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メアリー・カサット展

京都国立近代美術館(2016_10_21) 10月21日(金)、「メアリー・カサット展」を
 観るために、京都まで足を延ばしました。
 会場は岡崎公園の「京都国立近代美術館」。
 平安神宮大鳥居を目の前に見上げつつ、
 琵琶湖疏水に架かる慶流橋を渡りますが、
 右手(=東)は「京都市立美術館」、
 左手(=西)が京都国立近代美術館です。
 京都市立美術館並みの混雑ぶりを警戒して
 いたのですが、落ち着いた客入りに一安心。
同館コレクション展と併せて、まったりと鑑賞。
       ☆
メアリー・カサット(1844~1926)は、メアリー・カサット展
印象派
の画家ですが、米国人女性という点で
目を引きます。自身が画家であっただけでなく、
当時はまだ新興勢力に過ぎなかった印象派を
いち早く米国に紹介し、もり立てた役割が
美術史的には特筆されるかと思われます、
エドガー・ドガと親交が深かったようですが、
都会人の孤独なダンディズムを漂わせる
ドガに比して、家庭や母子を描く温かなタッチに
彼女の真価が表れているように感じられました。
       ☆
国立近代美術館を出ますと、「京都市勧業館(=みやこめっせ)」の前を歩きました。
来年1月22日(日)は、みやこめっせにて「第1回 文学フリマ京都」開催の運び。
同人としては、「第4回 文学フリマ大阪」に続けての出店ですし、同人誌の編集に
本腰を入れないといけないなあ……などと考えつつ、琵琶湖疏水のほとりを巡った後、
Ochi-Kochi」で一休み。ポップ・オーバー(ベリー味)と珈琲に舌鼓を打ちました。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術小説同人おやつ

森乃石松

10月20日(木)、大阪・難波の「まりあ」を訪れました。
入店前、お店の明かりが点いていなかったため、休業日かな?と
危ぶんでいたのですけれども、単に仕込みながらの開業でして、
枕営業ならぬ「真っ暗営業やぁ」などと、まりあママの戯れ言を肴に、
おでんを摘まみながら、壺酒をくいくいっと空けていると、
後から来た常連客に、落語家の森乃石松さんがいらっしゃいました。
石松さんの高座はまだ聴きに行ったことはないと思いますが、
顔や名前などは見知っていたので、ご挨拶させていただきますと、
桂佐ん吉さんや笑福亭鉄瓶さんらとも親しいと聞かされ、
故・桂吉朝のお話などで、勝手に盛り上がってしまいました。
       ☆
この日も、裏メニュー(?)のカレーが用意されていて、
あると聞けば、やはり、おでんの締めに注文してしまうのですが。
その後、昔の職場だったD印刷の関連会社の女の子とも知り合うと、
鶴橋に工場が在った時代を偲び、余計に壺酒が進んでしまいましたとさ。

テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

tag : 落語おでん呑むカレー

後楽園の空

10月14日(金)の岡山市は快晴でした。
沢の池
柿の木
後楽園の空

JR岡山駅からは岡山電気軌道を利用して、
城下で下車。「夢二郷土美術館」を訪ねる
前に、時分時でしたので、目ぼしいお店探し。
岡山市北区出石町のランドマークになりそうな
近代建築を発見。大正時代の物件を改装した
というビルの2階に入っているイタリアン
ばーる ぼっこーね。」をお邪魔しますと、
桜海老としめじのパスタやオムライスを注文。
窓から晴れ渡った岡山市上空を眺めながら、
ワイン・グラスを傾けるのでした。昼酒、最高! 
       ☆
「夢二郷土美術館」、急遽 観覧予定に加えた
岡山県立博物館」を訪ねた足で、「岡山
後楽園
」を訪れました。日本三名園のひとつで、
他は水戸市の「偕楽園」、金沢市の「兼六園」。
常々、古都の寺社仏閣などを観て回っても、
仏像にばかり目が行ってしまうぼくは、
“庭”派でなく、“ブツ”派を自称していますが、
趣向を凝らした庭園をのんびりと歩いていると、
あくせくとした日常に凝り固まっていた心が
解きほぐれていくらしく、嗚呼、庭も悪くはないぞ
……と、しみじみ感じ入る午後の昼下がり。
       ☆
この日もタイトな日程でありましたが、強引に
園内を一周するより、時間の余裕のある分だけ
慌てず、急がず、足を運んでみることにしました。
正門から入って間もなく目にする丹頂鶴は、
江戸時代より飼育されているそうですが、
鶴舎のケージ内に閉じ込められているせいで、優美さなどとは程遠く、
在野の動物園と変わらぬ光景に、げんなりしつつも、申し訳ないような後ろめたさ。
……青空の下、気を取り直します。芝生の上を裸足で歩む人が気持ち良さげですもの。
沢の池花交の池の周辺は回れましたが、花葉の池まで足を延ばすことは叶わず。
また、次回の機会を待ちましょう。カメラ代わりに使っていた携帯電話の電源が切れ、
唯心山流店では未撮影でしたが、それもまたよし。空が高くなってきましたからね。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : つぶやき呑む庭園近代建築

