大塔宮曦鎧

「国立文楽劇場」へ足を運びました。同公演は3部
構成で、この日は14時開演の第2部、名作劇場が
目当てです。演目は、「卅三間堂(さんじゅうさんげんどう)
棟(むなぎの)由来」平太郎住家~木遣り音頭の段、
「大塔宮(おおとうのみや)曦(あさひの)鎧」六波羅館の段、
身替り音頭の段でした。仏像好きにしてみれば、あの
京都・三十三間堂の棟木にまつわるロマンティックな
縁起譚というだけで、前者は興味津々。後者の方は
最初、悪役然とした役回りの斎藤太郎左衛門利行が
実は……というアクロバティックな劇的展開に啞然。
首のすげ替えという場面が、随分とトリッキーであり、
間然する所も無く。歌心も解さぬ無骨者と誹謗される利行が、その実、風流人という
キャラ設定も痛快。大阪では126年ぶりの上演らしく、よくぞ復曲してくれました!
「そりや切つたは」「切つたは」で散り散りになる踊りの場面が、夏っぽい演出ですね。
☆
公演そのものとは直接関係ないですが、国立文楽劇場において、今回はぼく史上、
最前席(=2列2番)となりましたよ。緊張感もありましたが、人形の細かい表情も
じっくりと愉しめたのです。残念なニュースとしては、5月末日をもって、1階の食堂
「文楽茶寮」と2階の弁当売店が休業してしまっていたこと……するが焼 が無い。
お酒も無いし。代わりに「文楽せんべい」(かしら集)を買い求めましたけどねえ。
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