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★ 2018年9月に読んだ本 ★

『大大阪モダニズム』
  (学校法人常翔学園常翔歴史館、大阪市立住まいのミュージアム)

 ……「片岡安の仕事と都市の文化」がテーマですが、近代建築好きには
 堪らない内容でした。近代絵画、橋、芸能文化など、他のネタもざっくざく。
『東洋+西洋=伊東忠太』(大阪市立住まいのミュージアム)
 ……副題が何しろ、「よみがえった西本願寺『伝道院』」ですからねえ。
 機会を作って、必ずや、忠太の「伝道院」を観に行きますよ。
梁石日『闇の子供たち』(幻冬舎文庫)
 ……再読でした。9月の「二人の読書会」テクスト。5~6月から、子供つながり?! 
ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』(新潮文庫)
 ……マイ・クラシック。昔は講談社文芸文庫の堀口大学・訳で読んでいました。
童門冬二『西郷隆盛 天が愛した男』(成美文庫)
丸屋九兵衛『丸屋九兵衛が選ぶ、2パックの決めゼリフ』
 (スペースシャワーネットワーク)

トゥパック・アマル・シャクール『ゲットーに咲くバラ 2パック詩集【新訳版】』
 (PARCO出版)……丸屋九兵衛・訳。文学的嗜好が被るのよねえ。
カズオ・イシグロ『充たされざる者』(ハヤカワepi文庫)
 ……『日の名残り』より、この作品や『わたしたちが孤児だったころ』が好みです。
団鬼六『伊藤晴雨物語』(河出文庫)……後の『外道の群れ』等の原型。
 伊藤晴雨本人は誤っていないのに、何故、鬼六は“SM”と混淆するのか? 
 サディズムの認識で、根本的に(あるいは意図的に)論旨をすり替えた観。
『虫を食べる植物展 完全攻略ガイド』(咲くやこの花館)
団鬼六『外道の群れ』(幻冬舎アウトロー文庫)
 ……「責め絵師・伊藤晴雨伝」を再読。なお、10月の「二人の読書会」テクスト。
江弘毅『K氏の大阪弁ブンガク論』(ミシマ社)
 ……以前から懸案の大阪文学について、また押さえておくべき作品の数が増え、
 面白いし、自分が好きでやっていることなんですけどねえ。時間が足りなくて。
『プーシキン美術館展~印象派の軌跡~』(三栄書房)
 ……今回の展覧会のテーマとは、微妙にずれています。
団鬼六『異形の宴』(幻冬舎アウトロー文庫)
 ……【責め絵師】伊藤晴雨奇伝。『外道の群れ』の続編。
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テーマ : 読書記録
ジャンル : 小説・文学

駅前第3ビルから

2018_09_30_台風24号 9月30日(日)、台風24号が上陸するしないで、
 休日出勤しても、事業所は落ち着かないまま、
 鉄道各社が運転を見合わせるのを受けて、
 欠勤者も多数続出。やれんなあ、と嘆きつつ、
 限られた人員で、黙々と業務を片していくしか
 ない訳でして。正午過ぎに屋外へ出ると、まだ
 雨は降っていませんでしたけれど、風は強く、
 空には嫌な感じの雲が飛びすさっていました。
 いつもは街路樹の高所に陣取っているはずの
鳩の集団が足元の植え込みに群がっていていて、何だか別の生き物のようで、心臓に
どきりと悪く、風に煽られるたび、一斉に飛び立って、少し離れた低地に降り立つ様を
目にして、台風の接近を実感しましたよ。
そう言えば、過日の台風上陸時は、警備員から2018_09_30_梅新第一生命ビル
制せられて上れなかった「大阪駅前第3ビル
最上階に上がろうと思い立ちます。“大阪駅前
ビル”は、第1ビルから第4ビルまであり、十把
一からげに考えてしまいがちとはいえ、実は
建物としての外観もばらばらで、最も高いのが
第3ビルとなります。昭和54年(1979)の竣工。
最頂部の高さが142m。ただ、(13階と)34階は
機械室であるため、一般人がエレベーターで
上がれる最上階は33階止まり。飲食店などが
入居しているフロアですが、台風の中、営業しているはずもなく、
がらんとした33階の窓から、東西の景色を眺めることが出来ました。
画像は駅前第3ビルの東側に当たりまして、「梅新第一生命ビル」、
梅田パシフィックビルディング」、「露天神社」が眼下に在ります。
密かにお気に入りの「ポン・ヌーボー ビル」は、この角度からでも厳しいか。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 建築

