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金沢の近代建築(7)

2018_05_28_石川四高記念文化交流館 今回の金沢行き(もう1か月も昔)では、「金沢城」も
 「兼六園」も訪れる余裕が無かったのですけれども
 ……プロレタリアートはつらいです。金沢を離れる当日、
 「犀川大橋」を渡り、香林坊を散策した後、公園で
 休憩。目に入ったのは「石川四高記念文化交流館」。
 「旧第四高等中学校本館」を活用した施設で、東側の
 「石川近代文学館」、西側の「石川四高記念館」から
 構成されています。設計は山口半六久留正道
 明治24年(1891)竣工。腰回りや窓上部にあしらわれた
 白煉瓦がキュート。遠くから眺めるだけでしたが、ぼくが
 地元民ならば、頻繁に利用するだろうなぁ。「大阪府立
 中之島図書館
」や「大阪市中央公会堂」のように。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

金沢の近代建築(6)

金沢市に何故、「尾張町」が存するか? と2018_05_28_町民文化館
いうと、前田利家の出身地が尾張、同地の
商人を住まわせたので、尾張町と名付けられた
とか。近江町市場もだいぶ近付いてきた辺りに
建つのが「町民文化館」です。入り母屋造りの
大屋根の両端にが見えて、壁面は黒漆喰、
腰回りには赤戸室石が積まれています。
土・日・祝日にしか開館されていませんが、
ガラス越しに透かして見ると、昭和の駅の切符
売り場のような設えでした。外観こそ土蔵造り
ですが、内実は和洋折衷スタイル。元を辿れば、
旧「金沢貯蓄銀行」なのでありました。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

金沢カレー

2018_05_28_金沢カレー “金沢カレー”の定義については、過去ログを参照して
 くださいませ。地震の影響によるインフラ上の問題から、
 業務上、あるいは私生活上でも、多少ごたごたとした
 雑事がありまして、ふっと逃げ出すように、金沢土産を
 引っ張り出してみました。「天狗中田本店」の「金沢
 カレー」は、近所のスーパーでも時折仕入れており、
 物珍しくはないし、自宅にステンレスの舟形皿
 先割れスプーンも見つからなくて、気分は今ひとつ
 盛り上がりませんでしたけれども……肉質がきめ細かく、
 甘い香りがするという“能登牛”が売りで、お肉屋さんの
 作ったカレーというコンセプトですね。ただ、シンプルに
 金沢カレーらしさを伝える、という意味合だけならば、
チャンピオンカレー」や「ゴーゴーカレー」のレトルト食品の方に分があるかなぁ。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : カレー

土佐豆腐

土佐言葉の「はちきん」とは、「快活で気のいい性格と2018_06_17_田舎豆腐
負けん気が強い女性」を表すそうです……西原理恵子?
それはともかく、高知の食材を扱う居酒屋「はちきん」も
当然、土佐豆腐を提供しています。地酒のアテに最高の
土佐伝承豆腐」は「タナカショク」の「百一珍」でした。
濃厚で滑らかな舌触りで、ちびちびといつまでも味わって
いたい気分へ誘われます。地産にこだわる秘伝のたれに
漬け込みましたか。ふむ。一方の「田舎豆腐(=画像)は、
室戸海洋深層水で仕上げた まろやかな味わいを訴求。
個人的に、水っぽい京豆腐もどきだと、気分が下がる
ので、大豆の味がしっかりとする田舎豆腐に笑み。もう
1皿注文したくなりました。九州の豆腐、沖縄の島豆腐が
懐かしくなってきましたよ。たまには、堅めの木綿豆腐が良いなあ。

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テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 豆腐呑む

