「千金」を知る
「第4回 文学フリマ大阪」で入手した戦利品……「アトリエサード」の出版物など、
非常にぼくのツボを突いてきて、歓喜に震えてしまう今日この頃ですが、
「神保町横溝倶楽部」の『「1000人の金田一耕助」に行ってきました DEEP
~巡・金田一耕助の径』も、非常に にやにや出来る素晴らしい出来でした。
横溝正史作品の登場人物になり切ってのコスプレ・イベントの特集誌なのです
が、金田一耕助の比率が割合に低めなのはともかく、人気キャラの双璧が
スケキヨ!(犬神佐清)と『八つ墓村』の田治見要蔵なのもよくわかるとして、
マニアックな誰それ?みたいなキャラに扮した人たちの姿に抱腹絶倒だったのです。
そもそも、岡山県倉敷市真備町で毎年開催されているらしいコスプレ・イベント
「1000人の金田一耕助」(=略称「千金」)自体、盲点ではあったのですが。
真備町は、横溝正史の疎開先であり、金田一さん初登場の『本陣殺人事件』の
舞台ともなった町であることから、横溝ファンの聖地と目されている訳です。
今年(2016)の“千金”は11月26日。杉本一文画伯の原画展も気になりますねえ。
非常にぼくのツボを突いてきて、歓喜に震えてしまう今日この頃ですが、
「神保町横溝倶楽部」の『「1000人の金田一耕助」に行ってきました DEEP
~巡・金田一耕助の径』も、非常に にやにや出来る素晴らしい出来でした。
横溝正史作品の登場人物になり切ってのコスプレ・イベントの特集誌なのです
が、金田一耕助の比率が割合に低めなのはともかく、人気キャラの双璧が
スケキヨ!(犬神佐清)と『八つ墓村』の田治見要蔵なのもよくわかるとして、
マニアックな誰それ?みたいなキャラに扮した人たちの姿に抱腹絶倒だったのです。
そもそも、岡山県倉敷市真備町で毎年開催されているらしいコスプレ・イベント
「1000人の金田一耕助」(=略称「千金」)自体、盲点ではあったのですが。
真備町は、横溝正史の疎開先であり、金田一さん初登場の『本陣殺人事件』の
舞台ともなった町であることから、横溝ファンの聖地と目されている訳です。
今年(2016)の“千金”は11月26日。杉本一文画伯の原画展も気になりますねえ。
台風16号の明暗
台風16号(MALAKAS)が接近していた
9月20日(火)、契約仕事を半ドンで上がり。
午後から相方と映画を観に行く約束でした。
まだ時間があるなあ、と余裕をかましつつ、
大阪の地下街「ホワイティうめだ」を流していると、
いつもは満席の人気飲食店も空席が目立つ!
或る意味、台風の恩恵ではあるかと感じ入り、
いつもは二重、三重に行列の出来かねない
「富国生命ビル」B2Fの酒場「やまと」までも、
カウンターに空きが窺えたので、思わず入店。
もずくの天ぷら、鮮烈な生タコ山葵、明石焼きなどに舌鼓を打ちながら、泡盛を痛飲。
機嫌良く杯を重ねた後、15時過ぎに撤収。「大阪ステーションシティシネマ」へ移動。
ところが、観たかった『スーサイド・スクワッド』の上映時刻は過ぎていたのでした。
前週とは若干、上映時刻が変わっていたようなのに気付かず、うっかりしたものです。

9月20日(火)、契約仕事を半ドンで上がり。
午後から相方と映画を観に行く約束でした。
まだ時間があるなあ、と余裕をかましつつ、
大阪の地下街「ホワイティうめだ」を流していると、
いつもは満席の人気飲食店も空席が目立つ!
