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★ 2017年4月に読んだ本 ★

白洲正子『私の百人一首』(新潮文庫)
『大和路秀麗八十八面観音巡礼』(大和路秀麗八十八面観音巡礼会)
 ……室生寺で買い求めた冊子です。本文執筆は愛川純子。
『角川 短歌 2月号 2017』(角川文化振興財団)
初見健一『昭和ちびっこ怪奇画報』(青幻社)
 ……小栗虫太郎と言えば「黒死館」だったのだけれど、彼の魔境物が
 1970年代の秘境ブームに加担していた可能性は盲点でした。
『女人高野 室生寺』(大本山 室生寺)
『角川 短歌 3月号 2017』(角川文化振興財団)
宮本輝『川三部作 泥の河 蛍川 道頓堀川』(ちくま文庫)
宮本輝『錦繍』(新潮文庫)
宮本輝『青が散る(上)』(文春文庫)
宮本輝『青が散る(下)』(文春文庫)……4月の「二人の読書会」テクスト。
『週刊朝日百科 日本の国宝 060』(朝日新聞社)
 ……コンテンツは「奈良/室生寺 宇太水分神社」。
 地元は天神橋筋商店街の“わごん市”で入手した分冊シリーズ。
『第146回=文楽公演 平成29年4月 国立文楽劇場』
 (独立行政法人日本芸術文化振興会)

『文楽床本集 国立文楽劇場 平成29年4月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)
文・藤森照信、写真・増田彰久『建築探偵東奔西走』(朝日新聞社)
 ……元は「週刊朝日」のグラビア連載企画。小ネタも満載で随喜の涙。
 全4冊とあるので、残りの3冊もぼちぼちと集めていく予定です。
『魅惑の仏像 如意輪観音―大阪・観心寺』(毎日新聞社)
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

TuxedoⅡ

今年も4月が過ぎて、読まなければならない本も
溜まっているのだけれど、聴けないままに
購入したCDも枕元に積まれていくことよ……と
気にしていた矢先、「HIKOBOSHI」のマスター
と話したことをきっかけに、夜も更けた頃から
睡眠時間を削って、枕元のCDの山を切り崩しに
かかるのでした。愛する Bell Biv DeVoe
久しぶりにリリースした『THREE STRIPES』
まずはほっこりと和み、本題のタキシードの2nd アルバムを頭から聴きます。
懐メロだろうと、再構築ブギーだろうと、メイヤー・ホーソーンJake One との
ユニットに間違い無し。劈頭の「Fux With The Tux」からして、
スヌープコケインが加勢しているのを確認できるや、昇天必至。
黒い音がお好きなら、講釈や何やもすっ飛ばして、身体を揺らしてしまいますよ。

テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音

大楠公と久米仙人

2017_04_18_建掛塔 「長谷寺」本堂の五色幕を見ていると、前週訪れた
 「観心寺」の金堂で風に翻っていた五色幕に意識が
 飛ばされていきます……観心寺は楠木家の菩提寺。
 寺伝によると、楠木正成は同寺の塔頭の中院で、
 8~15歳の間、仏道修行に励んでいたそうです。
 湊川の戦い(1336)で不帰の人となった楠木正成の
 御首塚も観心寺内に設けられており、一心不乱に
 読経を上げて、供養していた男の人の姿が思い浮かび
 ……左の画像は、三重塔を建立するはずが、大楠公の
 戦死によって、初層のままに終わってしまった「建掛塔
 (たてかけのとう)」です。連想は文楽『楠昔噺』に流れて
 いき、あの久米仙人との邂逅を果たしてしまうのでした。
        ☆
(婆が川での洗濯に)裾引き上げて踏み掛かれば
 「アヽコレこれお婆、滅多にまくり上げやんな。どこぞの仙人が見たらば、昔を思ひ出して通を失ふぞや」
 「オヽホヽヽ、そりや五十年も前のこといの、今は渋紙に憲法小紋置いたやうな太股、気狂ひの仙人が目を廻して落ちやうは知らず、どこ見せても気遣ひなことはござらぬ」

(『楠昔噺』碪(きぬた)拍子の段)
       ☆
ちなみに「憲法小紋」とは、吉岡流4代目憲法の考案による
黒茶色の地に小紋を染め出した着物地のようです。

参考文献:『魅惑の仏像 如意輪観音―大阪・観心寺』(毎日新聞社)
       『文楽床本集 国立文楽劇場 平成29年4月』(独立行政法人日本芸術文化振興会)

