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文楽三昧

11月21日(金)、大阪・日本橋の「国立文楽劇場」へ
15_八陣守護城
16_鑓の権三重帷子

朝からお出掛け。ぼくは大阪・天満に住んでいますが、
大阪市営地下鉄・堺筋線で扇町から乗車しますと、
乗り換え無しで日本橋(にっぽんばし)へ直行可能。
7番出口を上がれば、すぐに文楽劇場です。
今年は文楽と馴れ初めの記念すべき年になりました
が、一日中、文楽に入り浸りの日は今回が初めて。
第1部から第2部まで、通しで鑑賞するのでした。
       ☆
第1部は11時開演。「八陣守護城(しゅごのほんじょう)」で
浪花入江の段、主計之介(かずえのすけ)早討の段、
正清本城の段。時代物は時代背景をしっかり押さえて
おかないと、全くの意味不明になってしまいますねえ。
加藤正清=加藤清正、北条時政=徳川家康
大内義弘=島津義弘、児嶋元兵衛=後藤又兵衛
……そして、佐々木高綱=真田幸村! 2週間前、
大坂の陣跡」などを見たばかりで、どきりとしました。
大船の転回する仕掛けがスペクタクル。鼠に変じる
忍び・鞠川玄蕃、名剣「七星丸」に心を惹かれます。
北辰尊星(妙見菩薩)など、が重要なポイントです。
       ☆
第2部「鑓の権三(ごんざ)重帷子(かさねかたびら)」は、
浜の宮馬場の段、浅香市之進留守宅の段、
数奇屋の段、伏見京橋妻敵討の段を鑑賞しました。
近松門左衛門の姦通物。川側(かわずら)伴之丞の
落馬に笑い、数奇屋での影絵、樽抜けの演出に感心させられました。
浅香市之進が49歳、妻・おさゐが37歳、娘・お菊が13歳、
おさゐとの不義密通を疑われ、おさゐがお菊との結婚を望む笹野権三は25歳。
皆が酉の年生まれです。権三とおさゐがどうにかなるやもしれず、お菊が権三を
“おじさん”扱いして嫌がるのは、現代的な感覚でもわからないではないなあ、と。

テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽

菅澤眼科

2017_06_23_菅澤眼科クリニック 画像は6月23日、街歩きイベント「なにわ八百八橋」に
 参加した帰途に撮影したものです。もう半年近くも前。
 ぱっと目に入り、引っかかるぞと思っていたのですが、
 『大大阪モダン建築』(青幻社)にも取り上げられて
 いました。昭和3年(1928)建築、昭和22年(1947)に
 改修されたという「菅澤眼科クリニック」ビルです。
 外壁タイルや玄関回りの色ガラスはドイツ製との由。
 クリニック自体は明治27年(1894)開院らしいですが、
 ぼくの訪ねた時点で、玄関扉に「10月2日を持ちまして
 閉院いたしました
」の貼り紙も見えました。横の
 ガラスには「(株)つぼたに」の文字が入っていましたが、
 現在はどうなっていることやら……。

参考文献:『新装版 大大阪モダン建築』(青幻社)

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

「国宝」展の仏像

「京都国立博物館」での「国宝」展には、無論、仏像も展観されていましたよ。
最も大きな大阪・「金剛寺」の「大日如来坐像」、行快・作「不動明王坐像」は
特別展「海北(かいほう)友松(ゆうしょう)以来の再会となりました。
まさか、大阪から京都に居を移すのではないでしょうね? 
教王護国寺東寺)からは「兜跋毘沙門天立像」も出張。東寺では
もっと聳え立っている印象ですが、立ち位置が変わり、少し小さく感じました。
仏像ではないですが、長谷寺の「銅板法華説相図」には、ここにも来たか!
と、旧友と顔を合わせたように、ほっこりと和ませてもらいました。
清凉寺」の「釈迦如来立像」はⅡ期のみの展示で、生憎、お会い出来ず。
しかし、近々、足を延ばすプランを練っているので、大丈夫。
今回の収穫は、円勢長円・作となる京都・「仁和寺」の「薬師如来坐像」。
像高10.7cm(光背・台座を含めても21.9cm)と非常に小ぶりながら、
前後左右どこから眺めても、巧緻な手仕事に息を呑む、白檀材の秘仏です。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 仏像

