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Love Suicide

18_心中宵庚申
19_紅葉狩
 11月文楽公演の第1部終演が15時20分頃。
 第2部から合流する相方と、文楽劇場前で落ち合い、
 お昼はするが焼を摘まんだだけだったこともあり、
 「たこ焼きえびす」で文楽セットを頂きました。
 第2部は16時開演。そうはのんびりしていられず。
        ☆
 まず、「心中宵庚申」。近松門左衛門世話物
 しては最後の作品らしいです。近松の心中物に対して
 ぼくは常に、どうして心中しなければならなかったのか?
 と不信を覚えてしまいます。それは劇作上のロジックに
 対する疑問。近松からすれば、実際に起きた心中事件
 であり、事実に対して迫ればよいのであって(それで
 観客が集まるのだから)、無から“心中事件”という
 有を創造する内的必然性は求められてもいない
 とすれば、ぼくの問いかけ自体も無効でしょうか? 
 近松の仕組んだ心中へ至る筋立て、理由付け自体は
 齟齬がありまくりにせよ、いずれにしろ、本当に心中が
 あったのだから、何かいろいろとあったんだろう、と
 観客は流せたのでしょうか? 純粋に、テクスト読みの
 ぼくとしては、近松の考えるような“心中”など無かった。
 現場に男女の死体が転がっていただけだ、と言いたく
 なります。ともあれ、上田村の段、八百屋の段、道行
 思ひの段を鑑賞。夫婦が心中するという(ぼく的には)
 難解な話で、近松の“義理”は重た過ぎると感じます。
       ☆
享保7年(1722)、竹本座にて「心中宵庚申」が初演。
同年、江戸幕府は心中を禁止するだけでなく、「心中」という言葉自体も禁じ、
相対死」に置き換えられるようになります。何かあれば、死刑というのも嫌ですけど、
どうあっても無理やり生かされるというのも、それはそれで息苦しくて嫌いです。
最後は「紅葉狩」で締め。この季節に観ると、感興が深まります。
非常に、晴れやかな気分で劇場を出ました。ぼくも狩らねばなるまいと思います。
 
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テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽呑む

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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