或る意味、台風の恩恵ではあるかと感じ入り、
いつもは二重、三重に行列の出来かねない
「富国生命ビル」B2Fの酒場「やまと」までも、
カウンターに空きが窺えたので、思わず入店。
もずくの天ぷら、鮮烈な生タコ山葵、明石焼きなどに舌鼓を打ちながら、泡盛を痛飲。
機嫌良く杯を重ねた後、15時過ぎに撤収。「大阪ステーションシティシネマ」へ移動。
ところが、観たかった『スーサイド・スクワッド』の上映時刻は過ぎていたのでした。
前週とは若干、上映時刻が変わっていたようなのに気付かず、うっかりしたものです。
tag : 呑む
SINASOS
“世界三大料理”といえば、フランス料理、中華料理と トルコ料理であります。
9月18日、「文学フリマ大阪」の会場を17時に抜け出すと、大阪市内に引き揚げ。
梅田の何かと猥雑な堂山町に位置するトルコ料理店「SINASOS」を訪ねたのです。
風俗店の呼び込みの兄ちゃん、姉ちゃんらの陰に隠された狭い階段を見つけて、
2階に上がれば、小テーブルが4つとカウンターだけのちんまりとした親密な空間。
前菜の盛り合わせを頼むと、一つひとつ、店員(兼料理人?)が説明してくれます。
アジルエズメはトマト・ベースのディップ、フムスはヒヨコマメ……その他、
異国情緒たっぷりの前菜が彩りよく盛られて、焼きたてのパンが付いてきました。
その中が空洞のパンは香ばしく、表面にたっぷりの胡麻がまぶされているのです。
蒸留酒のラクを飲ります。無色透明のスピリッツが、水で割れば白濁する模様。
チーズ・ピザを摘まむ頃には、アナトリア・ワイン「チャンカヤ」のボトルに替えて。
シェフのケバブは、ラム肉の下から出てくるポテト・ピューレが美味過ぎました。
ふと目に入ったトルコ料理(店)はどんな物かしら?と、駆け足で摘まんだため、
デザートも省略した格好になりましたが、日を改め、コース料理を試してみたいです。
あちこちのグルメ・サイトで調べていましたらば、3階に完全個室もあるようですし。
9月18日、「文学フリマ大阪」の会場を17時に抜け出すと、大阪市内に引き揚げ。
梅田の何かと猥雑な堂山町に位置するトルコ料理店「SINASOS」を訪ねたのです。
風俗店の呼び込みの兄ちゃん、姉ちゃんらの陰に隠された狭い階段を見つけて、
2階に上がれば、小テーブルが4つとカウンターだけのちんまりとした親密な空間。
前菜の盛り合わせを頼むと、一つひとつ、店員(兼料理人?)が説明してくれます。
アジルエズメはトマト・ベースのディップ、フムスはヒヨコマメ……その他、
異国情緒たっぷりの前菜が彩りよく盛られて、焼きたてのパンが付いてきました。
その中が空洞のパンは香ばしく、表面にたっぷりの胡麻がまぶされているのです。
蒸留酒のラクを飲ります。無色透明のスピリッツが、水で割れば白濁する模様。
チーズ・ピザを摘まむ頃には、アナトリア・ワイン「チャンカヤ」のボトルに替えて。
シェフのケバブは、ラム肉の下から出てくるポテト・ピューレが美味過ぎました。
ふと目に入ったトルコ料理(店)はどんな物かしら?と、駆け足で摘まんだため、
デザートも省略した格好になりましたが、日を改め、コース料理を試してみたいです。
あちこちのグルメ・サイトで調べていましたらば、3階に完全個室もあるようですし。
tag : 呑む
第4回 文学フリマ大阪(再掲含む)
9月18日(日)、堺市産業振興センター(=じばしん)・イベントホールで
開催された「第4回 文学フリマ大阪」に参加してきましたよ。
ぼくらの同人は第2回から数えて、連続3回目の参戦となります。
今回は、ぼくらの同人誌新刊の発行のタイミングとずれていましたから、
バックナンバーの販売と、おまけ『硫化フッ素水』の配布を行いました。
ぼくらの同人の母体(?)となる“文学学校”は多数の同人を輩出していて、
見知らぬ新規読者層の開拓よりも、その同人間での交歓会のような
ムードに陥ってしまうのが、何とも歯痒いのですけれど、致し方ないかな。
人付き合い、世間付き合いなど、どうでもよくて、ぼくは“本”自体が好き
なので、会場内を駆けずり回って、目を惹く、読んでみたいと手に取った
種々雑多な同人誌や書籍を買い漁っていたのでした。わはははは。
いつもぼくの追っかけている素天堂さん(=小栗虫太郎マニア)が
出店していなかったのは残念でしたが……今年の戦利品は、以下のとおり。
☆
南森町三郎『英雄と誤植』(パレオパラドキシア)
朝松健『球面三角』(アトリエサード)
『トーキングヘッズ叢書(TH Series)No.67』(アトリエサード)
『「1000人の金田一耕助」に行ってきました DEEP
~巡・金田一耕助の径』(神保町横溝倶楽部)
『あっぱれ! vol.01』(あっぱれ!)
