文楽始め

公演」に足を運べました。1月3日からの
公演で、本当は丸一日を充てたいところ
でしたが、空席が見つからず、この日は
第1部のみ。1階ロビーで、新春恒例の
正月飾り“にらみ鯛”とにらめっこ。干支の
「亥」の揮毫は、「壺阪寺」の常盤勝範氏
(住職なので「師」の方が正解でしょうが)。
1階の食堂はまだ休業中。2階の方の弁当
売り場は復活していたのですけど、するが焼 が無い……お酒もカップ酒のみで、
蓋が閉められないので、客席に持ち込めない。ちょっと、裏切られたような気分。
☆
国立文楽劇場には何度も来ていますが、開演

15分前の「幕開き三番叟」を観たのは初めて
かもしれません。次は、きちんと見届けよう。
11時の開演で、まずは「二人禿(かむろ)」。
以前、「文楽鑑賞教室」で聴いた時は、季外れ
と思ったものですが、今回はジャスト感。
続いて、「伽羅(めいぼく)先代萩」竹の間の段/
御殿の段/政岡忠義の段。大谷崎が痛罵
するに違いない女傑キャラ、政岡を堪能する
だけの演目と極言できるかもしれませんねえ。
八汐の憎々しげなヒールぶりは、ただただ天晴れ。
典薬・大場道益の妻・小巻は、もう少し、何とか
出来なかったのか? 千松の殺害に至るまでに
止められただろうに……と考えるのですが、そこは浄瑠璃。
不自然で、晦渋な筋を受け容れるしかありません。
「伽羅先代萩」の半ばで30分休憩。ぼくは劇場の外に出て、
「えびす亭」のカウンターでカルビ丼を食しました。肉大盛り。
☆
「壺坂観音霊験記」は、非常に慣れ親しんだ演目です。
昨秋の「中之島文楽」、年末の「公演記録鑑賞会」でも
馴染んできたので、ぐっとリラックスして、土佐町松原の段/
沢市内より山の段を聴きました。超絶ハッピー・エンドが良し。
しかし、「女殺油地獄」を持ち出すまでもなく、八汐の千松殺し、
お里・沢市の身投げなど…人形だからこそ、かえって、血なまぐさく
残酷な世界を鼻先に突き付けられるようで、心肝を寒からしめられます。
なお、「伽羅先代萩」政岡忠義の段を語る予定だった豊竹咲太夫が
急病で、代わりに竹本織太夫が務めました。織太夫は竹の間の段も
語っています。もの凄い勢いを感じますよ。「壺坂観音霊験記」沢市
内より山の段の豊竹靖太夫も休演。代演は豊竹芳穂太夫でした。
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