京の旧邸の美(3)

駐車場が異なっていたこと。前回は「高台寺」から北上
するルート。今年が「知恩院」の前で降りて、南下する
ルートでして、昔からお花見などで馴染みのある「円山
公園」を横切って行った訳です……祇園閣が円山公園と
そう遠く離れていなかったことに、不意を打たれたような
気分でしたよ(乱歩の『一寸法師』にもあったかなあ)。
さらに、「京の旧邸の美を訪ねて」コースのラストとなる
「長楽館」が、円山公園内で見慣れた洋館だったことも
ちょっと、肩透かしというか、目から鱗というか。“明治の
たばこ王”、村井吉兵衛が明治42年(1909)に建築。
「長楽館」とは、伊藤博文が宿泊した折に命名したとか。
米国人技師、J・M・ガーディナーの設計。1~2階がロココ様式が基調なのに対して、
3階は書院造り風の和室。その「御成の間」が特別公開だったようです。バカラ社製の
シャンデリア、花頭窓(屋外からは通常の四角い窓に見えます)なども目を引きますが、バス・
ガイド嬢も押していた折上格天井(ごうてんじょう)に注目でしょう。格式の高い部屋の
天井仕上がりなので、今後、寺社や城を見物の際は、天井にも気を配らなければ…
…とりあえず、玄関の門柱がイオニア式であることを視認して、心を静めるのでした。
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tag : 近代建築