フランスの芝棟
“芝棟”とは何か? 「草葺き民家の屋根のてっぺんに
イチハツ(矮性アヤメ)、ユリ、イワヒバ、キキョウなどの
草花を植え、大事に育てる習い」と言えば、大体、
思い当たる方も多いかと思われます。「東日本を中心に
雪国をのぞく全国各地に分布した」とされ、その理由について、
藤森先生は、「ユーラシア大陸の北半分の冬の厳しい地域では、
竪穴住居の屋根の上に土を載せ、草を生やし、寒さを防ぐ伝統が
かつてあったんじゃないだろうか」と推論しています。その伝統が
民族の無意識に根付いて、竪穴式住居が無くなった後も
屋根に草を生やす習慣が残ってしまったのではないかという……
「ユーラシア大陸」というところがポイント。話は日本に限りません。
ベルサイユ宮殿の中には、マリー・アントワネットが最も愛した付属庭園、
自分の好みで造らせた村里「ル・アモー(Le Hameau)」がありまして、
村内の主な建物がイチハツの咲く芝棟だったそうです。というのも、
「セーヴル」展のミュージアム・ショップに、ル・アモーのミニチュアが
飾られ、農家の屋根の上にはイチハツらしき植物が植わっているのを
視認できたため、宮廷磁器から建築事始めの方に連想が働いた次第。
参考文献:藤森照信『フジモリ式建築入門』(ちくまプリマー新書)
藤森照信『天下無双の建築学入門』(ちくま新書)
イチハツ(矮性アヤメ)、ユリ、イワヒバ、キキョウなどの
草花を植え、大事に育てる習い」と言えば、大体、
思い当たる方も多いかと思われます。「東日本を中心に
雪国をのぞく全国各地に分布した」とされ、その理由について、
藤森先生は、「ユーラシア大陸の北半分の冬の厳しい地域では、
竪穴住居の屋根の上に土を載せ、草を生やし、寒さを防ぐ伝統が
かつてあったんじゃないだろうか」と推論しています。その伝統が
民族の無意識に根付いて、竪穴式住居が無くなった後も
屋根に草を生やす習慣が残ってしまったのではないかという……
「ユーラシア大陸」というところがポイント。話は日本に限りません。
ベルサイユ宮殿の中には、マリー・アントワネットが最も愛した付属庭園、
自分の好みで造らせた村里「ル・アモー(Le Hameau)」がありまして、
村内の主な建物がイチハツの咲く芝棟だったそうです。というのも、
「セーヴル」展のミュージアム・ショップに、ル・アモーのミニチュアが
飾られ、農家の屋根の上にはイチハツらしき植物が植わっているのを
視認できたため、宮廷磁器から建築事始めの方に連想が働いた次第。
参考文献:藤森照信『フジモリ式建築入門』(ちくまプリマー新書)
藤森照信『天下無双の建築学入門』(ちくま新書)
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術
tag : 建築