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夫婦橋(1)

2019_01_20_夫婦橋_1 大阪市北区の天神橋筋商店街、住所で
 言えば、天神橋3丁目と4丁目の間に架かって
 いる(?)のが、「夫婦橋(めをとばし)」ですよ。
 「心斎橋」などと同様、既に川もなく、名称だけ
 残っているパターンかと思いきや、ちゃんと
 欄干、親柱風の物が設けられて、“橋”らしさも
 アピールできているのでした。上画像の右手に
 「宮本むなし」が見えていますが、数年前は
 治兵衛」天神橋店でしたねえ……天神橋筋
商店街、飲食店の入れ替わりは激しいです。高架上を走っているのが、阪神高速12号
守口線で、下の平面道路が旧“天満堀川”。
       ☆2019_01_20_夫婦橋_2
天満堀川はまず、慶長3年(1598)、現在の
菅原町から扇町にかけて南北に開削。その後、
大塩平八郎の乱(1837)の思わぬ余波から
天保9年(1838)、扇町から北東に延伸する
形でさらに開削。大川につながっていた堀川の
上流側に架けられたのが「夫婦橋」で、延伸
前には“夫婦池”という名の池が在ったとのこと。
謂れを読むと、上田秋成の「浅茅が宿」にも
通底する物語設定ですか。立派な橋梁顕彰碑も
設置されているとはいえ、ホームレスの休憩所に
なりかねないところが、何とも……やれんなあ。

参考記事:大阪市-夫婦橋

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡小説

鶍の嘴の

2019_01_20_「スタンドコロッケ」 「第3回 文学フリマ京都」当日なのですが、
 どうしたものか、読み物、書き物、調べ物に
 手を取られ、一歩も部屋を出ぬ間に、日も
 とっぷりと暮れていましたとさ。鶍(いすか)
 嘴(はし)の食い違いも大概にしないとなあ。
 そうは思えど、同人に連絡を取るでもなく、
 大阪・天満から曽根崎までほっつき歩き、
 「お初天神ビル」1F、「スタンドコロッケ」に
 入り、独り立ち呑み。前身は「BAR MAR」と
いうフレンチ店で、ランチ・タイムにカレーを食した記憶あり。メニューを見ると、やはり
フレンチっぽさは色濃く残り、そこに加えて、和食や鉄板焼きがあるものだから、
オール・ラウンドに攻めてきた観。千円セットはドリンクの他、2品が選べる3タイプ。
名物コロッケとおでんのCセットにしたところ、コロッケも様々なテイストが用意され、
小じゃれたムードを演出してくるのですが、どうにも空回りしている印象は否めず。
赤センもラム・タン炙りも旨いのに、突き抜けてはこず、「黒霧島」3杯に留めました。
個々の料理はセンスも良くて、品の良い味だと
思わされる傍ら、“バル”の猥雑さに欠けるかも。2019_01_20_「揚子江ラーメン_林記」
       ☆
もう1軒、行きましょう。「揚子江ラーメン 林記
(兎我野町の店舗でなく、「林記」お初天神店
が焼き鳥店としても営業を始めている風なのは
以前から見て知っていましたが、如何なものか、
入店してチェック。焼き鳥ばかりか、中華、韓国
料理の一品なども、お品書きに散見されました。
焼き鳥の盛り合わせも、中華料理の数皿も
それなりに美味しくはあったのですけれど、
総花的なメニューは要らんなあ、というのが本音。
何よりも肝腎の、締めに頼んだラーメンのスープが
ぬるかったのは致命傷。せっかく、菊菜も使っていたのにねえ。
「揚子江ラーメン」の暖簾分けは、どういう基準なのかしら。

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑むおでんラーメン同人

BUILCO

2019_01_11_BUILCO 橋や「近代建築」物件に目は無いぼくですが、
 “三角ビル”と呼べばよいのか、建物の角が
 鋭角を成しているビルも好物です。鋭ければ
 鋭いだけ、好きになってしまいそう。いつの間にやら
 知らず知らず、画像フォルダに“三角ビル”物件が
 溜まっていたりもしますしねえ。JR梅田貨物線の
 地下化の結果、どうなってしまうのか、密かに心配
 しているのが、「能勢街道架道橋」の北側に位置
 する「BUILCO」(大阪市北区中津3-7-3)。
 画像(1月11日撮影分)は東側から見た図になりますが、
 中津駅の側(南方)に対して半円形に膨らんでおり、
 “純粋三角ビル”とは呼べません。言わば、直方体に
半円形の出っ張りと、鋭角部分を接合した格好で、どこからどう眺めるかによって
印象が全く異なります。地上8階、地下1階の鉄筋コンクリート造り、1992年竣工。
 

