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折々の豆腐(3)

吉村睦人(新アララギ)
寒き冬帰り来たれば卓の上に鱈多く入りし湯豆腐が待つ
本多稜(短歌人)
山ひとつ朝飯前に平らげて高野豆腐に鯉の味噌漬け
       ☆
『角川 短歌 4月号 2017』(角川文化振興財団)から豆腐詠2首を抽出(敬称略)。
「冬」に「湯豆腐」は、俳句ならば、くどいと感じそうな語の斡旋(そもそも季重なり)
ですが、短歌なので良いか、と。当たり前ですが、音数に余裕があるのですから。
ただ引っ掛かるのは、鱈を入れたらば、鱈鍋であって、湯豆腐でないのでは?
という一抹の疑問です。鱈がメインではないけれども、意外に量が多かったの? 
まあ、堅いことは言わず、何なりと好きな物を放り込もうが、豆腐は懐が深いです。
高野豆腐の歌は、「雪の武奈ヶ岳」12首のラストを飾っています。滋賀県大津市の
武奈ヶ岳ですか? 他の歌にも、深い雪山での暮らしの点景が描かれています。
「朝飯前に平らげて」がダブル・ミーニングで働いており、(おそらく)武奈ヶ岳を
朝食前の時間帯に登ってきて、非常に容易で“朝飯前”だったということなのか
……朝飯の内容が、高野豆腐に鯉の味噌漬け。シンプルでいて、滋養満点です。
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テーマ : 短歌
ジャンル : 小説・文学

tag : 豆腐高野豆腐短歌

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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