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★ 2016年12月に読んだ本 ★

監修/狩野博幸『若冲の世界』(宝島社)
有栖川有栖『女王国の城 上』(創元推理文庫)
 ……学生アリス・シリーズ(江神二郎シリーズ)第4作。
有栖川有栖『女王国の城 下』(創元推理文庫)
 ……2008年、第8回・本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。
有栖川有栖『マレー鉄道の謎』(講談社文庫)
 ……作家アリス・シリーズ(火村英生シリーズ)にして、国名シリーズ6作目。
 2003年、第56回・日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞。
格差問題研究会『実録!日本の貧困女子』(宝島社)
鈴木智彦『鈴木智彦の「激ヤバ地帯」潜入記!』(宝島社)
博学面白倶楽部『眠れないほど面白い「道路」の不思議』(三笠書房)
 ……近日、ブログのネタで紹介するかもしれません。
吉本ばなな『アムリタ(上)』(新潮文庫)
吉本ばなな『アムリタ(下)』(新潮文庫)
ロートレアモン伯爵『マルドロールの歌』(集英社文庫)……マイ・クラシック。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

晦日残業

前日(12月30日)こそ休日を取れましたが、2016_12_31(露天神社)
大晦日から連続6日出勤の始まりです。
文字どおり、盆も正月も無い月日が過ぎていきます。
前夜は「秘密のビデオ会」(第25回)を開いて、
佐藤佐吉・監督『極道刑事』(2003年)や
塚本晋也・監督『六月の蛇』 (2002年)を観たっけ? 
二人の読書会」は順延となったのだったか? 
などと思い出そうとしながら、午前9時半に通り過ぎる
大阪・曽根崎、「露天神社」境内は嵐の前の静けさ。
初詣での参拝客に備えて、石畳の掃除に懸命な
関係者の背中を見やりながら、どこかで失われた
磁気カードや小袋のことに思いを馳せつつ……
日付が変わる前の帰宅は難しいかと、諦めて打刻。

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

tag : 年中行事

Turn it up!

同人誌のデータ入稿に追われて、タワレコで購入していたCDも
まともに聴けない年の暮れ。全米チャートの推移を眺めながら、
The Weeknd がアルバムに続いて、シングルでも首位か……と
不思議な感慨。昔からザ・ウィークエンドは好きだったし、新作も悪くない
と思うのですが、そこまで売れるような内容かしら?と思わないでもなくて。
良し悪しはわかるのですが、売れる/売れないが読めなくなったなあ、と自嘲。

 同じく新譜で、Bruno Mars の3作目。
 もろに1980年代後半の音楽シーン回顧に
 舵を切り、大丈夫か?と危ぶまれましたが、
 無事にヒットしているようで、まずは何より。
 しかし、ニュー・ジャック・スウィング
 G-ファンクといった、ぼく好みの意匠で
 仕立てられた楽曲群のはずが、そこまでの
 破壊力は感じられず、妙だなあ?と。

疑問は、街中の服屋か靴屋だかで、耳に飛び込んできた「24K Magic」で氷解。
ボリュームです。深夜に周辺住民の寝耳を気にしながら、こそこそ聴いては駄目。
出来れば馬鹿でかいCDラジカセを用意して、大音量で聴くべきサウンドなのでした。
つかみで、ロジャーのトーク・ボックス張りのヴォコーダー(?)使いに痺れたら、
あとはノンシャランに身を揺らせておけば、無問題。アップは80年代のブギー
スローは90年代男性コーラス・グループに範を取った形のようですが、
ブルーノたん個人の声に浸れる美メロが若干少なめなようで、惜しいかな。
Perm」は、ザ・タイムの「Jerk Out」が元ネタか、思わぬところで殿下追悼? 

