世界の棟方
12月20日(火)、「あべのハルカス美術館」で
「世界の棟方志功」展を鑑賞してきました。
サブ・タイトルには「わだばゴッホになる」と
題されていますが、明快な表現とポップさから、
ゴッホではなく、ピカソに近い人気を得ている
ように思われ……個々の作品の志向性よりも、
受容のされ方において、そんな気がします。
「二菩薩釈迦十大弟子」は「大原美術館」でも
観たんだっけ、と懐かしい気持ちを覚えました。
文学に題材を採った作品は、戦前の「なめとこ山の熊版画」や「夢応の鯉魚」などに
確認でき、上田秋成を偏愛するぼくとしては、非常に嬉しかったりしましたよ。
乾・坤(各175.4×1284.0cmの2面)から成る「大世界の柵」は圧巻で、
会場が吸い込まれんばかりの迫力。調べてみれば、棟方史上最大であるばかりか、
木版画としても世界最大。禍々しさに震え、呪術的な世界観に圧倒されっぱなし。
板画(=版画)はコピーが容易というか、コピーを大前提としたジャンルな訳ですが、
1点しか摺られなかったという「飛神の柵(御志羅の柵)」は、背景の赤色が鮮烈。
『遠野物語』にも見える“おしら様”が、馬の首という形象で明示されています。
ところで、本展は青森県立美術館、棟方志功記念館から主立った作品が
かき集められているため、開催期間中、青森県内の棟方関連施設の方が
すっかりお留守になっているのではなかろうか? と、要らぬ心配をしてみたり。

「世界の棟方志功」展を鑑賞してきました。
サブ・タイトルには「わだばゴッホになる」と
題されていますが、明快な表現とポップさから、
ゴッホではなく、ピカソに近い人気を得ている
ように思われ……個々の作品の志向性よりも、
受容のされ方において、そんな気がします。
「二菩薩釈迦十大弟子」は「大原美術館」でも
観たんだっけ、と懐かしい気持ちを覚えました。
文学に題材を採った作品は、戦前の「なめとこ山の熊版画」や「夢応の鯉魚」などに
確認でき、上田秋成を偏愛するぼくとしては、非常に嬉しかったりしましたよ。
乾・坤(各175.4×1284.0cmの2面)から成る「大世界の柵」は圧巻で、
会場が吸い込まれんばかりの迫力。調べてみれば、棟方史上最大であるばかりか、
木版画としても世界最大。禍々しさに震え、呪術的な世界観に圧倒されっぱなし。
板画(=版画)はコピーが容易というか、コピーを大前提としたジャンルな訳ですが、
1点しか摺られなかったという「飛神の柵(御志羅の柵)」は、背景の赤色が鮮烈。
『遠野物語』にも見える“おしら様”が、馬の首という形象で明示されています。
ところで、本展は青森県立美術館、棟方志功記念館から主立った作品が
かき集められているため、開催期間中、青森県内の棟方関連施設の方が
すっかりお留守になっているのではなかろうか? と、要らぬ心配をしてみたり。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術