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ルバイヤート

太宰治『人間失格』の「第三の手記」において、
漫画家になった大庭葉蔵が、上司幾太(=情死、生きた)名義で描く
漫画に ルバイヤットの詩句を挿入する というくだりが出てきます。
懐かしいなあ、などと感じ入ること しきり。呑んだくれですから、
(いえ、酒呑みになる前の学生時代から) ルバイヤートは大好きでしたもの。
さらにこの年末年始、読み耽っていた有栖川有栖『孤島パズル』でも、
酔った医師、園部祐作がオマル・ハイヤーム『ルバイヤート』を高吟します。
ちなみに、ルバイヤット(=ルバイヤート)は本来、「四行詩」という意味。
11世紀のペルシャ詩人、ウマル・ハイアーム(=オマル・ハイヤーム)の
四行詩集が英国詩人、エドワード・フィッツジェラルド(1809~1883)の名訳で
世界的に流布したもの。最初の日本語訳は蒲原有明の手になる重訳です。
太宰のルバイヤットは、堀井梁歩・訳とされており、東北地方(秋田県)出身の
訳者の詩を使いたかったのでしょうか? 気に懸かるところではあります。
有栖川では、ぼくも愛唱した岩波文庫版『ルバイヤート』から引用されており、
その小川亮作・訳は、ペルシア語の原典初訳でもあるのでした。
(詩人として知名度は低かったらしい)生前のウマル・ハイアームに対し、学術に長けた
万能人と見立てた小川は、“ペルシアのレオナルド・ダ・ヴィンチ”と評言しています。

参考文献:太宰治『人間失格』(集英社文庫)
       有栖川有栖『孤島パズル』(創元推理文庫)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説呑む

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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