ベルギー奇想

お出掛けしました。同館は建築物としても、
周辺ルート(ミュージアムロード)にしても、
いろいろ触れたいことはありますが、いずれ
ぼちぼちと……今回は「ベルギー奇想の
系譜展」の鑑賞です。幼少期の頃から、
「快楽の園」など、ヒエロニムス・ボス
(昔は「ボッシュ」と表記していたような
気がします)の作品に、『世界妖怪図鑑』
(立風書房)等で親しんできており、是非とも足を運ばねば、と。しかし、劈頭を飾る
「トゥヌグダルグの幻視」も、作家名となると“ヒエロニムス・ボス工房”の
工房名義。他も“ヒエロニムス・ボス派”であったり、“ヒエロニムス・ボスの
模倣者”であったり、何とももやもやした気分に陥ります。展覧会全体は
3章に分けられ、大雑把に言えば、中世/近代/現代……第1章「15-17世紀の
フランドル美術」、第2章「19世紀末から20世紀初頭のベルギー象徴派・表現主義」、
第3章「20世紀のシュルレアリスムから現代まで」。かなり広範な時代にわたる上、
しかも前半は版画など、割と小ぶりな作品が固まっているのに、なかなか集中できず。
よくよく近寄って目を凝らさないことには、見えないような細緻な描写も多いのでした。
ピーテル・ブリューゲル(父)、ルーベンスといった大御所、ポール・デルヴォー、
ルネ・マグリットといった人気作家の画が架かっていることで、安心感は覚えます。
ぎらぎら光る緑色の甲虫で固められたヤン・ファーブルの「フランダースの戦士
(絶望の戦士)」の迫力には感嘆。また、本展にて(再)発見させてもらった画家
として、エドガー・アラン・ポオの「赤死病の仮面」を描いたジャン・デルヴィル、
ボードレールの悪魔主義の色濃いフェリシアン・ロップスの名を記録しておきます。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 美術