法華寺再訪

「佐保路の秘仏と秘宝展」が開催されていた頃で、
法華寺・海龍王寺・不退寺の3寺を巡ったものです。
再訪は7年ぶりとなりました。前回は秋、今回は春。
目当ては国宝「十一面観音菩薩立像」特別開扉
ですが、ちょうど「ひな会式」の期間にも当たりました。
ぼくの偏愛するブツ1、2位を争う十一面観音様の前、
50体余りの善財童子像が祀られていました。
戸外では満開の桜、堂内にはにぎにぎしい童子たち。
そんな華やぎにも、素知らぬ風情でマイペース。
心を惹きつけて離さぬ 磁力を発し続ける御本尊様!
青みを帯びた髪に紅い唇。アンバランスに長い右腕が
裳裾をそっと摘まんで、歩み寄って来んばかり……。
蓮の蕾と丸まった葉で構成された独特の光背。

やんわりとした腰の捻りから、踏み出す右足の
ぴんと立った親指の先まで何とも蠱惑的です。
様々な写真集、ブロマイド(?)などで、
幾度となく目に焼き付けているはずなのに、
本物には敵いません。角度が良くないのか、
照明がきつ過ぎるのでしょうか? 写真写りの
悪い原因は別に追及したくもありませんが。
ちゃんと、約束した日に出向きさえすれば、
ぼくの愛する十一面観音様は、ぼくだけに
その妖艶な姿態を晒してくれる。敢えて錯覚に溺れ、思念を時の彼方に放つのです。
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