マネーモンスター

個人的嗜好だと『デッドプール』になるところが、
諸般の事情から、『マネーモンスター』の鑑賞に。
監督はジョディ・フォスター。監督作品として4作目。
知的で、社会派的な批評精神をちくりと感じます。
タイトルにもなっている“マネーモンスター”は、
生放送のTV番組名。ジョージ・クルーニー演じる
リー・ゲイツが司会を務める財テク番組で、
エンタメ色豊かに、株式投資による資産運用を奨励。
同番組の演出は、ジュリア・ロバーツ演じる
パティ・フェンが担当していますが、
パーティ・ピ-プルのリーとは反りが合わず、
近々、他社へ移籍する準備を進めています……。
☆
そんな中、リーの激推ししていたアイビス社の株で全財産を失った
カイル・バドウェル(ジャック・オコンネル)が爆弾と拳銃を持って、スタジオに乱入。
アイビス社の代表、ウォルト・キャンビー(ドミニク・ウェスト)とリー・ゲイツに
アイビス社の株価暴落の真の原因を公開するように迫ります。
システム上のアルゴリズムの暴走、「バグ」の一言では納得できない、と。
人質になったリーは、パティの援護をイヤホン越しに聴きながら、
知らず知らず、カイルと協力して、大企業の不正を暴く立ち位置に……。
☆
理路整然と構成された脚本で、逆に言うと、結末は「意外」でも何でもありません。
そういうことだろうなあ、やっぱり、と腑に落ちます。ミステリー・マニア的には普通。
基本、キャラクター同士がぶつかり、交錯し合う劇(=ドラマ)であって、
映画館で観るべき!という視覚的なスリル、衝撃、壮大感は決定的に不足か、と。
設定上、番組内において使用されるカメラの前で、主立ったドラマが展開される
という制約もあるため、致し方ないところではあるのですけれど。
(リアリティを追求して、カメラマン役に“本物のカメラマン”を起用したといい、
生中継の現場からクライマックスまで、カメラ抱えて移動するプロの雄姿は素敵!)
ほぼ1時間半という上映時間からして、肩肘 凝ることなく、豪華キャストを楽しめる
プレミアムな火曜サスペンスか、土曜ワイド劇場と思って観れば、プチ贅沢気分。
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tag : 映画