久米仙人肉付像

(「吉野の脳天さん」は首から上の病気に霊験あり)
この日、目指した「久米寺」は眼病に霊験あらたか。
久米寺の本尊、薬師如来坐像に祈願したところ、
聖徳太子の弟、来目皇子の眼病が平癒したそうです。
はた目には、町中の庶民的なお寺さんのようですが、
境内から本堂まで見所が満載で、悶絶しそうでした。
本堂にお話を絞らせてもらいますと、
まさに、引っ繰り返した おもちゃ箱状態です。
足の踏み場も無いほどに、お宝(?)だらけ。
猥雑な雰囲気すら感じられ、堪りません!
ご本尊となる薬師如来坐像ですが……
正面に鎮座するとはいえ、限られた四角い枠から覗き込むというチラリズム。
不思議と大きく思えるのです。妙に生々しく感じられるのです。
まるで、こちら側が覗かれているような 息苦しささえ覚えます。
本堂の裏手に回ると、狭い通路に種々の宝物がぎゅうぎゅうに並んでいます。
その一角に、あの「久米仙人肉付像」も、ひっそりと祀られていました。
まかり間違えば、UMAのミイラ同様、見世物扱いされてしまいそうな いかがわしさ
……素敵です! 東大寺大仏殿建立の際に、仙術をもって大きく貢献した久米仙人。
後に、衆生の中風と下の病を取り除くため、本尊・薬師如来に誓願を立てると、
自身の像を彫刻したそうです。その自作像には、己の頭の毛と生歯を植え、
肉付の像として、昇天されたそうですが……別な意味で、ぞくぞくとさせられますね。
薄暗い堂内、肉付像の生の歯と髭(=頭髪)を目の当たりにする得難い体験でした。
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