デス・マスク

10月18日(火)は、もしかすると、第22回を数えるかもしれない「秘密のビデオ会」。
(突発的に、発作的に、気まぐれに開催するので、正確は期せませんが)
数日前に「大阪プロレス」観戦を行った勢いで……ということもなく、
鑑賞したジェシー・バジェット監督の『デス・マスク』(2006年)は、「プロレス映画」
とは言えません。一般的には「ホラー」に分類されるのでしょうけれども、
変化球を多用し過ぎで、どうも座り心地の悪い、つまり、ぼく好みのテイストな訳です。
閉鎖されたゴースト・タウン「サングレ・デ・ディオス(神の地)」で襲ってくる敵が、
かつてオリンピック優勝のために改造された人造人間でして、3人の強豪レスラーを
一体に合成するまでは上手くいったのですが、ロボトミー手術が失敗したという代物。
その結果、誕生してしまった狂気の殺人レスラー“エル・マスカラード”は、
歴史的に抹消され、サングレ・デ・ディオスに幽閉されていたのです。そこへ
馬鹿で能天気なアメリカ人らが、ポルノ映画のロケ撮影にのこのこやって来て……。
頭がおかしくなっているエル・マスカラードは、ルチャ・リブレのルチャドールの本能で、
四角く区切られている空間にいると、そこをリングだと感じて、襲ってきますよ。
そうして、マスカラ・コントラ・マスカラのルールに基づき、相手のマスクを取ろう
とするのですが、まぁ、一般人はマスクを着用して生活していないので、自然と
顔の皮を剥がされる次第と相成ります(もちろん、フォールを奪われた後で)。
着眼点は悪くないと思います。むしろ、ウィットに富んでいて、ルールが明快で、
宜しい部類ではないかな、と。難点は、スクリーン上のエル・マスカラードの姿が、
ジャケットにあるような筋骨隆々たる偉丈夫ではなく、お腹ぽんぽこりんの
中年男だったことでしょうか。キャスト一覧に載る「レイ・ミステリオ」の名に、
WWEなどでも活躍したレイ・ミステリオ・Jr. か!と期待させておいて、
その実、叔父のレイ・ミステリオシニア)ですから、お間違いないように。
(原題も『EL MASCARADO MASSACREWRESTLEMANIAC』として、
WWEの一興行の名称「WrestleMania」と絡めてあり、確信犯のようですけれど)
シニアも確かに伝説のレスラーなのかもしれませんが、やはり旬は過ぎていたので、
飛んだり跳ねたりと派手な大技は(ほとんど)繰り出すことなく、地味~なプロレス技で
攻め立ててくる感じになり、地方の会場で前座の試合を観ている錯覚に陥ります。
そんな いなたい雰囲気が決して嫌いではなくて、何度か観返している映画な訳です。
殿方らは、ヒロインのレイラ・ミラニが意味無くM字開脚するシーンで大爆笑かなあ?
       ☆
第21回のビデオ会は、ダーレン・アロノフスキー監督『レスラー』(2008年)で、
こちらは純然たるプロレス映画。その前にバーベット・シュローダー監督の
『バーフライ』(1987年)も取り上げており、“プロレス特集”といったつもりでなく、
ぼくの偏愛するミッキー・ローク映画の流れからでした。
その昔のビデオ会では、ミッキー・ローク映画3本立てなんてこともやらかしました。
あ、『バーフライ』は、チャールズ・ブコウスキーの原作ですね。

  

