時間の旅
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「大阪ステーションシティ」風の広場から |
劇場は「大阪ステーションシティシネマ」で、
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』
(2016年)の公開初日となります。
上映時刻の13時40分まで間があったので、
同じ11F「風の広場」で、大阪の空を眺めて
……ティム・バートンが監督ではなく、
製作に退いているという情報だけで、
『バットマン&ロビン』(1997年)を追想
……最初から、過度な期待は禁物なのです。
最近のジョニー・デップをチェックできたら、それでよいではないかと鷹揚に構えます。
☆
本作の監督は、ジェームズ・ボビン。キッチュな感覚の映像は悪くないです。
主演は前作に引き続き、ミア・ワシコウスカ。
マッド・ハッターこと、タラント・ハイトップもジョニー・デップです。
そもそも、前作がルイス・キャロルの原作、
『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』をベースにした
というだけの“二次創作”でありますし、今回はその続編。
ただ映画のタイトルは、原題が『Alice in Wonderland』に続いて、
『(Alice)Through the Looking Glass』と原作に準じています。
かえって、紛らわしいような気もするのですが……。
☆
ぼくはハードSFマニアを標榜している訳でもないし、
凡庸な時間ネタについて、とやかく不平を言おうとも思いませんが、
家族愛の無反省な肯定や、女性の(マッチョな)自立の称揚
という着地点は、全くもって、説得力が無くて、うなだれてしまいました。
ジョニー・デップは、ジョニー・デップを演じている他の役者でも置換可能。
ぼくは、ジョニー・デップの造り出すマッド・ハッターを観たかったのですね。
明晰な知性に裏打ちされたルイス・キャロルの孤独と疎外感は、一切、
望むべくもなく……キャラを借用しての単なる後日譚ならば、致し方ない?
ただ個人的には、万物の時を刻むという“大時計”の造形に、
『ヘルレイザー2』(1988年)の地獄観を見出し、悦に入ってしまいました。
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tag : 映画
★ 2016年6月に読んだ本 ★
中里介山『大菩薩峠 みちりやの巻』(青空文庫)
坂口安吾『二流の人』(毎日ワンズ)
露の団姫『露の団姫の仏教いろは寄席』(佼成出版社)
佐藤勝彦・監修『POPな宇宙論』(同文書院)
芦辺拓『金田一耕助VS明智小五郎』(角川文庫)
芦辺拓『金田一耕助、パノラマ島へ行く』(角川文庫)
長江俊和『出版禁止』(新潮社)
赤田祐一+ばるぼら『定本 消されたマンガ』(彩図社)
文・藤森照信、写真・増田彰久『建築探偵の謎』(王国社)
牧野修『大正二十九年の乙女たち』(アスキー・メディアワークス)
山川方夫『夏の葬列』(集英社文庫)……マイ・クラシック。
芦辺拓『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』(角川文庫)
坂口安吾『二流の人』(毎日ワンズ)
露の団姫『露の団姫の仏教いろは寄席』(佼成出版社)
佐藤勝彦・監修『POPな宇宙論』(同文書院)
芦辺拓『金田一耕助VS明智小五郎』(角川文庫)
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長江俊和『出版禁止』(新潮社)
赤田祐一+ばるぼら『定本 消されたマンガ』(彩図社)
文・藤森照信、写真・増田彰久『建築探偵の謎』(王国社)
牧野修『大正二十九年の乙女たち』(アスキー・メディアワークス)
山川方夫『夏の葬列』(集英社文庫)……マイ・クラシック。
芦辺拓『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』(角川文庫)