『花ぎれ 第75号 笑本』(大阪編集教室)
木下昌輝『天下一の軽口男』(幻冬舎)
開催された「第4回 文学フリマ大阪」に参加してきましたよ。
ぼくらの同人は第2回から数えて、連続3回目の参戦となります。
今回は、ぼくらの同人誌新刊の発行のタイミングとずれていましたから、
バックナンバーの販売と、おまけ『硫化フッ素水』の配布を行いました。
ぼくらの同人の母体(?)となる“文学学校”は多数の同人を輩出していて、
見知らぬ新規読者層の開拓よりも、その同人間での交歓会のような
ムードに陥ってしまうのが、何とも歯痒いのですけれど、致し方ないかな。
人付き合い、世間付き合いなど、どうでもよくて、ぼくは“本”自体が好き
なので、会場内を駆けずり回って、目を惹く、読んでみたいと手に取った
種々雑多な同人誌や書籍を買い漁っていたのでした。わはははは。
いつもぼくの追っかけている素天堂さん(=小栗虫太郎マニア)が
出店していなかったのは残念でしたが……今年の戦利品は、以下のとおり。
☆
南森町三郎『英雄と誤植』(パレオパラドキシア)
朝松健『球面三角』(アトリエサード)
『トーキングヘッズ叢書(TH Series)No.67』(アトリエサード)
『「1000人の金田一耕助」に行ってきました DEEP
~巡・金田一耕助の径』(神保町横溝倶楽部)
『あっぱれ! vol.01』(あっぱれ!)
『花ぎれ 第75号 笑本』(大阪編集教室)
木下昌輝『天下一の軽口男』(幻冬舎)
青海波

目をつけていた「VANS」の定番スニーカー
「OFF THE WALL」の“青海波”柄です。
波の合間に、千鳥が飛んでいるところが
可愛くて、気に入っているのですが、
購入時、丸洗いできないよ、と教えられ、
防水スプレーも買っておかなきゃ、と。
和服……もとい、袴パンツにも合いそうです。
ところで、「VANS」の商標権は、ABCマートが取得(1994)していたんですね。
参考記事:スニーカーブランド“VANS”その歴史とは
テーマ : スニーカー
ジャンル : ファッション・ブランド
tag : スニーカー
大妖怪展
9月16日(金)、「あべのハルカス美術館」に「大妖怪展」を観に行きました。
“土偶から妖怪ウォッチまで”とサブ・タイトルに冠して、妖怪画を中心に
国宝や重要文化財を含む日本美術の名品が勢揃いといったところです。
(正直、「妖怪ウォッチ」に対して、あまり心が浮き立つものはありませんけれど)
『日本妖怪図鑑』(立風書房)で育ち、幻想画や百鬼夜行図が大好きで、
井上円了から小松和彦まで読み耽ってきたぼくとしては、馴染み深い作品ばかり。
懐かしいというか、心落ち着くというか、古巣に帰って来たような安堵感でした。
仏像鑑賞のために訪ねる寺社でよく出会う六道絵や十界図も充実しています。
幽霊画では1点、作者不詳の物凄い絹本墨画が掛かっていました。
上手いとか、美麗とか、そういった評価軸とは別に、何かが憑いているような……。
お土産に買ったポスト・カードは、高井鴻山「妖怪図」と伊藤若冲「付喪神図」。
若冲はまた近いうち、美術館で催されている展示会でまとめて観る予定です。