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 建築建物

文楽始め

2019_01_18_国立文楽劇場_1 1月18日(火)、ようやく今年の「初春文楽
 公演
」に足を運べました。1月3日からの
 公演で、本当は丸一日を充てたいところ
 でしたが、空席が見つからず、この日は
 第1部のみ。1階ロビーで、新春恒例の
 正月飾り“にらみ鯛”とにらめっこ。干支の
 「」の揮毫は、「壺阪寺」の常盤勝範
 (住職なので「師」の方が正解でしょうが)。
 1階の食堂はまだ休業中。2階の方の弁当
売り場は復活していたのですけど、するが焼 が無い……お酒もカップ酒のみで、
蓋が閉められないので、客席に持ち込めない。ちょっと、裏切られたような気分。
       ☆
国立文楽劇場には何度も来ていますが、開演2019_01_18_国立文楽劇場_2
15分前の「幕開き三番叟」を観たのは初めて
かもしれません。次は、きちんと見届けよう。
11時の開演で、まずは「二人禿(かむろ)」。
以前、「文楽鑑賞教室」で聴いた時は、季外れ
と思ったものですが、今回はジャスト感。
続いて、「伽羅(めいぼく)先代萩」竹の間の段/
御殿の段/政岡忠義の段。大谷崎が痛罵
するに違いない女傑キャラ、政岡を堪能する
だけの演目と極言できるかもしれませんねえ。
八汐の憎々しげなヒールぶりは、ただただ天晴れ。
典薬・大場道益の妻・小巻は、もう少し、何とか
出来なかったのか? 千松の殺害に至るまでに
止められただろうに……と考えるのですが、そこは浄瑠璃。
不自然で、晦渋な筋を受け容れるしかありません。
「伽羅先代萩」の半ばで30分休憩。ぼくは劇場の外に出て、
「えびす亭」のカウンターでカルビ丼を食しました。肉大盛り。
       ☆
壺坂観音霊験記」は、非常に慣れ親しんだ演目です。
昨秋の「中之島文楽」、年末の「公演記録鑑賞会」でも
馴染んできたので、ぐっとリラックスして、土佐町松原の段/
沢市内より山の段を聴きました。超絶ハッピー・エンドが良し。
しかし、「女殺油地獄」を持ち出すまでもなく、八汐の千松殺し、
お里・沢市の身投げなど…人形だからこそ、かえって、血なまぐさく
残酷な世界を鼻先に突き付けられるようで、心肝を寒からしめられます。
なお、「伽羅先代萩」政岡忠義の段を語る予定だった豊竹咲太夫が
急病で、代わりに竹本織太夫が務めました。織太夫は竹の間の段も
語っています。もの凄い勢いを感じますよ。「壺坂観音霊験記」沢市
内より山の段の豊竹靖太夫も休演。代演は豊竹芳穂太夫でした。

テーマ : 伝統芸能
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 文楽

新戎橋

2019_01_15_新戎橋 「戎橋の次が道頓堀橋、その次が新戎橋
 それから大黒橋深里橋や。ほんでから
 住吉橋に西道頓堀橋、幸橋となるんや
 けど、その辺の橋に立って道頓堀を
 ながめてると、人間にとっていったい何が
 大望で、何が小望かが判ってくるなァ」

       ☆
 道頓堀の南側、心斎橋筋を西に渡ってすぐの
 橋が「新戎橋」。「戎橋(=ひっかけ橋)」
ほどのメジャー感がなく、実用オンリーの桁橋にしか見えない気もしてしまうのです。
南詰の東側には「出世地蔵尊」も祀られているのに。橋長39.75m、幅員6.96m。
元を辿れば明治年間の“新蛭子橋”。現在の橋は昭和38年(1963)の架橋。
道頓堀川水辺整備事業に併せて、平成20年(2008)に改修を終えています。
歩道部分は白御影石。先代の橋の高欄に揃えて朱色で、そのパネル部分には
和紙をガラスで挟み込んでいるそうですが、土地柄でしょうか、変に安っぽく映り、
工事現場のガード・フェンスのような落ち着かなさを覚えます。惜しいですねえ。