テーマ : 神社仏閣
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 建物仏像文楽

結縁の五色線

2017_04_28_御本尊大観音特別拝観 4月28日(金)、奈良県の総本山「長谷寺」を訪問。
 近鉄・長谷寺駅から約1.5km、徒歩で約20分程度。
 ちょうど「ぼたんまつり」のシーズンにも入っており、
 参道の途中でも鉢植えの牡丹が艶やかな花を
 開かせていました。途中、西国三十三所観音霊場
 番外札所に当たる「法起院」にも、立ち寄っています。
        ☆
 ぼくが最初の「長谷寺」参拝は、2008年1月3日で、
 「修正会」の執り行われている時分でした。
 昨年2月には「あべのハルカス美術館」で開催の
 「長谷寺の名宝と十一面観音の信仰」展を鑑賞し、
 再び訪れなければ……と思いつつ、延び延びになり、
今年の桜も散り、牡丹が咲き初める季節を迎えました。
       ☆
「清浄院」跡地に建つ「宗宝蔵」では、天王寺で2017_04_28_本殿
見た「銅板法華説相図千仏多宝仏塔)」を
見出し、登廊を上がった先の本堂では、例の
裏観音”や、「難陀龍王立像」と「雨宝童子
立像
」の両脇侍とも再会を果たしましたよ。
そうして、忘れてはならない本尊の「十一面
観世音菩薩
」(光背を含めれば12m13cm
とも対面。特別拝観となりまして、五色線
手首につけると、本堂内陣に入り込んで、
十一面観音のおみ足に直接、すりすりと
触れることが出来、その周囲をぐるりと仰ぎながら、観て回りました。
全国に多々散らばった“長谷観音”の根本像、プロトタイプですもの。
さぞかし、大勢の人々に素晴らしい縁を結んでくれることでしょう。
ぼく自身は、優美なブツに直に触れられるだけで、望外の悦びですけれども。

テーマ : 仏教・佛教
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 仏像

夜の大和八木

2017_04_27_「六角鶏」 訳あって、奈良県橿原市の大和八木
 前乗り。近鉄・大阪線と橿原線の乗り換え駅
 ですから、そこそこは賑わっていると予想。
 夜分に駅周辺を徘徊。ちょっと、空振り感。
 ホルモンでも摘まみたい宵でしたけれども、
 奈良県の真ん中では、無茶な望みですかね。
 旅人気分も何もなく、都市圏でも見かける
 チェーン店ばかりと思われ、無難なところで、
 鶏家六角鶏」に入店。
他の店の選択肢が限定されるためか、大変な繁盛ぶりでして、お酒が出てくるのが
遅れるは、地元客のリクエストか、BGMが音の割れたJ-POPで恥ずかしいは、
喧しいは……駝鳥のたたきなどを口に放り込みつつ、修行僧の気分。
調査不足で探し当てられませんでしたが、大和八木にも隠れた良店があると信じて。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む

Curry 味善

隈病院」が発行している季刊情報誌「Kuma+」の2017_04_25_「カレー味善」
最新号(2017. spring 【Vol.6】)でも紹介されていた
Curry 味善」を利用したのです。「花隈城」跡となる
花隈公園」の東側に位置しています。内装は妙に
凝っていて、スタンド・カレーより、スタンド割烹めいた
空気感です。ぼくは、和牛のすじとろカレーを注文。
サラダ付きで、750円でした。オーダーが通ってから
供されるまでに、そこそこ時間を取ります。その辺りも
妙な敷居を感じさせられるのかもしれませんけれど、
丁寧に拵えられた味は、身体にも優しそう。ところで、
甲状腺ヨウ素摂取率測定シンチグラフィー検査
を行うに当たって、ヨウ素制限の必要がありますが、
「味善」のカレーは“海藻類を使用していない”とあって、
「隈病院」のお墨付きなのです。しかし、同店の主力はビーフ・カレー(1,780円)か
……次回、足を踏み入れた際には、必ずや賞味せねばならない流れですね。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : カレー

隈病院

2017_03_25_隈病院 神戸市中央区下山手通に在る「隈病院」まで付き添い。
 甲状腺専門病院として有名で、周囲の女性らからも
 お世話になったことがあると聞くことが多いです。甲状腺
 関連の論文数でも、世界3位という業績を誇るとか。
 昭和7年(1932)、初代院長・隈鎮雄氏が創立し、当初
 個人病院でしたが、第2代院長・隈寛二氏により、医療
 法人化(左の画像は、同院を入って左手に在る2人の
 塑像です)。3代目の現院長として、宮内昭氏が指名
 されるに当たって、隈一族が持ち分を放棄したことで
 特定医療法人となっています。現「隈病院」に所有者は
 おらず、理事会が運営する一種のNPO組織となっている
 そうです。モダンかつ機能的な空間内を、
患者が次から次へと流れていく、現代的な光景が広がっていました。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