国宝行き違い

「京都国立博物館」での「国宝」展について、関西での開催が41年ぶりといわれて
いましたが、個々の展示物は、意外と身近で鑑賞できたりするのです。
京都や奈良などは仏像の宝庫ですしね。しかし、多数の国宝が一堂に会するのは
やはり特別の機会と言えますし、毎年、退屈げに見遣っている大阪・四天王寺
扇面法華経冊子懸守には、思わず謝りたくなりました。「東洋陶磁美術館」の
コレクションの凄さも、改めて思い知らされた格好で、今夏、目にしたばかりの
油滴天目」に再会すると同時に、同美術館の繊細な展示を思い起こして舌を巻き。
餅は餅屋と言うか、陶磁器の展示に関して、「東洋陶磁美術館」は心が行き届いて
いますよ。見せ方はともかく、実物の「志野茶碗 銘卯花墻(うのはながき)」を鑑賞
できたのは収穫。日本国内で焼かれた茶陶のうち、国宝に指定されているのは
2点のみ。その中の1点に当たり、東京の「三井記念美術館」が所蔵しています。
       ☆
中世絵画では『餓鬼草紙』『病草紙』と行き違いになってしまいましたが、
元々が京都国立博物館の所蔵なので、慌てず、騒がず。
代わりに、京都・神護寺の「伝平重盛像」「伝源頼朝像」「伝藤原光能像」、
いわゆる“神護寺三像”を直に拝見。教科書などの挿絵でお馴染みですけれど、
着衣の“(ほう)”は墨ベタでなく、文様のディテールまでちゃんと目視できました。
別に刀剣マニアではありませんが、短刀「太閤左文字」もじっくりと鑑賞。
雪舟の国宝6件とは全くのすれ違いに終わり、近世絵画の名品では、俵屋宗達の
「風神雷神図屏風」もお目にかかれず。尾形光琳「燕子花図屏風(六曲一双)
妙に気恥ずかしくなりましたが、円山応挙「雪松図屏風(六曲一双)は野放図な
ようでいてポップ。与謝蕪村「夜色楼台図」は何とも愛らしい日本画(!)でした。
一瞬、水墨画かと錯誤しますが、胡粉を下地に使った雪夜の空の表現に絶句。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術陶磁器

国宝遭遇

2017_11_17_国宝 「京都国立博物館開館120周年記念
 なる特別展覧会「国宝」を観に出掛けました。
 11月17日(金)のことです。この「国宝」展は
 4期に分かれての展示替えが行われ、せめて
 2回は足を運びたいと願っていたのですが、
 最終日(11月26日)も間近に迫った第Ⅳ期に
 ようやく滑り込めた感じとなってしまいました。
 しかし、今秋に入り、美術の展覧会において
 異様な混雑ぶりに出喰わすことが多くなった
ような気がして(「怖い絵」展小バベル北斎……)、嫌な予感はしていましたが、
やはりえげつない行列を目にすることに。休日にストレスが溜まるようでは本末転倒。
       ☆
しかしながら、一口に「国宝」と言っても、様々なジャンルがあり、「平成知新館」の
1~3Fを上階から観て回りつつ思ったことですが、書籍・典籍の類は、どうも不案内
と自覚の念を強めました。焼き物~陶磁器に興味は再び掻き立てられつつあるも、
工芸品は全体的にぴんと来ないなあ、と感じます。3Fの考古資料で感心させられた
のは、深鉢形土器火焔型土器No.1。見る角度によって全く違ったシルエットを
与えられ、翻弄されているような感興を覚えます。国宝の土偶2体も素敵でした。
長野・茅野市の「縄文のビーナス」、「仮面の女神」に加え、山形県立博物館
縄文の女神」が揃っていれば、言うこと無しだったのですが、「縄文の女神」は
Ⅱ期までの展示で残念。同じ考古資料で言えば、「金印(=漢委奴国王印)」が
Ⅲ期のみの展示で、すれ違う格好となりました。次に京都へ来る日は何年後? 
 

