★ 2017年5月に読んだ本 ★

(一度作成したはずなのに、保存していなかったか、知らずと削除してしまったか……気を取り直して)

監修:大友義博『西洋絵画 BEST100』(宝島社)
池上英洋監修・著、深田麻里亜著『あやしいルネサンス』(東京美術)
下村純一『不思議な建築』(講談社現代新書)
毛綱毅曠『七福招来の建築術』(光文社)
『角川 短歌 4月号 2017』(角川文化振興財団)
深沢七郎『楢山節考』(新潮文庫)……5月の「二人の読書会」テクスト。
 決してヒューマニスティックな話ではなく、冷徹な小説家の視線が命なのです。
津木林洋『とつげん・いっけい』(中日新聞社)
 ……復古大和絵派の2人を取り上げた2作。近日中にレビューを認める予定。
黒岩涙香『無惨』(青空文庫)……マイ・クラシック。本歌取りしたくなるキャラ設定。
塚本邦雄『新撰 小倉百人一首』(講談社文芸文庫)
川口俊和『コーヒーが冷めないうちに』(サンマーク出版)
 ……脚本家・演出家の小説作品。こんなにぬるくてもよいのかな? 
 設定ありきで話を引っ張っており、手管が見え見えで乗れませんでした。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

なら仏像館

2017_05_30_なら仏像館 特別展の開催される「奈良国立博物館」の
 東新館・西新館とは別に建つ「なら仏像館」。
 名品展「珠玉の仏たち」が常時催されている
 ようですが、出陳品は会期により、微妙に
 異なっているので、事あるごとに覗いてみても
 損は無いかと思われます。ぼくは、小ぶりで
 愛らしい「誕生釈迦仏立像」のいくつかが
 好みで、思わず見入ってしまいます。
 元々は「旧帝国奈良博物館本館」で、
昭和44年(1969)に重要文化財の指定を受けましたが、
奈良初の本格的洋風建築(フレンチ・ルネサンス様式)として、明治27年(1894)
完成。画像は東側からの撮影ですが、無料観覧日の9時30分~12時30分の間は、
正面に当たる西側玄関が開放されている模様。設計は片山東熊(1854~1917)。
ということは、あの「京都国立博物館(明治古都館)」の兄貴分になる訳ですね! 
個人的には、新館と仏像館の間を地中でつなぐ“地下回廊”(全長150m)が、何やら
秘密基地への抜け道のようで大好きです。特別展の無い時に、ゆっくりしたいかも。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 仏像 近代建築

特別展「快慶」

5月30日(火)、「奈良国立博物館」に出掛け、2017_05_30_奈良国立博物館
特別展「快慶」を鑑賞しました。圧巻でした。
副題に「日本人を魅了した仏のかたち」。
“日本人”云々はともかくとしても、定朝的な
仏の本様”より、個人的にはしっくりと来ます。
康慶の弟子の中でも特殊な立ち位置だった
ようですが、運慶と並び称される慶派仏師
二大看板であることは、周知のとおり。
2人のキャラを明快に描き分けてくれた映像
祈りを刻んだ巧匠仏師 快慶」も好企画。
(展示期間の制限は一部ありましたが)快慶の代表作が一堂に会し、大変贅沢な空間でした。
       ☆
2階の東新館に入って早々に出逢う「弥勒菩薩坐像」(京都「醍醐寺」)に立ち尽くし、
米国・ボストン美術館から請来された「弥勒菩薩立像」は、次、いつ逢えることやら。
米国からは他にメトロポリタン美術館、キンベル美術館のコレクションも展示。
京都「清水寺」の「千手観音坐像」も、しみじみと良いですねえ。
俊乗房重源との絡みで、兵庫「浄土寺」からの出陳品はミニ・コーナーの観を
呈していましたが、ちょっとした計画を胸に秘めていたぼくは、にんまりしています。
ぼくの大好きな「深沙大将立像」は、京都「金剛院」からお目見えしていました。
同じ深沙大将でも、高野山金剛峯寺」の立像は、2015年の夏以来の再会。
胸元に髑髏の首飾り、腕に蛇を巻き、腹からも顔を出し、両膝頭に象! 最高です。
「孔雀明王坐像」は既に帰っていましたが、「執金剛神像」、「広目天」らとも再会。
こういった展覧会を通して、本来の土地とは別な場所で逢えると、密会にも似た気分。
       ☆
奈良「東大寺」からは「阿弥陀如来立像(上画像)や「僧形八幡神坐像」を展示。
ただ申し訳ないことに、神像にはどうも萌えない体質で……殊に僧形とあっては。
出陳品の最終章は「安阿弥様の追求」と銘打たれ、なかなか勉強になりました。
快慶は単なる仏師でなく、熱心な阿弥陀信仰者として造仏に当たっていたという
視点からの構成です。その来迎形阿弥陀の様式が「安阿弥様(あんなみよう)」と
呼ばれているのですが、阿弥陀如来立像の納衣(≒袈裟、衲衣、大衣)の
右と左の衣の繰り出し方に着目すれば、時代的に3期に分類できるという説に
感服させられました。記念に買ったポスト・カードの1枚で、代表的な阿弥陀如来
立像7体を一覧できるのですが、ぼくにも、きちんと見分けられるようになりましたよ。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 仏像