はちきん

2018_06_17_金目鯛 大阪市北区の「新梅田食道街」2F、「はちきん」に
 入りました。高知県産の魚・鶏・肉・地酒が売りの
 居酒屋ですが、店頭では明石焼きを大アピール。
 人気メニューかもしれませんが、1Fにも明石焼き店は
 在るし、ちょっと、違うような気がします。また“高知”と
 聞いて、魚介類メインなのかなと予測するも、魚だけ
 でなく、鶏・肉メニューも豊富で、感心させられました。
 デザートもありますしね(高知だけに柚子シャーベット)。
 妙にチーズ料理も多いですが、最初から和風ピザ
 などで飛ばし過ぎると、後がしんどくなるので注意。
 美味なアテが多々あり、もっと、流行りそうなところを
 抑えている観があるのは、スペースにゆとりがあるせい
か、もしくは方向性が振り切れてないせいか……外観だけでも、お洒落カジュアル
(安っぽいのは×)にすれば、だいぶ違うかもしれません。民芸調の造りを裏切る
ように、食事メニューは冒険していて、高いレベルで成功していると思われますので。
もっとも、忙し過ぎないくらいがちょうど良いだろうし、ぼくも空いている方が和めます。
お通しとして料金(320円だったかな?)徴収有り。ピリ辛しゃもの鉄板焼き、アオサ
海苔の天ぷら、じゃコロッケなどを摘まみながら、土佐の地酒の呑み比べセットを
愉しみました。「美丈夫」「久礼」「文佳人」の3種のうち、「美丈夫」が頭抜けるか。
「本日の裏メニュー」と聞き、欲張って注文した金目鯛は食べ切れないボリューム。
悔しい思いをさせられました(お持ち帰りしたい)。肝腎の豆腐の話は次回に続きます。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む豆腐

金沢の五一

思い出すがままに徒然の「金沢の近代建築2018_05_28_石黒ビル
(5)」となりまして、今回は、金沢で遭遇した
武田五一(1872~1938)となります。
橋場交差点から武蔵辻に向かって歩けば、
尾張町の近代建築を多々目に出来る訳
ですが、その一つが「石黒ビル」……しかし、
地味です。1階部分に入っていたコンビニが
撤退して、シャッターが閉まっているので、
脇を通るとそのまま見過ごしてしまいそう。
西隣の旧家「福久屋石黒傳六商店」に足を止め、
通りの向こうへ渡り、2階から上を眺め遣って、嗚呼!と。

2018_04_13_銀橋 大正15年(1926)の建築で、施工は清水組。
 元々は「石黒傳六商店」改め薬種商「石黒
 ファーマシー
」本社ビルだった模様。3階の
 窓廻りやパラペット・モールがささやかな
 自己主張を見せますが、和洋何でもござれの
 “関西建築界の父”の設計にしては大人しい
 印象でした。大阪人としては、「桜宮橋」等で
 馴染み深い五一に、金沢で遭遇できたこと
 自体が欣快銀橋の画像は本年4月13日撮影分)
実は村野藤吾とも出逢っていたのですけれども、帰阪してから気付きましたよ……。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

オットー・ネーベル展

6月15日(金)は雨模様。大して気にもせず、「京都文化2018_06_15_「赤く鳴り響く」
博物館」へ出発しました。雨の文博も良いものです。
まずは「前田珈琲」文博店でストロング・コーヒーなどを
お腹に入れて、エレベーターで上階へ向かいました。
抽象絵画が元来好物なので、全貌のよくわからなかった
オットー・ネーベル展」を堪能できて、満悦至極です。
オットー・ネーベル(1892~1973)はベルリン生まれ。
1920年代はワイマールに滞在し、「バウハウス」で
ワシリー・カンディンスキーパウル・クレー
知り合い、生涯にわたる親交を結びます。後にナチスに
追われ、1933年以後はスイス・ベルンに居を構えますが、
美術のみならず、建築演劇詩作でも活動していた
点が素敵です。生前は画家よりも、舞台役者としての方が知名度があったなんて。
キャリアのスタートとしても、まずは建築学校を卒業後、建築技師として社会に
出ている辺りが何とも……雰囲気は全く異なるのですが、やはり、ぼくの大好きな
ジョルジュ・ブラックのようなアルチザン・タイプの作家だなあ、と感じ入ります。
ぱっと見、軽やかな“音楽”を感じさせる作品などで、クレーと取り違えそうに
なる瞬間もあるのですが、執拗な細部の繰り返し、マチエールへの偏執度は、
似て非なる存在でしょう。技法や素材へのこだわり、試行錯誤が半端無くて、
印刷をよく知るからこそ、印刷技術の限界を諦観し、絵画は平面芸術に非ず
と無言の圧力で、訴えかけてくるようでした。一部の作品が撮影可能となっており、
展示会場にはシャッター音が鳴っていましたが、諸行無常の響きと聴きました。
例えば、ジョルジュ・ルオー。或る種の画家は、建築と同様に空間を要求します。
立体の造形物を二次元に収めるには、時間、意識の一連の流れをどう処理するか? 

