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猫のさいころ

8月9日(火)は、「天満天神繁昌亭」で「佐ん吉夏祭り 2016」を楽しみました。
このところ、勉強会なども行い、つるんでいる(?)3人での興行です。
新人ながら、他の噺家の枕などでも名の挙がる桂米輝が前座で「道具屋」。
知っているネタのつもりで油断してしまったのか、うとうとしてしまい、
どのようなサゲだったか、正確には覚えておらず……申し訳ございません。
続いての、桂鯛蔵うちがえ盗人」も妙にうろ覚えだったりします。
夏バテと、猛暑日の日差しに当てられ、朦朧としていたのかもしれません。
しかし、良い落語は良く眠れるとも言いますし、しっかりと仕事していたようです。
※「うちがえ」は「打飼(うちがえ/うちがい)」のこと。
  食糧や金銭など貴重品を入れて腰に巻き付けた、筒状の長袋のようです。
       ☆
仲入り前は、メインを務める桂佐ん吉猫のさいころ」。
佐ん吉さんは、ぼくの大好きな落語家、桂吉朝(故人)の弟子の一人でもあり、
常々気になる存在で、機会さえあれば、足を運んで聴いているのです。
休憩を挟むと、まさかの音曲漫才。佐ん吉・鯛蔵・米輝のトリオが初々しく弾けます。
音曲漫才なんて、レトロな芸能ですが、それが却って新鮮で、面白かったりしました。
鯛蔵さんは、2年ほど前に太融寺の“鯛の学校”で、2回ほど聴いたことがあります。
その鯛蔵さんがセンターで喋り、佐ん吉さんは笛、米輝さんはアコーディオンの演奏。
トリの佐ん吉さんは、アダルトな小話を立て続けの後、「二階借り」を演じました。
普通は「茶漬間男」という演題でしょうが、何か、思惑があったのでしょうか? 
それとも自主規制? 故・米朝師匠は「茶漬間男」で通していたはずですが。
       ☆
ところどころ、まだらボケ状態で聴いた(ごめんなさい!)最初の2題はともかく、
襟を正して聴いたはずの「猫のさいころ」のサゲがしばらく、ぴんと来なくて、
数日後、ちょこちょこ調べるなどして、頭を整理してみました。最初の枕で、
犬は3日飼えば 3年 恩を忘れず、猫は3年の恩を3日で忘れる」と振ります。
この噺の猫が雄猫なのがポイント。上方言葉だと“おん)”と呼びます。
主筋は、この猫(確か、タマ)が主人公の男に忠義を果たす人情話なのですが、
常日頃から雌猫のように、べったりと男に懐いていたことが語られていました。
そのため、「あの猫は、雌猫のように懐いていたからな」とトスが上げられ、
猫は3日で恩(=を忘れる」というサゲにつなげた訳です。
しかし、「雄(おん)」だけでなく、「雄(おんた)」の呼び方が印象深いこともあり、
恩=雄(おん)の地口がスムーズに呑み込めず、猫が3日で“恩”を忘れるだけなら
元と変わらず、落ちてないのでは?と、胡乱なことを思っていた訳ですが、
(おん)を忘れる=雄猫であることを忘れる=雌猫のようだ、と洒落ていたのですね。
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テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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