折々の大豆(1)

加藤英彦
枝豆の豆みっしりと太りいてその夜怒りのごとき一皿
       ☆
『角川 短歌 3月号 2017』(角川文化振興財団)から、枝豆の歌。
「母の昭和」と名付けられた12首中の1首。
前号に題詠「昭和の音」が掲載されていたので、
その関連作品かと勘繰ってしまいそうです……。
“豆”という文字の連打が、莢の中、ぱんぱんに詰まった豆の様を想起させます。
充溢する枝豆の莢に、それを持ち運んできた指の太さまで重ね合わせ、
卓上に置かれた際の衝撃(「ごとき」の音感が効いています)、対して
動悸を鎮めようとする心の傾きまで思い描いてしまいそうになりますが、
「その夜」に何があったことやら、非常に気に掛かるところです。

テーマ : 短歌
ジャンル : 小説・文学

tag : 大豆 枝豆

自分だけでわかるな!

ひとつ、思うこと。
読んでない人に「これ、何?」と訊かれて、答える義務は無いよね。
(機嫌さえ良ければ、適当に返事するかもしれないけれど)
プロの書き手ならば、対価を支払わない相手に対して、
とやかく言われても、痛くも痒くもないで通すべきか、と。
(……だけど、ぼくはしがない同人作家。やれんなあ)
5月28日(日)は、大阪の「中之島公会堂」にて同人の月例合評会。
難しいことを易しく表現しようと試みるのは良いことかと思うけれど、
当たり前の綺麗事だけを得々と語られるのはなあ、と悩ましくもあり。
わかりやすい表現と、わかりきったことの明言とを履き違えられても困る。
       ☆
と或る学校の話を聞く。ここ数年で、生徒の数が漸減しているらしい。
元々が左がかったところから出発した校風だけに、政治的に逆風なのかな? 
あるいは、このご時勢に、PCでメールを送ることすら覚束ない世代が中心を占める
生徒の構成比に問題があるのか? 個人的には“人”のつながりが弱いせいと思う。
短歌のように、結社化できない性なのだ、小説というジャンルは。
個々の書き手が、隙あれば、我こそ先にメジャー・デビューせんと虎視眈々。
唯一無比の存在たり得れば、市場的な競争原理からは離脱できるはず
だけれども、交換価値をぶっちぎるほどにオリジナルとあれば、お金にはならず。

