は復興工事中、東塔が解体修理中。
西ノ京には、唐招提寺を訪ねて、近いうちに
また来るだろうなあ、と思ったのですが、
東院堂の「聖観世音菩薩像」、金堂の「薬師三尊像」、大講堂の「弥勒三尊像」
……これら白鳳仏の崇高さは、何度眺めても息を呑み、賛嘆せざるを得ないでしょう。
tag : 仏像
久米仙人肉付像

(「吉野の脳天さん」は首から上の病気に霊験あり)
この日、目指した「久米寺」は眼病に霊験あらたか。
久米寺の本尊、薬師如来坐像に祈願したところ、
聖徳太子の弟、来目皇子の眼病が平癒したそうです。
はた目には、町中の庶民的なお寺さんのようですが、
境内から本堂まで見所が満載で、悶絶しそうでした。
本堂にお話を絞らせてもらいますと、
まさに、引っ繰り返した おもちゃ箱状態です。
足の踏み場も無いほどに、お宝(?)だらけ。
猥雑な雰囲気すら感じられ、堪りません!
ご本尊となる薬師如来坐像ですが……
正面に鎮座するとはいえ、限られた四角い枠から覗き込むというチラリズム。
不思議と大きく思えるのです。妙に生々しく感じられるのです。
まるで、こちら側が覗かれているような 息苦しささえ覚えます。
本堂の裏手に回ると、狭い通路に種々の宝物がぎゅうぎゅうに並んでいます。
その一角に、あの「久米仙人肉付像」も、ひっそりと祀られていました。
まかり間違えば、UMAのミイラ同様、見世物扱いされてしまいそうな いかがわしさ
……素敵です! 東大寺大仏殿建立の際に、仙術をもって大きく貢献した久米仙人。
後に、衆生の中風と下の病を取り除くため、本尊・薬師如来に誓願を立てると、
自身の像を彫刻したそうです。その自作像には、己の頭の毛と生歯を植え、
肉付の像として、昇天されたそうですが……別な意味で、ぞくぞくとさせられますね。
薄暗い堂内、肉付像の生の歯と髭(=頭髪)を目の当たりにする得難い体験でした。