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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術近代建築

金沢の近代建築(4)

2018_05_28_旧三田商店 金沢の近代建築を取り上げるシリーズ(?)
 第4回は、現「ギャラリー三田」こと、旧
 「三田商店」です。ちなみに、思い付いた
 ようにナンバリングしましたが、1回目が
 「尾山神社」神門、2回目が「自由軒」、
 3回目が「金沢文芸館」ということで……
 金沢市内の橋場交差点から武蔵交差点まで
 西進すると、表通りだけでも随分と多くの
 近代建築を目にすることが出来ますよ
(中に入り込む余裕は今回無かったのですけれども)。一目して、おおっ!と
誰もが“近代”を感じざるを得ない貫禄。煉瓦造りの“カド丸”か、と思っていたらば、
煉瓦ではなく、スクラッチ・タイルでした。鉄筋コンクリート造り2階建て。
全体にはシンプルな外観のはずが、正面玄関が饒舌なまでに自己主張しています。
付け柱のコリント式柱頭(アカンサス!)や瓶飾りに目を奪われ、そのまま、上方に
目を遣ると、鉄製の手すりの付いたバルコニー風の窓台、窓頂部にはバロック風の
破れ破風……随所にステンド硝子もちらほら。昭和5年(1930)、大林組の施行。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

信州庵

大江ビルヂング」を探検した後、実はこっそり一般公開されていた
木造兜跋毘沙門天立像」に逢いに、「妙香院」を訪れました。
内陣にこそ入れませんでしたが、4年ぶりくらいの再会です。
像高83.3cmで、地天女を含む一木造り。二鬼(尼藍婆毘藍婆)は後補。
地天女が他に比して大きいため、甲冑が膝下まで届かず、
膝上までの短い甲冑なのが特徴だとか。その足で北上して、「太融寺」も参拝。
本尊・千手観世音菩薩、マニ車、一願不動明王像、淀殿之墓などを見物。
まだ日の明るいうちから、阪急東通商店街の「山和屋」で痛飲。
厨房に焼方が入っていたせいか、17時前でもホルモンの串焼きがオーダー可。
駅前第1ビルまで足を延ばし、「新梅田食道街」の珈琲通の店YC」で締めました。
       ☆
さて、本題の翌6月13日(水)。早朝からのシフト勤務でした。
二日酔いは免れていますが、頭痛が無い代わりに、胃腸にダメージ有り。
仕事は仕事、何食わぬ顔で業務をこなすも、過分の残業は避けて撤収。
暴飲暴食気味の翌日なので、それほどの食欲は覚えないのですが、
軽く何か摘まみたいなぁ。「ホワイティうめだ」の「信州庵」へ入ったのです。
連日の呑み過ぎは避けるべく、手頃な“ちょい飲みセット”(1,050円)を注文。
生ビール(小)に天ぷらなど、いくつかの小鉢が付いて、蕎麦で締め。
非常にお得感がありました……しかし、ぼくの目は「初夏の万福ざる」に釘付け。
ざる蕎麦が食べ放題、値段もリーズナブル(950円)と、蕎麦食いには堪らんなぁ。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む仏像おやつ蕎麦

大江ビルヂング

『トーキングヘッズ叢書(TH Series)No.74』2018_06_12_大江ビルヂング
(アトリエサード)の告知を見て、6月12日(火)、
乙画廊」へ出掛けました。萌木ひろみ個展
「痴人たちの愛~beyond~」の鑑賞で、表題
どおり、谷崎潤一郎作品へのオマージュです
が、大谷崎を料理するのはやっぱり、しんどい。
ともあれ、その「乙画廊」が入っているのが、
大阪市北区西天満の「大江ビルヂング」。
大阪のテナント・オフィス・ビルの嚆矢とされて
いますが、“カド丸”に慣れた目には、鋭角に切り出されたファサードが斬新です。
屋根飾りは日本建築のようでもあり、錯乱した歴史主義か?と呟きたくなります。
画廊以外にも、理髪店、洋裁店、雑貨店……味のあり過ぎるテナントが目白押し。
設計者は葛野(かどの)壮一郎、大正10年(1921)竣工。また、遊びに行くぞ! 

参考文献:『新装版 大大阪モダン建築』(青幻社)

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ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築美術小説

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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