この日は、いつもの「森田屋」で呑み喰いした後、『硫化フッ素水』の印刷に着手。
“土偶から妖怪ウォッチまで”とサブ・タイトルに冠して、妖怪画を中心に
国宝や重要文化財を含む日本美術の名品が勢揃いといったところです。
(正直、「妖怪ウォッチ」に対して、あまり心が浮き立つものはありませんけれど)
『日本妖怪図鑑』(立風書房)で育ち、幻想画や百鬼夜行図が大好きで、
井上円了から小松和彦まで読み耽ってきたぼくとしては、馴染み深い作品ばかり。
懐かしいというか、心落ち着くというか、古巣に帰って来たような安堵感でした。
仏像鑑賞のために訪ねる寺社でよく出会う六道絵や十界図も充実しています。
幽霊画では1点、作者不詳の物凄い絹本墨画が掛かっていました。
上手いとか、美麗とか、そういった評価軸とは別に、何かが憑いているような……。
お土産に買ったポスト・カードは、高井鴻山「妖怪図」と伊藤若冲「付喪神図」。
若冲はまた近いうち、美術館で催されている展示会でまとめて観る予定です。
この日は、いつもの「森田屋」で呑み喰いした後、『硫化フッ素水』の印刷に着手。
テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術
突貫版下
契約仕事が週5日+α のペースで入り、
滅多にない休日には好き好んで、私的なイベントを組み込むものだから、
全くと言ってよいほど、オフが無い日々が続いています。
Viva、働き蟻なぼく! ぼくの目の色が変わるのは、締切日を意識した時のみ。
気がつけば、木曜日。今週末の日曜日(9月18日)がイベント当日なのに。
印刷・製本は、無理の利く古巣の“文学学校”で決行するにしても、
土曜日がシフトで終日埋まっており、金曜日しか空きが無いため、
木曜日遅くに契約先から帰宅すると、本気で版下作成をやっつけることに。
アナログです。手仕事です。途中、ページ数が1枚オーバー!という
編集人らしからぬミスも発覚してしまいましたが、
目次を表1裏に追い込むという荒技(?)を駆使、何喰わぬ顔で回避。
外が明るくなる頃、どうにかこうにか、『硫化フッ素水』の版下が完成しましたとさ。
滅多にない休日には好き好んで、私的なイベントを組み込むものだから、
全くと言ってよいほど、オフが無い日々が続いています。
Viva、働き蟻なぼく! ぼくの目の色が変わるのは、締切日を意識した時のみ。
気がつけば、木曜日。今週末の日曜日(9月18日)がイベント当日なのに。
印刷・製本は、無理の利く古巣の“文学学校”で決行するにしても、
土曜日がシフトで終日埋まっており、金曜日しか空きが無いため、
木曜日遅くに契約先から帰宅すると、本気で版下作成をやっつけることに。
アナログです。手仕事です。途中、ページ数が1枚オーバー!という
編集人らしからぬミスも発覚してしまいましたが、
目次を表1裏に追い込むという荒技(?)を駆使、何喰わぬ顔で回避。
外が明るくなる頃、どうにかこうにか、『硫化フッ素水』の版下が完成しましたとさ。
tag : 同人
3カラム
当ブログでは、「FC2ブログ」公式テンプレート (PC用)、
3カラム型の「pink_3column」を使用しています。