参考記事:ザ・ウィークエンド「スターボーイ」がついに全米チャート首位に

テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音

棟方ノオト

棟方志功(1903~1975)には、独特の語法がある。
彼独自の思い入れを込め、棟方語のようなものが造られている。
例えば、「版画」ではなく、「板画」――。
板画というものは板が生まれた性質を大事にあつかわなければならない、
木の魂というものをじかに生み出さなければダメだと思いましてね

(『花深処無行跡』)
       ☆
また、「大世界の柵」や「恐山の柵」など、作品名に多々見受けられる“”――。
わたくしの『柵』はそういう意味(垣根の柵、区切る柵)ではありません。
字は同じですが、四国の巡礼の方々が寺々を廻られるとき、首に下げる、
寺々へ納める廻札、あの意味なのです。この札は一ツ一ツ、自分の願いと、
信念をその寺に納めていくという意味で下げるものですが、わたくしの願所に
一ツ一ツ願かけの印札を納めていくということ、それがこの柵の本心なのです。
ですから納札、柵を打つ、そういう意味にしたいのです
」(『板極道』)
       ☆
ちょっと、待て。「柵」以前に、霊場巡りに関心が無い人々には「廻札」って何?と。
お遍路さんらが「廻(まわ)り札(ふだ)」、「印札(しるしふだ)」、「納め札」と呼ぶようですが、
昔は札所で木柱を立てたり、木製や銅製の納め札を打ち付けたりしていたため、
札を打つ」という表現が定着した模様。いや、納め札と同じ意味にしたいという
棟方の気持ちは受け止めたにしても、「版画」でなく「板画」の字面を採ったような
明快さに欠ける説明に思えてなりません。ならば、「」の字を題に使えば?と
考えてしまう訳で、札の連なった大部の物が柵というイメージだったのでしょうか? 
棟方の板画は薄っぺらな木っ端でなく、木の魂から成る大いなる願だという気宇か。

参考文献:棟方志功『板極道』(中公文庫)

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

ごますりちゃんこ

学生時代からお世話になっているちゃんこ屋さんがあります。
かつては大阪・扇町公園の南側に在り、「関西テレビ」の移転の頃からか、
同公園の東側、天神橋筋東側に引っ越していますが、昔ながらの味わい。
ごますりちゃんこ」とは、もう何十年もの付き合いになりかねないのですが、
いつも新鮮な気持ちで利用させてもらっています。調べたところ、創業25年?!
ここ数年は、同人やら何やら、忘年会の会場に使わせてもらうことが多いですね。
前年(2015)に、“鍋プログラム”を始動させた時、栄えある第1回として選定し、
足を運んだのも、実は、ごますりちゃんこなのでした。今年の忘年会場にも連続指定。
地元にも関わらず、グリフォンビルでなく、天満サンプラザビル2Fに上がりかけましたが
……店名ともなっている「ごますりちゃんこ」は、登録商標取得済み。
とにかく絶品のだしで、お肉好きもお魚好きも抵抗無く、美味しく頂けてしまいます。
(ぼくのいちばん好きな具材は、どれだけ煮込んでも柔らかい蛸だったりします)
メニューはちゃんこだけという潔さですが、シンプルな食材の滋味を愉しみ、
ぐつぐつ煮える鍋を囲んで、大切な人らと熱燗を酌み交わしていられる悦びよ。
冬だけでなく、夏鍋が美味しかった記憶もあるので、2017年は夏場も訪れましょうか。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む

受胎告知

12月27日(火)、大阪・中之島の「国立国際美術館」に赴き、
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」を鑑賞しました。
アカデミア美術館の所蔵するヴェネツィア派の名画、約60点が居並びます。
ヴェネツィア・ルネサンスの祖、ジョヴァンニ・ベッリーニ(1430年頃~1516)から、
黄金時代の巨匠、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1490年頃~1576)まで。

