プーシキン

美術館展」を観に出掛けました。祝日の翌日でしたが、
開館していることは確認済み。「エルミタージュ美術館」
と並ぶロシアの二大美術館のひとつです。セルゲイ・
シチューキンやイワン・モロゾフなど、個人コレクターの
収集品から形成され、近代フランス絵画の珠玉が揃って
いるそうです……それだけ聞いても、何、それ?と、
焦点が合わない気がして、そもそも、美術館名の基たる
プーシキンが、どうもそぐわない気がするのですよねえ。
ともあれ、散漫とした印象を払拭するべく、今回は同館が
所蔵する17~20世紀の風景画65点の展覧が行われて
いました。個々の作品は悪くないですよ。副題に「旅する
フランス風景画」と掲げてあるように、描かれた時代および場所を軸にして、フランス
近代風景画の流れを見せようと努めていまして、学芸員さんらの力技です。それでも
“風景画”というぼんやりとした括りで、印象派の大家らの作品を一同に並べるのは
正直、しんどいなあ、と感じざるを得ず。百花繚乱というより、総花的な展覧会に
見えました。若き日のモネの「草上の昼食」も清新ではあれ、サイド・ストーリーの
観が強く……いっそ、風景画という縛りを離れ、廃墟の画家、ユベール・ロベールの
「水に囲まれた神殿」、「ついに開いた牢屋から(春の祭日)」に目を遊ばせたり、
単なる橋好きとして、アルベール・マルケの「パリのサン=ミシェル橋」、「冬のパリ、
サン=ミシェル橋の眺め」に目を細めたりしている方が、愉しいですよ。
よく言えば、親しみやすく、誰でもどれかしら自分好みの作品に出会えるはずですし
(逆を言えば、これ!という決め手に欠けているような もやもや感を覚えるとはいえ)。
☆
地下3階から地下2階に上がると、「コレクション1:2014→1890」も開催中で、
どこかしらで目に触れたことのある作品と再会できて、ちょっと、懐かしかったです。
吉原治良や山田正亮、森村泰昌先生のほか、マン・レイ、ピカソ、セザンヌ……etc.
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術