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : 映画プロレス小説

倉敷の昼と夜

喜久味 再び、倉敷の思い出話をばさせていただきますと……
 当日(10月13日)、JR倉敷駅に到着したのが、
 ちょうど、お昼の時分時でして、倉敷市美観地区
 入ってから食事を取るという選択肢もあったのですが、
 駅から車道を渡ってすぐのアーケード街を徘徊。
 この通称「えびす通り」は「倉敷えびす通商店街」が
 正式名称のようで、対して、美観地区の方は
 「倉敷本通り商店街」となる模様。えびす通りの界隈、
 昭和42年まで旧町名が「戎町」だったということで、
 アーケード内のあちらこちらに、ゆるキャラ化された
 えべっさん像も祀られていました。
 いかにも倉敷といった佇まいの美観地区と比べ、
えびす通りはどこにでもある地方都市の商店街といった風情。
平日の昼時とあって、(美観地区と異なり)観光客もまばらで、よそ者気分です。
じゃぶじゃぶ洗われている店先の水槽に、が生かされているのを目にしながら、
暖簾をくぐってみたのが「喜久味」。定食が供されているランチ・タイムでしたが、
一品料理も注文可能といわれ、鰻の骨焼きなどをアテに昼酒としてしまいました。
何故に倉敷で、鹿児島直送の鰻を摘まみ、沖縄県産の泡盛を呑んでいたのか? 

ともかく、そんな次第で、「大原美術館」へ赴いた時は萬年雪_荒走り
かなり、ご機嫌な状態になっていたかもしれません。
倉敷川沿いに映える白壁の町を駆け足で回った具合。
日も暮れて、時刻表どおりにやって来ない下電バスを
倉敷市芸文館」前で待ち続けたのも、思い出の一つ。
ひとまず チェック・インだけ済ませて、向かった居酒屋が
ポン太」……“星のソムリエ”講座を受けていた時期、
毎回のように通い、店主の長瀬さんやお手伝いに来る
別店のママさんには 非常にお世話になっていたので、
喜八洲総本舗」のきんつばを大阪土産に挨拶がてら。
海の幸・山の幸に恵まれた岡山の呑み屋ですから、
小体な店の造りとはいえ、一夜干しの魚の焼き物など、
その日のお薦めに目移りします。定番は豚のするめかな。

店主の気さくな人柄もあってか、集まる客層もフレンドリーで、後からやって来た
パン教師の講師を務めているという女性客からは、手作りの香ばしいパンを頂き、
その場で美味しく賞味させていただきました。最初に呑んだのは「キリンビール」。
「一番搾り」の岡山工場(岡山市東区)限定版「一番搾り 岡山づくり」でした。
“幻の酒米”と呼ばれる岡山県産の雄町米を敢えてビールに使用している、とか。
その後は、ふっくらと焼かれた鯖や、店主が最近凝っているという“りゅうきゅう
(この日は魚責めに遭ったような気がします……)を摘まみながら、倉敷の酒
萬年雪」を頂戴しました。「荒走り」と名付けられた本醸造の未搾り酒です。
喉に流し込んだ一瞬、清冽な光が差してくるようで、その後、日本酒らしい 馥郁たる
味わいに浸ることとなります。ポン太さん、美味しいお酒をありがとうございました!