ベッリーニの赤い智天使にも度肝を抜かれましたが、大きな見所はやはり、
特別出品にして日本初公開、ティツィアーノ晩年の傑作「受胎告知」でしょう。
サン・サルヴァドール聖堂の側廊を飾る410×240cmの大作です。
「受胎告知」といえば、昨秋、「大原美術館」で観たエル・グレコも鮮烈でしたが、
大キャンヴァスの左サイドから突進してくるような大天使ガブリエルは、
ブレーキの壊れたダンプカー並みの迫力……頭上を埋め尽くす小天使の群れ、
割って稲妻のように降ってくる(精霊の)鳩と相まって、観たぞ!という満腹感。

後続のティントレットヴェロネーゼバッサーノら、3人の巨匠の作品も堪能。
天地創造6日目を描いたヤコポ・ティントレットの躍動感に溢れるとともに、
妙に特撮チックな「動物の創造」が、ぼくの心に焼き付いてしまいました。
動物に対する偏執的な描写や、一方向に流れる構図に、伊藤若冲も想起。

最後にTBSの映像で、現地のサン・サルヴァドール聖堂などに実際、設置されている
ティツィアーノの傑作群が紹介されていたのですが、照明が拙いのか、全然駄目で、
先刻、目にしたばかりの「受胎告知」を思い返しながら、やはり自分自身の目で、
生で触れないことには、絵画も活きてこないのだなあ、と嘆息をつきました。
現場の空気感を味わうためには、実地に足を運ぶこと。しかし、鑑賞できる条件が
揃っているかどうかは、また別問題で、仏像鑑賞の難しさなども思い出しましたよ。

地下3階の会場を満喫した後は、閉館前まで地下2階に上がり、
THE PLAY since 1967」も心安く観覧していました。
関西を拠点に活動を続ける美術家集団「プレイ」の個展。
屋外で様々な“行為”に勤しんできた活動の記録となりますが、
発泡スチロール製の筏による川下りが本当に楽しそうで、ほっこりしました。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

フレスコ

「絵画」といえば、キャンバス油絵の具というステレオタイプな発想に
固着してしまいがちですが、油絵の具は15世紀頃にヨーロッパで発明された画材。
さらに、19世紀のチューブ入り絵の具の発売が近代絵画を野に放ったこと
印象派の誕生)と切っては離せないことも忘れてはならないでしょう。
「芸術」と「技術」は同義であり、即物的・散文的な側面は決定的に重要なのです。

※近代絵画と近代小説が、近代西欧の生み出した一卵性双生児であることは、いずれまた別の機会に。

ほぼ2,000年前のポンペイの壁画は、大半の素材・技術が“フレスコ”でした。
フレスコ画とは何か? 「14世紀から16世紀にかけて用いられたフレスコは、
壁画や天井画で使われた技法である。まず壁に漆喰を塗り、乾き切らないうちに
水で溶いた顔料を塗る。すると顔料が漆喰に染み込んでそのまま固まるため、
壁と一体化した丈夫な作品ができるというわけだ。しかしこの手法は
スピード勝負な上に やり直しが利かないというデメリットがあった
」などと
説明されるようですが、ポイントは漆喰が「乾き切らないうちに」という表現で、
「乾き切らない」=「新しい」「新鮮な」は、イタリア語で「fresco」となります。

参考文献:トキオ・ナレッジ『大人の西洋美術常識』(宝島社)

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

アムリタ

吉本ばなな『アムリタ』を読んでいました。
典型的なメンヘラ系女子の本だなあ、と随所で、頭を抱えました。
しかし、作者の文庫版あとがきで、この小説の連載時期、
もしも人生で自殺というものに同意することがあったとしたら、
多分それはこの時期だろうと思う
」と吐露されているのを見て、
なるほどなあ、と納得したりもしました。作品は嫌いでないです。
でも、同意はしません。絶対に出来ません。
勝手に生きろ。ただ、こっちのやり方に触れるな、邪魔するな。そう思います。
“私”が幸せならば、それでいいのか? ぼくは幸せでなくてもいいです。
場合によっては、無理して、強がってでも、そう言い張るでしょう。
探偵小説好きとしては、主人公が昔、笠井潔を読み耽っていたという下りに
快哉を上げました。ぼくも、笠井潔が好きです(小説同等に、評論も)。
その他にも、割とカルト系の(でも、ポップな)小説やら映画やら出てきて、
くすくす笑えたりもします。一か所、ガンダム合体ロボの例として挙げていた
文章に対して、ガンダムは合体なんかしないよ。そもそも、合体ロボなんて
発想が“昭和”で、主人公の年齢設定にそぐわないよ、と突っ込みましたが。

