狛蛙 in 吉野山

……正確には獅子と狛犬だそうですが、
元をたどれば、想像上の獣のようであり、
神仏の守護獣、“神使(しんし)”と見れば、
祀られる神によって、採用される動物が
異なってくるのは、理の当然でしょう。
ぼくがこれまでに気付いたものとしては、
狛犬ならぬ猪、狐、狸などがありました。
そして、吉野山で発見したのは、狛蛙?!
「脳天大神龍王院」辺りで見かけたのが狛蛙(?)で、

ちゃんと右側が阿形の蛙、左側が吽形の蛙でしたよ。
この阿形・吽形の蛙に限らず、金峯山寺の至る所で
蛙が祀られている場面を目にすることとなりました。
さて、ところで一体、何故に蛙なのでしょうか?
吉野山を含む大峰山系は、役行者を開祖とする
修験道の聖地ですが、伝承によると、
大峰山での修行に嫌気が差して、不心得にも
誹謗中傷を行ってしまった男が、命こそあれ、
蛙の姿に変えられてしまったそうです。その蛙男を
修験大衆の験力により、真人間に戻したとのことで、
現在 7月7日に執り行われている「蛙飛び行事」は、
その様を表したものとされます。着ぐるみの蛙が
ぴょんぴょん跳ねたり、台座の前で正座したりと、なかなか、愉快な祭りのようです。
参考文献:『週刊 日本の名寺をゆく 仏教新発見 06 金峯山寺』(小学館)
丸山顯徳・編『語りつぐ吉野の民話』(金壽堂出版)
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