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

tag : 同人

大阪屋

2017_05_27_「大阪屋」 たまにふらりと入りたくなる「新梅田食道街」。
 「食堂」ではなく、「食道」なのがポイントです。
 開業は、昭和25年(1950)12月15日。
 昔は渋がって「樽・金盃」によく入りました。
 最近だと「然家」や「た古梅」などを使って
 いましたが、5月27日(土)は立ち呑みの
 「大阪屋」を利用。目の前に並んだ総菜の
 小皿を見ただけで、こぼれてしまう笑み。
 肉から魚から野菜から、何でも有りますよ。
2階にはテーブル席もありますが、1階でさくっと呑んだ後は、
明石焼き「えき亭」で締めました。ドリンク・セットが1,050円。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む

美しい星

5月26日(金)、大阪・天王寺の「あべのアポロ2017_05_26_『美しい星』
シネマ」まで、映画を観に出掛けました。
吉田大八・監督の『美しい星』(2017)です。
原作が三島由紀夫の同名作(昭和37年)。
吉田監督が、純文学作家の看板を借用して、
エンタメ寄りから芸術志向へシフト・チェンジか
と疑っていました。どうなんでしょうねえ? 
『美しい星』は、三島の諸作品の中でも
SF的な趣向が目立つ以外は、極めて調子が
低い作品ではないか?と考えていたもので。
自らが火星人であることに覚醒する大杉重一郎(=リリー・フランキー)、
妻・伊余子(=中嶋朋子)、長男・一雄(=亀梨和也)、長女・暁子(=橋本愛)らの
役者陣は見事です。父親が火星人として振る舞うことをよそに、一雄は水星人、
暁子は金星人として目覚めていく様が仕方ないなあ、と感得されます。
(一番、宇宙人臭いのが、弁護士秘書・黒木克己を演じる佐々木蔵之助だったりして……)
伊余子は地球人として、“水ビジネス”に勤しみ、よくいる変な人たちです。
宇宙人であると自覚したからといって、超能力や特殊能力が使える訳ではない
ところがポイントです。現実は変わらない。変えられない。だからと言って、
今の現実を貴方たちは受け容れられるのか? 重一郎は問いかけます。
原作の発表時、三島が俎上に上げたのは核兵器の問題でした。
吉田作品では、「地球温暖化」問題が執拗に取り上げられているのですが、
原作の流れや本来の問題提起から行けば、「原発再稼働」を持ってくるべきかな。
脚本もその方がスムーズに書き換えられ、アップデートも容易だったはず
と愚考するのですが、映画産業自体の在り方からして、無理な状況もわかります。
政治的にナイーヴ過ぎて、スポンサーが皆、下りてしまうだろう、と。
(メジャー)映画というジャンル自体が牙を抜かれ、毒気を失っていますものね。
その逃げ場の無い閉塞的な状況の中、重一郎は吠え、大杉家は奔走します。
おかしな言動を繰り返す人たちを見て、「おかしい」と切り捨てるのは簡単です。
ただ、すべての言説が既成の枠組みの中に取り込まれ、呑み込まれてしまう時代、
敢えて、奇矯な立ち居振る舞いに至ってしまうことでしか、訴えられないことが
あるのではないか? 火星人のけったいなポーズに失笑した後、そのポーズで
何を指し示したかったのか、一瞬でも、思いを馳せてあげられないかなあ? 
映画は唯の映画(小説だって唯の小説)。単なる作品として、ああだ、こうだと
批評は自由。ただ、作り手が相手に対して、本気で何かを伝えたくなった時は、
作品の受け取られ方なんかどうだっていい、貴方たちの生き方はそれでいいのか?
と絡んでしまうのでは? 商品(サービス)として受け取れ!というのではなく、単に
考えるヒントであれば十分だから、一人ひとりに真剣に考えてもらいたいのでは? 
正直、観る前から舐めてかかっていたので、泣きそうになっていたぼく自身に驚き。
ラストの特撮はセンス・オブ・ワンダー。一人の地球人としての自分の生き様に対し、
宇宙のどこか遠くの果てから眺めて見た時、貴方はそれを肯定できるでしょうか? 
SFが或る種の科学的前提に基づく思考実験であるように、映画『美しい星』は
一宇宙人としての視野に立った上で、観客の覚悟を問い直す127分の実験です。

