fc2ブログ

烏の北斗七星

銀河鉄道の夜 ショート版」を観た勢いで、宮沢賢治の童話(寓話?)を再読。
「青空文庫」で作家別作品リストを繰り、「烏の北斗七星」が目に留まります。
烏の義勇艦隊の話を軸に、“戦争”やら、烏の大尉(後に少佐)と許嫁である砲艦
との“愛”やらが、題材に盛り込まれていました……が、ぼくが着目したのは、星。
青いひしげた二十日の月」や「ぎらぎらの太陽」も良いですが、表題にもなった
うつくしい七つのマヂエルの星」、「マヂエル様と呼ぶ烏の北斗七星」は、
物語の転換点において、極めて重要な役割をも担うことになります。
山烏との戦いを前に、北斗七星を仰いで祈る烏の大尉に勝機が与えられるのです。
       ☆
賢治が「マヂエル様」と北斗七星を呼ぶのは、北斗七星がその一部であるところの
おおぐま座の学名「Ursa Major」からの命名でしょう。
その一つの星のなかに生えてゐる青じろいゐ苹果の木」が何を指すのか? 
同定は難しいですが、“死兆星”こと、アルコルAlcor)ならば、面白いですね。
西の山の空に上る「マシリイと呼ぶ銀の一つ星」は、金星Mercury)で鉄板。
演習を終えた大尉と砲艦の逢引は、宵の明星が閃き始めるたそがれ時でした。

参考文献:宮沢賢治『烏の北斗七星』(青空文庫)
       長島晶裕『星空の神々 全天88星座の神話・伝承』(新紀元文庫)
スポンサーサイト



テーマ : 宇宙
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 小説

カレンダー
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
Access Counter
総閲覧者数:
Online Counter
現在の閲覧者数:
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリー
プロフィール

ぽか

Author:ぽか
⇒ 旧プロフィール

歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

リンク
月別アーカイブ
検索フォーム
Amazon
QRコード
QR
RSSリンクの表示
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メルマガ登録はこちらから
購読希望者はメール・アドレスを書き入れて「送信」してね!
SOUKEN