tag : つぶやき

大阪市梅田市税事務所

契約先から“債権差押通知”なる書類が郵送されてきて、嫌な汗をかく。
住民税の納付が滞っているそうで、ギャラを差し押さえるという最終通知。
そう言えば、大阪・天満のマンションに封書が届いていたなあと思い出す。
数か月ごとに封筒の色が変わり、ブルー系からオレンジ系に……
最終的には、ピンク系の色の封筒(赤紙!)に変わっていた模様。
大阪市梅田市税事務所」に出頭し、今後の返済計画について打ち合わせ。
どうしてだか、前年度より税額が2倍近く跳ね上がっている理由も問い質す。
大阪市梅田市税事務所は、大阪駅前第2ビル7階に入っているのだけれど、
いつもはリラックスするための空間として利用している大阪駅前ビルで、
生臭い“お金”の話をしているのが、妙な感覚。普通徴収されている
市民税の納期が、4期に分けられているのはともかくとして、
6月8月10月1月と、均等な間隔でないのは何故?と訊いたら、
「法律で決められているから」との返答を得る。正規雇用など、
会社がしっかりしているところであれば、12か月に均等割りされ、
毎月の給与から差し引かれて、疑問には感じていなかったのだろう。
4月中には差し押さえ停止の頭金を用意し、6月末までには完納。
貧しき者を鞭打つのはやめてほしいなあ。暗然とした気分に陥りながら、
「大阪市梅田市税事務所」は、「大阪市梅田」の「市税事務所」であるけれども、
文字の並びから、何やら、「梅田市」が存在するようにも見えてきて……。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

tag : つぶやき

六代呂太夫と吉朝

「四月文楽公演」では、豊竹英太夫改め六代豊竹呂太夫襲名
披露口上が目玉になっておりました。襲名披露狂言として、
『菅原伝授手習鑑』の「寺子屋の段」を語っています。
他の太夫らの紹介で、“文学青年”だったという若かりし日の姿に
好感を持たせていただきました。しかし、4月16日で70歳になられた
そうですが、その年齢にして働き盛り! 入門から50年以上を数え、
古典芸能は本当に気の遠くなるような、奥の深い世界であることよ
……と呆れ果ててしまいます。ところで、六代呂太夫さんが、
ぼくの大好きだった故・桂吉朝さんの義太夫の師匠だったと知り、
奇縁を感じるというか、胸の奥からじんと熱くなるものがあります。
       ☆
呂太夫師匠の一番の趣味は、素人に義太夫を教えることだという。故・桂吉朝さんに頼まれて義太夫教室を十年以上前に開かれ、いまも桂南光さんや桂文之助さん、桂吉弥さんといった落語家さんをはじめ、何十人もの素人弟子を相手に熱心に稽古をつけておられる。
(仲野徹「待ってました! 六代豊竹呂太夫」)

参考文献:『第146回=文楽公演 平成29年4月 国立文楽劇場』(独立行政法人日本芸術文化振興会)

テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

tag : 落語文楽

四月の大雪

宗教的な問題はさて置き、文楽の本公演を初めて鑑賞した
前日(4月21日)は、殿下の一周忌、1年目の祥月命日となりました。
忘れるはずもありません。それにしても、没後初めてのベスト盤
『4EVER』に収録されていた未発表曲「Moonbeam Levels」は
今ひとつだったなあ……「1000 X's & O's」や「Xtraloveable
レベルを期待していて、さみしい肩透かしを喰らいましたよ。
ところで、4月の「二人の読書会」のテーマ作家、宮本輝
『蛍川』を読み返していて、表題となる“蛍川”にまつわる会話部分で
いきなり、あの殿下の歌を想起する不思議さ、切なさ、シンクロニシティ。
       ☆
「見た見た、見たぞお。一度だけなァ。おっとろしいぞ、あれはもうお化けとおんなじよォ。酔いも何も醒めてしもうたがや」
「連れて行けえ。竜夫を連れて行ってくれえ」
「なん、駄目じゃ駄目じゃ。滅多なことじゃあ見られんがや。四月に大雪が降るほど、冬の長い年でないと、蛍の奴は狂い咲いてくれんちゃ」
「四月に降ったらええがけ」
「なァん、ただの雪じゃないがやぞ。大雪よォ、目ェむくほどの大雪よォ」
 竜夫が銀蔵から蛍の話を聞いてすでに五年がたっていたが、四月の大雪に出逢うことはなかった。


参考文献:宮本輝『川三部作 泥の河・螢川・道頓堀川』(ちくま文庫)

テーマ : Soul, R&B, Funk
ジャンル : 音楽

tag : 黒い音小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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