桂佐ん吉 独演会

2018_09_29_佐ん吉独演会 9月29日(土)14時開演、「桂佐ん吉 独演会」に行って
 きましたよ。会場は大阪市福島区の「ABCホール」。
 堂島リバーフォーラム等と併せて、“ほたるまち”の
 一角を成す施設ですね。台風24号(チャーミー)の接近に
 伴い、当日は雨でしたが、佐ん吉さん本人が“雨男
 らしいので、致し方なし。逆に、故・米朝師匠は強烈な
 晴れ男だったらしいですけれども。しかし、佐ん吉さんは
 このホールくらいのキャパがちょうど良い塩梅か、変に
 緊張することなく、リラックスして、のびのびと演じている
 ように感じられました。羽織の紐を忘れて、吉弥兄さんに
 借りていたのも愛嬌で、米朝一門だけは、無理にさもしく
 がつがつと笑いを取りに行かない、おっとりとした芸風の
ままで構わないのだがなあ。周囲に呑まれて荒れないよう、マイ・ペースでよいから。
終演後、出口で佐ん吉さんがお見送りがてら、画像撮影の要望にも応えていました。
ぼくは写真を撮られるのが大層苦手で、他人を撮影することすら恥ずかしくてねえ。
演目は以下のとおり。
       ☆
 桂弥太郎「寿限無」
 桂佐ん吉「いらち俥」
 桂吉弥「茶の湯」
 桂佐ん吉「肝つぶし」
  中入り
 桂佐ん吉「浮かれの屑より」

テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

tag : 落語

CHANDANY

ナンを食べたい!という声が、どこからともなく聞こえて2018_09_28_CHANDANY
きたので、9月28日(金)のランチ・タイムにインド料理
店を訪れました。大阪メトロ・御堂筋線の新大阪~梅田
間で下調べをしていたのですが、西中島南方に位置する
CHANDANY」に決定。新大阪に在る「PARIWAR
(パリワール)」は千里中央などにも在る支店と聞いて
興味が薄れ、中津の「SHALIMAR(シャリマール)」は
パキスタン系だけれど焦点が定まっていない感じだった
ため、手堅く、「チャンダニー」に落ち着き……出入り口
付近も狭苦しいですが、店内も廊下のようでした。料理は
インドだけでなく、ネパールの流儀も取り入れられている
せいか、本来、スパイシー度が低いものと思われます。
しかし、辛さのレベルはお好みで指定できる親切仕様。
ぼくはCランチ(1,050円)を注文。カレー2種はチキンと
キーマをセレクト。とにかく、ナンが馬鹿でかいのに、
ライスまで付いてきます。セットのプレーン・ナンはお代わり自由
なんて、太っ腹ですねえ。ついつい、お代わりしてしまいましたよ。
カレーもお代わり(100円)。対費用効果で考えれば、満足度強し。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : カレー