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む

大阪プロレスの現在

大阪プロレス 10月16日(日)、大阪・十三にて、プロレス観戦! 
 相方が前々からプロレスを観たいと切望していたため、
 大阪市立淀川区民センターで、17時30分開始の
 「大阪プロレスだよ 全員集合!」を観に行きました。
 連れ合いは初観戦ですが、ぼく自身もプロレスの観戦は
 随分と久方ぶりのことになります……「大阪プロレス」は
 昔、あのフェスティバルゲートに常設会場が在り、
 スペル・デルフィンが代表を務めていた時代、
 足繁く通ったものですが、めっきり、遠のいていました。
 2014年3月1日に常設会場が閉鎖されると同時に、
 全所属選手・スタッフの退団を受け、興行会社として
 プロダクション的な位置付けにより、現在に至る、と。
団体の“顔”というか、ほぼ代表がえべっさんですねえ。
        ☆
せっかく、十三まで足を運んだので、「やまもと」のカウンターで、ねぎ焼きを頬張り、
ビールをしばいた後は、区民センター北側の野中南公園で、のんびりと開場待ち。
大学を出てしばらく、十三、しかも淀川区野中北に住まっていたぼくにしてみれば、
郷愁をかき立てられる地域でもあって、しばらくは、周辺を散策してみるのでした。
開場時刻がいよいよ迫ると、コンビニで日本酒やワインを買い漁って、乗り込みます。
――全5試合の結果は以下のとおり。
       ☆
(1)オープニング・タッグ・マッチ(20分1本勝負)
 えべっさん & ●ナイトスクーパー・ヒロシ
   [12分51秒 デルタドライブ → 片エビ固め] くいしんぼう仮面 & ○石田慎也
(2)シングル・マッチ(20分1本勝負)
 ○アルティメット・スパイダーJr.
   [9分43秒 エビ固め(丸め返す)] ●ゴールデンドラゴン
(3)タッグ・マッチ(30分1本勝負)
 ○タダスケ & 白くま
   [11分15秒 アウトキャスト → 片エビ固め]
   怪獣ニューワールド & ●キャラメルボーイ
(4)セミファイナル・スペシャル6人タッグ・マッチ(45分1本勝負)
 マグニチュード岸和田 & Gamma & ●パンチ富永
   [15分29秒 絶品のコテ返し → 片エビ固め]
 原田大輔 & タコヤキーダー & ○オコノミヤキーダー
(5)メイン・イベント大阪プロレス選手権試合(60分1本勝負)
 ○ HUB《王者》 [34分00秒 アンクルホールド] 《挑戦者》●ツバサ
       ☆
昔の「大阪プロレス」とは異なると言えども、相変わらずHUBvsツバサ
マスクマンだらけで、老若男女を問わず楽しめる……
特に子供らを大切にする姿勢には、感服させられ。
のっけから、えべっさん vs くいしんぼう仮面という
黄金カードに抱腹絶倒させられれば、間然する所なく、
テクニシャン対決有り、色物(?)勝負有り……で、
あっと言う間の5試合でした。メインで王座を死守した
HUB に、セミでフォールを奪ったオコノミヤキーダー
次回大会での挑戦を表明するという流れでした。
しかし、往時はヒール・ユニットで駆け出し風情だった
Gamma 選手が、えべっさん不在の間の後事を
託されるほどのポジションにいたことが、何とも感慨深く、
過ぎ去った歳月に思いを馳せて、ほぞを噛みたくもあり。

テーマ : プロレス
ジャンル : スポーツ

tag : プロレス呑む

カミとほとけの姿

カミとほとけの姿 10月14日、「夢二郷土美術館」を出て、「後楽園」へ。
 途上で、「カミとほとけの姿」と書かれたポスター発見。
 「岡山県立博物館」の平成28年度特別展でした。
 副題に「岡山の信仰文化とその背景」とあります。
 神仏習合を絡めたテーマも割とありがちですし、
 神像だけならば、そこまで引き寄せられないのですが、
 仏像とあれば通り過ごす訳にはいかない気がしました。
 時間が余っている訳でもないのに、一期一会。
 岡山の仏像(を含めた宗教美術)にまとめて出逢える
 機会もそうそう無いのではないか、と考えを改め、
 岡山県立美術館に立ち寄ることにしたのでした。
 1~2階の計4室を4章の内容に分けてあるので、
第1章「仏の造形」、第2章「〈神〉像の出現」、
第3章「釈迦と浄土へのあこがれ」、第4章「密教の仏」の順で観て回ります。

わかっていたようで、忘れかけていたのが、日本は八百万の神々の国であり、
仏教の伝来は後世のことでありながら、〈神像〉というフォルムを持てたのは、
仏教伝来とともに仏像という“物”による表現を得た後である、ということ。
神々はいたけれども偶像は無かった国に、三宝が持ち込まれるや、
その仏像に触発されて、神像という形式が新たに生み出されたということです。
奇妙にねじれた因果関係のことを思い浮かべながら、歩を進めていると、
倉敷市の「安養寺」の仏像が数体、陳列されていることに気付きました。
安養寺は元々今回の倉敷行きで、仏像鑑賞のために拝観を企んでいたお寺。
日程上、見送った経緯があるのですが、奇縁というか、奇瑞というか、
たまたま覗いてみた博物館で、安養寺の仏像複数体に出迎えられるとは
……次回、倉敷を訪れた際は、必ずや安養寺にも詣でて、
顔を見覚えた如来立像らとも再会を果たそうと、心中、約したのでした。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 仏像美術

夢二郷土美術館

10月14日(金)、ぼくは岡山市にいました。夢二郷土美術館
当初、倉敷市内の某寺を訪う予定でしたが、
山間部までの“足”を調達できなかったことと、
「岡山・倉敷ぐるりんパス」を利用することから。
岡山電気軌道に乗って、城下で下車。
向かった先は「夢二郷土美術館」。
竹久夢二(1884~1934)こと、本名・
茂次郎は、 岡山県邑久郡本庄村の生まれ。
訪ねた時期は、同館の創設50周年記念で、
幻の夢二の油彩画西海岸の裸婦》初公開。
夢二式美人”、“大正の浮世絵師”といったイメージから、
夢二に対して日本画のイメージが強く持たれているかと思われますが、
商業美術として成功した作品がそうであったためで、
夢二自身は日本画にこだわらず、様々な表現技法を模索していたようです。
亡くなる3年前の昭和6年(1931)6月から翌年9月まで滞米。
その間に、裸婦かつ欧米人を描いていたことに希少価値がある模様。
赤毛に近い金髪に、白皙の肌です……顔や肢体はやはり夢二式でした。