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術陶磁器

ハラタマ博士

大阪府庁新別館南館の南東側、本町通を挟んで、2017_11_07_K・W・ハラタマ博士
「大阪歴史博物館」やNHK大阪放送局の斜め向かいに
何者?という銅像が建っています。銅像を含め、背後に
控える楠の大樹を取り巻く小区画が「舎密局跡」と
されていまして、「舎密(せいみ)」という言葉自体、耳に
馴染みませんけれど、オランダ語の科学“Chemie”の
当て字だったようです。明治2年(1869)、日本最初の
理化学専門学校として設立されたのが大阪舎密局。
第三高等学校~京都大学に移っていく流れですが、
1979年、舎密局跡碑が建立されました。胸像の人物は
開校時、教頭として招聘されたオランダ人の科学者、
K. W. ハラタマ博士(1831~1888)。2000年秋、
日蘭交流400年を記念して建てられたようです。

テーマ : 史跡
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡

独り焼き肉

2017_11_15_「カリー・ザ・ビーチ」 大きな声では言えませんが、大阪市北区
 堂山町のステージ スカラブ ビルの4Fに、
 友人の知人が携わっているグループの
 キャバクラ店が入っていました。一時は
 十三、天満、京橋にまで系列店を広げる
 勢いでしたが、栄枯盛衰は世の定め。
 現在は何軒残っていることやら。年季の
 入った店長らから、昭和の風俗史を拝聴
 するのが面白かったんですけどねぇ……。

で、4Fに入っていた「ユメ伝説」はそれこそ夢の跡。失くなったこと自体は
数年前から気付いていたのですが、その後がどうなっているか? 追跡すれば、
激安カレー店「カリー・ザ・ビーチ」。何、それ?と、懐かしのエレベーターで
上がってみたところ、営業していませんでした。夜からは激安ガールズ・バー
バニー・オン・ザ・ビーチ」として営業される模様。何となく、納得はしました。

それはともかく、お昼をどうしよう?と、阪急東通商店街を東進していたところ、
焼き肉食べ放題「298」の看板に目が留まりました。90分1,080円! 
まだ13時前だったので、ランチ・タイム終了時まで余裕有り。牛・豚・鶏・ホルモン
・ソーセージがお代わり自由。キャベツ、キムチなどはセルフ・サービス。ご飯
等もありましたが、日中から炭水化物を摂るとお腹が張るので、遠慮します。
牛肉は中落ち、切り落としの部位でしょうか。豚肉もホルモンも今ひとつですが、
値段が値段なので、御託を並べる筋合いではありません。短歌誌を読みつつ、
黙々と肉を焼き、食べ続けていると、あっと言う間に、4~5人前は腹中に。
ちょっと、お店に悪い気もして、単品で生ビール(400円)を2杯頼みました。
まだまだ食べられると感じましたが、腹6分目に留め、天満まで歩いて帰宅。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む

BATMAN V

劇場では見逃した Zack Snyder 監督『バットマン vs スーパーマン
 ジャスティスの誕生』
(2016)をようやく観ることが出来ました。
原題は『BATMAN V SUPERMAN : DAWN OF JUSTICE』と、
“VS”の“S”が抜け落ちています。スーパーマンの“S”と被るから
必要無いとも言えますし、或いは、その“S”のキャラが脱落することを
示唆しているのでしょうか? 同じく、ザック・スナイダー監督の前作、
『マン・オブ・スティール』(『スーパーマン』のリブート作品)の続編
としての位置付けとなるので、前作だけは観ておけという意見も多々
ありましたが、ぼくは未見です。スーパーマンは好きではないのです。
しかし、「アメコミ脳」と言うか、アメコミの最低限度の“お約束”さえ
知っていれば、特に問題は無いかと思います。スーパーマンは
クリプトナイト(鉱物)という致命的な弱点を有する――程度でOK。
       ☆
基本、ぼくは変態かつ犯罪者であるブルース・ウェイン(=バットマン)が
大好物でして、本作でバットマンを演じたベン・アフレックに対して
あまり期待はしていなかったのですが、蓋を開けてみれば、十分合格点! 
歪んでしまった復讐心、世間に心を開かない猜疑心、敵組織の調査から
武器の製作まで、何でも自分でやらなければ気が済まない職人気質……
最高です。相手が超人とはいえ、トラップ仕掛けまくりで待ち伏せるし、
蝙蝠ではなく熊にしか見えなくなるまで、重装備化したバット・スーツは
ほとんどモビル・スーツ状態だし。スーパーマンとの一対一の死闘は、
完全にプロレス的な肉弾戦です(バットマンだけは凶器攻撃OK状態)。
どこからどう見てもヒール・レスラーでしかないバットマンに快哉を上げました。
       ☆
元々日陰者のバットマンはそれでよい(?)のですが、問題はスーパーマン。
根っこを辿れば前作もそうなのでしょうが、クリストファー・ノーラン監督の
ダークナイト三部作」を引きずってしまい、徹底したリアリズムで描こう、と。
が、21世紀ですよ。カンザスの田舎の農夫が夢見るようなヒーロー像は、
土台無理な訳です。今回、ぼくが驚愕、かつ哄笑したのは、スーパーマンが
議会の公聴会に出頭
するシーンで、いかにもアメリカ合衆国だなあ、と。
映画の冒頭から、正義とは? 力とは何ぞや?と、七面倒くさい議論を
喧しく執り行っていた訳ですが、タイトルの「Justice」(正義)がそもそも、
DCコミックスのヒーローが終結する「Justice League」の謂いと
観客も承知しているのだから、何だかなあ?と。畢竟、ティム・バートンから
クリストファー・ノーランに至るバットマン映画で燻(いぶ)し出されてきたように、
「正義」は存在しない(決して、無くていいと言っている訳ではありません)。
       ☆
無いからこそ、限られた人知・体力・資力の内で足掻き続けようとするのが、
バットマン的なものでなかったかと愚考するので、ジャスティス・リーグなんて
普通に考えれば、思想的撤退~退行としか思えず。ヒーロー大集合という
“お祭り”のお題目が必要なのはわかりますけれども。そんな構造的欠陥、
大人の事情で決め打ちされたストーリーの中で、シリアスぶらざるを得ない
スーパーマンが気の毒で、可哀想。勧善懲悪に徹し、明快なヒーローだった
彼こそ、ジャスティス・リーグに最も相応しいキャラなのに、今回は分が悪過ぎ。
バットマンのおかしさに、霞んでしまいがちな敵役ですが、レックス・ルーサー
Jr.
役のジェシー・アイゼンバーグが大健闘。その他、『DEEP COVER』
ローレンス・フィッシュバーン、『戦慄の絆』『KAFKA/迷宮の悪夢』
ジェレミー・アイアンズ、『クラッシュ』のホリー・ハンター……ぼく好みの
役者が続々と名を連ねていました。ワンダーウーマンの件はまたどこかで。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

