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銀河鉄道の夜(ショート版)

10月4日(水)、「大阪市立科学館」へお出掛けしました。
当初の目的は、宮沢賢治生誕120年記念企画イベント
化学と宮沢賢治」を観に行く予定でした。しかし、開催期間は10月15日から。
あれ? プラネタリウムで上映される「銀河鉄道の夜 ショート版」は
8月30日(火)~11月27日(日)の期間だったので、てっきり、合わせているか、と。
上映時刻の15時前まで、通常展示を冷やかした後、プラネタリウムへ入りました。
ポスターなどで英語の副題は「Fantasy Railroad in the Stars」ですが、
制作のKAGAYAスタジオでは「The Celestial Railroad」とされています……
ちなみに『銀河鉄道999』の英題は「The Galaxy Express 999」ですけれども。
       ☆
ショート版と断っているだけあって、宮沢賢治・原作の『銀河鉄道の夜』を
きちんと読んでいないと、ストーリーは分断されまくり、ほぼ理解困難か、と。
通常版(38分)とショート版(28分)で、10分しか違わないので、
星に関係の無い 地上の世俗的なシーンを端折れば、そうなるのかな? 
盛大なCG大盤振る舞いと、抒情的な音楽で盛り上げてくれようとはしますが、
星空はCGでなく、実画像を合成してほしかったかなあ、と思います。
しかし、ジョバンニやカンパネルラ、いかに主要な登場人物であろうと、
図像としては一切表現しなかった演出意図は、個人的に評価しています。
星さえ在ればよいのです。人間の姿なんて不要なのです。
       ☆
物語性が脱臼されてしまったことはともかく、賢治の文章を読んだだけでは
ぴんと来なかった、“天気輪”が形を変じたという“三角標”について、
具体的なイメージで示してくれた点も面白かったです。漠然と文字面を眺めていた
ぼくは昔から、オベリスクのような建造物を想像していたものですが、
三角点の上の測量用の櫓=高覘標懸柱式高測標というヴィジュアルに
なるほど!と唸りました。ただ、一番の問題は、(ぼんやりした)三角標の形になる
「天気輪(の柱)」自体が賢治の造語……天気輪はまた別物と想定すべきでしょうね。
三角標=高覘標とは異なれども、どこかで通底する具体的な建造物の存在として。

参考文献:宮沢賢治『銀河鉄道の夜』(青空文庫)
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テーマ : 星・宇宙
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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