参考文献:吉本ばなな『アムリタ(上)』(新潮文庫)
       吉本ばなな『アムリタ(下)』(新潮文庫)

テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説

PP無し

さて、紆余曲折の末、12月22日(木)の午前中に印刷所へのデータ入稿も完了。
代償に、現在も続く顔の肌荒れやリンパ節の腫れなどに悩まされています。
……が、それで本当に終わったとも言えません。
12月24日(土)、契約仕事の休憩時、携帯電話に着信履歴有り。
折り返してみると、印刷所の営業さんでした。
今回の入稿時、前号のPP貼りの不備(かなりの部数で初期段階から剥がれ)に対し、
強硬にねじ込んだ経緯があった訳ですが、加工業者から「100%できるとは言えない」
と反論があり、苦慮しているとのこと。既にイベントまで1か月を切っていますし、
悠長に判断を迷っている暇も無く、即決で、今号はPP貼り無しでの製本としました。
変に剥がれてしまうより、最初から無い方が潔いかと。表紙のかすれ具合も味です。
しかしながら、表紙片面のマットPP加工を見送ったことで、
出し直された見積書を確認してみると、2万円ほど安くなっていたのですねえ。
総発行部数が知れているので、加工代の有無だけで随分と違ってくるなあ、と。
同人誌の販売で利益を得ようなどと夢は見ていませんが、ずぶの素人でもないため、
赤字前提の発行は癪に障ります。今後の編集方針としても考えどころではあります。

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 同人

丸喜酒店

ロールキャベツ
炙りアボカド
厚揚げインド風
 “黒いおでん”と言えば、しぞーかですが、
 今回は“白いおでん”に出喰わしました。
 大阪駅前第1ビルB2Fの「丸喜酒店」です。
 場所柄、リーマン仕様の立ち呑み屋かな?
 と思って足を踏み入れてみたのですが、
 意外や意外、小洒落たおでんバルでした。

 白いおでんは、ホワイト・ソースを合わせた
 洋風おだしですが、ベースとなる京風だし
 しっかりしているため、何ら折衷感が無く、
 普通に美味です。某店のフレンチおでんより
 自然体の佇まいを感じます。白いおでんと
 並行して、京風おでんも供されています。
 (同じ具材を違うだしで食べ比べるのも、乙)

 敢えて難点を挙げれば、ぐつぐつ煮えている
 関東煮スタイルではないので、注文してから
 出てくるまで、間が開いてしまう観が強いこと。
 それでも、「金陵」のお酒の飲み比べなど
 していれば、愉しく、あっという間に時が経ち。
 とうふは、火を通し過ぎかなと思いましたが、
 京風でなく、ホワイト・ソースには合いそうです。
 ロール・キャベツとは当然の相性の良さで、
 炙りアボカド、厚揚げインド風のほか、
 どれもこれも試してみたい具材ばかりなので、
 自由が利けば、リピーターになってしまいそう。
 ポテト・サラダは、おでんの種のじゃがいもと
 玉子で作られていました(時間が掛かります)。
締めにあっさりと、京風おでんのかいわれと、焼きおにぎりにだしを掛けたお茶漬け。
予定には無かったのですけれど、急遽、「おでんプログラム(9)」に数え入れました。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑むおでん豆腐

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たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
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