tag : 映画

焼肉厳禁

01_境内禁煙 土・日曜日の出勤や連日の残業が重なり、
 疲労が蓄積してくると、大阪市北区曽根崎の
 「露天神社」境内を通るたび、「焼肉厳禁」の
 文字面が気に障るようになってきます。
 バーベキューに最適な川原が在る訳でなく、
 本当にそんな注意書きがあるはずもないのですが。
 正しくは「境内禁煙」。眼精疲労か何かで、
 「境内」を「焼肉」と見間違えてしまうのでしょう。
 無煙ロースターか何かの印象で、「禁煙」が「無煙」、
 さらに、境内で焼き肉するなよ!的な、意味論上の
 地滑り現象を起こして、「厳禁」にまで脳内変換。
 煙草を禁じたマーク自体も、金網上で焼ける物体X。

テーマ : つぶやき
ジャンル : 日記

tag : つぶやき史跡

和気橋

大阪市の「天王寺公園」内に、標高26m082_河底池
茶臼山が在ります。大坂の陣で、真田幸村
最後の戦いを繰り広げた舞台となります。今なお
六文銭の幟や何やと、あちこちで見かけました。
茶臼山(古墳)と公園本体の間に、河底池(=
通称「ちゃぶ池」)が満々と水を湛えています。
伝えられるところでは、延暦7年(788)、
和気清麻呂が旧・大和川を付け替えようと、
上町台地を開削した際に、古墳の濠を利用した
名残だとか……“大坂夏の陣”(1615)を思い起こしていたらば、奈良~平安時代。
河底池(かわぞこいけ)に架かっている橋は、「和気橋」と名付けられています。

075_和気橋 新幹線を使う分には問題にならないのですが、
 青春18きっぷなど、普通列車を利用して
 関西からさらに西へ向かおうとした場合、必ず
 途中下車して、次の電車まで数十分以上
 待たされる羽目に陥りますが、よく足止めを
 喰うのが、岡山県の和気(わけ)駅です。
 どうやら、和気清麻呂が現・和気町(旧・備前国
 藤野郡)出身だったことに地名も関連する模様。
 個人的な記憶を辿り続けますと、先日
慶沢園」から茶臼山へ向かっていて、和気橋を目にした瞬間、嗚呼、この橋は渡った
ことがある!と胸に迫りました。何かしら、封印されていた思い出に触れてしまったか。

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テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡

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Author:ぽか
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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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