肥後橋ルート

2018_09_18_わすれな草 昼時に大阪市・肥後橋を訪れる機会があれば、
 必ず、頭に思い浮かぶランチ店の候補が2軒
 あって、どちらもカレーではあるのですけれども、
 「肥後橋南蛮亭」と「わすれな草」。南蛮亭は
 焼き鳥店ながらも、昼時分はオリジナリティ
 あふれるキーマ・カレーを提供していまして、
 刺激的な辛さに中毒してしまって数十年?! 
 「わすれな草」は立ち呑み店のランチ・メニュー。
 トマト・ベースで……と、以前も紹介済みでした。
今回は画像を上げておきます。いつかそのうち、
南蛮亭の方もアップロードしましょうかねえ。07_山根商店
       ☆
国立国際美術館」なり、何なりに向かうルートを
取る際も、肥後橋界隈は近代建築物がいくつかあって、
道中を飽きさせません。「山内ビル」の在る裏通りを
西へそぞろ歩くと、ふと足を立ち止めたくなる物件に
出喰わすはず――この「山根商店」については、
いろいろと資料に当たってみても、データが出揃わず、
調べた範囲だと、鉄筋コンクリート2階建て、地下1階。
建築年は昭和初期で、設計者不詳。特に奇を衒うでも
何でもなく、いつの間にか、ふっと現代まで来てしまった
という感じですし、現役として普通に使われているビル
ですから。じろじろと見物する方が気恥ずかしくなるようで、
極めて自然体で生きているのでした。張り切り過ぎない点に好感。

参考文献:『新装版 大大阪モダン建築』(青幻社)

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : カレー近代建築

筑前橋

2018_09_18_筑前橋 大阪市・中之島は北側の堂島川と南側の土佐堀川に
 挟まれている形ですから、中之島に架かる橋は、
 中之島を跨ぐ格好の(両方の川に架かる)「天神橋」や
 「難波橋」を例外として、自然といずれかの川に
 架かっていることになり、例えば「大江橋」と「淀屋橋」、
 「渡辺橋」と「肥後橋」のように、南北の一つながりで
 考えると、イメージしやすい橋があります。ぼくがよく
 行く「国立国際美術館」や「大阪市立科学館」の
 南岸に架かっているのが「筑前橋」で、そのまま北へ
 進めば、「田蓑橋」南詰です。「筑前橋」の名は、
 かつて筑前・黒田藩の蔵屋敷が付近に在ったことから。
 昭和7年(1932)に架け替えられた現在の橋は、
3径間の鋼鈑桁橋(ゲルバー桁)で、橋長69.0m、幅員14.6m。同じ通りの南北に
架かる橋ながら、横から見ると、田蓑橋と筑前橋は全く違った趣なのですよ。
       ☆
欄干の親柱に記された「筑前橋」の書体が2018_09_18_筑前橋_親柱
レトロで良いです。「昭和橋」と同時期? 
昭和橋の完成も昭和7年なのだけれど、
親柱の雰囲気が似ているようないないような
……ただ、“橋”の1字で明らかなように、
書体が明らかに別物。昭和橋の親柱の
橋名板のみ、後年、付け替えた可能性も
あるにせよ、もし、最初から個々の橋の
個性を鑑みた上で、この筑前橋の橋名板の
書体をセレクトしたのであれば、侮り難し。
筑前橋本体の印象が弱いのは否めませんが、
ロケーション(シーザー・ペリ!)や親柱の風情は上々。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag :

大阪弁ラクゴ論

9月25日(火)18時半に開演の落語会「大阪弁ラクゴ論」を
聴きに、「天満天神繁昌亭」までお出掛けしました。
毎月25日の夜席は、繁昌亭の敷地を提供してもらっている
大阪天満宮(大阪市北区)への感謝を込め、“天神寄席
と銘打ったテーマ落語会が開催されているのでした。
9月天神寄席のテーマは“大阪弁”。落語5席の他、中入り後の
鼎談で、編集集団「140B」取締役編集責任者の江弘毅さん、
大阪大学招聘教授・高島幸次、桂春團治(上方落語協会相談役)が、
江さんの近著『K氏の大阪弁ブンガク論』を軸に、ディスカッション。
江さんの場合、正確には“泉州弁”……まあ、一体に“標準語”
なるものが存在しないように、一枚岩としての“大阪弁”も
存在しない訳でして。開演前、まだ売り場も拵えていない状態で、
江さんとスタッフに声を掛け、出来たての本を購入しましたよ。
大昔、印刷所勤めしていた時代に、上司(?)の I さんから、
江さんの話を面白おかしく聴かされていたため、古くから知っている
ような錯覚。別件で、「140B」事務所も、訪問したことがあるのよね。
落語の方は何かしら詰め込み過ぎの感もあるけど、お腹いっぱい。
深夜から江さんの本を開きつつ、また、読まなければいけない
小説のリストが増えてしまうなあ、と悲鳴を上げるのでした……。
当日のプログラムは以下のとおり。
       ☆
 桂紋四郎「金明竹」
 桂雀喜「帰り俥」
 笑福亭生喬「仔猫」
 桂坊枝「天王寺詣」
  中入り
 鼎談「K氏の文学と落語」=桂春團治/高島幸次/江弘毅
 月亭八方「宿屋仇」

