「草鍋」初体験

地下鉄・九条駅は現存する遊郭「松島新地」と至近
ですが、今回お訪ねしたお店は、その一帯に対して
「ナインモール九条」(商店街)を挟んで南側の一画。
昔から、話題を見聞きするたびに、一度賞味したい!
と願っていた「草鍋」のお店が在るのです。
以前はちゃんこ屋で、店名も「小川下(こかげ)」でした
が、2014年春にクローズ。ご主人が亡くなった後、
女将の横山美栄さんが、独りで営業し続けていくことに
困難を覚えたためといいます。それでも、店を残したい
との想いに、妹の堀田富喜子さんや、田中達等さんが
応えて、近場で開いていた居酒屋「喜多呂」を移転。
店名こそ違えど、同じ場所で、同メニューを味わえます。
そもそも、「草鍋」とは一体、如何なる料理なのか?

名の表すとおり、鍋の上には山盛りの“草”が積まれ、
その野菜の種類は、ニラ、モヤシ、シロナです。
至ってシンプルですが、シロナは関西特有ですかね?
火が通り、野菜がくたっとなる頃、鍋の底に
豆腐や豚肉も潜んでいたことを悟ります。
小鉢に入っている醤油、辛子に、鍋のだしを注いで、
はふはふと頂くのですが、野菜の滋味がしみじみと
美味しいのでした。お肉はそれほど要らないと感じ、
お野菜だけをお代わりして、いくらでも食べられるように
思えてくるのでした。大テーブルの上に並んだ総菜も、
適当に見繕って摘まみつつ、元・野球人の田中さんの
軽口に笑いながら、冷酒を空けていく夏の宵……
最後は雑炊で締め、大満足。ぼくらの「鍋プログラム(6)」としても大成功でしょう。
参考記事:草鍋――女将が守る夫の味。
味な人――たんまり野菜 ほっこり
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