多少、改変してはいますが、特に凝ったことはしていないはずです。
ところが先日、一旦記事を投稿して確認した際は問題無かったのに、
しばらく経つと、表示がおかしなことになっていました。
元々画面右に来るはずの《プラグインカテゴリ2》が、
画面左の《プラグインカテゴリ1》の上に表示されてしまうのです。
いわゆる“カラム落ち”の一種かと思われました。
よくあるパターンで、タグの閉め忘れだったかと思い、
最近の記事をチェックし直してみても、< span> と< /span> の数は合っているし、
そもそも< div> は記事中、使った記憶が無いし……
代わりにテーブル・タグの不整合を発見してしまいましたが、
ブログの表示の不具合自体は如何ともし難く、懊悩させられました。
いろいろ調べてみたところ、トップページだけの表示が崩れてしまうようで、
「次のページ」であったり、最新記事単位で表示させたりした場合だと、
問題は無いのです……そういう時は、あっさり運営サイドに訊くに限りますね。
【テンプレートを編集していないのに、テンプレートが崩れて表示される】
といった案件で、FC2ユーザーサポートに問い合わせのメールを送りました。
返信が来るまで半日ほどの間は開きましたが、システムの調整が行われたらしく、
ぼくのPCの環境下でも、正常な(本来の)表示に復帰できました。
仕様変更があったのならば、具体的にどういう変更が為されたのか?
開示してほしくもありますが、煩雑になりそうではあるので、
速やかに原状回復の手続きを行ってくれただけでも、サポートに感謝なのでした。
3カラム型の「pink_3column」を使用しています。
多少、改変してはいますが、特に凝ったことはしていないはずです。
ところが先日、一旦記事を投稿して確認した際は問題無かったのに、
しばらく経つと、表示がおかしなことになっていました。
元々画面右に来るはずの《プラグインカテゴリ2》が、
画面左の《プラグインカテゴリ1》の上に表示されてしまうのです。
いわゆる“カラム落ち”の一種かと思われました。
よくあるパターンで、タグの閉め忘れだったかと思い、
最近の記事をチェックし直してみても、< span> と< /span> の数は合っているし、
そもそも< div> は記事中、使った記憶が無いし……
代わりにテーブル・タグの不整合を発見してしまいましたが、
ブログの表示の不具合自体は如何ともし難く、懊悩させられました。
いろいろ調べてみたところ、トップページだけの表示が崩れてしまうようで、
「次のページ」であったり、最新記事単位で表示させたりした場合だと、
問題は無いのです……そういう時は、あっさり運営サイドに訊くに限りますね。
【テンプレートを編集していないのに、テンプレートが崩れて表示される】
といった案件で、FC2ユーザーサポートに問い合わせのメールを送りました。
返信が来るまで半日ほどの間は開きましたが、システムの調整が行われたらしく、
ぼくのPCの環境下でも、正常な(本来の)表示に復帰できました。
仕様変更があったのならば、具体的にどういう変更が為されたのか?