参考文献:宮元輝『道頓堀川』(新潮文庫)

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 小説

SEX MACHINE

肉喰いの食欲を満たしてくれるだけでなく、2019_01_15_SEX_MACHINE_01
心身を震わせてくれる音楽が流れている空間
……非の打ち所が無いではありませんか! 
そんな素敵なお店へ学生時代に通い、さらに
現役で営業していることも近年、知りまして、
また、行きたいなあ、とは考えていたのでした。
大阪・ミナミの、その名も「SEX MACHINE」は
昭和63年(1988)の創業。店名はもちろん、
James Brown の曲名から。ファンク好きには
常識ですけど、一般人はお店の名前だけで、
ぎょっとしてしまうのかなあ? その辺りはよくわかりません。
道頓堀沿いの猥雑な地域に在りますしねえ。わははは。
立地は昔と変わらないように思いますが、以前は2階でなかったかしら。
2019_01_15_SEX_MACHINE_02 エレベーターで出入りしたような、うっすらとした記憶。
 テーブル席の足元に玉砂利が敷かれていて、
 JBのファンク・メドレーで、足がむずむずと動いて、
 じゃりじゃりと楽しかった思い出……Get on up!
 現在の店舗は1階。窓際の席に座ると、道頓堀や
 「新戎橋」が目に入ります。かつては、真っ黒な
 “ソウル・バー”で焼き肉を味わうというイメージでした
 が、現在は小綺麗なキッチン。JBのマスコット人形、
 レコード盤やジャケット類も、幾分、控えめに映ります。
 BGMも、JB曲は当然挟まれるんですけど、全体的に
 1980年代的なブラコン風でもあり、ごりごりのファンク、
 オン・パレードではなくなっていました。マスターが
お年を召されたのか、時代に迎合してのマイルド仕様なのか……。
(梅田の某ファンク・バーも、往年の毒気を失っていたことを思い出します)
ところが、驚くべきことに、音楽への愛が肉料理の方へ内攻していたようで、
単に豪快なだけの焼き肉の域を超え、独創的な焼き肉レシピの数々に驚嘆。
肉質が優れているとか、たれの旨さで喰わせるとかいったレベルでなく、
個々の部位で味付け、ソースを変えてくる小技が効いているのでした。
特選マシーン・セットは、ガーリック・バターで頂くミスジに唸り、
ダイナマイト・ロースでにんまり。口直しのじゃこねぎサラダも良い感じ。
それに、気まぐれホルモン4色盛りや、ゲタ・カルビなどを合わせていけば、極楽。
灼熱の魂はぐっと抑えて、じっくりと、良い肉を一層美味しく食べさせる一手間。
若かりし日のぼくならば、JBメドレーのボリュームを上げるようにリクエストした
だろうなあ……しませんけれど。夜はまだ来ないから。Stay on the scene!

テーマ : ご当地グルメ
ジャンル : グルメ

tag : 呑む黒い音

祐三と良平

1月15日(火)、大阪市浪速区湊町の「ホテルモントレ 
グラスミア大阪」の22階に入っている「山王美術館」にお出掛け。
「秋・冬季コレクション展 2018」が開催中となりまして、
佐伯祐三・小磯良平展」――両者ともに馴染み深い画家です。
佐伯祐三(1898~1928)は大阪市出身、小磯良平(1903~1988)は
神戸市出身で、前者が没後90年、後者が没後30年。
反アカデミック(それ自体、アカデミックなものへの囚われとはいえ)な祐三と、
アカデミックな存在を体現した良平を並べて観るのも面白いです。
佐伯祐三は先日、大阪市北区中津の生地「光徳寺」を訪ね損ねてしまったなあ。
彼の描くパリ、その他の街の風景に、人の匂いが感じられない点は
ぼく好みであったりします。対して、小磯良平は人物画のデッサンで
伸びやかな安心感を与えてくれます。“学校の先生の絵”という印象が強くて、
食い足りなさを感じる時期もありますが、常に荒ぶっているのも、しんどいですし。
祐三の「オプセルヴァトワール附近」「新橋風景」、良平の「西洋人形」などの
ポスト・カードを手土産にして、ホテルのエレベーターを降りるのでした。
       ☆
今回展示されていた訳ではないですが、「大阪中之島美術館」コレクションの
佐伯祐三「郵便配達夫」のことを考えていると、いつの間にか、
ゴッホの「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」の方に
連想がすり替わってしまうのですねえ。どうしたものかしら? 

