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尼崎小説

車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』を再読していました。
4月の「二人の読書会」のテクストだったものですから。
平成10年(1998)の直木賞受賞作。7年ぶりに読み返し、
主な舞台が三重県名張市の赤目四十八瀧……ではなくて、
アマ”=兵庫県尼崎市であることに、笑ってしまいますが。
小説の眼目からは離れて、やはり、豆腐・蒟蒻の抜粋から。
       ☆
 私は伊賀屋の女主人に連れられて、東難波町から出屋敷へ行った。そこには三和市場ナイス市場新三和市場という一ト続きの大きな市場があった。肉・鳥・魚・野菜・果物・豆腐・塩干物などを、それぞれに山と積み上げた店が、鉄骨普請の大屋根の下に数百軒看板を連ね、えらい景気である。市場中が沸ッ立っていた。
       ☆
 西行はん 西行はん 水無川を渡る時 蒟蒻の背
 骨
で足突いて 豆腐の奴で喉焼いて 何をつけた
 らなおるやろ 海で採った椎茸と 山で採った白
 わかめ 畠にはまぐり 夏降る雪を 火ィで焙っ
 て それやつけたらなおるやろ

       ☆
「こななこと言うのも何やけど、われはわしの命の次に大事なもんや。けど事情があって、それをきみに預かってくれ言うて、男が頼みよんやで。それをきみは蹴る言うのか。」
 これではどこまで行っても蒟蒻問答だった。


参考文献:車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』(文春文庫)

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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

tag : 小説豆腐こんにゃく黒い音

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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