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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術小説

大原美術館

大原美術館 ふらりと10月13日(木)、倉敷までお出掛け。
 「大原美術館」を観に行きたかったのです。
 昨夏、“星空案内人”資格認定講座の
 受講のために、毎週末のように、倉敷通い。
 それなのに、大原美術館へ行けずじまいで、
 悔やまれていたので。新大阪を10時59分発。
 正午過ぎには、倉敷入りしていました。
 JRで購入した「岡山・倉敷ぐるりんパス」は、
 大原美術館の入場券などもセットになった
優れもの(1万2,700円)でした……。

そこで、ひとつの誤算。通常の美術展などを見物に行く感覚でしたから、
ぼくは2時間もあれば、大原美術館も大方、観て回れるだろうと楽観し、
ゆっくり、昼呑みなどを楽しんだため、14時半頃の入館となったのです。
ロダンの「カレーの市民」と「洗礼者ヨハネ」に出迎えられるのですが、
同館は本館だけでなく、分館、工芸・東洋館も設けられ、さらには同じく
倉敷美観地区内とはいえ、ぼちぼち歩いた所に、児島虎次郎記念館
(=オリエント室)も建っているのです。その有数のコレクションを眺めていれば、
本館だけでも、あっと言う間。16時半に閉館のお知らせを聞かされていました。

小島虎次郎記念館まで移動するどころか、東洋館
工芸館・東洋館も駆け足で回る体たらく。
しかし、大原孫三郎の命を受けて、画家・
児島虎次郎が収集を始め、その遺志を継いだ
孫三郎の長男、大原總一郎の拡充になる
西洋近代絵画のコレクションは、かなりの
目利きによるもので、ここにあれがあるのか!
と、唸らされることしきりです。ピン・ポイントで
一流派、一画家の要諦をつかめるような、
絶妙な作品を押さえてあるのですもの。

エル・グレコの「受胎告知」は別格としても、超有名どころを挙げるだけで、
ゴーギャンかぐわしき大地」、モネ積みわら」「睡蓮」、モロー雅歌
……ぼくの大好きなブラックの「裸婦」やピカソ頭蓋骨のある静物」、
ミロの「夜のなかの女たち」もキュートで素敵。非常に贅沢な布陣です。
近代日本洋画では、古賀春江の「深海の情景」を生で鑑賞できたのが収穫。
小島虎次郎館も含めれば、丸一日あっても足りないのではないでしょうか。
それほどに見応えがあります。また、単に収蔵コレクションだけでなく、
昭和5年(1930)に開館した本館、あるいは床張りなどにも趣向を凝らした
工芸館といった建築物自体も、非常に魅力に富んでいるところが、何とも。

児島虎次郎と大原孫三郎(現「クラボウ」第2代社長)は、最初、
画家とパトロン――といったありがちな図式で見ていたのですが、
ほぼ同年齢(孫三郎は1880年生、児島は1881年生)だったということに驚き、
岡山県という同郷出身の友人同士であったことを知るにつけて、
実業と芸術の理想的(?)な関係に、羨望の念を覚えてしまいます。
さらに、次世代の總一郎の信念「美術館は生きて成長してゆくもの」にも
しみじみ考えさせられて、倉敷市民は幸せ者だなあ、と詠嘆するのでした。

参考文献:藤田慎一郎・編『大原美術館』(日本文教出版)

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tag : 美術近代建築呑む

九州もん

大阪駅前第1ビルB2F 週末にかけて倉敷行きを決めていたので、
 「船場を遊ぼう」クイズ・ラリーを終えた後、
 JR大阪駅「みどりの窓口」にて、岡山・倉敷
 ぐるりんパス(1万2,700円)を購入しました。
 倉敷は昨夏、星のソムリエ講座を受けに
 毎週末通っていて、ぼくには懐かしい街です。
 その足で、大阪駅前第1ビルB2Fへ潜り込み、
 「九州もん」で前祝い(?)。ふぐの白子に
 馬刺し、おでんや湯豆腐をアテに、
美少年」、「天山」……たまには九州のお酒も良いです。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む豆腐

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ぽか

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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