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 美術

樋口架道橋

2019_01_11_樋口架道橋1 JR梅田貨物線は、JR京都線と並走して淀川を
 渡り、大阪市北区に至るのですが、ちょうど
 貨物線と京都線が離れていく辺り、大阪市北区
 本庄西3丁目と豊崎6丁目の間に在るのが、
 「樋口架道橋」です。架道橋? どう見たって
 トンネルではないか?と思われるでしょうが、
 確かに、トンネルでもありますね。明治10年
 (1877)、京都~大阪間が開通された時に
 造られており、当時の煉瓦が現在も残って
いるのでした……随分と補強されていますけれども。本庄公園の側から眺めると、
半円形のトンネルの入り口なのですが、内部で折れ曲がっています。豊崎側の
出口の方は四角くなっており、なるほど、こっち
(=JR梅田貨物線の方)は架道橋だよねえ、と2019_01_11_樋口架道橋2
納得させられること、しきり。夜間に女の子が
独りで通る分には怖いかもしれませんが、
味があって、何とも良いロケーションです。
       ☆
ところで最近、架道橋に嵌まり過ぎたせいか、
トンネル(=隧道)”のことがよく思い出せなく
なってきたので、Wikipedia で確認……
断面の高さあるいは幅に比べて軸方向に
細長い地下空間
」という定義は、直感的に理解しやすいです。
(逆に橋の場合、桁の長さを幅が上回っていると、収まりが悪いように感じます)
また、1970年のOECDトンネル会議の定義では、「計画された位置に
所定の断面寸法をもって設けられた地下構造物で、その施工法は
問わないが、仕上がり断面積が2平方メートル以上の物
」とされています。
2平方メートルは何を想定しているのでしょう。人体の断面積でしょうか? 
加えて、「日本トンネル技術協会」では、仕上がり断面の直径が
0.8m以上の地中の管路も、トンネルとして扱っているようです。
地中もしくは地下に在り、入り口と出口を持つ細長い空間、としましょう。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : トンネル

中津町架道橋

2019_01_11_中津町架道橋 JR梅田貨物線の地下化に伴い、近いうちに
 姿を消してしまう大阪市・中津の架道橋
 ついて、機会を見つけては、画像に収めて
 きました。掲載した「中津町架道橋」は、
 「豊崎第6架道橋」と「能勢街道架道橋」の
 間に位置しています。豊崎第6架道橋と同じ
 桁下1.4mのはずですが、より一層、低く
 感じられるのでした。周辺では、特に これと
 いった物件は見当たりませんが、JR線沿いに
西進していくと、能勢街道に面して建つ特徴的な物件「BUILCO」が見えてきます。

テーマ : 建築
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 建築

富島神社

2019_01_11_富島神社_御神木 大阪市・中津の「能勢街道架道橋」を潜り、
 ずっと北上していくと、「カンテ・グランデ」に
 逢着します。カレー激戦区の中津ですが、
 ランチ・タイムに出遅れて、臍を噛んでしまい
 そうな時には、カンテで決まり。旨いカレーも
 あれば、カフェ使いも出来ますし。その日(1月
 11日)
はタンドリー定食に、ゴータマ・ショコラを
 頂きました。カンテの東側に、「富島神社
 (北区中津2丁目5-10)が位置しています。
主神は速素盞嗚尊(はやすさのおのみこと)……ですが、明治元年の神仏習合禁令の
前までは、“牛頭天王社”だった模様。御神木
楠が良い感じ。でも、巨木・大木好きからすれば、2019_01_11_富島神社_菅原道真公
もう一声欲しいところかなあ。ぼくとしても、他の
神社の記憶へ誘われてしまいそうになり……。
えべっさんはいませんでしたが、境内末社として
美津社、稲荷社が在り。小さいながらも、菅原
道真公
も祀られており、そうなりますと、やはり
の像も安置されているのでした。角が欠ける
などして、少し、痛々しかったですけれどもね。
実は、近距離にある佐伯祐三の生誕地も
訪ねたかったところですが、探し当てられず。
道路に面しておらず、敷地の奥まった所に碑が建っているようです。

テーマ : 神社仏閣
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 史跡カレー樹木

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
フードビジネス・コンサルタント
(自称)。
好きな言葉は「ごちそうさま」。

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