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二流の人

6月10日(金)、「大阪府立中之島図書館」へ出掛けました。
改築されてからの入館は初めてで、石段を昇って2階から。
以前は1階の暗い出入り口を潜っての入館だったので、面食らいます。
資料の配置なども随分と変わっているようでした。
何よりも、昔はまず手荷物をロッカーに預ける必要がありましたが、
バッグを肩に掛けたまま、閲覧室を移動しても問題無いようです。
8冊借り出したうちの一冊は、坂口安吾『二流の人』
安吾の歴史小説であり、歴史上の人物を描きながらも、
何故か小説論になるところが笑えました。以下、引用。
       ☆
(石田)三成には皆目自らの辿る行く先がわからなかった。彼はただ行なうことによって発見し、体当たりによって新たな通路が開かれていた。それはおのずから純粋な、そして至高の芸術家の道であったが、彼はその道を余儀なくせられ、そして目算の立ち得ぬ苦悩があった。(徳川)家康には目算があった。その小説の最後の行に至るまで構想がねられ、修正を加えたり、数行を加えてみたり減らしてみたり たのしんで書きつづければよかったのだ。家康は通俗小説にイノチを賭けていたのである。三成の苦心孤高の芸術性は家康のそのふてぶてしい通俗性に敗北を感じつづけていたのだ。

参考文献:坂口安吾『二流の人―官兵衛と秀吉』(毎日ワンズ)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : つぶやき小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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(自称)。
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