開示してほしくもありますが、煩雑になりそうではあるので、
速やかに原状回復の手続きを行ってくれただけでも、サポートに感謝なのでした。
テーマ : ホームページ・ブログ制作
ジャンル : コンピュータ
tag : つぶやき
ぼくらの木琴
9月13日(火)、「シネマート心斎橋」へ。
東陽一・監督の『だれかの木琴』を鑑賞。
小説の方はまだ読んでいないのですが、
井上荒野の原作ですね。いずれ読みます。
タイトルに無理やり絡めたエピソードが
邪魔っぽくて、どこかの一軒家の一室で、
子供が木琴を叩いているけれど、
まだ音楽にならない……という情景は
極めて小説的で、含蓄があるだけに、
余計に説明臭さが煩く、映像として野暮ったく。
様々なカット、諸々の科白を通して、東監督は現代社会にNo!と言っています。
ぼくらの生きている この世界は駄目なんじゃない?と冷静に詰め寄ってきます。
表面上、引っ越したばかりの街で、主婦が若い美容師をストーキングし始める
――といったサスペンス・ドラマ風な展開で、観客を呼び込もうとしているようですが、
実は全く別物なのです。興行的に、陳腐なストーカー物の意匠を付加するのは
致し方ないと思うのですが、観てもわからない観客が多い世の中なので、
自分の目の前の物語がストーカー物の図式に当て嵌まらない……と、もやもやし、
よくわからないとつぶやく観客は多いかも。そのもやもや感こそ、監督の狙いだと
いうことは(おそらくは原作者も)、物語が展開するごとに明らかになるのですけれど。
ストーカー行為に走る主婦、親海小夜子の役は常盤貴子が演じています。
美容師・山田海斗役に池松壮亮。小夜子の夫で、警備機器会社に勤めるのが
親海光太郎(勝村政信)。劇中、幸太郎の上司(螢雪次朗)が酒席でのたまう
女の本質は狂うこと、男の本質は女になろうとすること――みたいな洞察は、
手の内を明かし過ぎといった観はありますが……終盤、ストーキングされた側の
海斗の恋人(佐津川愛美)が警備システムの行き届いた親海家に乗り込んで、
小夜子を糾弾するのに対して、夫・光太郎は妻への盲信に努め、家庭の外壁を守り、
夫婦は直接会話を交わすことなく、隣同士にいながら、メール交換で和睦に至ります。
一方で海斗は、新たな男と出逢った恋人に去られてしまいますが、淡々と受け容れ、
地方出身の独身男性、美容師としての日々に戻っていきます。海斗のもうひとつの
あり得た姿として、3mmカットの男(=放火魔)の風貌も、そつなく挟み込んだ上で。
全編を通して、池松壮亮の演技が絶妙で、物語の焦点はストーカー側でなく、
ストーキングされる若手美容師の側にあったような気すらしてしまうほど。
『愛の渦』で発見して以来、池松君は気になる役者です。また、妻の小夜子より
明らかに変でしょ!と感じさせられるリーマン光太郎、勝村政信の佇まいも○です。
堅固なホーム・セキュリティ・システムに囲まれた主婦の繰り出すストーカー行為など、
特殊な嗜癖ではなく、単なるストレス発散のようなもの。気ままに対象を変えるだけで、
“日常”はそのまま温存されていくよ……みたいな終わり方をしていて、そうなると、
本当に、貴方の日常生活はそれでよいのかい? 守る価値があるのかい? と
改めて問い直されているようであり、観客の多くが無意識に居心地の悪さを
覚えるのではなかろうかと思いました。興味本位でストーカーを見物に来たはずが、
そんな小物の変態の 些少な一行為なんか、どうでもよくなってしまうような
別種の得体の知れなさを突き付けられ、映画館で現実逃避する暇があるならば、
ぼくらの周りを取り囲む現実の薄ら寒さをちゃんと考えてみろよ、と言われたような。

東陽一・監督の『だれかの木琴』を鑑賞。
小説の方はまだ読んでいないのですが、
井上荒野の原作ですね。いずれ読みます。
タイトルに無理やり絡めたエピソードが
邪魔っぽくて、どこかの一軒家の一室で、
子供が木琴を叩いているけれど、
まだ音楽にならない……という情景は
極めて小説的で、含蓄があるだけに、
余計に説明臭さが煩く、映像として野暮ったく。
様々なカット、諸々の科白を通して、東監督は現代社会にNo!と言っています。
ぼくらの生きている この世界は駄目なんじゃない?と冷静に詰め寄ってきます。
