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折々の大豆(4)

大豆の歌を2首、『角川 短歌 6月号 2018』から引きましょう。
       ☆
古泉(こいずみ)千樫(ちかし)
朝早み大き竈(かまど)に焚きつけて味噌豆を煮るその味噌豆を
       ☆
形容詞の語幹に付いた接尾語「み」で、原因・理由を表す用例。
朝が早いので。「味噌豆」は、特に「豆味噌」のことでもないだろうし、
味噌味の豆料理のことでもなく、大豆の別名と考えてよいと思います。
一晩漬けておいた大豆を朝早くから、家人の好みで煮るのでしょう。
古泉千樫(1886~1927)は伊藤左千夫に師事した「アララギ」同人編集者。
       ☆
武藤佐枝子『マルテニツァを襟に』
地の豆と日本産かうじ馴染み来て幾年経ちぬ手作り味噌に
       ☆
異国に住まうと、故国の食材などを調達するのに苦労します。
外国で間に合わせる調味料が、口に合わない紛い物であることもしばしば。
そうなると味噌も、うろ覚えの記憶から、見様見真似でDIY。
大豆や塩は現地産に目を瞑るとして、麹だけは日本産を得るしかなかったか。
書名に見える「マルテニツァ」ですが、白と赤色の糸を織り交ぜて作られた
春のお守りで、ブルガリアの伝統行事。作者はブルガリア在住のようです。
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テーマ : 短歌
ジャンル : 小説・文学

tag : 短歌大豆調味料

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歌わない詩人、喰えない物書き。
たまに「考える人」、歴史探偵。
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