テーマ : 落語
ジャンル : お笑い

tag : 落語小説

サンミー

9月24日(月)は、「秋分の日」の振替休日。2018_09_24_サンミー
ぼくには盆も正月も何も無いので、相変わらず、
お仕事でしたが。前日までの繁忙を抜けた
模様とはいえ、気は抜けず、事業所を抜けて
一旦エスケープ。大阪駅前第4ビルの自販機で
刑事飯”(パンと缶コーヒーのセット)を調達。
そこで目にしたのが、「神戸屋」の「サンミー
でした。関西のローカル食品だと知ったのは、
野瀬泰申さんの文章によってだったかも。
神戸パンが創業100周年を記念して発売
されたのが、「復刻サンミー」。ホンダン(=クリーム)、チョコレート、
オレンジ・マーマレードという3つの味わい、三味が楽しめるデニッシュ
だから、「サンミー」だったとか。サンミー自体の発売は1963年頃? 

参考記事:関西のソウルパン サンミー

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : おやつ

京の旧邸の美(3)

2018_09_21_長楽館 今回、「大雲院 祇園閣」を再訪した時の驚きは、バスの
 駐車場が異なっていたこと。前回は「高台寺」から北上
 するルート。今年が「知恩院」の前で降りて、南下する
 ルートでして、昔からお花見などで馴染みのある「円山
 公園
」を横切って行った訳です……祇園閣が円山公園と
 そう遠く離れていなかったことに、不意を打たれたような
 気分でしたよ(乱歩の『一寸法師』にもあったかなあ)。
 さらに、「京の旧邸の美を訪ねて」コースのラストとなる
 「長楽館」が、円山公園内で見慣れた洋館だったことも
 ちょっと、肩透かしというか、目から鱗というか。“明治の
 たばこ王
”、村井吉兵衛が明治42年(1909)に建築。
 「長楽館」とは、伊藤博文が宿泊した折に命名したとか。
米国人技師、J・M・ガーディナーの設計。1~2階がロココ様式が基調なのに対して、
3階は書院造り風の和室。その「御成の間」が特別公開だったようです。バカラ社製の
シャンデリア、花頭窓(屋外からは通常の四角い窓に見えます)なども目を引きますが、バス・
ガイド嬢も押していた折上格天井(ごうてんじょう)に注目でしょう。格式の高い部屋の
天井仕上がりなので、今後、寺社や城を見物の際は、天井にも気を配らなければ…
…とりあえず、玄関の門柱がイオニア式であることを視認して、心を静めるのでした。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

京の旧邸の美(2)

わはははは。今回の「京の夏の旅」は、目ぼしい近代2018_09_21_大雲院_祇園閣
建築も公開されていないし、スルーしてもよいかな、と
弱気になりつつあったのですが、やっぱり、ぼくは
伊東忠太が気に入っているのだなあ。建築家にして
建築史家
……いいじゃないですか。旅の目的は、
忠太の作品、「大雲院 祇園閣」との再会なのでした。
前回、学んでいたとおり、ガイドの話は長過ぎます。
既知のネタばかりなので、他のツアー客を差し置いて、
「祇園閣(=銅閣)」に先乗りして、閣上からの展望を
束の間ながら、独り占めするのでした。祇園閣内部は
撮影不可なのが残念ですが、あちこちに出現する
妖怪好きの忠太の意匠を愛でる訳です。祇園閣を
除いても、「大雲院」は織田信長・信忠の菩提寺で
あることから、触れておきたい物は多々ありますけれど。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 近代建築

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
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