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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

tag : 映画 小説 特撮

七條大橋と七條橋

2017_05_19_七條大橋 京都の会社に勤めていた頃、ふらりと「京都
 国立博物館
」や「三十三間堂」を訪れる際、
 何の気無しに渡っていたのが、鴨川に架かる
 「七条大橋」でした。5連の鉄筋コンクリート・
 アーチ橋で全長82m、幅員18m。鴨川の橋の
 中では最古となり、明治44年(1911)11月に
 着工、大正2年(1913)4月の竣工。明治期の
 意匠を現代に伝え、2008年、土木学会から
 「選奨土木遺産」にも認定されています。
距離を置いて眺めれば、なるほど!と感服。
ただ、実際に歩いて渡る分には、橋よりも東山や鴨川に目を奪われてしまいがち。

七条大橋から七条通をさらに西へ進むと、2017_05_19_七條橋
七条橋」が高瀬川に架かっているのが
わかります。森鴎外『高瀬舟』などで
知られる高瀬川ですが、歴史に興味・関心を
持たなければ、街中を流れる用水路として
見過ごしてしまいそうな勢いです。
江戸時代初期(1611)、角倉了以らの
開削による運河、高瀬川の水運の廃止が
大正9年(1920)なので、七条橋はそれ以降の
建設になるかと思われます。委細は調査中。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 小説

King of Kings

2017_05_23_King_of_Kings 同じ「大阪駅前第1ビル」地下1Fに入っている
 とは知っていました。通路側を歩いていると、
 レトロなタイル張りの外壁かな、と勘違いしそう
 ですが、中に入ってみると、煌びやかな
 モザイク・ガラスと判明します。スペイシーな
 デザインの椅子や天井の意匠に、1970年代の
 空気を濃く吸い込んで、嗚呼、ここは「マヅラ
 姉妹店の「King of Kings」であることよ!と
 激しく納得させられるのでした。スコッチを
 愉しめるバー・カウンターもあれば、ピアノだって
 置かれています。昨年鑑賞したインディ映画
 『蹄』の撮影でも使用されていました。
誰もが架空の世界の虚構の一人物に過ぎないか、と
得心させられながら飲む珈琲は、1杯300円なのでした。「マヅラ」より50円高し。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築 映画

羊を求める冒険

最初の出会いは、5月2日(火)でした。
神戸ハーバーランド「umie」1Fのインテリア・雑貨店「a. depeche」にて。
テーブルの周囲に、ふわふわ&もふもふののマスコットの大小1組。
ちょっとした椅子にも使える感じ(座るのも勿体無いですけど)。
素朴な木彫りの体は、ふさふさの羊毛にくるまれた状態です。
数日内に、ショッピング・サイトなどで当たってみたところ、
エストニア製の親羊「エマ」、子羊「メイ」のように見えましたが、
価格設定や製造国など、どうにも、違和感は否めません。
再度、調べ直した結果、「ハグみじゅうたん展」に帯同している
羊のマスコットであると知れました。国産品にして、
小さい羊6,800円、大きい羊2万2,000円とあれば、妥当な価格でしょうか。
巡回中の「ハグみじゅうたん展」、5月20日(土)~28日(日)の会期で、
大阪・梅田の「NU茶屋町」3F、「シンプルハウス」NU茶屋町店にて
開催されると知り、5月23日(火)、羊らと再会を果たしたのでした。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

tag : つぶやき

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ぽか

Author:ぽか
通りすがりの夢想家。元(にして最後の)「トーヨー新報」編集人。現在は、一介の編集素浪人?



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「トーヨー新報」は、昭和33年(1958)創刊。大豆加工品(豆腐・油揚げ、納豆、豆乳、湯葉、凍り豆腐、もやし等)、こんにゃく、総菜業界をメイン購読者層に、月3回の旬刊紙「トーヨー新報」や業界関連データブック『豆腐年鑑』を発行。平成25年(2013)12月21日号、第1851号をもって終刊に至る。

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