表面上、引っ越したばかりの街で、主婦が若い美容師をストーキングし始める
――といったサスペンス・ドラマ風な展開で、観客を呼び込もうとしているようですが、
実は全く別物なのです。興行的に、陳腐なストーカー物の意匠を付加するのは
致し方ないと思うのですが、観てもわからない観客が多い世の中なので、
自分の目の前の物語がストーカー物の図式に当て嵌まらない……と、もやもやし、
よくわからないとつぶやく観客は多いかも。そのもやもや感こそ、監督の狙いだと
いうことは(おそらくは原作者も)、物語が展開するごとに明らかになるのですけれど。
ストーカー行為に走る主婦、親海小夜子の役は常盤貴子が演じています。
美容師・山田海斗役に池松壮亮。小夜子の夫で、警備機器会社に勤めるのが
親海光太郎(勝村政信)。劇中、幸太郎の上司(螢雪次朗)が酒席でのたまう
女の本質は狂うこと、男の本質は女になろうとすること――みたいな洞察は、
手の内を明かし過ぎといった観はありますが……終盤、ストーキングされた側の
海斗の恋人(佐津川愛美)が警備システムの行き届いた親海家に乗り込んで、
小夜子を糾弾するのに対して、夫・光太郎は妻への盲信に努め、家庭の外壁を守り、
夫婦は直接会話を交わすことなく、隣同士にいながら、メール交換で和睦に至ります。
一方で海斗は、新たな男と出逢った恋人に去られてしまいますが、淡々と受け容れ、
地方出身の独身男性、美容師としての日々に戻っていきます。海斗のもうひとつの
あり得た姿として、3mmカットの男(=放火魔)の風貌も、そつなく挟み込んだ上で。
全編を通して、池松壮亮の演技が絶妙で、物語の焦点はストーカー側でなく、
ストーキングされる若手美容師の側にあったような気すらしてしまうほど。
『愛の渦』で発見して以来、池松君は気になる役者です。また、妻の小夜子より
明らかに変でしょ!と感じさせられるリーマン光太郎、勝村政信の佇まいも○です。
堅固なホーム・セキュリティ・システムに囲まれた主婦の繰り出すストーカー行為など、
特殊な嗜癖ではなく、単なるストレス発散のようなもの。気ままに対象を変えるだけで、
“日常”はそのまま温存されていくよ……みたいな終わり方をしていて、そうなると、
本当に、貴方の日常生活はそれでよいのかい? 守る価値があるのかい? と
改めて問い直されているようであり、観客の多くが無意識に居心地の悪さを
覚えるのではなかろうかと思いました。興味本位でストーカーを見物に来たはずが、
そんな小物の変態の 些少な一行為なんか、どうでもよくなってしまうような
別種の得体の知れなさを突き付けられ、映画館で現実逃避する暇があるならば、
ぼくらの周りを取り囲む現実の薄ら寒さをちゃんと考えてみろよ、と言われたような。
tag : 映画
硫化フッ素水
“硫化フッ素水”などという物は、おそらく存在しません。
あと数日後に迫った「第4回 文学フリマ大阪」に出品しようと
企図している小冊子の誌名で、同人誌本体の別冊的な位置付けかな?
同人名と通底するニュアンスと、内容的にも流れの感じられるネーミング。
ネタをばらしてしまうと、寄稿者4名の姓のイニシャル、
S、F、H、O を元素記号に見立てたまでのことですが。
印刷所を介することなく、ざっくりと製作する腹積もりです。
Adobe の InDesign もほとんど使うことなく、Microsoft Word からPDF化。
出力した元原稿を切り貼りして、全20ページ(本文)の中綴じです。
奥付と表紙の制作がまだ終わってない状態なのですが……。
あと数日後に迫った「第4回 文学フリマ大阪」に出品しようと
企図している小冊子の誌名で、同人誌本体の別冊的な位置付けかな?
同人名と通底するニュアンスと、内容的にも流れの感じられるネーミング。
ネタをばらしてしまうと、寄稿者4名の姓のイニシャル、
S、F、H、O を元素記号に見立てたまでのことですが。
印刷所を介することなく、ざっくりと製作する腹積もりです。
Adobe の InDesign もほとんど使うことなく、Microsoft Word からPDF化。
出力した元原稿を切り貼りして、全20ページ(本文)の中綴じです。
奥付と表紙の制作がまだ終わってない状態なのですが……。
tag : 同人